仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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三十二話目
大二の焦り カゲロウの説得


木崎が犯人。その事を自ら自白した彼はシープのプロトバイスタンプを手にしたままであった。

 

「随分と素直に言うんですね。何が狙いですか?」

 

「……一輝君とジーコを仲直りさせるためだ」

 

「それって、どういう……」

 

光からの質問に木崎は少し考えるとちゃんと答えを返す事にした。そうでもしないと納得しないと考えたからである。

 

「……この前、一輝君はジーコと喧嘩をした。そのやり取りの中で喧嘩の原因となった一輝君の中の記憶が一部欠落しているってわかってね。だからあのデッドマンの力を借りる事にしたんだ。あのデッドマンの能力は眠らせた対象の記憶の夢を見させる事。それを利用した」

 

つまり木崎はシープデッドマンに一輝の記憶を呼び覚ましてもらおうと思ったのだ。

 

「だが、目的が記憶を戻させるためとは言っても犯罪は犯罪。結果的にあなたの人生を狂わせるんですよ?それなのに」

 

「俺の人生よりと一輝君もジーコがちゃんと仲直りする方が大切だと判断したからだよ。それに、俺のおかげで誰かが救われるのならそれで良い」

 

それを聞いた大二と光は無言になる。そこまでして二人を助けようとしている木崎の覚悟に責める事が出来なくなったからだ。

 

「……でも、確かに君達の言う通り犯罪を犯している事に変わりはない。だからあのデッドマンを倒して欲しい。一輝君が起きたらそう伝えてくれ」

 

すると次の瞬間。突如として部屋の窓ガラスが粉砕されるとイカの触手のような物が伸びてくる。

 

「ッ!?何だ!?」

 

そして、それが木崎の体を捕まえるとそのまま外に引き摺り出してしまう。

 

「うわっ!?」

 

「な、何だ!?」

 

大二がその触手の動きを見ると上に向かっていくのがわかった。そのため、大二は光と共に急いで部屋を出て階段を駆け上がると屋上に到達。そこには木崎を捕まえたオルテカとフリオ、そしてヒロミの三人がいた。

 

「ヒロミさん……それにオルテカ、フリオ」

 

「やっと見つけましたよ。スタンプの持ち主さん」

 

「まぁ、目的はどうあれデッドマンを生み出してくれた事には感謝しているよ」

 

「木崎さんを離せ!」

 

「あなた達の相手は……ヒロミに任せましょう」

 

そう言ってオルテカとフリオは木崎を連れたままその場から消えてしまう。そして残されたヒロミは手にスタンプを構えた。

 

「我が命を懸けて……お前らを潰す」

 

《カブト!》

 

これにより、ヒロミはカブトデッドマンへと変身。その姿に変化は無かったものの、溢れ出るパワーに大二は押された。

 

「……大二、ここは接近戦の俺で……」

 

「いや、ヒロミさんは俺が助ける!」

 

「おい……」

 

《ホーリーウィング!》

 

《Confirmed!》

 

《Wing to fly! Wing to fly!》

 

「変身!」

 

《ウィングアップ!ホーリーアップ!》

 

《ホーリーライブ!》

 

大二がホーリーライブへと変身するとカブトデッドマンとの交戦を開始。その頃、街では暴れるシープデッドマン及び二体のギフテリアンを目の前にさくらが立っていた。

 

「好き放題暴れてくれて……絶対に許さない!」

 

《コブラ!》

 

「変身!」

 

《リベラルアップ!》

 

《蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!トリケラ!》

 

ジャンヌはラブコフをトリケラゲノムへと変化させると手にする。シープデッドマンはジャンヌをも催眠状態にさせるためにガスを放出してくる。

 

「そんなの、わかっていたら当たらない!」

 

ジャンヌは下手に防御するわけにはいかないとばかりに跳び上がりつつ手にしたライフルで撃ちまくる。

 

「こっちは距離を保ちながら撃てば良い。でも、そっちはそうはいかないでしょ!」

 

ジャンヌが射撃を続ける中、シープデッドマンは体のモフモフな毛皮に力を込めるとその毛皮が防御壁のような役割を果たし、ジャンヌからの弾丸を受け付けなくなってしまう。

 

「ッ……面倒な事をしてくれたわね!」

 

ジャンヌは仕方ないとばかりに手を変える事にした。それはトリケラバイスタンプを外すと他のバイスタンプを使う事である。

 

《ホワイトレオ!》

 

《リスタイル!》

 

《リバディアップ!》

 

《Ah~!ホワイトレオ!ダダダダーン!》

 

するとジャンヌの手に武装されたのは黒と白を基調とした火炎放射器のような形で銃口は獅子の顔のような形をしている。また、持ち手には金の二本のツノのような造形もあった。

 

「確かアンタ、これに弱いんだってね?」

 

するとジャンヌが火炎放射器のトリガーを引くと炎を放出。シープデッドマンの体を焼き尽くしていく。

 

「がぅ!?」

 

シープデッドマンもこれを受けてはタダでは済まない。すかさずジャンヌが拳をぶつけるとかなりのダメージと共に吹き飛ばされ、倒れ込む。

 

ちなみにギフテリアンもジャンヌは相手にしているが、全くと言って良いほど相手になっていない。

 

「アンタ達も鬱陶しいわね!」

 

ジャンヌが回し蹴りをぶつけるとギフテリアンは二体纏めてダメージを負って倒れ込む。

 

「催眠ガスさえ喰らわなければこんな奴等どうって事は無い!やあっ!」

 

 

再び場面は戻り、ライブ対カブトデッドマンの戦いではやはりライブの銃撃はカブトデッドマンの装甲を砕くには威力不足。そのため、少しずつライブは追い込まれてしまう。

 

「やっぱりダメージが通らない……。だったら!」

 

ライブは接近してライブガンの翼部分での戦闘を挑む。しかしそれはカブトデッドマンの刀の間合いに入る事を意味する。

 

「はあっ!」

 

ライブからの斬撃をカブトデッドマンは受け流すとそのまま上段から斬り下ろす。

 

「ぐうっ!?」

 

ライブはそれならばとジャッカルバイスタンプを取り出すとそれをベルトに押印する。

 

《ジャッカル!》

 

ライブは超スピードで動き回るとカブトデッドマンの背後を取って斬りつけようとする。しかし、カブトデッドマンはそれさえも見抜いているのか簡単に対処されてしまう。

 

「お前の真っ直ぐな動きは知っている。だから、お前では俺には勝てない!」

 

カブトデッドマンの素体はヒロミだ。記憶を失っても体はライブこと大二の動き方を知っている。だからこそ対応も素早かった。ライブはカブトデッドマンからの剣撃を何度も受けてしまう。

 

「くうっ……俺が、ヒロミさんを救うんだ……」

 

「大二落ち着け。一度頭を冷やすんだ」

 

「うるさい!カゲロウ、今はお前に頼るつもりは……」

 

するとその瞬間、カブトデッドマンがライブの目の前にまで一瞬で移動すると思い切り斬りあげる。

 

「ぐあっ!?」

 

そのままライブは地面を転がるとかなりのダメージなのか痛みに悶えていた。

 

「くそっ……このままじゃ」

 

「はぁ……仕方ないな……」

 

するとカゲロウがいきなり主導権を乗っ取るとバットバイスタンプを取り出して自らに押印。その瞬間、ライブからカゲロウが分離するとライブはホーリーライブを維持できずにバットゲノムへと戻ってしまう。

 

「なっ!?」

 

「カゲロウ、お前……余計な事をするな!」

 

ライブはカゲロウへと掴み掛かると文句を言う。しかし、カゲロウは落ち着いた様子でライブへと言う。

 

「あ?お前は何でそんなに熱くなってるんだ。アイツは確かにあのお人好しのヒロミだ。だが、今は止めるべき相手。お前の持ち味は冷静に戦う事で発揮される。今のお前でそんな事ができるのか?」

 

ライブはそれを聞いてようやく我に返ると仮面の下で目を見開く。カゲロウの言う通りだ。今のライブは確かに熱くなり過ぎていた。そのため周りが見えていなかった。

 

「すまない、カゲロウ。確かに今の俺には冷静さが足りていなかった」

 

「ふん。謝る必要はねーよ。俺達は二人で一人。ったく。行き過ぎた正義は身を滅ぼすって言ったろ。今のお前はその状態になりかけていた。以後気をつけろ」

 

「ああ……。カゲロウ、ここは任せても良いか?」

 

「わかった。今の貸し一つをそれでチャラにしてやる」

 

するとカゲロウは再度ライブの中に戻るとスタンプを取り出す。そしてそのままそれを使用した。

 

《イーヴィルウィング!》

 

《Confirmed!》

 

《Wing to fly!Wing to fly!》

 

《ウィングアップ!》

 

《イーヴィルアップ!》

 

《イーヴィルエビル!》

 

ライブはイーヴィルエビルへと変身すると手にエビルブレードを構える。

 

「さて、少しは楽しませてくれるんだろーな?」

 

エビルが不敵な笑みを仮面の下で向ける中、カブトデッドマンは無言のまま斬りかかる。そして、エビルとの交戦を開始。

 

エビルはまずカブトデッドマンの太刀筋を見るために一度影の中に逃げると背後から出てくる。しかし、カブトデッドマンはそれを読んでいたようにすかさず対応。

 

「その技の弱点は影からしか出られないということだ。ある程度影の位置を把握していれば対応するのはわけない」

 

「だったらこれはどうだ?」

 

するとエビルはその姿を分身させると同時に斬りかかる。しかし、カブトデッドマンは防御すらせずにそれを受けた。

 

「ッ!?」

 

そして、次の瞬間にはエビルからの太刀筋を受け止めてしまっていた。エビルの影分身にも完全に対応済みだとでも言うのだろうか。

 

「チッ。まさかお前」

 

「ああ。お前のその姿でも俺には勝てない。お前の動きも覚えているからな」

 

エビルもヒロミがデモンズになっていた時に見ていたため、その動きも何となくだが覚えていたらしい。エビルは一筋縄ではいかないと覚悟するとそのまま戦闘を続けるのであった。

 

その頃、ウィークエンドの拠点ではギフが赤石へととある指令を出していた。

 

「赤石よ。あの時から人類は変わったか?」

 

「……いえ。私が見てきた人類とさほど変わったようには思えません。ですので必ずやギフ様の僕として見せます。それこそが……ギフ様が望む人類との関係性だと信じております」

 

「そうか……」

 

そのタイミングで赤石はチラリと部屋の出入り口付近を見る。しかし、そこには誰もいない。それを見て赤石は気のせいと割り切った。

 

「危なかった……。赤石、ここで調べてみたけど一体彼は何者なの?」

 

扉の向こうにいたのは朱美であった。彼女は赤石の様子をコッソリと伺っており、彼について調べを進めていたのだ。

 

「まだわからない事だらけ……それに、あまり時間も無いみたいね」

 

デッドマンズ及びウィークエンドはどんどん力を蓄えてきている。このままでは確実にフェニックスでは勝てなくなってしまう。それから彼女は歩き出すと狩崎真澄のいる部屋へと向かった。

 

「狩崎博士」

 

「君か。……丁度良かった。君に見せる物がある」

 

その物を見た朱美は目を見開く。それは開発途中の新たな形のバイスタンプだった。それは持ち手の部分があるナックルのような形でローラーを模した部分が付いている。

 

「これは……」

 

「私が密かに開発した新たなリバイスの強化アイテムだ。……君ならこれを彼等に届けられる」

 

「ですが……狩崎博士。これがバレたら」

 

「ああ。恐らく処分されるだろう。だからこそ君に託す。三日後。明日には完成形にまで持っていく。君は元々そういう役目のためにここにいるのだろう?」

 

それを聞いて朱美は頷く。そして部屋を出る事になった。そして、残された真澄は一人ジョージの事を考える。

 

「……ジョージ。君達ならきっとギフを倒す事ができる。このスタンプは必ずその目的のため……いや、その先の問題の役に立つ。頼んだぞ」

 

真澄はそれを一度保管場所にしまうとその場所で作業を開始するのであった。




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