スパイダーマン熱とブルアカ熱が交差して書き始めました。
行き当たりばったりですがよろしくお願いします!
OK、じゃあもう一度だけ説明するね!
僕はピーター・パーカー、ある日放射性の蜘蛛に噛まれてから今日まで、この世界でたった一人のスパイダーマンさ!
あとは知っているよね、色んな悪党達に立ち向かって、大切な人を亡くして…あぁ、スパイダー・ウェブの特許はちゃんと出願したよ!
…そして、このキヴォトスに呼ばれた。『先生』としてね。
僕だって最初はびっくりしたよ?確かに大人にはなったけど、まさか先生になるとはね…まぁ、スパイダーマンの先生としてなら経験あるけど。
僕はこのキヴォトスで先生という副業をやっている……正直スパイダーマンよりキツイかも。
でも、それ以上にやり甲斐はある。みんなに慕われて、先生って呼ばれて…そこだけはヤなこと言われ続けるスパイダーマンより全然良い。というか最高。
だから、このキヴォトスではスパイダーマン業は一旦おやすみ、ここの問題は生徒たちで解決出来るし、何より空飛ぶ爺さんや気味悪いエイリアンが居ないからね。
これは、そんな僕が先生として頑張る話。パワーだけじゃなくて頭脳もスーパーな所をお見せしよう!
「……私のミスでした。」
暗い、何も見えない真っ暗闇の中、少女の声だけが僕の耳に届いた。よく知っている、聞き慣れたその声。だけど、初めて聞いたような、見知らぬ声。
「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況。」
酷い頭痛だ、一瞬だけ脳裏に浮かんだのは僕に銃を向ける『あの子』、そして何発も撃たれた跡が残るタブレット…あぁ、でも僕は知っている、『あの子』は……。
「結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……。」
目を見開く。何時もの車内、窓から射し込む光。幻想的な風景と人工的なこの場所が妙に合致して何とも言えない景色となる。呼吸を忘れるほど見入っていたその光景に、一人の少女が佇んでいた。
「……今更図々しいですが、お願いします。」
心音が高まる、僅かにスパイダーセンスが反応して目の前の少女が危険な状態であることを告げている。だが、僕はこの場から動くことは出来ない。彼女の言葉を聞き届けるまで余計な行動はするべきでは無いと僕の心が呟く。
「先生。」
「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。」
「何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから……。」
忘れるわけが無い、こんなにも鮮明で強烈な光景は、一生僕の脳裏に焼き付くはずだ…それに、僕は彼女の事を忘れたくはない。だけど、彼女が言うのならきっと僕は忘れてしまうのだろう。いつだって彼女は正しいことを言ってきた…。
「ですから……大事なのは経験ではなく、選択。」
「あなたにしかできない選択の数々。」
目を閉じ、想い出す。日々の思い出を、青春の記録を。
「責任を負う者について、話したことがありましたね。」
「あの時の私には分かりませんでしたが……。今なら理解できます。」
「『大いなる力には大いなる責任が伴う』…そして、その言葉の延長線上にあった、あなたの選択。」
何度も聞き、何度も口にしてきた言葉。僕にとってとても重要で、僕が今ここにいる理由。
「それが意味する心延えも。」
「……。ですから、先生。」
「私が信じられる大人である、あなたになら。」
「この捻れて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……。」
「そこへ繋がる選択肢は……きっと見つかるはずです。」
「だから先生、どうか……。」
そうだ、僕はこの力で変えなければならない。此処とはまた違う、新しい結末を。僕にしかできないんだ、大いなる力を持った僕にしか。
約束するよ、次こそはきっと…
いや、絶対にやり遂げてみせる。
心の声か、それともちゃんと声に出ていたのか。必死だった僕には分からない、だけど消えゆく意識の中で彼女が頷いたように見えた。僕にはそれで十分だった。