Spider-Archive   作:ネギャー

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 今回から投稿頻度を遅らせます!ご了承下さいぃ!!

ロジャース・ザミュージカル翻訳してほしいなぁ…。YouTubeには全編上がってるんですけどね。

感想の返信は次回から再開致します!いつも感想ありがとうございます!


第十五話 Let's Go!!!!ブラックマーケット!!

 

 

 昨日から、ユウカが不機嫌だ。

 理由は…多分、一緒にスイーツを食べに行った時に僕がずっと上の空だったからかな。

 突然現れたライノと新しいスーツの開発…あとアビドスの事をずっと考えてたせいだ。あの時ぐらいちゃんと接していれば…。

 

「…えっと、ユウカ。それじゃあ僕はアビドスに行ってくる…から。」

 

「…どうぞ、行ってきてください。残りの作業はやっておきますので。」

 

「あ、ありがとうね…。」

 

 ずっと書類に目を向けているユウカが話す一言一句は深く心臓に突き刺さり、僕はぎこちない笑顔を作ることしか出来なかった。

 彼女の怒りが爆発して新しい『約束』を取り付けられる前に、僕は姿勢を低くして軽く会釈しながらオフィスから出て行った。

 

 

 いつものように電車でアビドス自治区まで向かい、今日は歩いてアビドス校舎まで行くことにした。

 

「…はぁ、やっぱりこういう事が起きるよね……。」

 

「……こういうことって、この状況のこと?」

 

 僕が地面と見つめ合いながらため息を吐くと、正面から声が聞こえた。

 ふと顔を見上げれば、そこに居たのは便利屋68の…。

 

「…カヨコ…だっけ?」

 

「へぇ、覚えてたんだ。別に先生目当てに来たわけじゃないよ、たまたま出くわしただけ。」

 

 淡々と言葉を並べ、少し目を逸らすカヨコ。角と片翼が気になる。

 そのままじーっと角を見ていたら、僕の視線に気付いてカヨコは後退りした。

 

「な、何…?私の顔になにか付いてるの?」

 

「あぁいや、その角と羽が気になっちゃって…別に変って訳じゃないよ?かっこいいなぁと思って…。」

 

 少し驚いたような、困惑したような顔をしたカヨコは、またもや目を逸らした。

 

「…先生には無いものだから気になるのは仕方ないか、でもかっこよくはない思う。社長にも角はあるし。」

 

 それは君の社長があんまりカッコよくないって意味…?

 

「そう?…まぁいいや、僕は今からアビドスに行く予定だけど、カヨコはどこに?」

 

「…一応、今は敵対関係ってことを忘れないでよね……私は事務所に戻るところ。」

 

「敵対関係か…僕はそんなつもりないよ、生徒は生徒だからね。困ったことがあればなんでも言って。」

 

 彼女の事務所がどこにあるのか分からないが、アヤネが調べた結果便利屋の事務所はアビドス自治区のどこかに構えられているらしい。

 多分、ここからそう遠くないと思う。

 

「………分かった、何かあれば頼りにするよ。それじゃあね、先生。」

 

「うん、ブルズアイ…さんによろしく言っといて。」

 

 カヨコはそのままポケットに手を入れて歩き出し、僕とは反対方向へ進んで行った。

 

 

「みんなお待たせ。」

 

「おはようございます先生、先程借金の利息を支払ったので早速ブラックマーケットに行きましょうか。」

 

 今日はカイザーローンに借金の利息を支払う日だった。

 アヤネによれば三百九年返済らしく、その途方もない数字に唖然としたのは記憶に新しい。

 しかも、返済は現金のみでしか承らず借金は一向に減らない様子だ…。

 

「ん、準備はできてるよ。」

 

「……その前に、今回は僕も一緒に行かせて欲しいんだ。」

 

 荷物を持ったシロコ達に同行したい旨を伝える、ホシノ以外の全員が驚いた様子で僕を見た。

 

「はぁ!?何言ってんのよ!先生も来るって…しかも危険なブラックマーケットに!?」

 

「先生に何かあったらいけませんし…。」

 

「先生、ここでアヤネちゃんと待っててくれませんか?」

 

「…私も、先生はここにいるべきだと思う。」

 

 予想通り、全員から止められてしまった。

 けど、ホシノだけは何も言わずただ僕を見ているだけだ、僕を止めないし皆を説得することもない…って感じ?

 

「…自分の身は自分で守れる、もし戦闘が起こった時は真っ先に逃げるから…!…お願い。」

 

 僕の言葉を聞いて黙っていた面々も、セリカのため息と共に頷いた。

 

「…情けないセリフね、まぁ私はいいわよ。」

 

「そこまで言うなら…分かりました、その代わりちゃんと逃げて下さいね。」

 

「ありがとう…それじゃあ行こうか、ブラックマーケットに。」

 

 ちゃんと逃げるように釘を刺され、心配させまいと強く頷く…どちらにせよみんな心配してるだろうけど…。

 

「出発ー!」

 

 ホシノの掛け声と共に、僕らはブラックマーケットに向かった。

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

「まさか、ブラックマーケットがここまで広いとは…。」

 

「街ひとつ分くらいありそうですね〜、探し物が見つかればいいのですが…。」

 

 治安の悪さを全面に押し出したようなその街は、至る所に落書きや粗大ゴミが散らばっていた…あぁ、粗大ゴミってのは比喩じゃなくて本物のゴミって意味ね。僕そんなに口悪くないから。

 僕らが探しているのはヘルメット団が使用していた武器、生産が終了されたその武器たちを手に入れられるのはこのブラックマーケットの他にない、ということでここまで来たわけだ。これが前回までのあらすじ。

 

「はぐれないでよ〜、先生は一人じゃ何も出来ないんだからさー。」

 

「あはは…そうだね…。」

 

 微笑みながらこちらを見るホシノ、絶対に分かってて言っている。

 

「先生、私と手を繋ぐ?そしたら離れないと思うけど。」

 

「…いや、嬉しいお誘いだけど、もし何かあったら咄嗟に動け…。」

 

 スパイダーセンスが発動し、瞬時にホシノを見やる。

 ホシノはその意図を理解したのか、愛用のショットガンを手に僕の目の前へ移動した。

 

 次の瞬間、必死に走る少女と共に数発の弾丸がこちらに飛来した。

 だが僕が避ける前にホシノが盾を展開し、何とか全弾を盾で防ぎ切れたみたいだ。

 

「わわわっ、そこどいてください〜!!」

 

「うぇ!?ちょっと避けれな…。」

 

 ドンッと、ホシノとこちらに走ってきた少女が衝突し、僕の方へと二人が倒れ込んできた。

 しかし!スパイダーセンスでこの危険を察知した僕は、しっかりと足を踏ん張って二人を受け止めることに成功した!

 …女の子の良い匂いがする、お花かな。

 

「う、うへ〜…女の子に抱きつかれるなんておじさんは幸せ者だなー…。」

 

 受け止められた…んだけど、これはちょっと…。

 

「おも…重…。」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

 勢い余ってホシノとぶつかった少女、奇妙な鞄を肩にかけているその子は、咄嗟に僕達から離れて頭を下げた。

 

「…大丈夫……じゃないよね、追われてるし。」

 

 ホシノから離れつつ、銃弾が当たらないよう後ろに下がる。

 どうやら、少女は不良たちに追いかけられているらしい。

 

「先生、ちゃんと隠れてて。」

 

 近くのドラム缶の裏に隠れ、その前にシロコが立ち塞がる。なんとも頼もしい。

 

「ンだお前ら…アタシ達はそのトリニティの生徒に用があるんだよ、どけ!」

 

「そのトリニティちゃんを拉致って、身代金をたんまり頂くのさ!」

 

 わらわらと不良が出てくる、けどうちの生徒たちを甘く見てもらっちゃ困る。

 僕が指示を出す前にシロコとノノミの二人が片付け、銃声が一発も鳴ることなく戦闘は終わった。

 ドラム缶の裏から出たら、口を丸く開けながら「あ…え?」と呟く少女の姿が見えた。

 

 

 

「あ、ありがとうございました。皆さんがいなかったら学園に迷惑をかけちゃうところでした……。」

 

「これくらいお安い御用さ…僕は何もしてないけど。」

「…それより、ヒフミだっけ。トリニティの子がこんなところで何を…?」

 

「あ、あはは…実は、もう販売されていない珍しい物を買いに…このブラックマーケットでしか取引されてない代物なんです。」

 

 こんなお嬢様がブラックマーケットで買い物…一体何を買うのだろうか。

 

「もしかして戦車?」

 

「それとも違法な銃火器?」

 

「化学兵器とかですか?」

 

「あ、いえ…私が買ったのはペロロ様の限定グッズなんです。」

 

 僕の知らないワードと奇妙なぬいぐるみが出てきた、無理やり口にアイスを突っ込まれているような姿は不思議と同情を誘ってくる。

 

「ペロロ様とアイス屋さんがコラボした、限定のぬいぐるみ!限定生産で百体しか作られていないグッズなんですよ。」

 

 こんなものがこの世に百個も存在してるとは、やっぱり僕はまだ知識が浅いな。

 

「わぁ☆モモフレンズですね!私も大好きなんです!」

 

 どうやらノノミが知っていたらしい、他のメンバーは僕と同じように首を傾げていた。

 そのまま二人はモモフレンズの話で盛り上がっていたが、ヒフミがふと我に返り、恥ずかしそうにしながら縮こまった。

 

「…えっと、ところでアビドスのみなさんはなぜこちらへ?」

 

「私達もある物を探しててさー、今は生産されてなくて手に入りにくいものなんだけど…。」

 

 ホシノが軽く説明しようとするが、無線機から聞こえてきたアヤネの声に遮られた。

 

「皆さん大変です!四方から武装した集団が集まっています!」

 

「うわぁ…ホントだ。ヒフミ、これ着けて。」

 

 遠くから不良達の声が聞こえてくる、相当キレているようだ。

 慌てたヒフミに無線機を投げ渡し、耳につけるよう指示する。こうなっては彼女にも頼るしかない。

 

「わ、私もですか!?うぅ…こうなったらやるしか…。」

 

「安心して、先生が居れば大丈夫だから。」

 

 無線機を耳につけるも若干不安そうなヒフミ、それをシロコが励ます…頼りにされてるなぁ、僕。

 

「私は先生を守るから、みんなは不良たちをお願い!」

「ほら先生、こっちに来て!」

 

 セリカに手を引かれ、近くの建物へと避難する。

 建物の中からホシノ達に指示を送って不良たちを撃退…多分いけるだろう、前の傭兵たちに比べたら相手はまだひよっこだ。誘拐なんて卑怯な手を使うしね。

 

「…それじゃあみんな、いくよ!」





これを書いてる間にお気に入りの数が200になりました!!皆様ありがとうございます!!
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