所長にチートオリ主サーヴァントを召喚させたかっただけ 作:がばがば小説マン
オルガマリーアニムスフィアはひどい嫉妬に燃えていた。
(何で!?なんでなんでなのよ!?なんでただの一般人で、私の話を聞かなかったアイツが!?)
燃え盛る都市の中で、一人の少女がサーヴァントを召喚しているのを見て。
彼女の名前は藤丸立香。
つい先日までただの一般人だった高校生の少女だ。
しかし、今は違う。
突然の爆破テロによる緊急のレイシフト。
それにただ一人成功したマスター。
そう、マスターとしてはただ一人なのだ。
オルガマリーアニムスフィアは、一級品と称して遜色ない程の魔術回路と魔術を持っているが、何故かマスター適性だけが無かった。本当にそれだけがないのだ。それがあまりに不可解なため、とある人物からは「呪い」とまで言われた。
彼女は、今までその事でどれだけ苦労してきたか。カルデアの所長なのにマスター適性が無いという事実に、どれだけ苦しめられてきたか。
そんな苦労を嘲笑うが如く、藤丸立香は一級のサーヴァントを召喚した。
(何でよ……なんでなのよ)
そんな風に思われているとはとは露知らず、藤丸立夏は無邪気にオルガマリーに駆け寄ってくる。
「ねえねえ所長さん!!これでいいんだよね?」
彼女のあまりに屈託の無い笑顔に暴発しそうな思いを封じ込める。
「……ええ……協力的なようだし……」
「ええ!!この沖田さんに任せておけば間違いはありませんともグハァッ!?」
『吐血したぁ!?』
「病弱の伝承がそのままスキルになっているのでしょうか……?」
沖田総司。新撰組で一番隊隊長を務めていた、無明三段突きの使い手。間違いなく一級品のサーヴァント。
『取り敢えず、もう召喚するのは止めておこう。協力的ではないサーヴァントが出てきてしまったらダメだからね』
そうだ。その通りだ。もし理性を失ったバーサーカーが召喚されたらカルデアが壊滅しかねない。
残りの聖晶石は三個。召喚一回分。
普通ならここで止めておくべきだろう。だが、彼女の溜まりに溜まったコンプレックスが、それを許さなかった。
「……ロマニ」
『ん?なんだい所長?』
「召喚……するわよ……私も!!!」
『……えっ!?』
「所長さん!?」
「所長!?」
『それは不味いよ!!』
制止の言葉が口々に聞こえてくる、が。
「……私だって……私だって!!!」
もう彼女は限界だった。例え無理だと、不味いと分かっていても、魔術師のプライドが止める事を許さなかい。
しかし、元々マスター適性がないので、召喚の魔法陣はうんともすんとも言わない……筈だった。
しかし
『魔法陣が……発動した!?』
「所長……マスター適性があったんですか!?」
周りが驚きに染まる。
「あるわけが……ないでしょうがっ……!!」
耐え難い痛みが途切れなく彼女の身体中を襲う。
この様子では召喚出来る前に彼女の意識が無くなってしまう。
『所長!!やめるんだ!!キミの体が持たない!!』
「所長!!止めてください!!」
「止めておいた方がいいよ!!所長!!」
しかし、一向にサーヴァントが現れる気配がない。
(……やっぱり私なんかじゃ……)
ついに、彼女の集中が途切れる時、それは起こった
『えっ!?きょ、強大な魔力反応を召喚の魔法陣から確認!?これは……神代クラスだぞ!?いや、もしかするとそれより……?とにかく不味い!!立香ちゃん!!そこから離れて!!』
「わ、わかった!!」
(で、出来た……の……?や……やった……私だって……才能あるんだ……)
そして、光が収束する。
「……サーヴァント、セイヴァー。真名はルセル。よろしく、マスター。」
『る……るせる……?ルセルだって!?嘘だろ!?何で所長が!?』
「るせる……?」
『世界が理外の存在によって脅かされる時に現れる救世主だよ!!星の最終防衛機構とも言われてるんだ!!とんでもない戦力だよ立香ちゃん!!』
「な……なんか凄い……」
『彼を召喚しようとこれまで何度も召喚を試みてすべてが失敗に終わって諦めていたんだけど……何でマスター適性の無い所長の召喚に……?』
ロマニの頭は混乱を極めた。
思いがけない戦力の登場に、頭がパンクである。
だから、
「所長!!大丈夫ですか!?しっかりして下さい!!」
「所長さんが倒れちゃったよ!!」
『あっ!!!』
所長が倒れたのに気づかなかったのも当然といえば当然かも知れない。
「ルセルさん!!貴方を召喚した所長が倒れちゃったんです!!介抱するの手伝って下さい!!」
『ちょっ立香ちゃん!?』
「おっけー!!」
『軽ぅい!!え待ってキミ本当にルセルだよね!?そっくりさんじゃないよね!?』
「……そうだと言ったら?」
『……え?マジですか?』
「ウソぴょん♡」
『どっち!?ウソなの?!ほんとなの!?訳わかんないよ!!』
「本物に決まってるんだよなぁ……ほい、ウロボロスの杖」
『うわぁぁぁぁ!!現代の魔術師は疎か神代の魔術師でもたどり着け無かった『消滅』の理を持つ杖だ!!ごめんなさい!!』
「えっえっえっ何が起きてるんですか!?それに誰ですかこいつ?取り敢えず斬ります?」
『沖田総司さん!?何を言ってるんだい!?』
「おっ!!生沖田さんや~眼福眼福ゥ!!」
『なんなのキミ!?もう訳わかんないよ!!』
……なんかぐだぐだしてきたな
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揺さぶられる感覚で、オルガマリーアニムスフィアは目を覚ました。
「……んぅ……あれ?ここは……」
なんだか背中に2つ何かが当たっていて、体勢もなんだかおかしい。
目を開けたらそこには……
「おっ目が覚めたk」
「ガンドッッッ!!!」
……目が覚めたら見知らぬ男にお姫様抱っこされていてその男の顔がすぐそこにあったら誰だってガンドするよね。
と、後に彼は語っている。
やっぱり妄想が形になるって楽しいね