"ヒーロー"になればモテると聞いて 作:パステルチョコ
「すっげー!USJかよ!?」
さて、辿り着いた新天地。
その光景を見てみんなはテンションが上がっていた。
いや、ほんとに広いな。遊園地かよここは。
素晴らしいな。彼女が出来たらここにデートに来よう。
「水難事故、土砂災害、火事…etc、あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です。その名も──
((((USJだった!!))))
大丈夫?訴えられたりしない?
「スペースヒーロー【13号】だ!」
「災害救助でめざましい活躍をしている紳士的なヒーローだ!」
「紳士的…!?」
「あなたとは違うわ移厘ちゃん」
親近感が湧くなー、ワクワク。
俺もああいうコスチューム来た方がいいのか?
と、そんなことを思っていると、何やらセンセーおふたりが話している様子。
ふむふむ何々?オールマイト……制限ギリギリ……仮眠室……?
え?オールマイトなんか体調悪いん?まじ?ちょーやばじゃーん(ギャル)
「──仕方ない、始めるか」
「えー始める前にお小言を一つ二つ、三つ……、四つ……」
((((増える…))))
「皆さんご存知だと思いますが、僕の個性は"ブラックホール"、どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」
「その個性でどんな災害からも人を救い上げてるんですよね!」
「ええ、しかし人を簡単に殺せてしまう個性です。みんなの中にもそういう個性がいるでしょう」
その言葉にハッとするみんな。
俺も……まあ、切断できちゃうもんなぁ。
「超人社会は個性の使用を資格制にし厳しく制限することで一見成り立ってるようには見えます。しかし、一歩間違えると容易に人を殺してしまう個性を個々が持っていることを忘れないで下さい。相澤先生の体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。この授業では心機一転!人命の為に個性をどう活用するか学んでいきましょう!」
「「「「……っ、はい!」」」」
「以上、ご清聴ありがとうございました」
そう言ってお辞儀をする13号センセー。
みんながそれに対して拍手を送る中―
「………」
―俺は目を開けた。
場所は中央。……なんか来るな。
「そんじゃあまずは「センセー」……?なんだ移厘」
「……お客さんでも呼んだの?」
「……?」
「なんか来るよ」
「………っ、!?」
俺の言葉にセンセーは勢いよく振り返った。
現れたのは黒いモヤ。
そこから出てきたのは顔面に正しく"手"の仮面をつけた男。
奇しくも人を助けるための授業で人を襲う異変が現れてしまった。
「ひとかたまりになって動くな!13号、生徒を守れ!」
「何だアリャ!?また入試みたいなもう始まってんぞパターン?」
「動くな!あれは……
「13号に、イレイザーヘッドですか。先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが…」
「どこだよ……、せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ。オールマイト、平和の象徴がいないなんて……子供を殺せば来るのかな?」
→←→←→←→←→←
「ヴィラン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」
「全くだ。あんなファッションで人前に出るとは、バカなのかアホなのか。いや俺が流行に乗り遅れて…?」
「ああ、ありがとな移厘。いつも通りのお前で少し冷静になれたわ」
なんてこった。最近のトレンドは熊手ファッションなのか?俺も取り入れればナンパの成功確率が上がるかな?
「先生、侵入者用センサーは!」
「もちろんありますが…!」
「現れたのはここだけか学校全体か。何にせよセンサーが反応しねぇなら向こうにそういったことができるやつがいるってことだな。校舎と離れた隔離空間、そこにクラスが入る時間割……バカだがアホじゃねぇ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」
マジかよ。やっぱりあのファッションもセンスが終わってる訳じゃなくて新たなオシャレの形って訳かよ。たまげたなぁ。
「13号避難開始!学校に連絡試せ!センサーの対策も頭にあるヴィランだ。電気系の個性が妨害している可能性がある。上鳴お前も個性で連絡試せ」
「っス!」
「先生1人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すっていっても!イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は…「一芸だけじゃヒーローは務まらん」」
そう言ってヴィランの元へ向かっていくセンセー。
首に巻いた捕縛布と個性を消す個性を器用に使いながら一方的に倒していく。
ヒュー、かっくいー!
「すごい…!多対一こそ先生の得意分野だったんだ!」
「分析している場合じゃない!早く避難を!」
「させませんよ」
と、避難しようとした俺たちの前へ姿を表した黒モヤの男。
俺と同じような個性。テレポート……いや、黒いモヤから仲間を出していたところから見るに"ワープ"か。
機動力は俺以下だが厄介度は俺以上ってとこか。
「初めまして。我々は
ほう、これは大きく出たな。
しかし、オールマイトを倒す程の策があるからこそここまで大胆な行動が出来てるんだろう。
つまりオールマイトを殺せる殺せないにしろ、"オールマイトと戦える戦力"はあるってことか。
うーむ、これは厄介。
「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ、ですが何か変更があったのでしょうか?まぁ、それは関係なく……、私の役目はこれ」
と、黒いモヤの範囲を広げこちらを覆おうとしてきたがそれに反応して攻撃を仕掛けた者がいた。えっくんとかっちゃんくんだ。
──SKLITッ!!
──BOOOOOMッ!!
「その前に俺たちにやられるってことは考えてなかったか!?」
「……"危ない危ない"。そう、生徒と言えど優秀な金の卵」
どうやら効いてない様子。……いや、危ない?
肉体を黒いもやで隠して的を隠してるのか?有り得なくもない。
じゃなきゃ危ないなんてこと言うはずないだろ。
目を開け中を見る。
白い髪の……やっぱり肉体はあるのか。だったらいくらでも対処は……いや、黒いモヤに触れた時点でアウトの可能性がある。攻略きちぃー!
と、そんなことを考えていた時だ。
黒いモヤが一気に拡がった。A組全体を覆うように。
やべ、考えごとに耽りすぎた。反応が遅れた。
恐らくは俺らを分断し大勢の雑魚ヴィランに俺らを殺させるって算段か。ならばUSJの外には出さないだろう。
センサーを妨害できると言っても限りはあるだろうし、ここ以外の場所のセンサーは稼働してる。
って考えると外にヴィランがいる可能性は限りなく低い。
なら、ワープで飛ばされるのもありっちゃありか。
見た感じこいつが1番面倒だ。転移系の個性を持ってるからわかる。転移というのは敵に回したらめんどくさい。
だったらこいつから離れて自由に動くためにこのまま飛ばされよう。
そうして、黒いモヤに包まれ、気がついたら、
「ここどこぉ?」
大雨と暴風が吹き荒れる場所に立っていた。