仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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噛み合わない二人 悪魔らしく生きる事

カウンが撤退したのを見て幸せ湯に戻った一輝達。そんな中、さくらとラブコフの二人は思い切り言い争いをしていた。

 

「さくら!ラブラブ!」

 

「何回言ったらわかるの?わ・た・し・が、ラブちゃんを守るって!ラブちゃんは傷を治すのが先なの!」

 

「コブ!違うコブ!」

 

「どこがどう違うの!ラブちゃんを守れるのは私だけ!だからラブちゃんは守られていれば良いの!」

 

「嫌コブ!戦うラブ!」

 

「そんな必要無いの!ラブちゃんは戦う必要なんて無い!だから下手に前に出て来ないで!」

 

二人の言い争いは先程から長々と続いており、一輝や元太、幸実には止める術がなかった。幸いなのは今が幸せ湯が閉まっている時間で誰も客がいない事ぐらいだ。

 

「さくら。もうちょっとラブコフの意見を……」

 

「はぁ?一輝兄は黙ってて!これは私とラブちゃんの問題だから!」

 

しかし、そうは言っても先程からお互いが意見を主張するばかりでまるで会話になっていない。このままでは二人の心はバラバラである。

 

「コブ!さくら嫌い!」

 

「あっそう!私だって一人で十分だから!」

 

その言葉を最後に二人の会話は終わってしまうとラブコフの姿がさくらの前から消えてしまう。

 

「あらぁ……ラブコフってば完全に引っ込んじまった」

 

同じ悪魔のバイスでさえもラブコフが見えない所を見るに、ラブコフは完全にさくらの中に引っ込んだ様子である。

 

「さくら……」

 

「もう良いよ……。ラブちゃんは守られるのが嫌みたいだし、勝手にしていれば良いわ」

 

さくらとラブコフ。二人は仲違いをしてしまうとそれぞれ拗ねてしまう。そんなさくらを見た一輝は危ういと感じていた。

 

「さくらっち。ちょっとは相棒のラブコフの言う事を聞いたらどうなんだよ」

 

「バイス……今は何を言ってもダメだ。そっとしておいてあげよう」

 

一輝は怒っているさくらとラブコフにはひとまず時間が必要だと考え、バイスにもそう言い聞かせるとその場を後にする。そんな中、ウィークエンドの拠点ではカウンが調子に乗っていた。

 

「へっへっへー。この私もやっとフェーズ4!これで怖いものは無い!」

 

「随分と呑気ね。さくらちゃんを狙うだけでは無く五十嵐一輝が来たら即撤退……そんなにリバイスの分離能力が嫌なの?」

 

アギレラがそう言うとカウンは拳を握りしめる。そして、アギレラは追い打ちをかけるようにカウンへとある指示を出す事にした。

 

「じゃあ次はリバイス相手にも勝てるわよね?何しろ怖いものは無いんだから」

 

「くっ……まぁ良い。ならばこの私がリバイスなんぞボコボコにしてやりますよ」

 

カウンはそう息巻いて部屋を出ていく。それと入れ替わるようにオルテカ、フリオ、朱美が入ってくる。

 

「やれやれ、フェーズ4になったぐらいであんなにはしゃいで」

 

「まぁ、良いんじゃないか?ひと時の愉悦に浸るぐらいは」

 

三人はそれぞれスタンプを出すとそれらがチカチカと光を放つ。それはフェーズ4への進化の兆しであった。

 

「(……デッドマンズの進化は目覚ましい。これは、なかなか面白い展開ね)」

 

朱美が密かにそう考える中、更にベイルが煙の状態で出てくる。そして、アギレラ達にあるものを催促。するとアギレラはプロトバイスタンプを次々と押していく。

 

「あぁ……力が漲る……これならば五十嵐家を殲滅するのは容易い。礼を言うぞ」

 

「お礼よりも結果を出してもらえるとわかりやすいんですけどね」

 

「ふん。お前らとは違う。俺は俺のやり方でやらせてもらう。まぁ、結果的には五十嵐家を全滅させるのが目的だがな」

 

「私達としては五十嵐家が全滅するならそれで良いわ。リバイス達がいなくなればやりやすくなるもの」

 

ベイルは不適な笑いを浮かべるとそのままどこかへと消えていく。それから少し時間が経ち、スカイベースのトレーニングルームでは光が疲れからか、倒れ込んでいた。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「今日はもうここまでにしておこう」

 

光に体力が無いわけではないが、それでも想像以上にデモンズの負担は大きかったのだ。

 

「初日だからまぁこのくらい動ければ十分だよ」

 

そこに狩崎がやってくると光からドライバーとスタンプを回収。ここから狩崎自身による改修作業も進める事になる。

 

「大二……お前らがどれだけ大変な思いをしているのか。何となくわかる気がするよ」

 

光は大二との模擬戦闘をしてみてようやくわかった。今の自分では足手纏いにしかならないという事に……。

 

「……やっぱりライダーとして戦ってきていた大二達と僕じゃ力にかなりの開きがある」

 

「光、いつからお前はそんなに臆病になったんだ?」

 

「……え?」

 

「お前ならきっと大丈夫だと俺は信じてるからな」

 

大二の言葉を聞いて光は笑みを浮かべる。光は五十嵐三兄弟に負けないように全力を尽くすとここに誓う。

 

「良し、これから追加でトレーニングだな」

 

「おいおい、あんまり無理はすんなよ?」

 

「大丈夫だカゲロウ。体の管理ぐらいは自分でできる。無理はし過ぎないさ」

 

それから光はまた体を鍛えるためのトレーニングを始める。そんな二人を若林が遠くから見る中、一人小さく呟く。

 

「……本当に誰に似たんだか……。だが、今はその気持ちが大事だ」

 

それから若林は去っていき、大二も光に触発されてまたトレーニングを再開するのだった。

 

数日後、さくらはスカイベースへと行っていた。さくらは一人狩崎へと声をかける。

 

「狩さん。私にも何かパワーアップするための力をくれないの?」

 

「………」

 

しかし、狩崎からの返事は無い。その対応に苛立ったさくらは狩崎へと詰め寄る。

 

「ねぇ、無視しないで私の話を聞いてよ。どうして一輝兄と大ちゃんにはパワーアップの力を与えたのに私にはくれないの?」

 

「……それはまだ君がパワーアップする段階に無いからだ」

 

それを聞いたさくらは更に苛立ちを募らせる。自分にだけパワーアップが無いことに焦ってきているのだ。

 

「今の君はバディであるラブコフとの気持ちが一つになっていない。そんな君にこれ以上のパワーアップができると思うのか?」

 

「舐めないでよ。ラブちゃんは私が守るって決めてるし、それに私が戦う以上戦力強化は必要でしょ!」

 

「……その考えがダメだと言っているんだ。とにかく、今の君には強化するだけの余地は無い」

 

狩崎にそう断言されてしまってはさくらもどうする事もできない。ただただ悔しい思いだけが心の中に高まっていく。

 

「一つアドバイスをあげよう。君の力を最大限に発揮するには……バディとの絆が必要だ」

 

これはつまり、遠回しに今のさくらにはそれが無いと言われているようなものだ。さくらはその事実にどうしようも無い気持ちでいっぱいになってしまう。

 

「私は……私は……」

 

さくらが部屋から出ていく中、そこに一輝が出てくると狩崎へと頭を下げることになる。

 

「ありがとうございます。あそこまで言っていただいて」

 

「それは気にしなくて良い。どちらにしてもジャンヌの成長にはラブコフも必要だと伝える事がいると思っていたからね」

 

「はい」

 

「でも、君こそ直接言わなくて良かったのかな?」

 

「いえ。今の俺から話してもさくらは聞いてくれないと思ったので」

 

一輝はそう言うと狩崎は無言になる。狩崎も何となく今のさくらが危うい状態にあると察してはいるようだ。同時刻、街中では幸実が買い物に出かける中、バイスが実体化した状態で着いていっている。勿論変装してなので多少怪しむ人はいても怖がる人はいない。

 

「バイス、どうして私に着いてくるの?」

 

「へへっ。ママさんだって偶にはお手伝いとかいるでしょ。それに、アイツがいつ狙ってくるかわからないしな」

 

「ふーん。ま、手伝ってくれるのならありがたいわ。バイス、色々と任せちゃうからね」

 

「何でもお任せあれ!」

 

二人がそう話す中、バイスは気分が上がってきたのか鼻歌を歌うがそんな時、突如として嫌な予感がした。

 

「ッ!?危ない!」

 

バイスが咄嗟に幸実の体を後ろに引くとそこに何かのエネルギーが着弾。何とか二人は無事で済むものの、目の前にいたのはバイスとそっくりの姿をした悪魔がいた。ただ、バイスの体に水色のラインが走っているが、こちらは赤であり、明らかな危険な雰囲気を出している。また、複眼が紫で歯は悪魔のように刺々しくなっていた。

 

「ふははっ、娑婆の空気はやはり美味い」

 

「お前は……ベイルなのか?」

 

「その通りだ。俺もようやく完全な姿として復活した。手始めにお前ら家族をメチャクチャにしてやる。最初はそこの女だ」

 

「へん!俺っちがいるのを忘れてもらっちゃ困るぜ」

 

「ほう。……だが、お前にどうにかできるとでも?バディである小僧無しで」

 

「そっちこそ俺っちを舐めるなよ」

 

それからバイスは幸実に避難するように促し、彼女は避難。それと同時に一触即発の状態だった二人は激突する。

 

「オラッ!」

 

「ふん!」

 

二人が殴り合い、戦う中でバイスは少しずつ押され始めた。そもそも、悪魔としての格はベイルが上なのである。しかも今のバイスは変身前。戦闘力と言った面ではバイスの方がどうしても劣ってしまうのも仕方なかった。

 

「コイツ、めちゃ強えぇ……」

 

「当たり前だ。この前デモンズドライバーの中に入っていたあの時とは実力が根本から違う。それに貴様は相棒との絆を深めて悪魔らしさの欠片も無い」

 

ベイルがそう口にする中、バイスはやかましいとばかりに対応するが徐々に防戦一方へと変わっていく。

 

「くっ……どうしてこんなに……」

 

「お前と俺とではそもそも力が違いすぎる。……バイスよ。悪魔らしく生きる気は無いか?」

 

「何?」

 

「俺のように自由気ままにやりたい事をやる。相棒という枷の中に閉じこもって息苦しく生きるよりも楽だと思うぜ」

 

ベイルはバイスへと囁きかける。バイスはそれを聞いて少し考え始めた。するとベイルは更に追い打ちをかける。

 

「お前はいつか相棒に捨てられる。この俺のようになぁ……。結局悪魔と人間の関係はその程度だ」

 

「……俺っちと一輝の関係が……終わる?」

 

バイスはそう言われて更に不安といった様子だ。だが、次の瞬間にはバイスはベイルを殴り飛ばした。

 

「なーんてな。俺っちはな、俺っちらしく生きる。それがもし俺を一輝が切り捨てる展開になったとしても俺は一輝を恨まない。何故ならそうならない自信が俺っちにはあるからな!」

 

「ふん。くだらないな。お前は五十嵐一輝を信用し過ぎだ。少しは疑え。そして、悪魔らしい生き方をしろ」

 

「へっ。悪魔らしく悪魔らしく。その定義は何だよ。もっとわかりやすく教えて欲しいぜ」

 

「ならばその身を持って教えてやる!」

 

それからバイスとベイルは再び戦闘を開始。知らせを受けた一輝も現場に向かうことになるのであった。




また次回もお楽しみに。
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