仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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二十九話目
カウンの覚醒 ラブコフの異変


朱美の裏切りにヒロミの安否が確認されてから数日。カウンは一人ウィークエンドの拠点で考えていた。

 

「どうすれば良い……正直、五十嵐一輝や五十嵐大二相手にまともにやり合っても私では勝ち目は無い」

 

「ならば俺が力を貸してやろうか?」

 

するとそこに姿を現したのは以前よりも赤黒い光が強くなった魂の姿をしたベイルである。

 

「お前か……どうして私に?」

 

「貴様、あの小娘に……五十嵐さくらを潰したいんだろう?俺は二人の小僧が目的だ。利害は一致する」

 

ベイルにそう言われてカウンは不気味な笑みを浮かべる。とうとう自分にもチャンスが回ってきたと言わんばかりだ。

 

「ならば君には五十嵐一輝と五十嵐大二の撹乱を任せる。俺はそうだな……どうせならあの手を使ってみるか」

 

カウンはベイルを伴って行動を開始。そんなカウンを赤石が見ていた。今回のベイルの助太刀を考えたのは赤石である。

 

「……カウンよ。そろそろ君の本当の出番が来る。君の活躍が楽しみだ……」

 

そして、スカイベースでは光と大二が呼び出されていた。理由は先日に奪還されたドライバーについてである。

 

「君達がデモンズドライバーを回収してくれた事でようやくこのプロジェクトが動き出せる」

 

「え?」

 

そこにあったのはプロジェクト・OVERであった。これはつまり、今までのデモンズドライバーを超えるための物である。

 

「今回、デモンズがオルテカとして敵対していたためにこちらの人手不足が浮き彫りになった。そのためにこちらも新たなる戦力が必要。そこでデモンズドライバーを更に強化するわけだ。

 

「ですが、数なら量産型デモンズが」

 

「ヘーイ。それは難しいね。アレはそもそも相手のギフテリアンに対抗するためのシステム。それ用のチューニングこそされてはいるが流石に多種多様のバイスタンプを使うギフテクス相手にはあまり強くは出られない」

 

狩崎が言うにはこうだ。量産型デモンズことアントトルーパーバイスタンプとベルトには使いやすさと汎用性を重視しているためにそこまでの戦闘力は無い。それこそ今のジャンヌ相手に一対一をしよう物なら完敗してしまうレベルなのだ。

 

「だとしたら確かに重要そうではありますが……」

 

「今回のプロジェクト・OVERはデモンズドライバーの魔改造と言っても過言では無い。このプロジェクトではデモンズドライバーのスペックそのものの向上を目指す」

 

「わかりました」

 

「そこで光。君にはこのベルトでのデータを取るために協力して欲しい」

 

「……え?」

 

光は力を貸して欲しいという狩崎の言葉に一瞬だが戸惑う。自分はライダーでは無いのに何故そうなるのか。答えはすぐに出た。

 

「君の憧れの存在。門田ヒロミが敵になった以上、彼に対抗できるのは一緒に過ごした君だけだ」

 

「ッ……」

 

「君には大二君を相手にデモンストレーションをやってもらう」

 

それから二人は前に一輝達が行った精神空間でのトレーニングルームへと移動。そして、早速二人は横になると精神空間へと潜った。

 

「狩崎さん、入りました」

 

「オーケー。じゃあまずは光。君がその試作用スタンプで変身するんだ」

 

「わかりました!」

 

光は狩崎から渡された二つのバイスタンプの内、片方のスイッチを押す。

 

《スパイダートルーパー!》

 

《Deal……》

 

「変身!」

 

《Decide up!Rise.(昇る)Rage.(怒り) Requiem.(悲しみ)仮面ライダー!》

 

すると光の姿がデモンズトルーパーの姿に酷似しつつも、頭部はデモンズスパイダーゲノムと同形状。ただし、複眼部が黄色いメカニカルなラインが入っている。全身はアントトルーパーのデモンズトルーパーと同じだ。この戦士の名は仮面ライダーデモンズトルーパーαである。

 

「これって……」

 

「ああ。調整用のデモンズだ。デモンズのスパイダーゲノムをある程度強くした程度でしか無い。が、それでもかなりの負担のはずだ」

 

光ことデモンズトルーパーが体を動かそうとすると確かに体への負担がのしかかってくる。しかし前に一度きりだがセンチュリーとして変身した事があったので動けないわけでは無い。

 

「あの時の経験が役に立つなんて……」

 

「次は大二だ。まずはバットゲノムで慣れてもらう」

 

「わかりました」

 

《バット!》

 

《Confirmed!》

 

《Eeny, meeny, miny, moe!Eeny, meeny, miny, moe!》

 

「変身!」

 

《バーサスアップ!》

 

《Precious!Trust us!Justis!バット!仮面ライダーライブ!》

 

「この姿だからって手加減はしない。光、全力で来い!」

 

「ああ。頼む!」

 

それから二人は早速戦闘を開始するのであった。その頃、さくらは学校での授業が終わり、友達三人と共に帰路へと付いている。九条、南條、茅野はあれからずっとさくらがジャンヌだという事実は隠していた。さくらとの約束があるからである。

 

「ねえさくら。この後お茶してかない?」

 

「良いね!今日は空いてるし、じゃあ早速行こうか!」

 

「うん!」

 

それから四人で楽しく会話をしているとカウンがさくらの前に姿を現す。それを見てさくらは明らかに嫌そうな顔をした。

 

「うーわっ。最悪のタイミングなんですけど」

 

そして、三人は以前にカウンにやられた仕打ちを思い出してさくらの後ろに隠れる。

 

「お友達を連れてのんびりお茶とは随分と楽しそうだな、五十嵐さくら」

 

「アンタこそ何の用?何も無いならさっさとそこを退いてよ」

 

さくらが怒りを露わにする中、カウンは悪びれもしない様子でプロトバイスタンプを出す。

 

「本当は君達三人をギフテリアンにしようと思ったけど、まぁ仕方ない。お前に負けるほど今の俺は弱く無いしな」

 

するとカウンの前に黒い契約書。フェーズ4になるために必要な物が現れる。

 

「なっ!?それは……」

 

「私も目覚めたんだよ。フェーズ4にね」

 

それからカウンはスタンプを契約書に押印。その瞬間前のライヤと同じように黒い契約書がその身を覆っていく。

 

「うぉおおっ!」

 

その姿はガゼルのツノが消えて体色はプラナリアのような茶色がメインに。また、身体中の目は赤黒く染まり、怖さが増す。そして人の体の造形があった上半身はカウンが人としての心を捨てたからか所々にプラナリアが被さって壊れかけている。そして顔は人間の顔の上からプラナリアの顔が被さるような形となり、その身を悪魔に委ねたという事が見て取れるだろう。

 

「うーわっ……もっと気持ち悪くなってるし……」

 

「へっ。何とでも言ってみろ。新しい私の恐ろしさ。とくと味わえ!」

 

プラナリアデッドマンが手にノウダラケアームズを構える中、さくらはスタンプを取り出す。

 

「皆、安全な所に隠れてて」

 

「うん。さくらも頑張って」

 

そして、さくらがリベラドライバーを装着するとそのままスタンプを押す。

 

《コブラ!》

 

 

《What's Coming up!? What's Coming up!?》

 

「変身!」

 

《リベラルアップ!》

 

《Ah Going my way!仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》

 

ジャンヌに変身したさくらはそのままプラナリアデッドマンへと向かっていく。

 

「はあっ!」

 

さくらが拳をぶつけるとプラナリアデッドマンはダメージに数歩下がる。しかし、そこまで大した事が無いのかまだまだ余裕そうだ。

 

「へへっ……そんな物かよ」

 

「舐めないで!」

 

ジャンヌは更に空手により洗練された動きで次々と攻撃を当てていく。だが、その体にはそこまでのダメージとして入らない。どころか前はダメージを喰らったら脆く崩れていたのに強度そのものが強化されているようだ。

 

「もう前みたくそう簡単に崩れるような俺じゃないからなぁ!」

 

プラナリアデッドマンはノウダラケアームズを振るうと次々とジャンヌへとダメージを与えていく。

 

「うわっ!?ああっ!」

 

ジャンヌはプラナリアデッドマンからの数撃程度でかなりのダメージをもらっている。これに関してはそもそもジャンヌのスペックが相手に追いついていないからだろう。

 

「くっ……ううっ……」

 

ジャンヌは何とか立ち上がるが息切れしており、そんなジャンヌをプラナリアデッドマンが嘲笑う。

 

「ほらほらどうしたぁ?勝てる物なら勝ってみろよ」

 

「ッ!!だったら!」

 

《必殺承認!》

 

ジャンヌは走り込むとラブコフが変化したエネルギーを脚に纏い回し蹴りを繰り出す。

 

《コブラ!リベラルスマッシュ!》

 

その一撃はプラナリアデッドマンを貫くとダメージを負わせる……だが、それさえも無意味とばかりにプラナリアデッドマンは健在。小さく笑みを浮かべる

 

「再生能力を忘れたのかなぁ〜」

 

その瞬間、プラナリアデッドマンは受けたダメージを即時で回復。無かった事にされてしまう。

 

「ッ……」

 

「ラブラブ!さくら!戦うラブ!」

 

するとラブコフがいつになくやる気の様子であり、このままでは埒が開かないと感じたジャンヌはラブコフをゲノムチェンジさせる事にした。

 

「ラブちゃん!力を借りるよ!」

 

「ラブ!」

 

《バッファロー!》

 

しかし、ジャンヌはラブコフの異変に気がついた。それはラブコフの背中に亀裂が入っているという事実である。

 

「ッ!?ラブちゃん怪我してるの!?」

 

「ラブ!?ちが……」

 

「ラブちゃん下がって!」

 

ジャンヌはラブコフに無理をさせられないと考えて飛び出すとプラナリアデッドマンへと向かっていく。

 

「はあっ!」

 

「ラブラブ!さくら!」

 

ラブコフは何かを言いたそうにしているが、ジャンヌは今はプラナリアデッドマンとの戦闘で手一杯。仮にそうで無かったとしてもラブコフに過保護なジャンヌではラブコフの主張を聞かなかっただろうが。

 

「ラブちゃんは弱い私の心……私が守らないと!」

 

「コブー!」

 

ラブコフは納得がいかない様子で膨れっ面をする。そんな中、プラナリアデッドマンはジャンヌを着々と追い詰めていく。

 

「へへっ。こんなものかよ!」

 

プラナリアデッドマンから繰り出される連続攻撃。それを受けてかなりのダメージを負っていく。

 

「さくら〜!ラブラブラブラブ!」

 

ラブコフは少しでもジャンヌの助けになりたいと突撃するが、アッサリとプラナリアデッドマンに躱されて回し蹴りを喰らい倒れてしまう。

 

「痛てっ!?」

 

「ラブちゃん!?どうして……私が守らないといけないのに……」

 

ジャンヌがそう思う中、プラナリアデッドマンはエネルギー弾を連射。それがジャンヌへと多段ヒットするとそのままオーバーダメージで変身解除してしまう。

 

「うわあっ!?うっ……くうっ……」

 

「はっはーっ!遂に……遂にこの私がジャンヌを倒したぞ!」

 

プラナリアデッドマンが高笑いをする中、さくらは悔しそうにする。そしてプラナリアデッドマンはそんなさくらの前にしゃがむと彼女が動けないのを良い事に不気味な笑みと共に彼女を煽った。

 

「そう。その顔。屈辱に満ちたその顔を俺は見たかったんだ。どんな気分だ?今まで勝てた相手に見るも無惨にやられたのはよ!」

 

そんな事を言っているとそこにデッドマンズ襲撃を聞きつけた一輝が走ってくる。

 

「さくら!」

 

「ああ?もう来たのかよ。まぁ良い。お前を殺すお楽しみは次に取っておいてやるよ」

 

そのままプラナリアデッドマンは撤退し、その場は事なきを得る。だが、ラブコフの背中の亀裂によって生じた二人の亀裂は思っていたよりも深かった。




また次回もお楽しみに。
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