アサルトリリィEDGE   作:Sence023

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虐殺劇の前座PRE_GENOCIDE



第10話『PRE_GENOCIDE』

 翌日、朝食のビュッフェの一角に面々を集めていた真波は、僅かに疲労が見える彼女らを見回す。

「おはよう。さて、お前達に悪いニュースだ。状況が悪化した」

「と、言うと?」

「警視庁の国公委の連中が、こちらへの連絡無く勝手にSATを動かした。目標は関東新選組の本部。結果は失敗。保管されていた奴等の情報が古く、見立ての甘さもあって想定外の反撃にあったらしい。隊員死傷者を出し、本隊は撤退した。そして、我々にその尻拭いを依頼してきた」

「なるほど。ところでそれ、何処で起きた話ですか?」

「新宿・西落合の未開発地区だ。同地区の小学校跡地を占拠し、四脚型戦闘車両を数機地区内に分散して保管していた」

 憂鬱そうにタブレットの内容を読み上げた真波は、苦笑を浮かべるしかない渚達を見回す。向こうの戦力が判明したのは幸いだろうが、その分警戒を強めさせた事はかなり手痛いしくじりだった。

 付随して支部の方も警戒の度合いが増すと考えれば、その面倒度合いは計り知れない。数日も経たずに何らかの攻撃が来ると教えてしまった以上、時間をかけると軍備増強にかける時間を与え、ロクでも無い事になる。

「……仕方ない。今日で全部片すか。忙しくなるな」

「品川の連中を潰した後、新宿に行く、と言う事ですか?」

「そうだな。時間をかけるとロクでも無い事になりかねん。それに、忘れていたが連中は所詮狂人の集まりだ。放置すれば何するか分からん」

 皿の上に載せていたトーストを一齧りする真波は、タブレットとにらめっこし、工程を考える。

 心配と言うよりも面倒そうな顔の少女達を見回した真波は、温めていた予定を変更し終え、全員に宛てて送信する。

「1時間半後、9:00に行動開始だ。飯食いはそこそこにしておけよ」

 冗談めかした真波の軽口に、苦笑い以上のリアクションをする少女達は、この場にいなかった。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 東京都・品川、午前9:30―――。行動開始時刻が過ぎ、スラム街の一角に潜む渚は、同じAZに選出されたオリヴィア、冨亜奈と共に薄暗い路地で待機していた。

「こちらAZグループ、渚。全員指定ポイントで待機中。各自の状況は?」

『アイネより渚。TZ準備完了、BZも予定狙撃ポイントで待機中』

「了解。監査官、全員準備完了しました」

 声量を抑えて報告した渚は、短いやり取りを黙して聞いていた真波の相槌を聞く。

『こちら監査官。了解した。再度確認するが、交戦規定は撃たれる前に撃て、だ。自分の命を優先しろ。幹部格の捕縛はそのついでで良い』

 軽快さを感じる口調で言う真波に、緊張感は感じられず、かと言って油断を思わせる様な軽薄さは無かった。

「10カウントで開始しよう」

 そう言い、全員とアイコンタクトを取った渚は、腰のサクリファイスを抜刀する。起動しっぱなしの通信機からアイネのカウントが聞こえ、それが0になった瞬間、彼女達は走り出す。

 同時、左手から機銃掃射が開始され、一帯を見回っていた男達が、瞬く間に引き裂かれる。高レート射撃の射手である優愛は、男達の死体を乗り越えた渚達が事務所に入ったのを見届けると、何事かと集まりつつある見張り達に向け、再び射撃を開始した。

「AZグループ、事務所内に侵入した」

 くぐもった銃声を聞きながら、左にサクリファイスを構えた渚は、怒号飛び交う事務所の様子を窺いながら右手に拳銃を引き抜く。

 右手に見える簡素なドアに向けた彼女は、摺りガラスに人影を認めた瞬間、引き金を引いた。ガラスを貫いた銃撃が、ドアの向こうにいた男の肩を撃ち抜く。

 悲鳴が上がる中、オリヴィアと入れ替わった渚は、ドアを蹴破った彼女に続いて事務所に突入した。

「何だコイツ等!?」

 見知らぬ制服を身に纏った少女達が乗り込んできた事に驚く彼等を容赦無く殺害した渚達は、事務所内の捜索に入る。

 応接室を兼ねていたらしいフロントのカーペットに、3人の死体が転がり、跨ぎながら計5つある部屋の内の一つへ彼女達は接近する。

『クソ、何がどうなってる! 本部に応援要請を出せ! 緊急事態だ! 外の連中は!』

『現在敵と交戦中です! 相手は……クソ、ダメだ! 遮断された!』

『落ち着け、ドローンだ! おい、水際! ドローンの無線周波数を探知する様指揮しろ。そこから発信元を辿らせるんだ』

 壁の向こうの声を聴きつつ、渚は事前に送信されていた間取り図を表示する。元々、この向こうは会議室らしく他の部屋と比較して広いスペースがある。

 支部の中枢を置くにはぴったりな場所。だが、彼等が気付かない一番の欠点がある。彼等がいる場所に2ヶ所、大きめの窓ガラスがある。やろうと思えば容易に狙撃できてしまう事を、彼等は知らない様だった。

「渚より麻衣へ。ルームアルファ前にいる。予定通り、部屋掃除を頼む」

『麻衣より渚へ。1人服装が違う奴がいる。どっかの軍の将校っぽいの。近場の雑魚を撃てば衝撃波でそいつも巻き込むけど、どうする?』

「そうだな……。巻き込まずに撃てる奴は?」

『いる。最後方に1人。ビビって引っ込んでる奴』

「分かった。そいつを撃て。注意を引いてくれればこっちで処理する」

 短いやり取りの後、壁の向こうからガラスの破砕音と肉の千切れる音、そして構造体が破砕される音がくぐもって聞こえる。

 指定したターゲットが射抜かれ、中にいる人間達がパニックに陥る。真っ向勝負となれば、所詮素人に毛が生えた程度の彼等に、圧倒的な攻撃力による殺害は十分な威嚇効果を示す。

 すかさずハンドサインでオリヴィアを突っ込ませた渚は、彼女に続いて内部に突入する。室内には情報通り、軍服のレプリカを身に纏った男がいた。

「何だ貴様ら!」

 驚く男の顎に渚は蹴りを打ち込んで気絶させ、瞬く間に拘束する。その間に室内にいた人間が死体に早変わりし、安いカーペット敷きの床に転がされた。

 指揮所になっているらしいそこを見回した渚は、男が逃げない様、手錠型のタイラップと太い柱をもう一つのタイラップで繋ぎ止めた。

「ルームクリア。残りの部屋も掃討する。麻衣、状況を知らせ」

『場所を移動した、残りの部屋の内2つは仮眠室、食堂みたい。各部屋に2人ずついるけど、どうする?』

「狙撃は?」

『仮眠室は可能。食堂は設備が邪魔で出来ない』

「分かった。仮眠室の2人を始末してくれ。食堂はこっちで対処する。狙撃後は移動し、残りの2部屋の偵察を頼む」

 指示を出しつつ、部屋の出入り口に面々を集めた渚は、了解、と返した彼女が狙撃を完遂するまで待った。

 隣に位置する仮眠室からガラスの破砕音が轟き、フロントまで貫いた何かが轟音を轟かせる。

『麻衣よりAZグループ。掃除は終わった。繰り返す、掃除は終わった』

「掃除完了、了解。予定通り、食堂の制圧に移る」

 そう言い、フロントを経由して移動した渚は、最後に残った部屋から飛び出してきた女性に気付く。怯え切った彼女は異様に着膨れしており、粗末な配線で繋がれたコントローラーを手にしていた。

 彼女が何を隠し持っているのか、熟考するまでも無かった。上着を取り払い、自爆ベストを見せた彼女は、スイッチに親指を掛ける。

「リリィ共が!」

 罵声と共に押し込もうとした刹那、轟音と共に彼女の体が四散した。四方に飛び散った人だったモノが壁や床に張り付き、爆薬ごと破片となってぶち撒かれた。

 霧になった血飛沫が、衝撃波で拡散し、夥しい死臭がフロアに満ちる。溜まらず咳込んだ冨亜奈を他所に、渚が通信機を起動する。

「ナイスカバー」

『間に合った? って、普通に話してるんだから間に合ってるか。後は食堂だけだよ。外の制圧は完了した』

「了解。すぐに終わらせる」

 そう言い、食堂に近づいた渚は、オリヴィアとドアを挟む様にして立つ。対岸でグングニルカービンを構えた彼女とアイコンタクトを交わした後、ドアノブに手を掛けた。

 一気に開け放った彼女の合図で突入したオリヴィアは、障壁で弾丸を弾き飛ばしつつ一気に距離を詰める。

「御覚悟を!」

 身体強化の出力に任せたタックルで一人を吹き飛ばし、残る一人が短機関銃を向ける前に、手にしたカービンで弾き飛ばす。破砕音が鳴り響く中、右手を脱臼した女の首と側頭部にそれぞれ二撃、銃撃が加えられる。

 タックルの衝撃で即死した男と合わせ、2人の死体が床に転がる。アンチヒュージウェポンを構えた渚が部屋に侵入し、周囲を確認してホルスターに納めた。

「クリア」

 通信機を起動し、淡々と呟いた渚は、真波が返した了解を受け取ると、待機していた冨亜奈に指示を出す。冨亜奈を介して、待機させていた真波と詩季達を動かした渚は、オリヴィアと共に指令室に足を踏み入れた。

 昏倒したままの男を乱雑にどかした渚は、室内に置かれた証拠品を検め、重要そうな物を確認していた。

「オリヴィア、これ」

 机の上に散らばった紙資料を手に取った渚は、爆破攻撃が行われた八王子ラボの概要が書かれているそれをオリヴィアに見せた。

 極秘と書かれたそれには、八王子ラボで行われていた研究内容の途中経過が書かれており、全文を終えた最下部にはG.E.H.E.N.A.が管理する書類である事を示すロゴマークが記されていた。

「これは、G.E.H.E.N.A.の機密書類、ですわよね?」

「見た感じそうだね。コピーのコピーかどうかは知らないけど、八王子ラボの情報が流出していたのは間違いなさそうだ」

 返された書類を受け取った渚は、素人同然の情報管理に苦笑を漏らしつつ、乱雑に置かれた資料を見ていく。資料はラボの概要だけでなく研究内容、更に見取り図も存在していた。

 明らかに偶然手に入れたとは思えない内容の良さに違和感を覚えていた彼女は、騒がしくなったフロントに気付き、そちらに足を向けた。

「派手にやったな。まぁ、私の指示だが。それで、状況は?」

「彼らの中枢部にG.E.H.E.N.A.から流出したとみられる資料がありました。まだ他にもありそうですが」

「案内してくれ」

 夥しい死臭には目もくれない真波を案内した渚は、指令室に置いてある資料を彼女に見せる。八王子ラボ関連の資料を目に入れた真波は、俄かには信じがたいという目でそれを見た。

 資料をまじまじと見つめる彼女を他所に、残りの資料を確認していた渚は、作戦の工程表を見つけ、そこにアンプルの奪取が書かれている事に気付いた。

「監査官、これを。彼らの作戦工程です。ここにアンプル奪取についての工程が存在します。やはりあの時、建屋に侵入してきたのは彼等だった様ですね」

「なるほどな。しかし、この資料と言い、建屋へのスムーズな侵入と言い、一テロ組織が出来る事とは思えんな」

「ですよね……。何か強力なバックがいるとしか思えません」

 顎に手を当てて考え込む渚を流し見つつ、資料に目を落とした真波は今必要な事では無いと判断し、資料をその場に置く。

 その足で指令室を散策していた彼女は、無造作に置かれたノートPCを見つけ、電源を付けた。共用品らしいそれにはIDとパスワードが書かれた付箋が無防備に貼られており、難なくセキュリティを突破できた。

「……素人共が」

 ほくそ笑み、毒づいた真波は内部のフォルダを閲覧すると、フリーメールで送信されてきていたらしいデータを開いた。

 先の資料の他、最も新しいメールを開いた彼女は、奪われたデータから複製されたアンプルの分配について書かれたそれに目を見開いた。

「クソが……。総員、指令室に集合しろ。内部捜査は後回しだ」

 通信機を起動した真波は、他のメール履歴を閲覧すると全てドキュメント化し、自身の端末にコピーした。そして、端末とホロデバイスを接続した彼女は、集合してきた面々を見回すと端末を操作し、先程のドキュメントを開いた。

 開いたドキュメントは、デバイスを囲む全員に見える様、角柱の形を取って表示されていた。薄らぼんやりと光るホログラフィックを見つめる少女達だが、その中で一人、詩季だけは青ざめた顔を俯けていた。

「全員揃ったな。連中が保有する資料を確認した所、新宿にある関東新選組の本部に、八王子ラボで研究されていたアンプルの複製品が持ち込まれている可能性が浮上した」

 そう言い、ドキュメントで該当する箇所をハイライトとする。その一文を認めた少女達の反応は様々だが、その中で和美達は少しばかり冷めた反応をしていた。

「嫌に冷静だな、お前達。何か気になる事でもあるのか?」

「ええ、まぁ。大まかにはこの事実が一体、どう言った危険性を生むのか、と言う事ですが」

「……そうだな、自棄になった連中がそれを使う可能性が無くも無い、と言う事か。主義主張を通すが為にテロを起こす様な連中が、賢明かつ冷静であるとは思えんからな」

「なるほど。それなら納得がいきました」

「理解が早くて助かる。さて、これからについてだが、ここの捜査については後続に任せ、我々は国家公安委員会に代わり、新宿・西落合、未開発地区にある関東新選組本部へ強襲を行う」

 そう言い、表示を地図に切り替えた真波は、共有情報から本拠地の所在情報を引き出して重ねる。重なった情報には、航空写真らしいものがワイプで追加され、朝方報告のあった装甲兵器の類が確認して取れた。

 写真では装甲兵器は1機のみだが、実際にはもう何機か存在するのだろう。本拠地の周辺の概要写真も表示されたが、未開発地域らしく街灯の類は窺えなかった。

「組織解体が主目的となる為、戦意のある者は全て殲滅しろ。投降の意思のある者、敵組織の首領については逮捕する。但し、騙し討ちの兆候がある場合は各自判断で対処。敵装甲兵器は全て破壊しろ。最終的にはアンプルに関連する資料全てを押収し、背後の関係を洗う。鮫洲を壊滅させた真犯人が分かるかもしれんからな」

「戦略目標については了解しました。それで、これからの動きはどうされるので?」

「我々は一旦霞ヶ関に戻り、体勢を整える。作戦開始は夜間にしよう。敵も動きを察知し辛いだろう。クラウンベック、すまんが戦術についてはお前に一任する」

「分かりました。後程、運用戦術と全員の装備について情報共有しますね」

「頼む。ではお前達は先に戻れ。私は諸々の手配をして後続に引き継ぎを行う。長丁場だ。忘れずに飯も食っておけよ」

 そう言い、解散を指示した真波は、ふらつき、倒れかけた詩季に気付いた。あ、と思うより早く黄昏が支え、過呼吸気味な彼女の口元を覆う。

「大丈夫ですか、三朝さん」

 意識確認も兼ねて呼びかける黄昏だったが、詩季は過呼吸を繰り返し、加えて全身から大量の汗を掻いていた。意識朦朧と言った様子の彼女に、メディックバッグを引っ張り出した和美が近寄る。

 容体確認を始めた彼女と入れ替わった黄昏は、様子を見ていた真波の指示に従い、渚達と共にその場を後にする。居残った和美は、傍に寄って来た真波に容体について報告する。

「戦傷性PTSDの類ですね。……公表上は、克服したとされていましたが」

「それは今必要な情報じゃない。戦傷性PTSDだとすれば恐らくだが、ここの雰囲気に中てられてのものだろう。ここでの処置は急場のもので良い。場所を変え、一旦落ち着かせるんだ」

「分かりました」

 首肯した和美が処置を行うのを真波は見守る。急場しのぎとして静脈に無痛注射を打たれた詩季の容体が落ち着き、過呼吸は次第に荒れ気味の呼吸に変わっていく。

 早い鼓動はそのままに、込み上げた何かを傍らに吐き出した彼女は、無理に立ち上がろうとして体を机にぶつける。

「三朝さん、深呼吸して。弱めだけど薬を打ったから、次第に落ち着いてくると思うから、今は安静に」

 机に突っ伏す形の詩季を、和美は後ろから抱きかかえる。落ち着かなく周囲を見回していた彼女の動きが薬が回ると次第に動きは少なくなっていく。

 そんな彼女の前に片膝を突いた真波は、数瞬の躊躇いの後に、肩をそっと触ると身を竦ませた彼女と目を合わせる。

「三朝、柚木と一緒に一旦ホテルへ戻るんだ。一旦ガーデン監査局本部に戻る。次にやる事が出来た」

「は、はい……。あの、その時は、作戦に参加できますか?」

「……お前は、私がこの様子を見て戦力としてカウントすると思うか?」

 溜まらず睨み付けた真波は、俯く詩季を支えると和美に連れて行く様、命じる。背の低い和美は彼女の腰を掴んで前へ引くが、詩季はその場に留まる。

 体格差で引っ張られた和美がバランスを崩す中、唇を固く結んだ詩季は、眉をひそめた真波を見据える。

「戦闘なら、これを打てば出来ます」

 そう言い、腰のポーチから引き抜いた3本の無痛注射を詩季は真波に手渡す。ラベルを確認した真波は、それが防衛軍にしか出回らない様な薬物であると気付き、歯を噛みながら彼女に突き返す。

「これが何なのか、分かっているのか」

 怒りを滲ませながら、務めて冷静になる様、自制する彼女に、戸惑う詩季は突き出された無痛注射を受け取る。

「わ、分かっています。けど、私は……」

「個人を犠牲にして成り立つ物など、ここには存在しない。戦えない人間を、無理に戦わせる様な真似はしない」

「だとしても私は……。私は……」

 言い返す言葉を探そうとする詩季に、思う所があった真波は、目を閉じ、一息吐くと胸ポケットからカートンを取り出した。少し潰れたカートンから一本咥えた彼女は、邪険そうに手を払ってみせる。

「続きは戻ってから聞く。今は本部に戻って体勢を立て直せ。外で姫神達が待っている」

 懐からジッポライターを取り出した真波は、退室する彼女等に背を向け、タバコに火を点ける。紫煙を吸い込んだ彼女は、忌々しげな溜め息と共に吐き出すと携帯端末を取り出した。

「私だ。こっちはゴミ掃除が完了した。何人かこちらに寄越せるか? 少々面倒になった。例の八王子の件、G.E.H.E.N.A.の別派閥が関与した疑いがある。なるべくなら早く行動を起こしたい。……ああ、頼む。現場の後始末は警察に任せれば良い。こっちは連中と国家公安委員会の尻拭いをさせられている所なんだ。それくらいはしてもらわんと困る」

 冗談めかした言葉を交わした彼女は、通話を切ると破砕痕と血だけが見える室内を見回しながら喫煙を続けた。

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