仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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三十六話目
ウィークエンドを止めろ それぞれの思惑


ウィークエンドが表面化してから数日が経過。その間に世間では動きがあった。フェニックスに不満を抱く者や今のフェニックスが頼りないと感じた人々はアララトへと移るようになっていったのだ。

 

更にデッドマンズ及びウィークエンドの面々は今まで使ってきていたウィークエンドの拠点よりアララトの本部施設へと移動。これにより完全にウィークエンドは世間の目に晒される事になる。

 

「……我々の意見に賛同する者は日に日に増えてきている……だが、まだまだ足りないな」

 

赤石が見ているのはアララトへと移住してきた人々の割合である。確かに増え始めたとはいえ、まだ全体の中で見ればごくごく僅かに過ぎない。このままではギフの気持ちが変わりかねないだろう。

 

「ねーえ、赤石。思ってたより効果薄くない?」

 

「ええ。賛同者の割合はまだまだ少ないと感じますが」

 

「この期に及んで危機感の薄い連中だな」

 

アギレラ、フリオ、オルテカが次々にそう言う中、ギフが姿を現すと言葉を告げる。

 

「人類は疑り深い。まだまだ我々達の力を示すには証拠不十分のようだな」

 

ギフの言葉の通り、今のウィークエンドには確かに力がある。だが、以前フェニックスを退けた際のデータとして証拠が無い。それがあれば人々に説得力を持たせられたが、今の現状ではまだ人々がフェニックスが現在だと思っている方が多い。

 

「……ならば、次の策を打つまで。数日後に大々的な説明会を全国に中継する形で儲けよう。そこで我々の力を示す」

 

赤石の言葉にヒロミが何かを思ったのか口を開いて自らの抱いた疑問を示す。

 

「だが、それだと敵に狙ってくれと言うようなものではないのか?」

 

「ああ、それで良い」

 

赤石はさも当然のようにそう返す。つまり、今回の赤石の狙いは大々的な宣伝をしたスピーチに見せかけたウィークエンドの力の誇示である。

 

「この宣伝を行えば必ずフェニックスは我々を止めようとする。だが、我々はそれ以上の力を持ってして彼らを叩き潰す。そうすれば、我々を疑う者達を黙らせる事にも繋がるわけだ」

 

しかし、フェニックスがスピーチの間に襲ってこない可能性もあり得えるわけでその点についても指摘が入った。

 

「フェニックスの奴ら、そう簡単な見え見えの誘いに乗ってくるの?」

 

「必ず乗ってくる。奴等は我々がこれ以上増長するのは防ぎたいはず……ならば、我々の力が世間に示されるのは避けたいだろう」

 

「なるほど、つまりは今回のイベントはフェニックスの連中にとっては公開処刑場になるというわけですか」

 

「ああ。いつの時代もどの場面でも大義の為には象徴的な犠牲が必要。ならばフェニックスの連中には我々の大義のための犠牲になってもらおう」

 

赤石が笑みを浮かべる中、早速彼は大々的な宣伝を世間へと行い、数日

後にはそれが実行される事になる。そんな中、フェニックスの方でもこの情報を掴んだ若林はスカイベースに一輝達を集めた。

 

「……知っての通り、赤石が世間へと再度演説を行う」

 

「今回のターゲットはそれだよ」

 

「つまり、どうにかして演説をやめさせるのが目的と」

 

「ですが、これ自体は罠じゃ無いですか?」

 

「赤石の事です。何か僕達を貶めるために何かを仕掛けてくるんじゃ……」

 

大二や光は赤石の罠を危惧する。しかし、若林はそれでもやるべきだと話した。

 

「我々は今現在、世間からの支えを無くしかけている。このままではそれこそウィークエンドをますますつけあがらせるだろう。止めるなら今しか無い」

 

若林としてもこの状況が罠だと気付いていた。しかし、それでも今は飛び込むしか無い。世間からの信頼を勝ち取り、ウィークエンドを孤立させるには絶好の機会なのだ。

 

「……でしたら僕にデモンズドライバーをください!今の僕なら……」

 

「ダメだ」

 

光の提案は無情にも退けられる。その理由は未だに光が基準値をクリアできていないからだ。

 

「どうしてで……」

 

「どうしてなの?今は戦力が無いと勝てるものも勝てなくなるんですけど」

 

さくらが文句を口にする中、それでも若林の意見は変わることは無い。

 

「……今の牛島ではダメなんだ」

 

「そんな……」

 

若林はそう言う中、光は悔しそうにする。それを見た狩崎は少し思考してからとあるスタンプを出した。

 

「へーい。五十嵐一輝。ジャックリバイスへの変身によるデメリット、バイスとの重ねがけを解除できるスタンプも徐々に開発できている」

 

それからそのスタンプを見せるとそれは口内にプロペラが入ったクリアマゼンタのレックスのスタンプである。

 

「それは……!」

 

「名付けてゲイルバイスタンプ。だがまだ未完成でね」

 

「え?形はそれでできてるんじゃないんですか?」

 

「おいおい。まさか、俺達の時と同じか?」

 

カゲロウが何かに気がつくとそれを指摘。すると狩崎は笑みを浮かべると共に頷く。

 

「その通り。このスタンプも未完成のまま使えば一輝かバイス、どちらかが消滅する。……ただし、厄介な事に一輝とバイスはもう既に一心同体。だからこそこのスタンプを使って失敗すれば両方共消滅する危険がある」

 

それを聞いて一同は狼狽える。つまり、今のままでは使う事ができないという事だ。すると光は何かに気がついたのか手を上げる。

 

「あれ?それって逆に言えば大二とカゲロウの時と同じで成功すれば両方生き残れるって事ですか?」

 

「その通り!まだ調整の時間が少しいるが、これを使う日もそう遠くは無いだろう」

 

「話はここまでだ。作戦決行に備えて各自、体を休めるんだ」

 

若林にそう言われて一同は解散。それぞれが戻る事になる。そんな中、光は一人悔しそうに壁を殴っていた。

 

「くそっ……僕はいつまで足手纏いになるんだ……」

 

するとそこにさくらが通りかかる。そして、悔しがる光へと声をかけた。

 

「光さん」

 

「あっ……すみません……取り乱した所を……」

 

光が謝るとさくらは大丈夫だと首を振る。それから二人でフェニックスのスカイベースにあるベンチに座って話すことになった。

 

「……光さんの気持ち、少しならわかります」

 

「え?」

 

「私も変身できなかった時、強がってしまって……。その結果、一輝兄達に迷惑をかけてしまいました」

 

それを聞いて光はその時の事を思い出す。さくらはかつて、変身できたかったために強がった。その結果、変身するどころか一輝や大二に迷惑をかける結果になってしまう。

 

「光さん。……無理に強がらないでください」

 

「ッ……」

 

「今の光さんはあの時の私と同じ。自分の弱さを受け入れられてないんです」

 

それを聞いて光は一度深呼吸をしてから考える。言われてみれば確かにそうだ。

 

今の光は変身できない焦りで強がり、周りが見えていない。そんな中で仮に変身できてもまた失敗するのがオチだろう。

 

「……でも、だとしたらどうすれば」

 

「自分の心と向き合ってください。光さんが何をしたいのか。それをするためにはどうすれば良いか。ちゃんと整理するんです」

 

「さくらさん……」

 

「私にできるのはこのくらいです。だから、後は光さんにかかってます。……私、信じてますから」

 

そう言ってさくらは家に戻るために離れていく。それを見た光はもう一度自分の気持ちをゆっくりと整理。そんな様子を見て狩崎は笑みを浮かべた。

 

「空手ガールにしては良い方向に持って行ってくれたようだね……私も早く最後の調整をしなくては」

 

そう言って狩崎は研究室へと戻っていく。そして、幸せ湯では帰ってきた一輝が一人風呂の中で悩んでいた。

 

「なぁバイス。今度俺達が勝てなかったら……」

 

「おいおい、一輝にしては珍しく弱気だなぁ」

 

「当たり前だろ。でも今回ばかりは失敗するわけにはいかない。失敗したら今度こそ……」

 

「失敗を恐れてたら何もできないぜ?」

 

バイスの言葉に一輝もわかってはいると返す。するとそこに元太が入ってきた。

 

「父ちゃん」

 

「一輝、また悩んでるな。俺に話してみろ」

 

それから元太へと一輝が悩みを話すとそれを受けて元太は一輝の悩みに対する答えを話すことに。

 

「一輝らしく無いな。それでも、一輝は前を向いていける。……隣を見てみろよ。お前の元には最高の悪魔がいるじゃないか」

 

それを聞いて一輝は目を見開く。そう。一輝の元にはバイスがいる。最強のコンビで強固な絆で結ばれた彼がいれば何も怖く無い。

 

「……バイス」

 

「何だね?」

 

「俺達ならやれるんだよな?」

 

「ああ。俺達がガッチリ組めば……逆転の嵐だって巻き起こすぜ」

 

それを聞いて一輝は笑う。元太はそんな一輝を見てある事を思う。それは袂を分けた自分の悪魔の事だ。

 

「ベイル……俺もお前とこうやって笑い合える未来があったのかもな」

 

しかし、それはもう叶わない。ベイルは悪に染まり切っている。今の元太と相入れる事は無いだろう。

 

そして、決戦の日は訪れた。赤石は数日前にスピーチについては告知。その様子を国民は注目した様子で見ている。スカイベースでは仮面ライダーの三人が手を重ねていた。

 

「大二、さくら。絶対に勝つぞ」

 

「ああ。俺達の力で」

 

「デッドマンズ諸共倒してみせるわ」

 

それから三人が出る中、若林、狩崎、光の三人はモニターからその様子を見る。

 

そして、赤石の演説が始まった。それは改めてギフの脅威を国民へと示す物であり、ギフの強大さや彼の戦力。そして目的を事細かく説明していく。

 

「今こそ、我々はギフ様の元で一つに団結し、服従をするのが人類が種として存続する唯一の道。我々はギフ様の元で戦略的退化を実行するのです」

 

するとそこに一輝達が走ってくると赤石はそれに気がついて笑みを浮かべる。

 

「やはり来たね。君達なら来ると思っていたよ」

 

「こんな事は止めろ。俺達はギフに屈したりしない!」

 

「良い面構えだ。流石はギフ様の遺伝子を持つ者……だが、笑止千万!」

 

赤石が指を鳴らすとそこにアギレラ、フリオ、オルテカ、ヒロミ、朱美、ヘルギフテリアン、ベイルが勢揃い。

 

あっという間に三人対七人の構図が出来上がった。

 

「やっぱりこうなるよね」

 

「だが、想定通りだ」

 

「沸きまくって来たぜ!」

 

《俺っち!スイッチ!ワンパンチ!》

 

《ホーリーウィング!》

 

《キングコブラ!》

 

《Confirmed!》

 

「「「変身!」」」

 

《バイスアップ!》

 

《ホーリーアップ!》

 

《ハイパーリベラルアップ!》

 

《仮面ライダーリバイス!バイス!バイス!バイス!》

 

《ホーリーライブ!》

 

《仮面ライダー!インビンシブル!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》

 

三人が変身するとそのタイミングで四人がデッドマンへと姿を変え、朱美もギフデモスへと変貌する。こうして、戦いの火蓋は切って落とされるのであった。




この回からopの中に赤石とその背後にギフの幻影が映る感じになります。

また次回もお楽しみに。
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