フェーズ4三人を相手にしているジャンヌはウルフデッドマンからのスピード、更にダイオウイカデッドマンの触手攻撃を喰らって吹き飛ばされると地面を転がる。
「さぁ、そろそろ終わりだなぁ」
「大人しくしてもらいましょう」
「そんなわけにはいかないでしょ!」
ジャンヌは立ち上がると拳に青いオーラを纏わせてクイーンビーデッドマンへと繰り出す。その瞬間、クイーンビーデッドマンはいきなり大量の働き蜂として分裂。そのままジャンヌへと襲いかかり、ダメージを与える。
「うわあっ!?」
そのままジャンヌがダメージに悶える中、三人のデッドマンはエネルギーをそれぞれ右脚に集約。跳び上がってのキックを繰り出した。
「「「はあっ!」」」
ジャンヌはそれをまともに喰らってしまうと変身解除。さくらの姿で倒れ込む。
「くうっ……はあっ……はあっ……」
「やっと終わりましたか」
「まぁ流石に三人がかりだったしな」
「それじゃあフリオ、オルテカ」
するとさくらをウルフデッドマン、ダイオウイカデッドマンが拘束するとそのまま奥の部屋へと行ってしまう。
「ッ!?さくらさん!」
光が後を追おうとするが、まだ部屋のギフジュニアがいたために追えずになってしまう。
「はあっ!」
その頃、エビルもヘルギフテリアン、カブトデッドマン双方に有効なダメージを与えられずにいた。
「どうした?そんな程度か」
「チッ。ダメージがまともに入らない奴とダメージを与えても回復する奴らのコンビとかキツすぎだっつーの」
「弱音を吐くな、カゲロウ」
「わかってるよ」
《必殺承認!》
《イーヴィルダークネスフィニッシュ!》
エビルが斬撃を放つとそれを喰らってヘルギフテリアンは下がる。しかし、それでもダメージとしてはまだまだ彼の想定内。直ちに傷が修復されてしまうとヘルギフテリアンは超スピードでエビルへと接近し、拳を叩き込む。
「ぐうっ……」
「カゲロウ、交代だ。これ以上は……」
「うるせーよ大二。俺がこんな程度で負けるかよ」
しかし、明らかにエビルは消耗しており負けるのは時間の問題だ。するとカブトデッドマンが接近するとエビルを斬りつけ、更に回し蹴りで吹き飛ばす。
「うあっ!?」
「終わりだ」
するとカブトデッドマンが円月殺法を行うと赤黒いエネルギー斬を放つ。それと同時にヘルギフテリアンも赤黒いエネルギー弾を放つ。それを喰らったエビルはとうとう耐えきれずに変身解除。カゲロウとして倒れてしまう。
「コイツら……」
「ッ……カゲロウ!」
すると大二は無理矢理主導権を交代するとエビルブレードを装填してからライブガンへと変えようとする。しかし、その瞬間、ヘルギフテリアンは腹へと一撃を加えて大二を倒れさせてしまう。
そこにクイーンビーデッドマン達が到着すると大二も拘束してしまった。
「さて、後一人だな」
そして、最奥部ではギフデモスとジャックリバイスの戦闘が続いている。一輝のバトルスタイルでは相性が悪いと踏んだリバイスはバイスの格闘技主体の戦闘に切り替えるが、それでもギフデモスを押し切れない。
「「はあっ!」」
二人の拳がぶつかり合うと爆発し、二人がそれぞれ後ろへと下がる。そして、リバイスは手にしたローリングバイスタンプを回転させようと手をかけた。
「これで決める!」
「待てバイス!」
バイスが必殺技を使おうとしたところで一輝がそれを止める。そして理由を説明した。
「はぁ?一輝、どうしてだよ」
「……今の朱美さんはギフの細胞を植え付けられている。このまま下手に倒すわけにはいかない」
「じゃあどうする?」
「ライダーキックで……」
しかし、二人が話している間にもギフデモスは動く。その一撃をリバイスはまともに喰らうとそのままギフデモスから放たれた赤黒い衝撃波を受けて倒れた。
「しまった……」
すかさずギフデモスはリバイスを踏みつけて追撃。リバイスはかなりのダメージを負ってしまう。
「さぁ諦めろ。五十嵐一輝」
「誰が……そんな簡単に……」
「ふぅ。君達は事実が何も見えてないようだな」
すると赤石が指を鳴らすとそこにクイーンビーデッドマン達が入ってくる。当然やられてしまった大二とさくらもいた。
「大二!?さくら!?」
「二人共かなり手こずらせてくれましたよ」
「まぁでも、俺達にかかればざっとこんな物さ」
これで戦況はギフ側が圧倒的有利となってしまう。そして、リバイスは無理矢理立たされるとそのままギフデモスからの斬撃を喰らって吹き飛ばされて変身解除。一輝の姿で倒れてしまう。
「ぐうっ……」
「チェックメイト。ギフ様、この者達をいかがしますか?」
「……私に刃向かったとは言え彼らは私の遺伝子を持つ者達。利用すれば大いに役立つだろう。故に今すぐは殺すな」
「……それでよろしいのですか?」
「ああ。私の決定は変わらない」
それを聞いてクイーンビーデッドマンは今すぐ倒せないもどかしさとまだ楽しめる事への嬉しさで複雑な気持ちになるが、ギフの決定は覆らないので何も言わなかった。
「命拾いしたわね。さ、この三人をさっさと連れて行って……」
するとその瞬間、いきなりドアが開け放たれるとそこに狩崎が到着。そして声を上げる。
「アンタは……」
「遅くなってソーリー!撤退するよ」
「ほう。援軍がいたか。だが一歩遅かったな。もう戦えるのは君だけ。この人数相手に勝てるとでも?」
「そうだよ狩ちゃん、この状況じゃ……」
「それでも私はやる。君達に教えてもらった。見ているだけじゃ、口だけじゃダメなんだと!……行動こそ、信念!」
《デモンズドライバー!》
すると狩崎はデモンズドライバーを取り出すと装着。そして、スパイダーバイスタンプを押す。
《スパイダー!》
《Deal……》
「ダディ!アンタを超えてみせる!」
狩崎はクウガのような変身ポーズを取ってから自らを変える言葉を言い放つ。
「変身!」
《Decide up!》
狩崎が液晶部にスタンプを押印すると蜘蛛が降りてきて糸を放出。それはオルテカはおろかヒロミの時よりも糸の量が少なかったが、その太さはどれよりも太く、巻く量よりも一本一本の質で上回る方向性になっていた。
《Deep.(深く) Drop.(落ちる) Danger……(危機)(仮面)rider Demons!》
狩崎のその姿は仮面ライダーデモンズへと変化。ただし、今までのデモンズと違う点は今まではベルトの中でエネルギー源となっていたベイルが不在という点とそれを補う調整がされている点である。
「なるほど、確かにまだあなた達にはそれがありましたね」
「だが、ベイル抜きでまともな運用ができるとでも?」
「鍛えている私の体を舐めてもらっては困るねぇ。じゃあ、最初から全開で行こうか!」
《Add……!》
《コンドル!》
《Dominate up!》
《コンドル!ゲノミクス!》
するとデモンズの背中にコンドルの翼が展開。そのまま空中に飛ぶと背中の翼から羽を射出して周囲に煙幕を張るとすかさずデモンズは手から蜘蛛の糸を射出。一輝、大二、さくらを抱えるとそのまま逃げの一手を打つ事になる。
「グッバーイ!」
狩崎が変身したデモンズの力は予想を超えており、それは以前ベイルの力を引き出した状態のオルテカデモンズよりもスペックの上では上回っていた。
「狩崎の奴、更にデモンズドライバーの性能を上乗せしてきたのか」
「ちょっとばかり油断しましたねぇ」
「でもこの程度なら問題無い。すぐに後を追いかけましょう」
「……いや。追わなくていい。我々がここを守り切れた事実が世間に広まればフェニックスへの批判が高まる。そして、今こそ我々が表舞台へと姿を見せる時だ」
赤石の予想は現実となった。フェニックスがウィークエンドを倒せなかった事実は瞬く間に広がり、フェニックスという組織の力の無さが露見する事になる。
スカイベースの空気は本来、一輝達が無事に戻って来れた事を喜ぶべきだったが、今はそんな事を言えない状況下だ。
「まさかあそこまでデッドマンズ、ウィークエンドとの力の差があるとは……」
「今の戦力では彼らに勝つどころかまともに相手するのも厳しいのか」
今回は狩崎が介入した事で何とか事なきを得たが、毎回狩崎が出るわけにはいかない。光のトレーニングもあと少しで終わるが、それのタイミング次第では手がつけられなくなってしまう。
「私達じゃあギフに勝つどころか、アギレラ達を倒すのもできないって事なのね」
「くっ……」
すると突如として街のテレビなどがジャックされると赤石の姿が映された。
「あれは……」
「赤石」
『全国民の皆さん。私の名はフェニックスを打ち破ったウィークエンドの長官……赤石。本日は皆さんに伝えておかなければならない真実をお知らせします』
赤石は不気味な笑みを浮かべるとそのままギフの脅威について、そして、ウィークエンドの思想についてを伝えていく。
『つまり、ギフ様にはこの世界の人類を滅亡させようという気はありません。ただ、争いのない平和な世の中を作るためにギフ様の僕となるように求めているのです』
赤石の話す様子を一輝達はモニター越しにしかみることができない。そのため、何もする事ができなかった。
『もし我々の思想に共感する方々がいるのでしたら我が新たなる都市、アララトへと住む事を許可すると共に皆さんの体に宿る悪魔を除去してご覧にいれましょう』
それを聞いた一輝達は疑問に思う。アララトとは何なのか。そんな名前の都市などどこにも無いと思っていた。
「アララト?そんなのどこに……」
「まさか!?あの場所か!」
狩崎が何かを思い出すとその予想を一輝達へと伝えていく。その場所というのは……。
「それは我々フェニックスがかつて進めていた新都市開発事業だ。だが、デッドマンズの襲撃が激しくなって以降、止まっていた。そこにウィークエンドの者達が後からその事業を乗っ取っていた。そこで新たなる都市を作るのを継続していたとでも言うのだろう」
どちらにせよ、これでウィークエンドは完全に表の世界へと出てきた。このままフェニックスとの全面戦争が開幕するだろう。
「ここからは今まで以上に厳しい戦いになるぞ……」
ウィークエンドを倒すどころか圧倒的な敗北に終わった今回の襲撃。果たして、フェニックスはウィークエンドに勝つ事はできるのであろうか。
バイスタンプラリー
三十五話目……クロサイバイスタンプ
また次回もお楽しみに。