"ヒーロー"になればモテると聞いて 作:パステルチョコ
「さて!それでは講評タイムといこうか!今回のベストは誰だったか!わかる人!」
モニタールームへと帰ってきた俺たち。ようやく一段落だ。
ふいー、流石にちょっと疲れちゃったよお兄ちゃん。
「まあ……移厘じゃね?」
「移厘だろ」
「轟ちゃんも凄かったけど、今回は移厘ちゃんよね」
お?なんか俺褒められてる?
やったぜ、とりあえず決めポーズしておこう。
「その通り!今回のベストは移厘少年だ!では理由を言える人!」
「はい、オールマイト先生」
「……や、八百万くん。どうぞ」
「はい。移厘さんは状況に応じて臨機応変に対応してたからです。ヴィランという役を最大限に活かし、ヒーローとは無理に戦うことなく無力化させることを最優先に、そして、葉隠さんや尾白さんにさえもヒーローが無理に手を出せない状況を作り上げていましたわ。他の皆さんも自分に出来る最善手、最大限のことをしていましたが移厘さんはさらに1歩先を見据えた行動が出来ておりました」
「「「「………」」」」
「せ、正解だよ…!」(また全部言われた…!)
「フッ、そうだろ?俺すげーだろ?……惚れてもいいぜももちゃん」
「へ?あ、いえ、大丈夫ですわ……」
照れ屋さんME☆
「にしても移厘の行動はマジで早かったよな」
「俺ビルごと凍結されたらどうしたらいいかわかんねぇよ」
「……アンタって変態なだけじゃなかったんだね」
「褒められてんのか貶されてんのかわかんねぇなこれ」
手放しに喜べなーい。誰かもっと俺に黄色い声援を!主に女の子たちからのものを望む!
「実際、移厘くんってどこまで先を読んでたの?私凍らされた瞬間に助けてもらったんだけど…」
「作戦立てる時も念入りってくらい色々やってたもんな」
「ん?うーん、ぶっちゃけそこまで。ビルごと凍結はさすがにね。個性が不明確だったから色々想定してただけよ。だからこそトオルちゃんに透明活かして2人の個性確かめてもらおうと思ったし。個性さえ割れたらそれに対して有効な作戦使おうと思ったけどあそこまでの速攻で来られたら全部作戦潰れちゃうって。だからもう戦いで勝つことよりも無力化させることに意識を切り替えたんよ。そんでいちばん手っ取り早いのは人質だなって。ビル凍結させるとか仲間危ないから中じゃなくて外にいることは予想出来たからテレポートしてメゾっち確保ついでにトオルちゃん回収したし」
「「「「………っ」」」」
「え?なに?」
「「「「普段とのギャップッ!!」」」」
「うおッ……!?」
「なんで普段から"こう"出来ないんだコイツは…!」
「馬鹿と天才は紙一重……てやつか」
「……アンタのこともうよくわかんないわ、私」
「え?なんでぇ?」
みんなどうしたの?頭抱えて。……頭、大丈夫?
「ま、まあ何はともあれ今回は移厘少年の活躍が大きかった。しかし!他の皆も自分に出来ることを最大限出来ていた!ただ展開の予測!この一点において移厘少年の方が上手だったわけだ!そこを反省点に次!頑張ってくれ!無論、他のみんなもだ!」
「「「「はーい」」」」
「よし!それでは次の組だ──」
と、俺たちの出番は終わり、後はもうほかのみんなの戦いを見学。
えっくんからはもっと男らしく行けよ!と言われ、でんでんとミノルくんからはトオルちゃんの裸の感想を聞かれ、さるるには戦闘においてのアドバイスをしてあげた。
男の友情が深まったんだぜ。
あと、トオルちゃんが寒そうだったので上着を貸してあげた。
ぶっちゃけこれ以上裸でいられると俺死んじゃう(失血)
目を開けなきゃいいって?おいおい、そんなこと男である以上無理に決まっとろうが。そんなこと出来るやつはもう悟りを開いてるから。
→←→←→←→←→←
ヒーロー基礎学を終え教室に戻ってきたA組一同。
と言ってももう放課後。午後いっぱいヒーロー基礎学だったわけで、もう既に下校の時間だ。
「移厘ー、今日ラウワン行かね?」
「ええよー。何?カラオケ?スポ?ボウリング?」
でんでんからのお誘い。別に断る理由もなし。親もほぼ放任主義なため遅く帰っても怒られることは無い。行くしかないっしょ!
「ま、それは行ってからで……峰田はどうするー?」
「オイラも行くぜ!」
「えっくんはー?」
「俺も行きてー!」
ふむふむ、これで4人。……イツメンやな。
たまには他の人も巻き込ん……ゲフンゲフン、誘っておきたいが。……あ。
「さるるー、トオルちゃーん。ラウワン行くけど一緒行かん?」
「えー!行きたい行きたーい!」
「お、俺もいいの?」
「え?おん、暇なら行こ」
「お、おお……んじゃ行くわ」
よし!新たに仲間が加わった!テレレッテレー!
「耳郎はどうだ?」
「え?アタシ?……まああんたらトリオ、特に移厘が人に迷惑かけないかしっかり監視しなきゃいけないか」
でんでんがきょうちゃんを誘った。なんてこった。これじゃナンパも出来やしないじゃないか。……成功したこともないけど。
「これで7人か……なかなか大所帯になったな」
「え?ラウワン行くの!?アタシも行くー!」
「これで8人か」
えっくんの言葉に反応したピンクちゃん。
フッ、女の子なら大歓迎さ。
「よろしくな、ピンクちゃん」
「【芦戸三奈】、ね!頭ピンクくん」
「いやぁ、それほどでも」
「「「「褒めてはねぇだろ」」」」
それにしても増えたなぁ。
うんうん、遊ぶなら大人数でワイワイ遊びたいよね。俺はそういうの大好き。
と、そんな話をしていた時だった。
教室の戸がガラッと開いた。
そこにいたのは、
「あ、イズくん」
「お、緑谷!おつかれ!」
そんなえっくんの言葉を皮切りにイズくんへとみんなが殺到。
あわあわしてるイズくん。
そんなイズくんはみんなの質問に答えながら誰かを探してるように首を振って教室を見ている様子。
「イズくん、ウニくんならもう帰ったよ」
「え、あ、、ほんと!?」
「まあ出てったのさっきだから……まだ校門辺りにはいるんじゃない?」
「そ、そっか!分かった!ありがとう!」
そう言って立ち去るイズくん。幼なじみとぶつかれ少年。青き春を謳歌するのだ若人よ。
「おぉ、行っちまったな」
「移厘、アンタ意外と気が利くんだね」
「フッ当たり前よ。俺は紳士だからな」
「確かに、紳士だな。……頭に変態がつくけど」
失敬な!変態紳士だなんて全く。俺は"ド"変態紳士だ!舐めないでもらいたい!
「つか、そろそろ行かね?時間無くなるぞ」
「よーし、行こ行こ!」
「クレーンゲームで誰が1番取れるか勝負しよ!」
「その後はボウリングとか?」
「ボウリングなら得意だぜ」
「移厘、かわいい女の子見つけ次第互いに連絡な」
「任せろ」
「アタシがいるの忘れんなよ?」
そんなわちゃわちゃ会話をしながら俺たちは下校したのだった。
ちなみにボウリングもクレーンゲームも俺が圧勝した。
ナンパは全敗。なんてこったい。