仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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三十話目
ラブコフの反抗 カウン超進化


ジャンヌへの変身不能。それは、さくらの心に大きな動揺を与えた。そして、そのためにさくらは戦う力を失ってしまったのと同意義と言えるだろ。

 

「嘘……でしょ」

 

「へっへーっ。さくらちゅあーん。どうしちゃったのかなぁ」

 

「おい、どういう事だ」

 

エビルが何とかプラナリアデッドマンからさくらを守りつつ戦う中そう質問する。

 

「そんなのわからないよ!だって、こんな事になるなんて……」

 

さくらは何故このような事態に陥ったのかを考えるが、すぐにその理由に何となくの目星がつく。

 

「まさか、ラブちゃん……」

 

さくらがラブコフへと呼びかけるが、ラブコフは全く返事を返さない。そもそも仮面ライダージャンヌは戦う際に悪魔との分離が必要となる。その悪魔が分離を拒否すれば変身能力も失われてしまうのだ。

 

「どうしたら……」

 

「チッ。とにかく今は退くぞ!」

 

《必殺承認!イーヴィルダークネスフィニッシュ!》

 

エビルが強力な斬撃波をプラナリアデッドマンへと放つとそれが爆発。プラナリアデッドマンの視界が奪われて二人はその間に撤退。そして、そのタイミングで周りにいたギフテリアンも倒されてデモンズトルーパーも撤収していた。

 

「チッ……逃したか。だが、今回こそは私の勝ち……ようやく。ようやくあの忌々しい奴等に勝てたんだ……」

 

プラナリアデッドマンはカウンに戻ると笑みを浮かべる。そして、そのままその場を去っていくのであった。

 

幸せ湯にて。さくらは初めて変身をしようとして足を引っ張った時のように大二に詰め寄られていた。

 

「さくら、どうしてラブコフの話を聞こうとしなかったんだ」

 

「ッ……ラブちゃんは私が守らないといけないの!でないとまた危険な目に遭うでしょ!」

 

「……さくら。今のお前は俺達から言わせれば足手纏い……。居ない方が邪魔にならない状態だってわかるよな」

 

それを聞いてさくらは更に苛立ちを募らせる。さくらとしては自分が弱く、足手纏いとなってしまうという事実にどうしても納得がいかないのだ。

 

「私は……私は」

 

しかし、仮面ライダーになれない現状では自分は何の戦力にもならないということを誰よりも理解していた。

 

「さくら。……もっとちゃんとラブコフと向き合ってみるんだ」

 

「でも一輝兄、ラブちゃんは私が守るって」

 

「それにラブコフは納得しているのか?」

 

「それは……」

 

さくらはラブコフへ向けている気持ちを考える。ラブコフはさくらからして見れば弱い自分そのもの。そのため誰かが守らないといけないと思っていた。

 

「……」

 

さくらはどうにかしてラブコフと会話をするために脳内にいるラブコフへと声をかける。

 

「……ダメ。ラブちゃん、すっかり出てこなくなっちゃった」

 

さくらは項垂れる。そんな様子を見たバイスは一人とある案を提案する事にした。

 

「だったらよ、俺っちが見てこようか?」

 

「バイス?そんな事ができるのか?」

 

「前にもヒロミっちや光っちの頭の中覗いた事があるからやろうと思えばできるぜ!」

 

ガンデフォンに憑依したバイスからの言葉を聞いて一輝とさくらに希望の光が灯る。そんな時、大二からカゲロウへと人格が変わった。

 

「おいおい。俺も忘れてもらっちゃ困るぜ」

 

「カゲロウ……お前もバイスと同じ事ができるのか?」

 

「ああ。理論上は可能だ。まぁ、報酬有りでやっても良い」

 

「……じゃあ成功報酬でどう?ラブちゃんを説得できたら私のカレー食べさせてあげるから」

 

「へ?ちょっと!?」

 

「乗った」

 

「おいカゲロウ!?」

 

あっさりさくらの辛口カレーに魅了されたカゲロウはバイスと共に説得役に回ると再び大二の人格に戻る。

 

「カゲロウ……辛口カレー食べて俺の人格に戻った途端に辛さに悶絶するのわかってて言ってんのかよ……」

 

大二が頭を抱える中、バイスとカゲロウはさくらの脳内に潜入し、ラブコフのいる部屋を探す。するととある空間にドアが有り、そこにデカデカと“ラブコフの部屋”と書いてあった。

 

「お、ここだここだ」

 

「ラブコフの部屋……“入るな!!”」

 

「おいおい。完全に拗ねてるじゃねーかよ」

 

カゲロウが呆れる中、バイスは張り紙に“入るな!!”とあったが入らないと話にすらならないのでドアを開ける。

 

「ラブコフ、入るぞ!」

 

「……おい待……」

 

カゲロウがバイスに止まるように言おうとするが、もう時既に遅し。バイスがドアを開けると中に入ってしまった。

 

そこは女の子の部屋なのかとても可愛らしく、ピンクを基調としたような配色で床には風船がいくつも散らばっている。

 

「おお、凄く可愛いな」

 

「バイス、女の子の部屋に勝手に上がる馬鹿がいるか……もう少し考えて……」

 

カゲロウがそう言う中でもバイスはカゲロウの言葉を聞こうとしない。そして、バイスがラブコフへと話しかける。

 

「ラブコフよ、怒る気持ちはわかるけどさ。少しはバディの言う言葉に耳を傾けたらどうよ?な?」

 

「おい、その言葉。そっくりそのままお前に返してやる。……まぁ、ラブコフ。お前も悪魔ならあの女と向き合え」

 

二人が諭すように話しかけるものの、ラブコフは全く反応しない。不思議に思って二人がラブコフを見ると巨大なヘッドホンを耳に付けており、完全に外部からの音声をシャットアウトしていたのだ。

 

「ってか聞く耳持たずかよ!!」

 

「……これは思ったよりも重症だな」

 

バイスがラブコフのヘッドホンを外すとラブコフの耳に流れていたであろうヘビィメタルの音声がかなりデカデカと部屋に響いた。

 

「うるせっ!?何だよこれ」

 

「まさか、蛇だけにヘビィメタルってか?」

 

「あー、なるほど……って!上手い事言ってる場合かよ」

 

バイスがツッコむ中、ヘッドホンを外されたラブコフは僅かに驚いた様子で二人へと体を向けた。その顔はいつもの黄色い目をパッチリ開けた状態では無く、不機嫌そうに目を細めて吊り上がっているような感じである。

 

「何しに来た」

 

「何って、連れ戻しに来たんだよ!ほら帰るぞ!」

 

「おい、バイス。少しは言い方を考えろ」

 

「あたい、帰らないから!」

 

「だぁーっ、もう何だよ!そんな事言わずにさぁ。お願いラブコフ……ってええーっ!?普通に喋った!?」

 

バイスがラブコフがラブやコブ以外の言葉を発した事について驚いていたが、ラブコフは更に苛立ちを募らせると二人へと頭突きを仕掛けた。

 

「今のさくらじゃダメ!出てけ!クズ!」

 

「のわっ!?」

 

「俺もかよ!?」

 

二人纏めて部屋から追い出されてしまうと扉が強制的に閉められてしまう。そして、トドメとばかりに鍵までかけられてしまった。

 

「「……あ」」

 

二人はもうこのままでは説得は不可能と感じ取ると一輝や大二の所に戻りつつ報告をする事になる。

 

「おいーっす!」

 

「戻ったぞ」

 

「どうだった?」

 

「まぁ、ラブちゃんが出てこない所を見ると何となく結果はわかるけど」

 

「取り敢えずアイツからの伝言は今のさくらじゃダメなんだとさ」

 

それを聞いてさくらは心の中に悩みが出てきてしまう。今の自分ではラブコフが力を貸すことはできない。そういう事なのだろう。どちらにせよこのままではさくらは戦う事ができないのである。

 

「……ラブちゃん。私、間違っているのかな……」

 

さくらが自身へとそう問いかけるものの、何も返事は返ってこない。そして、一輝と大二の方では二人の悪魔がそちらはそちらで色々と言い合っていた。

 

「というかお前、ラブコフに対して何も言ってないじゃねーかよ」

 

「仕方ないだろ。お前が勝手に話を進めるからこうなったんだろ」

 

「はぁーっ!?だったらお前ならなんて言ったんだよ!」

 

「知るか。そのくらいお前で考えろ」

 

バイスとカゲロウも言い合っているが、こちらはそこまで深刻な喧嘩というわけでは無い。ただのいつものやり取りの範疇だ。

 

「その辺にしろバイス」

 

「今はさくらは出撃禁止だ。まずはラブコフと向き合う所からだな」

 

「……そのくらいわかってるよ」

 

それぞれのやる事が固まった所で三人はそれぞれのやる事に向けて別れていく。

 

その頃、ウィークエンドではカウンがアギレラ、フリオ、オルテカによって嘲笑われていた。

 

「ねーえ。君は勝ったって言うけどさ、結局さくらちゃんが来なかったら間違いなく負けてたよね?」

 

「フェーズ4になったってのにその程度かよ」

 

「まぁ、妥当だとは思いますけどね。元々の戦闘力が低いのですから」

 

とこのように三人から言いたい放題されているためにカウンは悔しさに拳を握りしめる。そんな中、赤石が一人部屋の中に入ってくるとカウンの前にやってきた。

 

「……カウンよ。君のフェーズ4の力は凄まじい。だが、その力にあぐらをかくようではいつまで経っても奴等には勝てない……。つまり、もっと上を目指すべきだ」

 

すると赤石は手に何かの丸薬を取り出す。それは以前、デッドマンの力を引き出すために投与する薬であった。

 

「それは……」

 

「ああ。あれから研究を重ねて消滅のリスクを減らした物になる。ただ、フェーズ4に投与した場合どうなるかはわからないがね」

 

それを聞いてカウンは僅かに尻込みする。もし投与に失敗すればどのような目に遭うのかわからないからだ。

 

「ビビってるのか?カウン」

 

「そんなのではいつまで経ってもあの三人には勝てませんよ?」

 

「別にいいんじゃない?その場合はここにいられなくなるだけだし」

 

アギレラ達からボロボロに言われたカウンは半ばヤケクソとばかりに手に丸薬を取ると口の中に放り込む。そして、飲み込んだ。その瞬間、カウンの体に電流が走るとカウンは苦しみ始める。

 

「うぁあああっ!?」

 

しかし、カウンは今まで散々馬鹿にされてきた相手への復讐の気持ちでそれを抑え込む。そして、少し後にはその電流も消えて体には湧き上がる力のみが残った。

 

「ふふふ……やった……。やったぞ!俺は更なる力を手に入れたぁああっ!」

 

カウンは狂喜乱舞し、喜びを爆発させる。そんなカウンを見て三人はやれやれと言った顔つきになった。

 

「更に高まったこの力……今度こそ雪辱を果たしてやる……」

 

そう言ってカウンは一人意気揚々と出ていく中、アギレラ達は溜息を吐くと呟く。

 

「ホント、そういう所よ。あなたが負ける理由」

 

「赤石長官。これで良かったのですか?」

 

「ああ。後は彼等に任せれば我々は目的を達成できる」

 

赤石とてカウンを何も利益も無しに強化したわけではない。彼には彼なりの利用価値があると考えたためにこのような措置を行ったのだ。

 

「……カウンよ。君の最後の仕事だ……せいぜい励みたまえ」

 

赤石が不気味な笑みを浮かべる中、その様子を一人部屋の外から見ていた朱美は無言になるとポケットから何かを取り出す。

 

「………カウンが更に進化しました。いかが致しますか?」

 

それから何かの指令を受け取ると頷くと同時にその指令を送った主にへと返事を返す。

 

「わかりました。そのようにします」

 

そして、朱美が通信を終えると同時に何かをしまう。それから朱美は一人何かを考え込むのであった。




また次回もお楽しみに。
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