仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

124 / 300
三十三話目
ヒロミの部下 研究所の防衛


とある夜の事だった。突如としてフェニックスの研究所で爆発が起きるとその爆炎の中から現れたのは刺々しい見た目をした漆黒の戦士だった。腰に巻かれているのはリバイスドライバー。そして、装填されていたスタンプは黒いローラーのようなスタンプである。

 

「ふふふふ……はーっはっはっは!」

 

そのライダーが変身解除するとそこに立っていたのはスーツ姿に身を包んだ五十嵐一輝。ただし、普段の彼からは連想できないような悪魔の笑みである。

 

何故このような事になったのか。その理由を語るためにも時間を少し遡る。

 

「またデッドマンズの関連犯罪ですか!?」

 

スカイベースにて一輝、大二、さくら、光の四人は若林と狩崎の二人から事情を聞いていた。曰く、ここ最近フェニックスの研究所がピンポイントで狙われているらしい。敵の狙いはフェニックスの研究所を襲う事で相手の強化を少しでも遅らせるのが目的だろう。

 

「あれ?でも研究所の場所は……」

 

「ああ。一般には非公開。つまり普通なら絶対に知り得ない場所にある事になる」

 

「つまり、どういうこと?」

 

バイスからのわけわからないとばかりの質問に一輝はバイスへと返事を返す。

 

「恐らく敵に寝返った御子柴朱美の仕業だろう」

 

「でも、朱美さんがそんな事を……」

 

「無いと言い切れるか?彼女は我々を裏切り敵に付いた。それだけでも疑うには十分だと思うが」

 

若林からの指摘に一輝達は黙り込んでしまう。確かに今現在、これ以上の裏切り者の情報が無い以上、朱美を真っ先に疑うのは仕方のない事と言える。

 

「へーい。今回の敵は二体のデッドマンを操っている。まだフェーズ1だが前のように二体のデッドマンと上級契約を結びキメラデッドマンにならないとは限らない。だからこそ素早く相手を倒す必要がある」

 

だが相手のデッドマンが次にどこを狙うのかわからない以上、無闇に全ての拠点を防衛するわけにはいかないだろう。

 

「どうすれば……」

 

「その点は安心しろ。敵の狙いを探るエキスパートを用意した。入れ」

 

若林の言葉と共に二人の人間が入ってくる。それは男女一人ずつで二人とも真面目そうな面持ちであった。

 

「門田ヒロミの元部下で五十嵐大二や牛島光の先輩に当たる情報処理の天才達……立花颯太と月村楓だ」

 

「立花さん、月村さん」

 

「お二人が味方なら心強いです。よろしくお願いします!」

 

「ヒロミさんが敵側になって一刻も早く救いたいのは俺達も同じだ」

 

「今こそフェニックスが一丸となってこの窮地を乗り切りましょう」

 

「早速防衛のための作戦を考えましょう」

 

「やってやろうじゃない!」

 

一同が意気込むと別の部屋で対策を練るために移動。だが、若林は一輝を呼び止めると狩崎を一度研究室へと行くように指示した。

 

「五十嵐一輝。君には伝えておく事がある」

 

「総司令官?」

 

すると若林に手招きされると一輝は総司令官しか入れない部屋へと入る。

 

「失礼します……って、ええっ!?」

 

「うっそーん!」

 

そこにいたのは裏切ったはずの朱美本人が立っていた。そして、その手には真澄から預かっていた新たなバイスタンプを持っている。

 

「これは一体……」

 

「朱美君には私の指示で裏切りを装ってもらってウィークエンドに潜入してもらっていた。そして、狩崎の父親……狩崎真澄から君への贈り物を届けてもらった所だ」

 

「狩崎さんの……お父さんから」

 

すると朱美は新たなバイスタンプ……ローリングバイスタンプを一輝へと手渡す。

 

「これでリバイスを更にパワーアップさせられる。ただ、悪魔の力を増幅させる作用が強いせいで下手をすると君の悪魔であるバイスがどんな行動を取るかわからないわ」

 

それを聞いて何故自分の元にこれを届けたのか。一輝は疑問に思う事に。

 

「じゃあまだ未完成品って事ですよね?どうしてこれを……」

 

「これは一輝君、バイス君、そして……真澄博士の息子である狩崎君への挑戦状よ。この力を乗り越えた先にギフに対抗するための力が得られるそうなの」

 

つまりまずは第一段階としてこのスタンプを使いこなす事ができるのか。そういう問題になってくるようだ。

 

「ふへへ。そんなの今の俺っち達なら朝飯前だってな。へへっ!」

 

「わかりました。できる限りの事はやってみます」

 

「……また君には引き続きウィークエンドへの潜入をしてもらう。リスクは覚悟の上だが……それでも今は向こうの情報が少しでも欲しい」

 

「ええ。……それと、この事は大二君達には言わないで頂戴」

 

「どうして……」

 

一輝からの質問に対して若林が朱美の代わりに代弁する事になる。

 

「今は一般隊員には敢えてこちらの潜入調査を伏せている。先程話になった裏切り者。あれはまた別でいると私は見ている」

 

「それは、そうですよね」

 

「つまり、裏切り者を誘き出すために朱美君には囮になってもらっているんだ。不穏分子はこの組織に幾らでもいる。それを作った原因は恐らく私だろうが……」

 

若林は自虐の念に囚われていた。総司令官として下してきた今までの決断は全て正しかったとは言い難い。むしろ、それが原因で隊員には少なからずの犠牲が出ている。となれば不満はどこかで溜まっていくだろう。

 

「……総司令官。俺達は総司令官を信じています。ですから、自分の判断を信じてください」

 

一輝からの言葉に若林は驚く。まさか自分がそんな事を言われるとは思っていなかったからだ。

 

「そうか……。済まないな」

 

「大丈夫ですよ」

 

それから一輝が部屋を出ると朱美も他の隊員に知られてない抜け道を使ってスカイベースから出ていく。若林は一人残されて考えていた。

 

「……私は今まで沢山の失敗をしてきた。そのツケをそろそろ払うべきなのかもしれないな」

 

その頃、大二達の方ではデッドマンズの襲撃予測地点をあらかた洗い出しておりどこに誰が入るかまでを割り振り終わった所だった。

 

「取り敢えず、今はこの配置にするとしてあとは臨機応変にと言った形で行こう」

 

「はい!」

 

「よーし。デッドマンズが来たら返り討ちにしてあげるわ!」

 

大二達も解散すると大二と光の二人は立花、月村へと話しかけると二人は話に応じる。

 

「立花さん、月村さん。……聞きたい事があります」

 

「何かしら?」

 

「俺達に答えられる事だったら何でも答えるぞ」

 

「……ヒロミさんの事です」

 

それを聞いて二人の顔は僅かに曇る。やはりどうしてもヒロミが敵に付いている事がモヤモヤとした様子だった。

 

「ヒロミさんはどんな上司だったんですか?」

 

「俺達は確かにヒロミさんに憧れていました。でも、俺の兄さんがライダーになるまでは直接関わった事はあまり無くて」

 

「ヒロミさんは彼が分隊長時代だった頃に私達の上司だったわ」

 

「入隊したてで何もわからなかった俺達にも良くしてくれたよ」

 

二人はヒロミが司令官になる前の分隊長時代の事を語る。ヒロミは二人の上司として優秀であり、二人にとっても憧れの存在であった。

 

「あの人が司令官として昇格した時もあの人の下でなら頑張れる」

 

「そう思って私達は彼を快く送り出したわ」

 

「俺達以外のヒロミさんの部下もそうだった」

 

ヒロミは随分と慕われていたのだ。真面目すぎる彼もそれだけフェニックスの中では高い信頼を預けられるような存在であったのだ。

 

「……でも、司令官を解任されてまた分隊長に戻った時……」

 

「俺達は最初納得がいかなかったよ」

 

実は言及されていなかっただけでヒロミから天魔に司令官が交代になった時。組織内でもかなりの反発があった。一応ヒロミがデモンズの変身者として発表された際にある程度は収束したものの、やはりどうしても納得できない隊員も少なからずいた。

 

「総司令官は本当にどうしてしまったのか……」

 

「狩崎さんだってそうだ。研究者の立場を良いことに好き放題してるっていう感じがするのよね」

 

大二と光の二人はフェニックス内でも不穏な空気が流れてしまっているという事を何となくわかっていた。

 

「ヒロミさんが命を散らしたあの時。俺達は悔しさで震えたよ」

 

「それと同時にヒロミさんは立派に最期を遂げたって思えたわ」

 

二人はそれからヒロミがいなくなった分も頑張る事を誓い、今日この日までフェニックスに勤めてきていた。それから暫くしてデモンズトルーパーも実装され、何とか戦力としてデッドマンズに対応できるようになってきたのは二人にとっても嬉しい事である。

 

「大二君、光君、二人には未来がある」

 

「ヒロミさんの意思を継いで頑張ってほしい」

 

「勿論です」

 

「俺達がヒロミさんの分も……いえ、それ以上に力を尽くします」

 

大二と光の言葉に立花も月村も頷くと話は終わることになる。そして、それから数日。ウィークエンドの拠点では次の襲撃計画の予定が立てられていた。

 

「次に襲うのはここ」

 

「仮面ライダーも付いているが、まぁ問題は無いだろうな」

 

オルテカ、フリオ、ヒロミの三人が話す中、アギレラは一人暇そうにしている。

 

「ねーえ。私も今回は参加しても良いかしら?」

 

「わざわざアギレラ様の手を煩わせるのもいかがなものかと」

 

「ここでドーンと構えていてください」

 

「そう?じゃあ任せるわ」

 

そう言ってアギレラは引っ込んでいく。そんな中、オルテカは部屋にローブに包まれた二人の人物を連れてくる。

 

「さて、あなた達にも働いてもらいますよ」

 

「でもまさか君達二人がこちら側についてくれるとは思わなかったぜ」

 

その二人は頷くとデッドマンズのお決まりの言葉を叫ぶことになる。

 

「「グラシアス!デッドマンズ!」」

 

翌日。フェニックスの研究所の防衛として一輝、大二、さくらの三人が別地点で立っていた。

 

「さて、どう出てくる?」

 

すると轟音と共に大二の前にダイオウイカデッドマン・フェーズ4ことオルテカが、さくらの前にウルフデッドマン・フェーズ4ことフリオが、一輝の前に二体のフェーズ1のデッドマンが姿を現す。

 

「来たか!」

 

「私達の目の前から来るなんて随分と悠長ね」

 

「始めましょうか」

 

「ここは破壊させてもらうぞ」

 

《ホーリーウィング!》

 

《キングコブラ!》

 

「「変身!」」

 

《ホーリーアップ!》

 

《ハイパーリベラルアップ!》

 

《ホーリーライブ!》

 

《インビンシブル!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》

 

それから二人は戦闘を開始。一輝の前に現れたデッドマンのその姿は下半身が爬虫類型と昆虫型で爬虫類の方は水色の折り紙で背中に固い甲羅のような装甲を背負っている。また、両腕に巨大な鋏を武装しており二つの目のようなデッドマンとしての顔が目立つキングクラブデッドマン。そして昆虫の方は黒い折り紙で鱗のようなボディに背中からは強靭な尻尾が伸びていた。更に頭部はまるでワニのような長い大顎で中からは鋭い牙が生えている。このデッドマンはクロコダイルデッドマンであった。

 

「二体とも固そうだな」

 

「ここはゴリラちゃんが妥当かね?」

 

「そうだな。パワーにはパワーだ!」

 

一輝もベルトとスタンプを出すとベルトを装着しつつスタンプを押す。

 

《コング!》

 

《Come on! コン・コン・コング!》

 

「変身!」

 

《バディアップ!鳴らせ!コング!ドラミングキター!》

 

リバイとバイス、コングゲノムは二体のデッドマンとそれぞれ戦闘を開始。それが戦いのゴングとなった。




また次回もお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。