ある日曜の昼下がり、織斑一夏は親友の五反田弾と共に駅前のショッピングモールを訪れていた。弾がそこのゲームセンターに入荷した新しいゲームが評判がいいとのことでやりに行きたいというので、一夏が付き合うことになったのだ。
「ったく、お前もいい加減こういう所に付き合ってもらう彼女くらい作れよな?」
「お前に言われたかねえよハーレムキングが。」
「ハァッ!?」
一夏はジョークのつもりで言ったのだが、弾の言葉に思わず反応してしまう。
「何度も言ってるだろ?女ばっかの学園に男1人ってメチャクチャ疲れるんだぞ?力仕事全部押し付けられるし、トイレ少ないし、女子トークされると居心地悪いし…」
「うぅ、お前も苦労してんのな…」
呆れ気味に語る一夏の姿を見れば確かに実際にそれで苦労している人間でないと分からないようなものなのかもしれないと弾は思った。まあ彼にしてみれば、それも女の園にいれる代償なら安い物だとしか思えなかったのだが。
そんな感じで話しながらモールを歩いていた時だった。
「あ、一夏!」
声のする方を振り向いて見ると、級友シャルロット・デュノアだった。一応弾も会った事はある
「おぉ、シャルじゃねえか。1人か?」
「ううん、ラウラもいるよ。今お会計してて…あ、来た来た!」
ちょうど、もう一人の級友ラウラ・ボーデヴィッヒがすぐそばの靴屋から出てきた所だった。
「む、一夏と、それに五反田弾…だったか。」
「おう、偶然だな。」
「ご、五反田です!」
気さくに答える一夏と、何故か敬語になる弾。
「今日は2人なんだな。」
「そうそう、ラウラって私服まだ少ないし、揃えに来たんだ。」
「私は今でも十分満足しているのだが、その…お、お前が喜ぶかなと思ってな…」
ラウラが少し目を逸らして言うが、一夏はそれが何を意味するのか全く気付けていないようだった。
「ん、俺がどうしたって?」
「な、何でもない!」
それを見た弾はため息をつくと、シャルロットにこっそり話しかけた。
「相変わらずみたいだな…」
「うん、僕らも苦労してるんだよ…」
その後、丁度昼食時だったのでフードコートで食事をとることになった。一夏の提案で2組一緒だ。シャルロットとラウラは出来れば一夏と二人がよかったが、そうなると色々面倒だし弾もいる事なのでそれに乗ったのだった。
「む、弾。貴様かき揚げうどんは浸けるのか?」
「え、なんかまずかった?」
「かき揚げうどんのかき揚げはサクサクのまま食べるに限る!それ以外は認めん!」
突然サクサクのかき揚げにかんして熱弁をふるい始めたラウラに押されぎみになる弾。
「あー、そういやラウラがかき揚げうどんはサクサク派で他の食べ方見つけたらエンカウントバトルになるって言うの忘れてたな…」
「早く言えっ!」
少し騒ぎながらも楽しく食事をとる一向。そこいらにあふれる、ごく日常的な風景だった。
しかし。
「おい、ありゃ何だ?」
誰かがいきなり、窓の外を指さして言った。その場にいた人間がそこを見ると。
「…ホントだ、何だろう…」
「UFOじゃねえの?」
「宇宙人の乗り物の事か?そんなまさか…」
窓の外の街の上空、そこにはツボの様な形状をした物体が浮いていた。サイズは大体軍用の輸送機くらいだ。
ほどなく、出動してきた自衛隊の戦闘機とIS部隊が謎の飛行物体を包囲した。
『こちらは航空自衛隊である。そちらの身元と目的を述べよ!1時間以内に返答が無ければそちらを敵と判断し、撃墜する!』
窓越しに、IS部隊の(恐らく)隊長がISの拡声機能を使って飛行物体に呼び掛けるのが聞こえた。
反応は無い…いや、よく見ると、飛行物体の底部がわずかに青い光を帯び始めた。
「「「……」」」
人々がかたずをのんで見守る中、青い光は少しずつ強くなっていき、球状になって飛行物体から分離した。
そして街に接近した青い光が、近くにあったビル数棟に突進し、粉々に吹き飛ばした。