Spider-Archive   作:ネギャー

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ゲーム版スパイダーマンの続編早くやりたい〜!!!


第三話 アビドス対策委員会

 

 

 出会いというのはいつも唐突で、稀に特別な人間と遭遇することがある。私にとってのその特別な人間とは、あの大人なのだろう。

綺麗な金髪のオールバックに黒いシャツ、その上から着込んだ連邦生徒会の制服である白いコート。オマケに整った顔立ち。

こういった大人と出会う機会はほとんど無く、あとから聞いた話によれば、彼は生徒を第一に想うシャーレの『先生』だという。

 早い話、私は彼に一目惚れした。見た感じ性格は大人しそうで、愛想笑いですら可愛らしく思う。

だけど、現実はそう上手くいくもんじゃない。私の仲間は彼に銃を突き付け、それが原因かは分からないが『彼女達』にボコられた。

ただでさえ物資が少ないと言うのに、彼女達…アビドス生の二人は少ない弾薬で私たちを制圧してしまった。あの先生が指揮していたおかげかもしれない。

 あーあ、こんなことならカタカタヘルメット団なんて馬鹿げた組織に入らなければ良かった…。

 

 

 

 

 

「…ありがとう、助かったよ二人とも。」

 

「ん…あなたが指揮してくれたおかげでヘルメット団を追い返せた。」

「お礼を言うのはこっち。」

 

 あの事件(?)から数分後、僕達より人数の多かったカタカタヘルメット団は聞き飽きた捨て台詞を吐いて退散して行った。

咄嗟に指示を送ったおかげで二人は上手く立ち回れたらしく、僕の指揮と二人のコンビネーションで見事に追い返したのだ。

それにしても、この二人やけに強かったような…?

 

「一応、私からもお礼を言うわ…ありがとう。」

「…それで、この人がアヤネの言ってたシャーレの『先生』?」

 

「うん、僕はピーター・パーカー。連邦捜査部シャーレの…先生だよ。」

 

 猫耳付きの黒髪少女が話しかけてくる、黒の猫だなんて…あー、頭が痛い。

少女の言葉に笑顔で頷きながら肯定する。先生を自称するのはまだ慣れないね。

それにしても情報の伝達が速いな…シロコが例のアヤネに伝えてくれたのかな?時間的にも辻褄が合うし…そういうことだろう。

 

「珍しい名前ね、パーカー先生って呼ばせてもらうわ。」

「私は黒見 セリカ。」

 

「私もそう呼ばせてもらう。」

 

「OK…セリカね、よろしく。」

 

 パーカー先生か…何度聴いても良い響きだ。

このままここで突っ立っていても意味無いから、僕達はアビドスの校舎へと足を進めた。窓からピンク色の髪の毛が見えた気がしたけど…気のせいか。

 校舎自体は思ったより広く、グラウンドや体育館、プールまであるそうだ。元々沢山の生徒が居たって話は本当みたい。

 

「そういえば…なんで二人は校門近くに居たの?」

 

 三人で廊下を歩いている最中、ふと疑問に思ったことを投げかける。

まさか、僕がヘルメット団に襲われるなんて予知していたわけではあるまい。

 

「あぁ、それはシロコ先輩が…。」

 

「ん、やっぱり先生が一人で心配だから迎えに行こうって。」

「セリカも誘った。」

 

 なるほどね、やっぱりこの子は天使かその類だろう。あまりにも優しすぎる。

ブラックキャッ…セリカもわざわざ僕のために足を運んでくれるなんて…。

 

「ありがとう、二人とも。」

 

「わ、私は先生じゃなくてシロコ先輩が心配でついて行ったんだから!」

「まぁ…結果的に先生を助けることになったんだけど…。」

 

 目を逸らしながら、最後の言葉をゴニョゴニョと小さな声で呟くセリカ。こんな感じの子、どこかで見たような…。

そうそう、確かJapanese…

 

「TSUNDERE…。」

 

「つ、ツンデレ!?誰がよ!!」

 

 セリカの顔が赤く染まった。

oh......怒らせちゃったみたいだ。もしかして言葉を間違えたのかな?

そんな会話も終わる頃、どうやら目的地に着いたようで、シロコが教室の扉を開いた。

 中に居たのは赤いメガネの子と、ベージュの髪で一番背の高い子、そして机に突っ伏して眠っているピンク髪の小さい子。個性豊かだね!

…あれ、もしかしてこれで全員?

 

「連れて来たよ、シャーレの先生。」

 

「ほ、本当に来たんですか!?」

「…あっ、すみません先生、改めて…ようこそアビドス高等学校へ。」

 

「こんにちは、僕はシャーレのピーター・パーカー……君が奧空 アヤネ?」

 

「はい、私がこの『アビドス対策委員会』で書記とオペレーターを担当している一年のアヤネです。」

 

 Jackpot!やったね!

僕が小さくガッツポーズをしたのは言うまでもないだろう…それにしてもしっかりとした一年生だ、いやこの学校の問題のせいで()()()()()()()()()()()()()()のかも…。

 うーん、さっきのヘルメット団だけが問題ならいいんだけど…。

僕の僅かに残った記者魂が、まだ問題を残していることを察知しているんだよね。

 

「…そして、こちらが二年のノノミ先輩と、三年のホシノ先輩…。」

「…寝ちゃってますけど、これでもホシノ先輩は委員長なんです。」

 

「おやおや〜『これでも』なーんてセリフ、おじさんは聞き捨てならないな〜?」

 

 挨拶をするノノミに返事をして、机に突っ伏したままのホシノに目を向ける。よっぽど疲れているのか、起きる気配は全くなかった…はずなんだけど、一瞬だけ目を離した隙にアヤネの背後に回り込んでいた。

僕が捉えられないって…もしかしてこの子相当…。

 欠伸をしながらアヤネの頬を突っつくホシノ、ヘラヘラとしたその雰囲気からは、とても『委員長』なんて風格は感じられなかった。

 

「お、起きてたんですか!?」

 

「それで〜?この人があの先生?よろしくねー。」

 

「…よろしく、ホシノ。」

 

「窓から見てたよ〜、校門前での活躍。私たちが集まって準備してる間に片付けちゃうなんて凄いねー。」

 

「ありがとう、でもセリカとシロコの力があってこそだよ。」

 

 万が一、あの二人が来なかったらウェブシューターを使わざるを得なかった…そうなってしまえばキヴォトスでスパイダーマンにはなれない、僕が超人ってこともバレてたかも。

 ツン、と顔を背けるセリカだけど、少し嬉しそうなのは僕でも分かる。シロコはちゃんと表情に出して嬉しそうだった。

 

「先生が居なかったらさっきの人たちに学校を乗っ取られてしまったかもしれません…感謝してもしきれません。」

 

「僕も助けてもらったしお互い様だよ、それで…『対策委員会』って何?」

 

「そうですね、ご説明いたします。対策委員会とは……このアビドスを蘇らせるために有志が集った部活です。」

 

「うんうん!全校生徒で構成される、校内唯一の部活なのです!全校生徒といっても、私たち五人だけなんですけどね。」

 

 アヤネの説明に、ノノミが補足を入れる。やっぱりここにいる五人だけなのか。

でもさっきの戦闘を見る限り、戦力面では問題無さそうだ。流石に物資が少なかったらヘルメット団相手でも苦戦を強いるかもしれないけど…。

 

「他の生徒は転校したり、学校を退学したりして町を出て行った。」

「学校がこの有様だから、学園都市の住民もほとんど居なくなってカタカタヘルメット団みたいな三流チンピラに学校を襲われてる始末なの。」

「現状、私たちだけじゃ学校を守り切るのが難しい。在校生としては恥ずかしい限りだけど…。」

 

「もしシャーレからの支援がなかったら…今度こそ、万事休すってところでしたね。」

 

 ナイスタイミングってところかな、スイングしてなかったら危なかったかも。

 

「これでヘルメット団も懲りて攻撃を止めてくれればいいんだけど…。」

 

「それはないかな、まだまだ攻めてくると思う。」

 

 うへ〜、負けず嫌いは良いけど見境ないのは駄目だよね。僕も今まで同じやつに何度も挑まれてきたし気持ちは分かる。

 ドローンで要請した物資が届いたようで、教室の窓から次々と弾薬やら食料やらを運んでくる。ちなみにこれはアロナがやってくれた、超万能AIは最高だね!!

 

「こ、こんなにも物資が…。」

 

「これがシャーレの…大人の力…!」

 

 物資を開封しながらキャッキャと騒ぐ一同、その様子はまるでクリスマスプレゼントを貰った子供のようだが、中身が物騒すぎるよ。

僕も物資の整理を手伝いながら話を進める。

 

「また襲ってくる…ってことはこのまま消耗戦が続きそうだけど…。」

 

「そういうわけで、ちょっと計画を練ってみたんだー。」

 

 作業を進めながらホシノが名乗りを上げる、その顔はまさに自信満々だった。

 なるほど、ここで活躍するのか委員長。超クールでイカした作戦、聞かせておくれ!

 

「えっ!?ホシノ先輩が!?」

 

「うそっ…!?」

 

 やっぱり期待はしないでおこう、セリカとアヤネの反応から作戦なんて滅多に出さないことが伺える。委員長って何するの…?

 

「いやぁ〜その反応はいくら私でも、ちょーっと傷付いちゃうかなー。おじさんだってたまにはちゃんとやるのさー。」

 

「…その計画って?」

 

 ヘラヘラと笑い続けるホシノにあまり期待しないまま問い掛ける、ちゃんとした作戦だったら謝ろう。

 

「ヘルメット団は、数日もすればまた攻撃してくるはず。ここんとこずっとそういうサイクルが続いているからねー。」

「だから、このタイミングでこっちから仕掛けて、奴らの前哨基地を襲撃しちゃおうかなって。物資も十分だし、奴らも消耗してるだろうからさー。」

 

 前言撤回、最高にクールでスタイリッシュな作戦だったよ。

これなら今日中にヘルメット団の問題も何とかなりそうだし、さっき来た物資もふんだんに使える。

 

「…ごめんホシノ、正直言うとあんまり期待してなかった。」

 

「もう〜、先生までー。」

 

「でも、良い作戦だね。早速向かおうか。」

 

「い、今からですか!?」

 

 アヤネは驚いているが、シロコとノノミは結構乗り気なようだ。

 

「なるほど。ヘルメット団の前哨基地はここから30kmくらいだし、今から出発しよっか。」

 

「良いと思います。あちらも、まさか今から反撃されるなんて、夢にも思っていないでしょうし。」

 

 物資の整理をある程度終わらせ、必要な物を持って出撃準備。

僕は…特にすることはないからみんなの補給作業を手伝うくらいかな。

でも銃のことはあんまり分からないし…とりあえず飲料水をペットボトルに入れとこっかな。

 

「よ〜し、みんな準備できたー?」

 

 委員長、ホシノの言葉に僕と各々が返事をする。

大丈夫、二人であれだけやれたんだからこの五人ならイチコロだ。

僕の鞄にも食料と水を詰め、念の為にウェブの残弾数を数える…うん、この数なら何が起きても大丈夫そうだ。

 

「よし、みんな行こう!」

 

 

 意気揚々と足並み揃えて歩き出すが、コートの裾をアヤネにつままれ立ち止まる。

 

「あ、先生は私とここで待機です。」

 

「………え?」

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