仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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三十四話目
バイスの裏切り その真意


リバイスがフェニックスの研究所を破壊した翌日。一輝の姿をしたバイスは街中を悠々と歩いていた。

 

「ふへへ。気分サイコー!」

 

「バイス!お前……とんでもない事してくれたな」

 

聞こえてきたのは一輝の声である。ただし、その姿はいつものバイスのように霊体化していたが。

 

「俺はお前を信じてたんだぞ」

 

「まぁ落ち着けって一輝」

 

「これが落ち着いていられるか!」

 

バイスが宥める中、一輝は怒りに震えていた。まさかバイスがここまで制御できない存在だとは思わなかったからだ。

 

「……バイス、どうしてなんだ。今までずっと俺達は相棒だっただろ」

 

「そうだな。だが、俺っちだって悪魔なんだ。……前にベイルの野郎に言われたんだ。悪魔らしく生きろって。その悪魔らしさがこの行為に繋がっているってわけよ」

 

「だとしてもやって良いことと悪い事があるだろ」

 

バイスがのらりくらりとする中、一輝はどうしても納得がいかない様子だった。

 

「……一輝。俺は一輝が羨ましかった」

 

「……え?」

 

「一輝はずっと外の世界を見て、触って、感じて……。俺っちは悪魔だからただ見るだけしかできなかった。だから、俺っちだって偶には外の世界を味わいたいんだ」

 

しかし、バイスの言葉に一輝はどうしても賛同できなかった。理由はどうあれ、バイスはフェニックスの施設を破壊するという暴挙に出たのだ。それなのに今更許してもらおうという魂胆が納得できないと言った所である。

 

「俺っちを信じてくれないか?一輝」

 

「でも……」

 

一輝はそんなバイスからの言葉を信じる事ができなかったのだった。その頃、スカイベースでは狩崎が若林に詰め寄っている。理由はローリングバイスタンプについて黙っていた事だ。

 

「何だと!?アレはダディが作った!?何故この私に言わなかったんだ!」

 

「……言ったとして、お前は素直にそれを受け入れるか?」

 

「だとしてもライダーシステムを作るのはこの私の役目だ。アギレラの時もそうだがどうして私のシステムを利用されなければならない!それに、ダディは敵だろう!何故あのような事になるまで放置したのだ!」

 

狩崎が怒りに狂う中、若林は狩崎へとその理由をようやく語る事になる。

 

「……これは真澄博士からの挑戦状だ。あのスタンプの力を使えば悪魔の本能が解放される。それを乗り越えた先にリバイスは新たなる進化を遂げると博士は話していたそうだ」

 

「だからと言って……」

 

「……狩崎。私達は散々他人に迷惑をかけてきたんだ。そろそろ他人のために動く事を覚えろ」

 

狩崎はそう言われて悔しそうになる。だが、実際その通りだ。この状況を引き起こした遠因は自分の欲が求めるままに他人を実験の材料として利用してきた事である。だから裏切り者も多数出た上にフェニックスはそれで窮地に陥っているわけだ。

 

「……わかったよ。ひとまずバイスのあの状態をどうにかする方法を考える」

 

「よろしく頼むぞ」

 

若林にそう言われて狩崎は早速部屋へと引っ込む事になるのだった。そこに大二とさくら、光がやってくる。

 

「どういう事ですか!?」

 

「一輝兄……バイスがあんな事をするなんて」

 

「今まで大人しくしてたのはこの時のために……」

 

若林は一度深呼吸をすると三人にも事情を説明する事になった。勿論それで三人は最初納得できずに不満の声が上がる。だが、それを若林はしっかりと受け止めた。

 

「今現在、狩崎が制御する方法を思案している。少し待ってくれ」

 

「でも、このままじゃまた被害が及ぶんじゃ……」

 

「いいや、私はそう思っていない」

 

「それってどういう事?」

 

それから若林がモニターに示したのは昨夜破壊された施設の位置である。それを見て大二は何かに気がついた。

 

「この場所……まさか!」

 

「ああ。……ここはもうすぐ廃棄予定の施設だ」

 

「「!!」」

 

何と偶然にもバイスが襲ったのはフェニックスの研究施設の中で一番使わない場所であった。しかも、バイスが跡形もなく破壊したおかげで片付けにかかる費用も少なくて済むおまけ付きである。

 

「まさか……いや、でもアイツのあの笑いは……」

 

「バイスは……自ら嫌われ役を買って出たんだ」

 

それはローリングバイスタンプを渡された少し後。一輝が司令室を出た直後にバイスは若林の所にやってきていた。

 

〜回想〜

 

『よっす!総司令官さんよ』

 

「バイスか。何の用だ」

 

ちなみにバイスは今現在霊体なので若林の持つガンデフォン越しに話している状態だ。

 

『……俺っちに考えがあるんだ』

 

「言ってみろ」

 

『あのスタンプを使った直後、俺っちはわざと暴走する』

 

「……何故だ?それをする理由は」

 

『俺っちが暴れればきっと一輝や皆は俺っちにヘイトを集める。そうすればデッドマンズの連中はまたフェニックスが隙を見せたって思いつけ込むはずだ』

 

「だが、代償は高くつくぞ。最悪五十嵐一輝とのバディも……」

 

『そこはどうにかしてみせるさ。それに、俺っちは一輝を信じてるぜ。俺っちは嘘を吐かないしな』

 

〜現在〜

 

それを聞いて一同はどうにかバイスが裏切ったわけではないと納得。しかし、問題は一輝の方だ。一輝は確実にバイスが裏切ったと思っている。

 

「私達から言うわけにはいかないよね?」

 

「ああ。これは五十嵐一輝自身が気づかなければならない事だ」

 

若林がそう言っていると再び街にデッドマンズが現れたとの報告が入った。それを受けて大二とさくらが出撃する。

 

その少し前、ウィークエンド本拠地では赤石が立花と月村の二人の前で話をしていた。

 

「君達にはまだまだ働いてもらう。次は街の襲撃だ。君達の力を見せてもらおう」

 

「「はっ!」」

 

「あ、そうそう。君達二人の力を見込んで一つアドバイスをあげよう。

 

「「……?」」

 

二人が疑問を浮かべると赤石は二人の持つプロトバイスタンプを手にするとそれを二人へと押印する。

 

「「ぐっ!?」」

 

その瞬間、いつも通りキングクラブデッドマンとクロコダイルデッドマンが姿を現す。

 

「君達よりも前に一人のデッドマンズに魂を売った人間が一人で二体のデッドマンを生み出して同時に上級契約を行った……だが、結局その者は覚悟が足りずに不完全な契約だったが君達ならできるだろう?覚悟を持っての二体同時の上級契約が」

 

それはつまり、立花か月村。二人のうちどちらかが共同での上級契約を結んでキメラデッドマンへと進化を遂げるということだ。

 

二人はそれを聞いて無言になる。流石にそこまでやる覚悟はまだ持ててないという事だろうか。

 

「やるかやらないかは君達に任せるが……私はやるべきだと思うけどね」

 

そう言い、赤石は二人を唆す。それから二人は出撃していくのであった。二人がいなくなったのちに赤石は近くの台に置いてあるベルト……ベイルドライバーに目をやる。

 

「あの二人がこれを取り戻してくれたおかげでこちらもやりやすくなりそうだ……ベイル」

 

すると赤石の元に赤黒い粒子となっていたベイルが飛来してくると姿を現した。

 

「俺を呼び出して何をさせる?ウィークエンドの長官」

 

「なぁに、君の復讐を手伝おうと思ってね……この私自らが」

 

「ほう。だがそのベルトは純平にしか使えない」

 

「そのまま使えばな」

 

「……ほう?」

 

赤石はそれからとある映像を見始める。それは、かつて元太が純平としてベイルドライバーを使っていた時の物だった。

 

「……確かベイルドライバーは悪魔であるお前の力を使い変身する物。私の中には悪魔はいない……だから普通に使えばただの重い鎧だ。だが……」

 

「なるほど、俺がまたその中に入ってエネルギーを増幅しろと言うのか」

 

「最終的にはそうなるだろう」

 

「ふん……せいぜい考えておく」

 

そう言ってベイルも立花や月村と共に出撃していくことになる。それを赤石は見送った。

 

「……全ては私とギフ様の手の内。さて、このベルトの改良を博士に頼むとしよう」

 

赤石が不気味な笑みを浮かべる。その頃、デッドマンズが暴れる現場ではベイル、クロコダイルデッドマン、キングクラブデッドマンがいた。

 

「今度は普通に暴れてるのか」

 

「カゲロウ。二人で分担するぞ」

 

「私はベイルを止めるわ」

 

《バット!》

 

それから大二はバットバイスタンプを自らに押印すると二人に分裂。それからベルトを装着して変身する。

 

《バット!》

 

《コブラ!》

 

《Confirmed!》

 

《Eeny, meeny, miny, moe!Eeny, meeny, miny, moe!》

 

《Eeny, meeny, miny, moe…Eeny, meeny, miny, moe…》

 

《What's Coming up!? What's Coming up!?》

 

「「「変身!」」」

 

《バーサスアップ!》

 

《リベラルアップ!》

 

《仮面ライダーライブ!》

 

《仮面ライダーエビル!》

 

《仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》

 

三人は変身を完了させるとそれぞれの相手に向かっていく。ライブはキングクラブデッドマン、エビルはクロコダイルデッドマン、ジャンヌはベイルと戦いに入るのだった。

 

ちなみにこの場にいない一輝の姿をしたバイスの方はゲームセンターでやりたい放題やっている。

 

「うっひょーっ!面白れぇ!!」

 

「バイス、お前……何のんきに遊んでるんだよ」

 

「良いじゃねーか。減る物じゃねーしよ」

 

「俺のお金は減ってるんだよ!」

 

一輝がそう言うが、霊体の一輝にはバイスの行動を止める術が無い。するとバイスのガンデフォンが鳴り響く。つまり、デッドマンの出現が知らされたのだ。

 

「バイス、デッドマンが現れたぞ」

 

「えぇー、今良い所なんだ。楽しませろよ」

 

バイスはそう言って好き放題。ボーリングまで始める始末である。一輝は流石に我慢の限界なのか声を荒げた。

 

「俺はお前に裏切られるために今までバディをやってきたんじゃないんだよ!」

 

「……」

 

しかし、バイスからの返事は無く引き続きボーリングを楽しんでいる。そんなバイスに一輝は納得のいかない様子だ。

 

「……どうしてなんだ。俺はバイスを信じてたのに……」

 

一輝の呼びかけにもバイスは応じようとしない。するとようやくバイスはボーリングにきりをつけると移動を開始した。その先はデッドマンズのいる場所である。

 

「バイス……」

 

「やれやれ。一輝がこんなのじゃ役に立たねぇな。俺っち一人でやってやるよ」

 

それを聞いた一輝は無言になる。それを聞いて一輝は頭から冷水を被ったようになった。

 

「………」

 

「これ使ってさっさと行くか」

 

《プテラ!》

 

バイスはプテラバイスタンプの能力で高速移動を開始。ライブ達の戦う現場に向かっていく。その一方で一輝はバイスの言葉の意味を考え込むのだった。




また次回もお楽しみに。
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