"ヒーロー"になればモテると聞いて   作:パステルチョコ

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距離感が分からない……そんな人、いるよね!


変態にも弱点はある

 

 

 

「──うぃー、体中筋肉痛だーこれ」

 

疲労が抜けきってない体にムチ打ち登校。

 

今日も今日とて遅刻寸前。せっちゃんは先に登校してしまったために俺は1人テレポートで校舎前の門へ来ていた。

 

さて、今日もかわい子ちゃんたちと戯れようと意気込み中へ──

 

「あ、そこの君!オールマイトについて何か一言!」

 

「筋肉ッ!」

 

「……へ?って、消えた!?」

 

 

危ねー。マスコミさん達やん。囲まれちゃったら遅刻確定なんで逃げさせてもらうぜ。時間があったら濃密な時間を過ごせたんだがな。運がなかったな諸君!

 

さてさて、教室へー(スタコラサッサー)

 

 

 

 

 

「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった。爆豪、お前もうガキみてえなマネするな。能力あるんだから」

「……分かってる」

 

確かにな。熱い戦いだとは思うがあれは少々子供っぽかったな。ま、それも含めて青春さ。励めよ!若人よ!

 

「あと、移厘。お前は普段からああいう感じでいろ。性格以外は優秀なんだから」

「任せて!ちなみに先生、昨日のズリネタって「で、緑谷」

 

 

無視だとぅ!?この!無精髭!不審者!おたんこなす!

 

「お前はまた腕ブッ壊して一件落着か」

「……っ」

「個性の制御、いつまでも"出来ないから仕方ない"じゃ通させねぇぞ。俺は同じことを言うのが嫌いだ。それ(▪▪)さえクリアすればやれることは多い。焦れよ緑谷」

「……っ。はいっ!」

 

い〜い激励だ!流石センセー!さすせん!

 

「さてホームルームの本題だ。急で悪いが今日は君らに──」

 

((((何だ…!?また臨時テスト!?))))

 

「学級委員を決めてもらう」

 

「「「学校っぽいの来たーー!!」」」

 

 

うお、うるさ。耳が良いと唐突の大きな音はお耳がキーンってなっちゃう、キーンって。耳がいいのも考えものだね!

 

と、そんなこと思ってる間にみんなは俺だ俺だ俺だァ!と手を挙げ始めた。

 

普通は雑務って感じでやりたがらないモンだろうけど、ことヒーロー科においては集団を率いる能力を育てる絶好の場である、らしい。だからこんなに人気な訳だが。

 

 

「あ、俺もやってみよっかなー」

 

「「「「お前は絶対にダメだ」」」」

 

「……なんでぇ?」

 

 

イジメだ!センセーに言ってやる!

 

「センセー!みんながイジメ「ああ、お前は問答無用で却下だ」センセーからもイジメられるってマ?」

 

 

受け入れられぬ現実を目の当たりにし気分が落ち込んでしまう。

そんな中でもみんなは元気に手を挙げ己を主張していた。しかし、ここで待ったをかけた男が現れた。

 

「静粛にしたまえ!"多"をけん引する責任重大な仕事だぞ!"やりたい者"がやれるものではないだろう!周囲からの信頼があってこそ務まる聖務……、民主主義に則り真のリーダーを皆で決めるというのなら……これは投票で決めるべき議案…!」(ビシィッ!)

 

「そびえ立ってんじゃねぇか!?なぜ発案した!?」

 

 

バベルの塔が真っ青になるほどに真っ直ぐに天を衝く挙手をしているテンさん。綺麗な挙手です。10点をあげましょう。

 

「日も浅いのに信頼もクソもないわ、飯田ちゃん」

「そんなみんな自分に入れらぁ」

 

「だからこそ!ここで複数票を獲った者が真に相応しい人間ということにならないか!?どうでしょうか先生!?

 

「時間内に決めりゃなんでもいいよ」

 

と、テンさんのそんな言葉でみんなで投票することになった。

とりあえず俺はなんとなくテンさんに入れといた。

委員長っぽくない?メガネかけてるし。

 

そんなわけで結果は……、

 

 

 

「僕3票ー!?」

 

委員長はイズくんに決まり!

まあ、ぶっちゃけ俺が確定でやれないということになった瞬間からどうでもよかったんだぜ!

 

 

 

→←→←→←→←→←

 

 

 

「──てな感じだねー、A組は」

「……アンタに手を焼く姿が目に浮かぶわね」

「はぁ、相変わらずと言えばいいんだかどうなんだか」

 

ただいまお昼時。

俺は食堂にせっちゃんといっちゃんと共に来ていた。

 

この2人同じクラスになった時は初対面だったが俺という共通の存在がいた事でだいぶ仲良くやってるらしい。良きかな良きかな。

 

「てか、A組って入学初日で個性把握テストやったんだって?」

「あ、それ聞いたー。やばくない?」

「まあ、楽しくやっとるのでモーマンタイ」

「……大物なのか馬鹿なのか」

「馬鹿で変態なだけよ、拳藤」

 

2人のそんな言葉を聴きながらタコの刺身をお口へ運ぶ。んー、んまいねぇ。ランチラッシュさんほんとに言えばなんでも出してくれるからしゅき。

 

と、そんな時だった。

 

 

「しゅんくん!」

「ごえッ!」

 

後頭部に走る衝撃……とともに感じる柔らかな感触。

この柔らかな質感、この甘い匂い、そしてこの声。ま、まさか!

 

「うわー!久しぶりしゅんくん!いつぶりかな?3年くらい?ほんとに雄英来たんだねー!」

「あーはいはい、お久お久ねえちゃん

 

彼女の名は【波動ねじれ】。2コ上の先輩。そして……俺の幼なじみでもある。

 

 

 

 

 

「それでね、それでね、これが幼稚園の頃のしゅんくん」

「「おおー」」

「これが七五三」

「「うわー」」

 

スマホの画面を2人に見せるねえちゃん。

なんかめちゃめちゃ仲良くなーい?早くなーい?出会って5分も経ってないよー?

 

「波動先輩ってしゅんとどこで知り合ったんです?」

「えーとね、確か家がお隣同士でしゅんくんが生まれてすぐに遊びに行ったのが初めてかなー?だからちっちゃい頃のしゅんくんを抱っこしたこともあるよ」

「へー、こんな変態にも純粋な頃はあったのね」

「………」

 

く!まずい!隣に座るねえちゃんのせいでさっきから落ち着かない!

どうしよう!

 

「……それにしても波動先輩来てから大人しくなったね」

「……っ」

「確かに。どうしたのよアンタ。いつもならセクハラのひとつでも言ってるとこでしょ?」

「いや、そのな……うん」

「しゅんくん大丈夫?」

 

大丈夫、じゃないです。

 

コノヤロウ。3年見ない間に色々"育ちやがって"。……あー違う違う!クソ!まじでどうしよう…!

 

「さっきからどうしたのよ?百面相?」

「いや、幼なじみなんよ」

 

「「「……?」」」

 

「色々複雑なんだよ…」

「……どういうこと?」

「……さあ?」

 

なんかこう……分かんないかな?

小さい頃から一緒にいると女として見れないみたいなやつ。

 

前も言ったけど、"歳上の妹"なわけよねえちゃんは。

色々個性的すぎて人間関係を築くの苦手だったねえちゃんの面倒見たのも俺だし、個性の制御の特訓も付き合ってあげたの俺だし。

 

ぶっちゃけ幼少期はこいつの親より面倒見てたまであるくらいねえちゃんは"妹"なんよ。

 

で、またまた前にも言ったが俺はこいつに性癖を壊されたわけだ。

 

ねえちゃんが中学上がった時とかヒーロー目指してピチピチスーツを試着したりとか、一緒に爺ちゃんの道場で柔道とかやってた時に寝技かけられたりとか、果てには風呂とか一緒に入ったことまであるしな…!

 

分かります!?

 

妹のようで、それなのに年上としての魅力がばちこりあって、幼なじみだから"そういう目"で見ると罪悪感酷いし、それなのに性癖詰め合わせセットみたいな人間だからすんごい1番距離感が分からないのよ。

 

色々頭ぐっちゃぐちゃになるから……やばい!(語彙力の消失)

 

だ、誰かたしけて…!胃と心臓とチソチソが限界だ…!

 

と、そんな願いが通じたのか、次の瞬間、

 

 

 

ウゥゥーーーーッ!!!

 

 

 

こ、これは…!

 

「え?なに?」

「何かあったの?」

「これは警報だよ。でも……私も聞くのは初めてのことかな。多分誰かが校内に侵入したのかも」

 

「なるほど!じゃ、俺確認してくるわ!じゃ!」

 

「「「え?」」」

 

その言葉を最後に俺はテレポートで移動。

場所は玄関入口。

ふぅ、な、なんとか試練を乗り越えた。やばすぎでしょねえちゃん。なまじどストライクの性癖まみれのバカクソ好みの顔面とスタイルしてるからタチが悪いぜ。いつか俺死ぬんじゃね?

 

と、そんなことを思いつつ前を見てみると、

 

「オールマイト出してくださいよ!いるんでしょ!?」

「一言コメント頂けたら帰りますから!」

 

我らが担任相澤センセーと波長の合うマイクセンセーが押し寄せるマスコミを抑えていた。

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よし!教室帰るかッ!!

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