よろしくお願いします
注意
これはダンガンロンパシリーズの二次創作物です
残酷な描写を含みますのでご注意下さい
また、前作前々作とは繋がっておりません
それでも良い方はどうぞ
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CHAPTER6 寂しがりの白鳥さん、さようなら
START?
▶YES
NO
ジジッ
本当に進む?
▶はい
いいえ
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「……それで、まだ俺達の知らない事とは?」
「えぇ、そうですね。まずはそれから説明しなければなりません。」
「あなた達は、ここに来る前の事、覚えてる?」
「ここに、来る前の事?」
「えぇ、普通に学園で過ごしていた頃の事です。」
「えぇと……良く覚えてないのん。」
「えぇ……そうでしょうね。だって」
「記憶を消された上で、ここに来たんですから。」
「記憶を……?」
「はい、そうです。」
「あなた達96期生はね、ここに来る前に……学園で、テロリストに襲われて、意識不明の重体になっているの。」
「……え?」
「他の生徒や先生達も、学園の外に出ていて居なかった2人の生徒と一部の先生達を除いてみんな……全滅。」
「待って、下さい」
「あなた達は辛うじて一命を取り留めたけど、みんな酷い状態なの。私達もここに来る少し前まで、人質に取られていたの。」
「………」
「ちなみに、今そのテロリストって……」
「……えぇと……」
「投げ飛ばされました。」
「は?」
「外に出ていて居なかった2人に、帰って来た時に皆まとめて、学園から遠く離れた所に投げ飛ばされました。今は警察で捕らえられています。」
「えっ……」
「……優芽子と柊南子の仕業か……」
「え?」
「……お察しの通りです……」
「誰?」
「……俺達の隣のクラスの、催眠術師
「その通りです……あの2人、少し前に公演と試合から帰って来たんですけど……あの様子を見た瞬間、テロリスト全員集めて眠らせた上、学園から遠く離れた所に全員まとめて投げ飛ばしたんです。」
「……アイツら……」
「……苦労してるね、純浦……」
『ちょっとー!!海礼、人聞きの悪い事言うなー!!』
『海礼お兄、失礼。』
『ちょっと!?2人とも勝手に操作しないで下さい!』
一同「!?!?!?」
「え、何処から」
「……後ろか。」
『どうも〜!みんな、お久しぶり〜!てか覚えてるのか私達の事。』
「あ、あー……顔見たら思い出して来た…」
「あの、隣のクラスの忙しない人達…」
『そうそう、って忙しないって何よー!同級生でしょ!』
「話を戻せ優芽子、だんだん逸れてきてる。」
『あ、やべっ。はいはい話戻しますー。』
『お姉、マイペース。』
『マイペースでは無い!えーと、まずは……こっちじゃ半年くらい経ってるよってとこから言う?』
「……半年?」
『そーそー、私達半年くらい試合の合宿と公演に出てて居なかったのね。そして帰って来たら学園がどえらい事になってた訳!みんな死んじゃってるしあんた達は意識不明の重体だしで、もうパニーック!あ、テロリストは私達が片付けといたから居ないよ。』
「それは聞いた。」
『あ、そうなの?えーと、じゃあ次は〜…』
『ちょっと失礼しますね。』
『え?地野立センセー?』
『えー、皆さん。』
『皆さんの治療自体は終わっていますが、これからどうなさいますか?』
「治療、終わってるんですか?」
『えぇ、大体の方は動けるでしょう。ただ純浦くんは何とも言えない状態でして…』
「……どんな状態で?」
『えぇとですね、キミは……』
「……貴方の左目は抉り取られてもう、2度と見えない状態です。後は、そうですね……左脚に麻痺が残っていると言った所でしょうか。」
「……は?」
「貴方の左目、テロリストに抉り出されたんです。だから、貴方が嫌っているその右目しか無い状態なんですよ。」
『ね、姉さん!もう少しゆっくりと…!』
「音、どうせ伝えなければいけない事です。そんなに猶予は無いんですよ。……左脚は確か、スタンガンで打たれた際に麻痺が残ったんでしたかね。」
「え、えぇ……そのはずです。」
「……嘘だろ、今までずっと……ずっと右目を隠して生きて来たのに、左目が無くなったら俺は……」
「義眼を使用して生きるという手立てもありますが…」
「片目で生きて行く、としか方法が無いね。」
「………ッ!」
「──────……だからこそ、貴方達に選んで頂きたいんですよ。」
「何、を」
「ここを出て外で生きて行くか、ここで永遠に生きて行くかの選択を、ですよ。」
「ここを出るか、ここに永遠に住むか…?」
「えぇ……ここは貴方達を治療する為に杏ちゃん達が作った、電子空間です。だから、貴方達がやりたいと思うような設備やシステムがありました。」
「海開きの時に水着があったり、縁日に行く時に浴衣を用意してくれたりしたのは……」
「それも計算の内です。少しでも貴方達が楽しく過ごせるような空間を、私達が造り上げたんです。来た時には夏だったので出来ませんでしたが、春もあってお花見が出来たんですよ。」
「お花見……」
「外の世界は野蛮で、物騒で、貴方達を危険な目に遭わせる。でも、ここに居れば平和で、ずっと楽しくみんなで遊んで居られる。死んだみんなも蘇るし、時間に限りなんて無い。だから、ずっとここに…居れば良い。」
「殊…」
「貴方達だって、あんな危険な場所に居たくなんて無いでしょう!?私達を殺して捕まったはずのテロリストは未だに彷徨いている!どんなにどんなに捕まえても滅ぼしてもまた現れる!そんな野蛮な奴らが居る所なんて、居たくないでしょう!?だから…!」
「……地野立」
「「そこまでです(だよ)」」
一同「!?!?!?」
「つぼみ、くん、いっせい、くん」
「お待たせしました。いやぁ、時間大分かかってしまいましたね。」
「ホントだよ、烏ちゃん所々で引っ掛かるんだもん、来るの大変だったよ。」
「いやいやいや。あんな狭い通路、大の男の私が引っかからない訳無いでしょう。」
「それもそうか。……さぁて、白鳥ちゃん。観念しなよ。アンタ、そんな事して楽しいの?」
「たの、しい?」
「そうだよ。俺っち達をこの島に閉じ込めて、何の得がある訳?」
「だって、外の世界は野蛮で危なくて」
「まぁ聞いた限りそうなんだろうね。でもさ、俺っち達そんな弱くないんだよ。確かにテロリストにギッタンギッタンにされちゃったけどさ、それでも生きてるんだから弱くなんて無いんだよ。」
「……でも、」
「でもじゃ無い。アンタ、ホントは寂しいんでしょ。」
「さみ、しい?」
「そう。俺っち達が居なくなればアンタはこの世界で一人ぼっちになる。そもそも、存在すら出来るか分からない。だから、ずっと俺っち達に居て欲しいんでしょ?」
『……姉さん』
「……」
「高麗人参と黒ニンニクの様に硬い頭ですね」
「……違うって言う訳?」
「えぇ、えぇ、違いますよ。私は貴方達……貴方達後輩を、あんな奴らから護りたかった。それだけです」
「言ったでしょ、俺っち達はそんなヤワじゃないって。」
「えぇ、仰いましたね。それでも…貴方達はまだ子供なんですよ。子供の命が奪われるなんて、そんな事あってはなりません。ましてや、まだ未来の可能性が沢山ある貴方達です。だから、私達……死んだ37期生のようになって欲しくない。だから、だから……お願いだから、あんな野蛮だらけの外の世界に出て生きるなんて、言わないで……」
「地野立……」
俺は、どうすれば良い?
どうすれば、お前の願いを聞き届けながら生きて行ける?
どうすれば良いんだ。
なぁ、『地野立』……どうすれば、アイツを…助けられる?
……お願いだ、教えてくれ。
頼むから……頼むから、もう一度だけでも応えてくれ。
キィン
『海礼くん』
キィン
『大丈夫、貴方達ならやれます。』
キィン
『貴方達の願いを、届けてあげて。』
キィン
『あの人は、また失うのが怖いだけ。』
キィン
『貴方達の願いが届けば、きっと明日が見えて来ますから。』
キィン
『さぁ、行って。ここで立ち止まれないでしょう?』
シュウウウウウ…
「……あぁ、そうだな。助かったぞ、『地野立』。」
96期生「それは違うぞ(よ・います)!」
「……なっ、」
「地野立、確かに永遠を求める気持ちは分かる。だが、俺達は永遠など求めていない。」
「限りあるものだからこそ、確かな明日が見つけられるんだよ。」
「だって、永遠なんていつか飽きてしまうよ。」
「だから、限りある命を大切にするのん!」
「貴女……いいえ、貴女達が私達を護りたい気持ちは大変良く分かります。身をもって感じましたから。」
「だが、何時までも護られている俺様達では無い。」
「だって、誰だっていつかは大人になるんだぜ?護られてばっかじゃ居られねえよ。」
「だから、俺っち達は野蛮だろうが何だろうが外の世界に出る。これは変わらないよ。」
「…!」
『ヒューゥ!やるじゃん!男前ー!』
『お姉、雰囲気、ぶち壊し。』
『スンマセーン!』
『あはは……』
「……貴方達の気持ちは、十分伝わりました。」
「……伝わったか。」
「やったな!」
「あぁ。」
「良かったですねぇ。」
「…それでは、最期に」
「一つだけ、魔法をかけてあげましょうか。」
「…魔法?」
「殊ちゃ、魔法使えるのん?」
「えぇ、一つだけ。……音、準備は良いですか?」
『えぇ、万端ですよ。姉さん』
「……何をする気?」
「大丈夫、危ない事はしません。これは──────」
「貴方達の想いと願いが詰まった、ある一つの奇跡ですよ。」
シュウウウウウ…
「わ!?何何!?」
「何も見えないのーん!?」
「ちょっ、皆居る!?無事!?」
「無事でーす!一応!」
「何なんだこの霧は!?」
「うわぁ、何か眩しいぞこれ!?」
「………!」
「…ヒューゥ!」
ポンッ
「わぁ」
「えっ」
「うおおおおお!?」
「きゃぁ!?」
「…?」
「ワォ!?」
「…!?戻って、来ている…!?」
「み、」
「みんな…!?」
「どうして、」
「これは、我が桜ノ宮家に伝わる秘技とこの世界での思い出、そして貴方達の願いが合わさる事によって出来た、ある一種の奇跡です。」
『私の才能は、『元超高校級の奇跡』。桜ノ宮家に代々受け継がれる、特殊な才能なんですよ。』
「代々当主が受け継ぐ才能なので、本来は私が受け継ぐはずだったんですが……仕方ありませんよね。」
『はい。姉さん……そろそろ、時間が。』
「……そうですね。」
「え?」
フラッ
ガシッ
「……ッ、地野立ッ!!」
「あぁ……もう、この身体も限界みたいですね。ごめんなさい、『私』。最期まで、こんな……」
「殊ちゃ、殊ちゃ!」
「何で、どうして、」
「元々この身体は長く持たないんです。……あぁ、そうだ。」
「みんなで、夜明けを見に行きませんか。」
ザッザッザッザッ…
「ここ、私のお気に入りなんです。朝焼けも夕焼けも凄く綺麗に見えて。」
「……ッ!」
ポタ、ポタ
「……泣かないで下さい。私は既に死んだ身なんですから、こうなるのは仕方ありません。」
「………俺は、お前を……お前が、好きだったんだ。」
「……こんなおばあさんを好きになるなんて、貴方も物好きですね。私が消えればこの世界は崩落し、貴方達は外の世界に出られるでしょう。」
「……」
「──────…殊ちゃん、嫌な役をさせてしまってごめんなさい。……貴女は、幸せだった?」
「えぇ、とっても──────……とっても幸せでした。だから、気にしないで下さい。杏ちゃん。将也くん。疾風くん。萃香ちゃん。和葉くん。音舞里ちゃん。そして…音。」
「……殊ちゃん。」
『姉さん……』
「夜が明けますね。……あぁ、出来る事なら」
「────────────……来世で、またお会いしましょう。」
バサッ
バサッ
こうして、白鳥は旅立って行った。
俺達に、確かな爪痕と思い出を遺して。
俺は、アイツに……何か、出来たのかな。
『姉さん……さようなら。』
『大丈夫。もう充分過ぎるくらいに、貰いましたから。』
そんな応えが、何処かから聞こえて来た気がした。
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さぁ行こう。
未来を切り開く為に。
さぁ行こう。
貴方を守る為に。
さぁ進もう。
未練を残して死んで行った、彼らの為に。
寂しがりの白鳥さん、こんにちは。
どうして泣いているの?
…僕達を、護りたかったから?
──────…大丈夫!僕達は大丈夫だよ。
だって────────────
ずっと、貴女に護られて来たんだから。
だから安心して。
貴女はもう、休んで良いんだよ。
泣かないで。
大丈夫、もう僕達は
前を向いて、歩けるから。
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CHAPTER6
寂しがりの白鳥さん、さようなら
END
生存者数
24名