"ヒーロー"になればモテると聞いて 作:パステルチョコ
さて、続々と人が集まってきた。
皆格好いいじゃねぇか。センスも抜群。
俺もえっくんみたいに上裸にすればよかったか?鍛え上げられた肉体を惜しげも無く披露してよかったかもしれない。
ま、とりあえずの急造品だ。自分のコスチュームはおいおい改良していけばいいだろう。
そんなことを思いつつ、周りを見てみる。
フルフェイスの、あれはテンさんか。いいね!センスがいい。
でんでんのは……普段着でも着れそうなデザイン。しかし、それとなくカッコ良さがあり、まとまった印象。ナイスセンス!
きょうちゃんもまたロックな見た目のナイスなデザイン。みんなセンスがいいな。
何よりも、おちゃちゃ!
「パツパツスーツんなった。はずかしい…」
「何を言う、エロ可愛くて人気爆発間違いなし。俺、ヒーロー科に来てよかった!……後で写真撮っていい?」
「や、やめてよ!は、恥ずかしい…!」
その恥じらう姿もポイント高い。完璧だ!
そういうのを俺はずっと待ってたんだ!
「そこら辺にしときな。いつまでセクハラしてんの」
「お、きょうちゃんじゃないか?それじゃあまずは性癖を教えてくれるかな?」
「そのくだり、毎回やらないとダメかな…!?」
いいじゃないか。これもスキンシップさ。
と、そんな会話をきょうちゃんと繰り広げていた時だった。
「そのような発言は控えてくださいまし、移厘さん」
背後から接近!子の声は……オトコ殺しの武器を持つ原付パイのちゃんねーか!
答えにたどり着いた俺はすぐさま後ろを振り向いた。
そして、
「オゥーッ!ジーザスッ!!」
「へ?」
その姿を見てたまらず俺は叫んだ。
そこにいたのはダイナマイトボデーのナイスなスタイルを惜しげも無く活かしたハイレグのようなコスチュームに身を包んだ痴女だった。
素晴らしい!素晴らしすぎる!
ピチピチ以上の素晴らしきコスチューム!戦闘服と果たして呼べるのか?……いや、確かに戦闘服だろう!夜のッ!!
「ど、どうしましたの…?」
「俺……生まれてきて良かったよ…!」
「ほんとにどうしましたの!?」
「あー、ヤオモモ。そいつのことは気にしなくていいから」
確か名前は【八百万百】だったな。
貴殿の名、しかと覚えておこう。ももちゃん。
「……とりあえずアンタはこれ以上ヤオモモを見るな」
「確かにな。刺激が強すぎたかもしれん」
「……アンタがそんなこと言うとか、これから雨降ってくんの?」
「故にとりあえずインターバルを挟まねば。さて、失礼しますきょうちゃ「フンッ!」」
きょうちゃんの胸を視線を移した瞬間に我がお目目に突き刺さるナニカ。
……いやぁぁぁぁあッ!目がッ!目がァッ!!
そうして目の痛みにのたうち回っていると、
「みんなー、お待たせー」
1人の少女の声が聞こえてきた。
新しき女子のコスチュームか。痛む目だがこの目でしっかりと収めておかなくては!
そうして、顔を上げる前を見てみると──
たわわな女を主張する立派なメロンを2つ、ゆさゆさと揺らし、大人への階段を登り始めた慎ましい野原を惜しげも無く披露した手袋と靴のみの全裸美少女がこちらへ走ってきていた。
「ゴッハァッッッ!!!!!」(鼻血)
「「「「なにごとッ!?」」」」
な、な、な、なんだ今のはァッ!!??
膝を着き、手を着き、口と鼻を覆う手の隙間から赤い液体が地面へと滴り落ちる。
今俺は何を見た!?
あ、ありのまま今起こった事を話すぜ?
俺はクラスメイトのコスチュームを確認しようと前を向いたらそこには全裸美少女がいた!
な、何を言っているのか……わからねーと思うが……俺も、何を見たのかわからなかった……。
頭がどうにかなりそうだ…!ピチピチスーツだとか、ハイレグだとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。
いや、実際のところほんとに全裸だったのか?俺の見間違いじゃ?
そう思い再度目を向けてみると、
「だ、大丈夫?移厘くん?」
「ゲボォォォオッ!!!」(ドッバァーッ!)
「移厘くん!?」
は、は、は、裸だァーーーー!!!
紛れもなく裸ですよこいつぁ!
なんてこった!こんなユートピアがあっていいのか!?
というより他のみんなはなんとも思わないのか!?ここはヌーディストアカデミアなのか!?
「だ、大丈夫!?移厘くん?」
「移厘ちゃん、すごい血よ?」
「どうしましたの移厘さん!?」
「ちょ、移厘、アンタ何したの!?」
「……こ」
「「「「こ?」」」」
「これが女体の神秘か…」
「「「「……え?」」」」
エロが過ぎるぜトオルさんよォ。
痴女どころじゃねぇぜ。ありゃあもう女神だよ。
トオル様、ありがとう…!
「み、ミノル君。ミノル君はいるか…?」
「お、おう、どうした移厘。そんなに血、出しちまって大丈夫なのかよ…?」
「……フッ、我が生涯に、一遍の悔いなし…!」
「ちょ…!移厘!?うつ……死んでる…!?」
「「「「なんでッ!!??」」」」
血溜まりの中で峰田の膝で目をつぶる移厘。
その顔は心做しか満足気で優しい顔をしていた。
「なになに?移厘くんどうしたの?」
「それが、よくわかんなくて」
「透ちゃんが来てからいきなりよね?」
「わ、私なにかしちゃったのかな…!?」
「誰か何か知ってる方は…?」
「切島とかは?アイツ、移厘とよく話してるじゃん」
耳郎の言葉に切島へ視線が向く女性陣。
目線の先には気まずそうに頬をかきそっぽを向く切島がいた。
「切島さん、何か知っていますの?」
「え?あー、いやなんつーか。……なぁ?」
そう言って切島が助けを求めたのは先程まで移厘と話していた上鳴。
「え?……俺ぇ!?」
「上鳴、あんた何か知ってんの?」
「し、知ってるっつーかなんつーか……もしかしての話ならあるけど……、いや、ありえないか。有り得て欲しくない…!」
そう言って上鳴は現実から目を逸らした。
しかし、止まる女性陣じゃない。
「ちょ!なにか知ってんなら教えてよ!」
「切島ちゃんも分かるの?」
「あー、その、な?」
耳郎が上鳴に詰め寄ってる間にカエルの個性を持つ【蛙吹梅雨】は切島へと詰め寄っていた。
「みんなが来る前、移厘の個性のこと教えてもらってたんだけどよ。そん時、どうやら"透視"っつー、個性もってるって言ってて……移厘が言うにはなんでも見えるって……」
その言葉に女性陣、主に【葉隠透】の動きが止まった。
「な、なんでも…?」
「らしい…」
「……透明の私のことも見えてたり…?」
「「「「………」」」」
葉隠の言葉に誰も何も返せない。
そんな中この男は復活していた。
「なるほど、透明か。それならみんなには見えないもんな」
「……っ!」
気づけば葉隠の後ろに目を閉じて立つ移厘が。
鼻からは今なお血を流している。
「う、移厘くん…、あの、もしかして……私のこと「トオルちゃんッ!!」は、はいっ!」
「透明をいいことに真っ裸とは……君もこちら側の住人だったんだなッ!」
「……っ!ち、違いますぅッ!!」
「フンッ!」
「ゴフッ!?」
いい笑顔で地面へと落ちていく移厘!
赤面してしゃがみ込む葉隠!
怒りの形相で腹パンの耳郎!
血涙の峰田!
項垂れ涙を流す上鳴!
冷めた視線の女性陣!
気まずそうな切島!
誰か収拾をつけてくれ!
耳郎が着々と移厘君のストッパー役に。