仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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乗っ取られた涼 漆黒のアギレラ

涼が連れ去られた事実は翌日、ツクヨミからすぐにガールズリミックスの面々に伝えられた。

 

「ごめんなさい……私の力が足りないせいで」

 

「ツクヨミちゃんが謝る事じゃないよ!」

 

「ひとまず、奴等のアジトの場所を調べないと」

 

その言葉を聞いて全員が頷く。そして、早速行動を開始する事になった。その頃、敵のアジトでは涼が一人敵のアジトである館の一室に閉じ込められている。

 

「う……ううっ……」

 

「お目覚めのようね。夏木涼」

 

「ひっ……」

 

涼はミスタイタン及び、ブラックタックルが自分の前にいたため恐怖で震えた。そんな中、ミスタイタンは涼へと話しかける。

 

「あなたにはこれよりブラックサタン復活のための大事な役割を担ってもらう。勿論何も抵抗しないのであれば手荒な真似はしない」

 

「い、嫌です。私、大切な人を探しているだけで……」

 

涼の言葉にミスタイタンは僅かに笑みを浮かべる。するとブラックタックルが一枚の写真を出した。

 

「この者が誰かわかるか?」

 

そう言って見せたのはデッドマンズの首領であるアギレラである。それを見た涼はアギレラを知っているために答えを返す。

 

「デッドマンズのアギレラ?」

 

「その通り。あなたもちゃんと認知してるみたいね。そのアギレラがあなたの探している人よ」

 

「……え?」

 

それはつまり、涼の探している彼女の姉というのはアギレラだと言わんばかりなのである。

 

「嘘……そんなはず無い!私のお姉ちゃんが……私のお姉ちゃんがデッドマンズに参加しているわけが……」

 

「彼女は幼い頃にあなたの家から拉致されたのはあなたも知っているはず。あなたは現実から目を背けているだけに過ぎない」

 

しかし、それでもどうしても彼女は事実を受け止めることができない。探し人が世界に敵対する悪魔崇拝組織の首領と言われても普通は信じられないだろう。

 

「お姉ちゃん……私……」

 

「彼女をデッドマンズから救いたいと思わないか?」

 

「え……」

 

それはミスタイタンからの悪魔の囁きであった。そして、その言葉と共に彼女の中に黒い闇が生まれていく。

 

「あなたが愛している姉を自分の力で助け出す。それができるのは我々と共に来る道だけ」

 

「そんな……そんなことは」

 

涼の心は揺れてしまう。もしミスタイタンからの誘いを受ければもう後戻りはできない。茨の道を歩く事になる。それでも涼の中には姉であるアギレラを救いたい……。二人で共に安らかに過ごしたい気持ちが出てきてしまった。

 

「ブラックタックル」

 

「はい。例の物を装着します」

 

するとブラックタックルはミスタイタンがウィークエンドから盗んだドライバー、ウィークエンドライバーを涼の腰に装着させる。

 

その瞬間、彼女から漆黒のオーラが漏れ出すと彼女の中に悪魔が生まれた。そして、彼女の意識を悪魔が塗り潰していく。

 

「……お姉ちゃん。私が今救ってあげるからね」

 

涼は完全に悪魔に屈服。意識を支配されると涼の悪魔が笑みを浮かべた。

 

「ミスタイタン様、ブラックタックル様、おはようございます」

 

「ようこそ。我々の仲間に」

 

「同志よ、共に我らの望みを叶えよう」

 

同時刻。その館の外では涼の奪還作戦が徐々に煮詰められており、イズの力によって場所を特定。ガールズリミックスの面々は外に集まっていた。

 

「ここが奴等のアジトみたいね」

 

「まだ目立って行動が起こされている感じではなさそう。攻め込むなら今かも」

 

「うん。なら手筈通りに」

 

さくらがそう言うとポッピーが頷く。そして、その瞬間ポッピーの体が光となるとイズの持っているタブレットの中へと消えた。ポッピーはバグスターウイルスである。今の彼女は良性ではあるが、ウイルスとしての力は健在。そのため館のバリアシステムの中に紛れ込んで侵入する事ができた。

 

「お邪魔しまーす!」

 

そして、ポッピーは館の監視室に出てくるとその場にいた監視員達が襲いかかる。

 

「あ!ちょっ!?」

 

ポッピーはそれを相手にすると一人ずつ倒していき、最後は頭突きをしてその場を制圧してしまう。

 

「ピヨる……っと、まずはセキュリティを!」

 

ポッピーがパソコンを操作すると館を覆っていたバリアシステムを解除。これで外からの侵入も可能となった。

 

「バリアシステム、解除したよ!」

 

「皆、今よ!」

 

「行きましょう」

 

「あ、亜樹子さんは危ないからここにいて」

 

さくらが亜樹子に言うと亜樹子は一人だけ置いていかれる事に唖然とする。

 

「……え?」

 

その間にもさくら、玲花、ツクヨミ、イズの四人が中へと突入していった。ちなみに、さくらと玲花が正面から、ツクヨミとイズはそれぞれ別の入り口から侵入。これは相手の意識を分散させるためでもある。四人が入り込むと早速迎撃のための人間が武器を持って現れた。

 

「はぁ?女の子相手に武器持ちってあんた達、恥ずかしく無いの?」

 

「うるさい!侵入者は誰であろうと排除する!」

 

さくらの言葉は相手には響かなかったようで容赦なく二人へと襲いかかってくる。

 

「はあっ!」

 

だが、さくらも玲花も生身での戦闘力は高い。そのため兵士達をあっという間に倒していく。しかも変身せずにだ。

 

「やっ!」

 

兵士達も負けじと数に物を言わせようとするが、屋内の乱戦で銃は使う事ができないため必然的に武器は近接戦用の物に限られる。そのため空手の有段者のさくらと剣士である玲花を相手に歯が立たない。そして、ツクヨミが侵入したルートにも敵はいた。

 

「昨日の失態の分、この作戦で挽回します!」

 

ツクヨミは昨日やられた分をやり返すと言わんばかりに攻勢を仕掛けていく。ツクヨミの方の敵はさくら、玲花の入った正面と比べると少し劣るが、それでも相手も警戒を怠っていない。そのためしっかりと迎撃してきた。

 

「はあっ!」

 

だがそれでもツクヨミ相手には勝てないのか、兵士達は倒されると床を転がり、気を失っていく。そして、イズの入ったルートにも敵はいた。イズは他三人と比べるとそこまで戦闘に強いわけでは無い。それでも彼女は人工知能のヒューマギア。人と比べるとその能力は桁違いである。

 

「あなた方の動きは予測済みです」

 

と半ば煽るように相手の攻撃はことごとく躱すとあしらっていく。そのため、イズからは攻撃をしてないものの、相手がぶつかっては勝手に倒れていった。

 

「あ、イズちゃん!」

 

そこにポッピーが出てくると怪しそうな部屋があったと連絡をし、それを元にイズはその部屋の位置情報を即座に三人に共有。それを聞いて三人も頷くとすぐにその部屋へと向かっていった。

 

そんな中、館の別の場所では亜樹子が勝手に一人で侵入していた。彼女としては外で待っていろと言われていても素直に待つわけにはいかない。流石にそんな事はできないとばかりの様子であった。

 

「私だってガールズリミックスのリーダーだし、このくらい朝飯ま……」

 

その時。亜樹子は通り抜けようとしていたレーザーポインター地帯のレーザーをうっかりと踏んでしまう。その瞬間当然のように警報が鳴り響くわけで……。

 

「やーばっ」

 

そこに大人数の警備隊が姿を現すと一斉に襲いかかってきた。非戦闘員である亜樹子は逃げるしか手が無く、一目散に逃げに徹する。

 

「どうしてこうなるのよー!!」

 

「待てぇええっ!」

 

亜樹子が曲がり角を曲がったために警備隊も追いかけていく。その時。その警備隊は伸ばされた二本の腕に顔面を打ち付けると転ばされた。

 

「ぐあっ!?」

 

「……え?」

 

更にその二人が横に退いた瞬間。巨大なオブジェクトが前から飛んできた。

 

「ひっ!?」

 

亜樹子がしゃがんだその時。オブジェクトはその上を通り抜け、追ってきた警備隊を一網打尽に。

 

「あ、危なかった……」

 

「大丈夫?」

 

亜樹子がその方を向くとそこにいたのは三人の女性だった。一人は仮面ライダービルドの旧世界での難波チルドレンで今はジャーナリストの滝川紗羽。一人は仮面ライダースペクターこと深海マコトの妹で仮面ライダーカノンスペクターに変身できる深海カノン。そして最後の一人はクスクシエでアルバイトをしながら服飾専門学校に通う学生。更に並外れた怪力の持ち主、泉比奈である。

 

「流石比奈ちゃん!あのオブジェクトを持てるなんてね」

 

「あまり自慢はできないですけど……」

 

「紗羽さん、カノンちゃんに比奈ちゃん。どうしてここに?」

 

「私達もガールズリミックスの一員だしね!」

 

「眼魔の世界でも異常な電波をキャッチしたから気になって調べていたの」

 

「眼魔世界……竜君なら知ってるかな?」

 

そんな事もあり、三人がガールズリミックスに合流。そして、さくら、玲花、イズ、ツクヨミ、ポッピーの五人は涼が囚われているであろう部屋に辿り着く。そして、その扉を開けた。

 

「涼さん、今助けに……」

 

しかし、そこにいたのはブラックタックルに黒いドレス衣装に身を包んだ涼の姿である。

 

「涼さん!?その格好は……」

 

「ご機嫌よう。私、お姉ちゃんを助けるためにブラックサタン様の妃になる事にしたの」

 

「はぁ?あんた達、涼さんに何をしたのよ!」

 

「我々は涼の本当の気持ちを引き出したまで。特に何もやましい事はしていない」

 

そう言うブラックタックルの目は笑みを浮かべており、さくら達は何かしたと確信をした。しかし、今はそんな事を問い詰める暇は無い。

 

「私の邪魔をするのならあなた達でも容赦はしない」

 

「涼さん……」

 

「素晴らしい。さぁ、あなた達はこの子を助けに来たんでしょうがこの子の意見はここに留まること。さぁ、あなた達の用事は済んだでしょう。お引き取りを願います」

 

ブラックタックルの言葉に一同は悔しそうにする中、さくらは一人前に出る。

 

「皆、涼さんは私が助ける」

 

「へぇ。言ったよね?私の邪魔をするなら容赦しないって」

 

「そうね……でも、私はあなたの気持ちが本当だと思えない」

 

「……はあ?」

 

涼がそう言う中、さくらは前に出ると構える。そんなさくらを見て涼は溜息を吐くとベルトを取り出した。そのベルトはリベラドライバーとほぼ同形状で、赤とオレンジがメインカラーである。また、檻の部分は蜂の巣から垂れる蜂蜜のような形状であった。

 

「なら、お望み通り私が葬ってあげるわ」

 

《ウィークエンドライバー!》

 

そして、涼はスタンプを取り出すと上部のスイッチを押す。そのスタンプは姉であるアギレラと全く同じ物であった。

 

《クイーンビー!》

 

「そのスタンプは……」

 

そして、スタンプをベルトに装着すると待機音が鳴り響くと同時に漆黒の蜂が出現する。

 

「変身」

 

《Subvert up!》

 

涼がベルトを倒すと涼の体に黒い蜂蜜が纏われていくように装甲が形成。そこに飛び回っていた蜂が正面からぶつかるように融合し、その姿を仮面ライダーへと変えた。

 

《Don't believe in myself!仮面ライダーアギレラ!ダーク!》

 

涼は、いや涼の姿をした彼女の悪魔は紛れもない仮面ライダーとなる。その名は……

 

「仮面ライダー……ダークアギレラ」

 

アギレラという姉のデッドマンズとしての名前を踏襲しつつ仮面ライダーとなった涼の目は仮面の奥で不敵に笑うのであった。




また次回もお楽しみに。
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