"ヒーロー"になればモテると聞いて 作:パステルチョコ
ほぼ深夜テンション。
「実技総合成績出ました!」
雄英教師陣。入試の試験、それの実技の集計を終わらせた彼らは成績上位者の者たちについて話し合っていた。
「救助P0で2位とはな」
「『1P』『2P』は標的を補足し近寄ってくる。後半、他が鈍っていく中派手な個性で寄せ付け迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」
「対照的にヴィランP0で8位」
「アレに立ち向かったのは過去にもいたけど……ぶっ飛ばしたのは久しく見てないね」
「思わずYEAHッって言っちまったからな──」
「しかし、自身の衝撃で甚大な負傷……、まるで発現したての幼児だ」
「妙なやつだよ。あそこ以外は典型的な不合格者だった」
「細けぇことはいいんだよ!とにかく俺はあいつ気に入ったぜ!」
そんな講評を続けていく。
そんな中である一人の男の評価は満場一致で決まっていた。
「まあ、1位のやつはなぁ…」
「ああ、瞬時に情報を集められる情報力に、機動力はプロヒーロー以上。自分だけでなく他にも気を回せるほどの状況判断能力。そして…」
「0Pをぶっ飛ばせる戦闘力、か…」
「更に、鍛錬を付ければさらに伸びて化けそうな"個性"」
「もう既に下手なプロより動けるでしょ、コイツ」
「筆記に関してもケアレスミスがいくつか目立つがその細かなミスを直せば実質オール満点、こりゃとんでもないね」
言葉だけを並べて見れば完璧超人だ。
こんな逸材がヒーローを目指している。ヒーロー業界も安泰だと胸を撫で下ろすべきだろう。
しかし、
「やる気の方向性がなぁ……」
「「「「………」」」」
そう言って目を通している資料に書かれた受験動機。
そこには端的に、
──モテたい
その一文がデカデカと書かれていた。
さらに、
「ケアレスミスが多いって言ったが……ちなみに彼、どこの会場で実技試験を受けた?」
「……"E"、ね」
「……こいつの指定会場"F"なんだよなぁ」
「「「「………」」」」
頭を悩ます教師陣。
なんてことだ。
ヒーローとしての素質も、自頭の良さも、そして将来性も何もかも兼ね備えているのに基本的な部分が多分に欠如しているじゃないか。
これには一同、天を仰いだ。
そんな中、件の移厘はと言うと、
「もっとポーズ決めてー。おしりをもっと、こう!」
「ほんとにアンタ受かってるんでしょうね!?」
「受かってるって。……多分……おそらく……十中八九」
「受かってなかったら承知しないわよ!」
「お、今叫んだ拍子にパンツ見えた!シャッターチャンス!」
「てか、このスカート短すぎるのよッ!!!」
愛しのせっちゃんとコスプレ撮影会を開いていた。
→←→←→←→←→←
入試を終えて一週間。
この一週間の間にせっちゃんのコスプレ写真を撮りまくりアルバム1つ分がせっちゃんで埋まってしまった。
せっちゃんてばスタイル抜群のギャル子ちゃんだから写真映えが良くて興が乗っちまったぜ。
さて、そろそろ合格通知とかが届いてもいい頃なんだが、未だに音沙汰なし。遅いなぁ。
『──シューン!そういやあんたに小包届いてるわよー!』
この声は我がママンの声。
小包心当たりは……雄英!
俺は即座にせっちゃん専用コスプレ衣装の手入れを中断し個性を発動、ママンの目の前へと飛んだ。
「うお!……ちょ、シュン、アンタいきなり個性使うんじゃないよ。びっくりするだろ?」
「おっけ!サンキュ!じゃ!」
「ちょ──」
ママンの返答を聞かずに小包を手にし部屋へテレポート!
早速ビリビリと破いていく。
中には何やら小さな円盤のようなものがひとつ。
初見はなんだこれはと思うだろう。だが俺は知っている。
これは野球とかで使うキャッチャーがボールが当たっても大丈夫だよと股間を守るものだ。通称チンカップ。正式名称は忘れた。
早速我がオチソチソヘ装ちゃ『私が投影されたッ!』俺の股間からオールマイトがぁぁあッ!
『やあ!初めまして移厘少年!今年から私も雄英で教師をすることになったのさ!驚かせたかな?』
驚いたぜ。まさか股間からオールマイトとはな。さすが平和の象徴。
俺たちに出来ないことを平然とやってのける!そこに痺れるぅ!憧れるぅ!
『早速だが結果を発表しよう!筆記は問題無し!合格点を軽く上回る点数をを取れていた!そして、実技試験!ヴィランポイント85P!しかし、我々が見ていたのはそこだけじゃない!それが
ふっ、かわい子ちゃんを助けるのは紳士の勤めですからね。当たり前です。野郎?知らない子ですね。
『ただ女子受験生だけを、さらに一言余計なことを言ってビンタされていたことは減点だがね』
何を言う。紳士なんだから太もも柔らかいですねとか、いい匂いしますねとか褒めるだろ。ビンタ?あれは褒められて嬉しさのあまりビンタしただけだろ。俺にはわかるね(涙)
『そんなわけでヴィランポイント85P、レスキューポイントが減点分も入れて……16P!合計101P!首席合格!なわけなんだけど……』
おや?何やら不穏な空気。
『移厘少年の試験会場は"F"だったんだが、君が実際受けた会場は"E"なんだ』
なん……だと……?
コナバナナッ!
あの時、確かにFに!……いや待てよ?
確かあの時……そうだ、背が高いやつがいて誘導看板の下半分が隠れて見えなかったんだ。
まさかあれのせいで俺は……会場を間違えたというのか…!?慢心、環境の違い。
『決まりにより不合格……になるわけなんだが、我々としてもここまでの才能溢れる若い芽を逃したくないのさ。てことでだ!試験には不合格だったが、雄英側から君をスカウトという形で迎え入れたい!』
す、スカウトだってぇぇぇぇえ!?
……や、やったー?
『まあ簡単に言ってしまえば特待生のようなものさ!学費の免除、食堂を半額引きで利用可能、その他もろもろ特典が着いてくる!』
「あ、よろしくお願いします」
やったぜ!試験会場間違えててよかったひゃっほい。
『来いよ!少年!ここが──
君のヒーローアカデミアだ!』
そう言って映像は終わった。
とりあえず、
「せっちゃーん」
「え、ちょ──」
個性を発動!座標はせっちゃんの部屋!
「無事に合格したー」
「い、いきなり部屋にテレポートしてくんなーッ!!!」バチンッ
せっちゃんのビンタはご褒美なんだぜ。
E、Fが無理やりすぎ?
A組を21人するためのこじつけ理由なのさ。しょうがないじゃない。