仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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三十七話目
消えゆく記憶 取り戻したベルト


フェニックスがウィークエンドのスピーチを止めてから数日。街は何度かギフ達からの攻撃に晒される現状だった。その度にリバイス達はギフテリアンやギフジュニアを退けてこそいるが、ギフの尖兵にすぎないため、ギフなら幾らでも生み出せる。

 

《スタンプバイ!必殺承認!》

 

《ローリング!スタンピングスラッシュ!》

 

リバイスがギフテリアンを漆黒のインクのエネルギーで斬り裂くと爆散。倒される事に。更に別の地点でもそれぞれライブやジャンヌ、オーバーデモンズが撃退していた。

 

《必殺承認!バット!ジャスティスフィニッシュ!》

 

《トリケラ!リベラルスマッシュ!》

 

《クワガタ!Charge!デモンズフィニッシュ!》

 

しかし、それでも毎日のように攻めに来るウィークエンドの面々。これは自分達の側につかない人類を脅して自分達の方に無理矢理引き込むのと、フェニックスの対応力を少しでも弱めるのが狙いだろう。

 

それぞれの敵を撃破した仮面ライダーの面々は本部に戻ってくると若林や狩崎の前に揃った。

 

「ひとまず現れていたデッドマンズは倒せたな」

 

「ふへへ。俺っち達にかかればこんなの朝飯前だってな!」

 

「でも、敵は何度も仕掛けてきて……こちらの対応にも限界があります」

 

「状況の打開にはやはり向こうの幹部を倒すべきだが……」

 

だがあれ以降、幹部達は姿を現さない。アララト本部に殴り込みも案として上がったが、敵地で仕掛けることの不利が大きすぎるのと敵幹部の数が依然として向こうの方が多い事も相まって仕掛けるには至ってなかった。

 

「……狩崎さん。やっぱりゲイルスタンプを使う事はできないんですか?」

 

一輝からの問いかけに狩崎は首を横に振る。未だに二人が消滅するリスクがある以上、無闇に使うことはできないらしい。

 

「ヒロミさんを救っても依然敵の方が数は多い」

 

「それに朱美さんだってまだ敵の手の中」

 

朱美も敵に支配された上に怪人化しているせいで意思疎通をとるのも難しい。

 

「朱美さんを救うことはできませんか?」

 

大二がそう言って声を出す。大二としては元々二重スパイとしてウィークエンドに行く事になった彼女を救う事ができないか気になったのだ。

 

「……今のままでは難しい。デッドマンのようにライダーキックを決められればどうにかはできるかもしれない。だが、今の彼女はデッドマンとは違う。100%確証を持つことは不可能だ」

 

それを聞いて大二は悔しそうにする。ライダーキックを持ってしても確実な救済方法にならないのが厳しい。

 

それから一旦一同は解散となると一輝達は幸せ湯へて戻っていく。幸せ湯ではちょうどぶーさんが訪れており、それを見た一輝は声をかけようとする。しかし……。

 

「いらっしゃいませ……えっと……」

 

「一輝ちゃん?」

 

一輝はぶーさんの名前を呼ぼうとするがなかなか思い出せない。そのため何も言えずに固まってしまう。それを疑問に思ったぶーさんは一輝へと聞く。

 

「一輝ちゃん?」

 

「こら一輝。ぶーさんでしょ」

 

「あ、そうだ!すみません」

 

幸実に言われてどうにか思い出した一輝。ただ、一輝の中の記憶は少しずつ……確実に消滅の一途を辿っていると察しがついた。

 

「そういえばぶーさんはどうしてここに?」

 

「……ああそうだ。一輝。君に伝えたい事があってな」

 

「え?」

 

「彩夏ちゃんが行方不明になったらしいんだ」

 

それを聞いて一輝は僅かに固まる。彩夏とは以前一輝が野田の魔の手から救い出した知り合いでデッドマンズ関連事件が終わったらお付き合いする事が決まっているのだ。

 

「……彩夏?って、あぁ!彩夏か……!?」

 

一輝は辛うじて残っていた記憶を頼りに彩夏の事を思い出すと慌てて訂正する。

 

「ぶーさん、それ本当!?」

 

「ああ。つい昨日彩夏ちゃんの親御さんが彼女が戻って来ないと言い出してね」

 

その瞬間、一輝は慌てた様子で幸せ湯を飛び出す。彼女に何かがあっては不味いと思ったからだ。

 

「一輝ちゃん!?情報は……」

 

ぶーさんが仕入れた情報を伝えようとするがもう一輝は止められない。するとそこに入ってきた大二が代わりに情報を受け取ると一輝へと連絡する。

 

そしてその情報を頼りに導き出されたポイントに向かうとそこにはベイルがいた。

 

「ベイル……」

 

「待っていたぞ坊主」

 

「彩夏に何をした!」

 

「まだ何もしていない。だが、この女はお前の大切な女みたいだからな。利用価値があると見てここに連れてきた」

 

「ふざけんな!彩夏を離せ!」

 

「……断る」

 

するとそこにコツコツと足音を立てながら赤石が姿を現すとベイルの隣に並ぶ。それを見た一輝はより一層気を引き締めた。

 

「赤石」

 

「五十嵐一輝。君はどうしてもこの女を救いたいみたいだがそうはさせない。そもそも彼女は君を誘き寄せる餌なのだからな」

 

すると赤石が指を鳴らすと共にギフジュニアやギフテリアンが出現する。

 

「ッ……」

 

更にそこに一人のデッドマンズ信者が現れると手にプロトバイスタンプを持っていた。

 

《コモドドラゴン!》

 

そのままスタンプを自らに押印するとその姿を変えていく。下半身は獣型で上半身は鱗のような装甲に巨大な尾。両腕には格闘家が素体だからかグローブのような物が装着されている。また、頭部にはコモドドラゴンの頭部を模したヘッドギアが付き、人間の醜い顔が見えていた。体の色は赤い。コモドドラゴンデッドマン・フェーズ2だ。

 

「デッドマン……」

 

一輝が警戒心を高めると同時にその場にいたベイルが声を上げた。勿論用件は元太についてである。

 

「坊主、純平の奴の居場所を吐け。そうすればこの女は救ってやっても良い」

 

「そんな事言うわけ無いだろ!」

 

「それにお前が約束を守るとも思えないしな!」

 

「ふん。ならば仕方あるまい」

 

それからベイルは赤石の持つベイルドライバーへと入り込む。するとそのタイミングで光が到着した。

 

「一輝さん!」

 

「光!」

 

加えてその後ろからフェニックスの隊員も到着。そして、先頭の隊員達はデモンズトルーパーへと変身するとギフジュニア達との戦闘を開始する。

 

「一輝さん、赤石は僕が止めます」

 

「頼んだぞ、光」

 

「ふん。出る杭は打たれる。牛島光。あまり調子に乗りすぎない方が良い」

 

「それはどうかな?今度こそお前を倒す!」

 

《カブト!》

 

《クワガタ!》

 

《俺っち!スイッチ!ワンパンチ!》

 

《Deal……》

 

「「「変身!」」」

 

《Bane Up!》

 

《Delete up!》

 

《バイスアップ!》

 

《破壊!(Break)世界!(Broke)奇々怪々!(Broken)仮面ライダーベイル!》

 

《Unknown.(未知なる)Unlest.(混乱が)Unlimited…(越える)仮面ライダーオーバーデモンズ!》

 

《仮面ライダーリバイス!バイス!バイス!バイス!》

 

三人が変身を完了するとそのまま戦闘を開始する。マッチアップはリバイスとコモドドラゴンデッドマン、オーバーデモンズとベイルだ。

 

「へへーん。フェーズ2に今更負けないもんね!」

 

「とは言ってもコイツ、それなりに強い。バイス、油断するな」

 

今回は格闘戦が得意な相手なので同じくバイスの格闘戦で対抗している。

 

「オラよ!」

 

リバイスがパワーで圧倒する中、コモドドラゴンデッドマンは格闘家が素体となっている利点を活かして技によるラッシュを仕掛ける。

 

「だったらこれだ!」

 

《オオムカデ!》

 

《スタンプバイ!必殺承認!》

 

すると新たなバイスタンプ、オオムカデバイスタンプを使うとそれにより銃口にエネルギーを高める。

 

「があっ!」

 

そうはさせるかとばかりにデッドマンが飛びかかるがそれも見越したかのようにリバイスは後ろに跳びつつトリガーを引く。

 

《オオムカデ!スタンピングストライク!》

 

そこから飛び出したオオムカデ型のエネルギー弾がコモドドラゴンデッドマンに命中。コモドドラゴンデッドマンはダメージに少し下がった。

 

その頃、ベイルとの戦闘をするオーバーデモンズはベイルと互角の殴り合いを展開。パワーで劣るオーバーデモンズはベイル相手にスピードと手数で対応して何とか対応していた。

 

「オーバーと名乗るだけあってデモンズとは桁違いの強さだな」

 

「ああ。僕がここに到達するまでにやってきたトレーニングの成果だ」

 

するとベイルは肩に付いている羽を展開して空へと飛び立つ。それと同時にオーバーデモンズも空へと飛び上がった。

 

「はあっ!」

 

「ぬあっ!」

 

二つの影は空中でもエネルギーを纏ってぶつかり合う。それでもやはりパワーの面で勝るベイルが押していた。

 

「真っ向勝負で私に勝てるとでも?」

 

「ああ。例えお前がどれだけ強くても僕は絶対に……負けるつもりはない!」

 

二人は着地すると再度殴り合う。ベイルはこの時、オーバーデモンズに極力ゲノミクスを使わせないようにしていた。一つぐらいならどうにかなるかもしれないが、流石に三つ目まで使われると勝てるか怪しいと踏んだからである。

 

「何とかゲノミクスを……」

 

逆にオーバーデモンズ側はいかにベイルの隙を突いてゲノミクスができるかにかかっている。ベイルの力は強大。デモンズの進化したオーバーデモンズでも喰らいつくので割といっぱいいっぱいなのだ。

 

「君も気づいているだろう?このままでは君は負けると」

 

「……!」

 

「何も恥じる事は無い。私の力にも年季にも勝てないのは当然なのだから」

 

「だとしても僕は僕の信念を貫く!」

 

そのまま二人は更に殴り合う。するとオーバーデモンズはベイルのベルトから火花が散っているのに気がつく。

 

「……?」

 

しかも見たところまだベイル本人は気がついていない様子だ。オーバーデモンズはこれを見て赤石のパワーとドライバーに宿るベイルのパワーにベルトの制御が追いついていないのだと察した。

 

「(これなら……行ける!)」

 

オーバーデモンズはそれを好機と捉えるとスタンプを取り出す。それと同時にベイルもスタンプを取り出し、それぞれ液晶部に押印する。

 

《クワガタ!》

 

《カブト!》

 

《Charge!》

 

《デモンズフィニッシュ!》

 

《ベイリングインパクト!》

 

それぞれカブトとクワガタのエネルギーを纏わせた回し蹴りを放つ中、お互いのキックが相手へとクロスカウンター。パワーの差でオーバーデモンズが吹き飛ばされると地面を転がり火花を散らす。

 

「ぐうっ……」

 

「……やはり君では私には……ッ!?」

 

その時だった。ベイルドライバーが二人のパワーとオーバーダメージによる負荷に耐えきれずに強制的に変身解除を実行。更にベルトが赤石から吹き飛んで外れた。

 

「馬鹿な……」

 

「調子に乗ったのはお前だったな。赤石」

 

オーバーデモンズはダメージこそ喰らったがまだ戦闘不能では無い。これはオーバーデモンズの負荷にしっかり耐えられる体が光にある証拠だ。

 

「……勝負は預けておこう。そのベルトも返してやる。行くぞ、ベイル」

 

赤石は赤黒いガスと共に撤退し、ベイルもベルトから抜け出して実体化する。

 

「やれやれ。取り敢えず……」

 

ベイルは咄嗟に人質として取っていた彩夏を連れ出すと撤退し、コモドドラゴンデッドマンもその場から去っていく。

 

「彩夏!待て!」

 

リバイスは追いかけるが、もう逃げられた後でありどうする事もできなかった。




また次回もお楽しみに。
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