所長にチートオリ主サーヴァントを召喚させたかっただけ   作:がばがば小説マン

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またもや筆が乗って妄想まみれになってしまった……


7話

レイシフトが終わった。

 

特異点から帰ってきて、安全な建物の中に居る事を実感した時は、思わずへたりこんでしまった。今まで死の間際に居たこととか、殺気を向けられた事なんて無かった、『一般人』だからさ、しょうがないよね。

 

カルデアでは、ロマニさんとカルデアの職員さん達が暖かく出迎えてくれた。コーヒーを用意してくれたり、部屋を用意してくれたり……あとは、ルセルさんが手料理を振る舞ってくれたりもした。数日しか経っていないのに、人の作った手料理の味がやけに久しぶりに感じた。

 

所長さんはどうしたのかと聞いてみた。どうやら、所長さんの肉体と魂が結合するまで結構時間が掛かるらしい。それまで、とは言わないけど、私の面倒も見てくれると、ルセルさんが言ってくれた。

 

……私は、この特異点とやらを修復したら、家に帰れるモノだと思っていた。

家に帰ったら父さんと母さんにどう言い訳しようか考えてすらいた。献血したらいきなり拉致されて過去に行ってマシュのマスターになって命懸けの戦いをしましたー!!なんて、信じてくれるだろうか。

 

そんな事を考えながら、私はロマニさんに私はいつ帰れるのかを聞いてみた。

 

 

……でも、帰ってきたのは……絶望だった。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

『そん……な……ウソ……ですよね……?』

 

 

『……残念ながら、この星に僕達以外の生体反応は検出されなかった。つまり……』

 

『……ウソ……そんなの、絶対ウソだ……だって、つい最近まで、皆生きてて、そんないきなり死ぬ訳……』

 

『……今の地球上は、人の生存の希望を持てるような環境では無くなってしまったんだ……』

 

 

『そんな……!!ウソだウソだウソだ!!!』

 

『…………』

 

『だって、もし、それが……っ本当なら……と、父さんや母さん、いっちゃんやまーくん、それにばあちゃんやじいちゃんは……』

 

『…………こんな事に巻き込んでしまって、本当にごめん』

 

 

『そん……な……みんな、みんな死んじゃったの……?嫌……ウソだ……そんな……嫌だよ……』

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「なんで……っ、な"ん"で……っあ"あ"あ"っ……」

 

未だに信じられなくて、窓の外を見る。

 

広がっているのは、闇、闇、闇。

 

永遠に広がる、虚無。

 

否が応でもここが地球上ではないことを直視させる。

 

用意された部屋に、独りぼっち。

 

真実さえ受け止められなくて泣くことしかできない今の私を、天井が嘲笑っている様にさえ見える。

 

そんな時。コンコン、とノックの音が聞こえた。

 

『立香ちゃん、入っていいかい……?』

 

扉越しから、声が聞こえる。この声はルセルさんだ。……でも、正直今は話す気力も余裕も無かった。

 

「…………」

 

何も言わずに、ただルセルさんの反応を待つ。

 

『……聞きたい事があるんだ、もし気持ちが落ち着いてぼくが中に入っても良いと思ってくれたなら、中からノックを二回してくれ。もしだめなら、ノックを一回してくれ。』

 

多分、私の事を気遣ってくれたのだろう。私のタイミングを考えてくれたらしい。

 

「……うん」

 

かろうじて、返事を絞り出す事ができた。

 

 

『……じゃ、いつでも好きなときにノックしてくれ、待ってるよ』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

暫くの時が経った。もういいかな、と思い、ノックを二回した。

 

『……返事、ありがとう立香ちゃん。じゃあ……入るね』

 

ガチャリとドアノブが動き、ルセルさんが入ってきた。

部屋の電気を付けてないせいで、顔は良く見えない。だけど、その影にどこか私は懐かしさを感じた。彼の背丈がちょうど私の同級生と同じ位だからだろうか。

 

「……ルセルさん、聞きたい事って……なんです……?」

 

私が聞くと、ルセルさんはちょっと待っててと言いながらそっと小さいランタンを灯した。柔らかい灯りが彼の顔を照らす。部屋で初めて見た彼の表情は、とても優しい、けれど哀れみは一つも無い表情だった。

 

「……好きな献立とかあったりする?」

 

「え」

 

かなり予想外の質問が来てしまった。思わずポカンと口を開けて目を瞬かせてしまい、何も言えなかった。

どうやら彼は答えがくるまで待ってくれるらしい。空いた口を何とかパクパクさせて、なんとか捻り出す。

 

「……え、えっと……お、オムライス……とか?」

 

「……ほう、他には?」

 

「え、えっと……ハンバーグ、パンケーキ……っ、……カレー……」

 

脳内でそれらを並べながら答えるが、どうしても、どうしても母さんの作ったモノしか思い浮かばない。母さんを思い出し、どんどん目頭が熱くなっていく。

 

「……立香ちゃん……」

 

「……ごめん、ルセルさん……母さんが作ったものしか、っ思い……浮かばない……や……」

 

段々涙で視界が歪んでいく。みっともない姿を見せたくなくて、必死に堪えようとすればするほど、歪みは酷くなっていく。もう嫌だよ、なんで私がこんな目に逢わなきゃいけないの……?

 

その時、不意に何かに抱き締められた。

歪んでいる視界でも分かる。ルセルさんだ。

何が起きたのか分からなくて、ルセルさんを見る。

 

「……分かる、分かるよ……家族が死ぬって……もうどうしようも無く辛いよな……僕も同じ事があったから……」

 

どうしようもない位に優しい声が、私に浸透していく。

 

「立香はまだ高校生なんだ、こんな体験をするべきじゃないんだ……受け止められないのは当然だよ……」

 

父さんの姿が、ルセルに重なって見える。なんて事だ。私はルセルに父親を感じてしまっているようだ。

 

「あっちょっ……あ……」

 

戻れなくなる。このままだと、なんだか自分がダメになる気がする。なんとか声を捻り出して抵抗しようとして……

 

「だからさ、思いっきり吐き出して欲しいんだ。立香ちゃんの辛さも恐怖も苦しみも。大丈夫。全部僕が受け止めてあげるから。」

 

あっ……待って……そんな……ことしちゃうと……

 

「さあ……おいで」

 

 

ーーーその瞬間、心の堤防が大決壊を起こした。

 

 

もう、止まれなかった。ひたすら彼に色んな思いをぶつけて、ぶつけて、ぶつけ続けた。自分でもみっともないと思う程に。ルセル君は、それを全部……全部何も言わずに、時には頷いて受け止めてくれた。

 

気が付けば、私は泣きつかれて寝ていた。最後に覚えているのは、ベッドの感触と、ベッドに寝かせてくれたルセル君の手の温もりだった。

 

 

 

この時、私の心の底に『ナニカ』が生まれた。

それは、恋と呼ぶにはあまりに重かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




大事な人や家族を二度も守れなかったことで父性を拗らせてしまったみたいですね……パパを名乗る不審者じゃないか!!(呆れ)ビースト化待った無しですねクォレハ……

というか作者のヤンデレ好きが露呈してきてしまった……ヤンデレタグ付けておきます。
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