ハイスクールD×D~スペードの切り札~   作:保志白金

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エクスカリバー編フィナーレ!


白龍「顕現」

「フハハハハハハ!おもしろい、おもしろいぞ!人間!」

 

コカビエル嬉しそうに笑っている。あの堕天使は戦うことに喜びでも感じているのか!

 

〈サンダー〉

 

〈ラッシュ〉

 

〈ライトニングスティング〉

 

「これならどうだっ!」

 

雷纏った強烈な刺突を放つが、奴は手を前に構えて受け止めた。ブレイラウザーはコカビエルの左手に深々と突き刺さったが、あまり気にしていない様子。

 

「ハッ、もっとだ。まだ足りんぞ!」

 

密着した状態で光の槍を創りだし、襲いかかってくる。俺はすぐさま刺さったブレイラウザーを抜き、一時、距離をとる。

 

『戦争がホントに好きなんだね。さすが数千年生きてる堕天使の幹部さんだ。頭がおかしくなるのは当然なんだろうねぇ』

 

明らかにバカにした態度で鍠は感想を述べた。たしかに、頭のネジは数本飛んでるだろうな。

 

俺とコカビエルが斬り結んでいた数分の間に、木場の方の戦闘は決していた。木場がエクスカリバーをついに砕き、フリードを斬り払っていた。

 

「せ、聖魔剣だと?そんなものが存在できるはずがないのだ……」

 

バルパーは木場が創りだした新たな剣に驚いた、そんな表情を見せていた。木場がバルパーに剣を向けて、走り出した。

 

「そうか!そういうことか!聖と魔、それぞれをつかさどる存在のバランスが大きく崩れているということならすべてのつじつまが合う!つまり、魔王だけでなく、神も先の大戦で既に死んでいたのか!」

 

その言葉が終えるとほぼ同時に、木場が奴を真っ二つに両断した。

 

神が死んでいたとはどういうことなんだ?コカビエルを除いた、ここにいる全員が困惑した表情をしている。特にアーシアとゼノヴィアに関しては、その場でへたりこんでいる。信仰者にとってはそれほどショックなことはないだろう。

 

「………どういうことなんだ?」

 

イッセーがそうつぶやく。それを聞いていたのか、コカビエルは答えるのだった。

 

「そうか、お前達は知らなくて当然だろう。神の死など誰に言える?人間は神がいなければ心の均衡と定めた法も機能しない不完全な者の集まりだぞ?我ら堕天使や悪魔でさえも下の輩に教えるわけにはいかなかった」

 

全員が言葉を失っている中、コカビエルは言葉を続けた。

 

「戦後に残ったのは、もはや疲弊状態の度合いを越えた3大勢力の面々だった。どこの勢力も人間を頼らねば種の存続ができない状況に陥ったのだ。そして、天使と堕天使は人間と交わらねば残せない。特に純粋な天使は神を失った今では増えることすらできない。悪魔も純血種が希少なのだろう?」

 

得意気に説明をべらべらと並べていく。俺はしびれを切らし、奴に向かって飛翔していった。

 

\キィン!/

 

突然の攻撃だったにも関わらず、難なく防がれた。

 

「ちっ!」

 

思わず舌打ちをしてしまう。

 

「フン、正直に言えば、もはや大きな戦争など故意にでも起こそうとしない限りは再び起きない。お互い争い合う大元である神と魔王が死んだ以上、戦争を続けるのは無意味だと判断しやがったんだ」

 

「平和のなにが悪いってんだよ!」

 

「貴様になにがわかる!耐え難いんだよ!一度振り上げた拳を収めるだと?ふざけるなぁ!あのまま継続してれば、俺達は勝ってたんだ!それをアザゼルはッ!人間の神器所有者を招き入れねば生きていけぬ堕天使どもなぞ、そんなものに価値は無い!」

 

強くそう語り、俺をはじき飛ばした。奴の顔は憤怒に満ちていた。

 

それでも、俺は空中で体勢を整えてカードデッキを展開する。

 

「そうか、でもなお前みたいな考え方の輩の方こそ生きる価値なんてものはないんだよ!」

 

〈サンダー〉

 

「黙れぇ!だから、これを機に戦争を起こしてやる!お前達の首を土産に!俺だけでもあのときの続きをしてやる!」

 

〈スラッシュ〉

 

「サーゼクスにもミカエルにも見せつけてやる!我ら堕天使こそが最強だということを!」

 

〈ライトニングスラッシュ〉

 

「言いたいことはそれだけか?」

 

俺は一瞬にしてコカビエルの背後をとり、ブレイラウザーを上から一気に降り下ろした。奴もそれに反応して避けようとした。

 

「はぁぁぁぁぁっ!」

 

\ズバァァッ!/

 

しかし、それは間に合うはずもなく黒い翼を5本斬り落とした。

 

「お、俺の羽がっ!貴様ぁ!」

 

翼を斬り落としたことにそんなに怒り狂うのか?さっき手を貫いた時は余裕ぶってたのに。

 

それで冷静さを無くしたのか、コカビエルが直線的に突っ込んでくる。そんな攻撃は簡単にいなせた。先程の力強さは感じられない斬戟だった。

 

『ハッ、さっきの一撃で余裕が無くなるとは。所詮程度の知れた敵だったか』

 

麟がつまらなそうに嘆息した。

 

「おのれ!」

 

再び同じ軌跡をたどるように同じ剣戟を放ってくる。

 

それを今度は寸分のところでかわし、一枚のラウズカードを取り出す。

 

〈マッハ〉

 

読み込み終えると、さっきの倍以上のスピードで飛び回り、コカビエルの体を縦横無尽に斬り裂いていく。初めの方は反応できていたが、10振り目あたりから当たり始めて、20回ぐらい斬った辺りでは奴の翼は一枚だけになっていた。

 

そして、最後の一枚を切断すると地面に急降下していった。

 

『地面に落ちた堕天使。アハハ、これは傑作だねぇ』

 

「……バ、バカな……。こんなはずでは……」

 

それでも、奴は立ち上がってくる。

 

「俺が……負けるはずなど……ないのだぁぁ!」

 

ここまで来るとかわいそうに思えてくる。……が、戦争を起こそうとした堕天使の幹部だ。こいつは今ここで消す。

 

〈エボリューションキング〉

 

黄金に輝くキングフォームに姿を変えて、コカビエルに向かい歩いていく。そして、近付いたところで右ストレートを体のど真ん中に打ち込んだ。

 

「ぐはぁッ!」

 

後ろに偶然あった大木にぶつかり、そのまま動きが止まる。

 

「これで決まりだ!」

 

右手を天に掲げて、そこに金色のギルドラウズカードが集まっていく。

 

〈スペードテン、ジャック、クイーン、キング、エース〉

 

〈ロイヤルストレートフラッシュ〉

 

「ハァァァァ!」

 

高速ラウズが完了し、俺がキングラウザーを両手持ちで構える。すると、それぞれ違う紋章が描かれた5枚の光の壁が目の前に連続して現れた。

 

「ウェェェェェェェイ!」

 

キングラウザーを振り抜き、一筋の光線を撃ち出した。しかし、白色の飛行物体が凄まじいスピードで、横からコカビエルをかっさらっていった。そして、それは俺に話しかけてきた。

 

「俺の仕事を奪ってもらっては困る。こいつを生かして、連れて帰るようにアザゼルに言われてるんだ」

 

アザゼルって堕天使のトップだろ?じゃあ、こいつはコカビエルを助けに来たのか!俺は警戒して即戦闘体勢をとるが、

 

「おい、俺はこんな雑魚の仲間でもなければ、助ける気もさらさら無い。ただこいつを連行しに来ただけだ」

 

白い鎧を纏った男はそう言った。しかし、この鎧はイッセーのあの籠手に似た意匠をしている。そんな印象を持った。

 

「しかし、今の攻撃はとんでもない威力だ。こいつがマトモにくらっていたら、塵ひとつ残らなかっただろうな」

 

既に気絶しているコカビエルを指さし、そう言った。

 

「ところで、アンタは誰だよ?」

 

ふと、素朴な疑問をぶつけてみた。

 

「俺かい?現在の白龍皇だが?」

 

……詳しくは聞いていないが、たしかイッセーが現在の赤龍帝であり、その赤龍帝と戦う運命にあるのが白龍皇。つまり、この男がイッセーの一生涯のライバルなわけだ。

 

「おっと、フリードの回収を忘れていた。あいつからも話を聞き出さなければならないか」

 

倒れているフリードのもとに飛んでいき、腕に抱えた。二人の極悪人を回収して飛び立っていった。

 

「強くなったら、俺と戦おう。俺の宿敵君」

 

イッセーの方を向いてそんなことを言った。

 

「キミともいずれ戦ってみたいね。仮面の少年」

 

俺にもそんなことを言い残し、去っていった。

 

いつの間にか、地面にあった魔方陣が消えていた。ようやく終わった。俺は変身を解除してみんなの方へ歩いていく。と同時に強烈な眠気に襲われる。

 

(フェニックスの時と同じだ。まだまだ修行が足りないってことか?)

 

倒れそうな俺に向かって全員が駆け寄ってくる。ーー俺はそこから意識を失った。

 

 

 

 

◼◼◼

 

 

 

 

起きると、部室に運ばれていたことに気づいた。同時に部長やイッセー、朱乃さんに怒られた。

 

「一人で無茶し過ぎだ!」

 

とか、

 

「また、気絶するまで戦って……」

 

といったように、散々言われた。その後ろでは木場がいつも通りの笑みを浮かべていた。それについては嬉しかった。ようやく木場のワガママも終わったのだと、オカルト研究部に帰ってきたのだと。そう思ったからだった。

 

 

 

 

◼◼◼

 

 

 

 

コカビエルが学校を襲撃して、数日が経過した。

 

放課後、部室に顔を出すとそこにはいるはずがない人物がソファーに座っていて俺は驚いた。

 

「やぁ、数日ぶりだな」

 

青い髪に緑のメッシュを入れた女の子、ゼノヴィアがいたのだ。

 

「なんで、ゼノヴィアがこの学校にいるんだよ?」

 

「むっ、イッセーにも同様の反応をされたが私がここにいるのはそんなにおかしいか?」

 

顔をムッとさせると同時に、ゼノヴィアの背中から黒い翼が生えた。……これってまさか、

 

「リアス・グレモリーから『騎士』の駒をいただいた。それで、この学園にも編入することになった。これからよろしく頼む、剣一」

 

まぁ、そうだろうな。でも、これからもっと賑やかになるのは別に悪いことじゃないからいいか!

 

話を詳しく聞くと、神がいないという真実を知ってしまった彼女は異分子扱いされるようになったわけで今にいたるそうだ。それだけで切り捨てるとは教会側もひどいもんだ。

 

そして、あの場に居なかったイリナはそのことについて一切聞かなかったのだから、それはそれで良かったのかもしれない。ゼノヴィアも「彼女は運がいい」みたいなことを言っていたし。

 

たしかにあの子の信仰心は常軌を逸脱していたから、真相を聞けば、正常を保てないこともありそうだ。

 

あと、今回の事件の大元であるコカビエルについては『地獄の最下層』と呼ばれる場所で永久冷凍の刑が執行されたそうだ。自業自得だな。戦争なんて起こそうとしなければぬくぬくと生きていけたのに。

 

「近いうちに三大勢力の代表者が集まって、会談を開くらしいわ。なんでもアザゼルから話したいことがあるみたいだから」

 

それと、この会談にはこの件に関わった俺達も招待されていて、今回の報告をしなければならないらしい。なんで月イチペースで面倒事に巻き込まれるんだ?

 

『仕方の無いことだ。いつの時代も完全な平和を作り上げるのは難しい』

 

嶋さんが俺に諭すようにそう言った。

 

「さて、新しい部員も増えて、全員が再び揃ったのだから、部活動も再開するわよ!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

全員が合わせて返事をし、久し振りの平和を俺達は満喫するのだった。

 




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