仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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連れ去られた彩夏 幸実の悪魔

彩夏を連れて逃げられてしまった。一輝はそれだけでかなり動揺したのかソワソワとしている。

 

「彩夏……」

 

一応フェニックスの情報網やぶーさんの独自の調べでどうにか探してはいるが、それでも見つかる様子が無い。最悪の場合はアララトに監禁されている危険もある。

 

「どうすれば……」

 

「一輝、焦ってもどうにも……」

 

「わかってる」

 

どちらにせよ、このままでは危険だ。いつ彼女が赤石達に利用されるかわかったものではない。下手をすれば助けに行った所でギフスタンプを使われて目の前でギフテリアンにされることもあり得る。

 

「一輝兄の彼女を、彩夏ちゃんを利用するなんて許せない。一輝兄、もし助けに行くって話なら私も行くよ」

 

「………」

 

さくらからの言葉に一輝は考え込む。その頃、アララトでは予想通り彩夏が囚われており彼女が目を覚ました。

 

「うう……」

 

「お目覚めか」

 

「ッ!?ここは……」

 

彩夏はいきなり連れてこられた知らない場所に狼狽える。そしてそんな彩夏を赤石、アギレラ、オルテカ、フリオの四人が囲んでいた。そこに真澄が姿を現す。

 

「長官、頼まれていた例の物、完成させたぞ」

 

そう言いつつ真澄が出したのは以前アギレラ達がプロトライダーに変身するために使っていたデッドマンズドライバーだった。

 

「それって、デッドマンズドライバーじゃない」

 

「今更これで何をするつもりですか?長官」

 

「ふん。まぁ見ていろ」

 

それから赤石がデッドマンズドライバーを手にするとそれを彩夏の前に持ってくる。

 

「ひっ……や、やめてください!」

 

彩夏はそう懇願するが赤石がその程度で止めるはずが無い。そのままベルトを彩夏の腰へと無理矢理当てた。

 

「ッ……あああっ!」

 

その瞬間彼女へと赤黒いエネルギーが注ぎ込まれると彼女は悲鳴を上げる。すると彼女の中にいるであろう悪魔がベルトの中へと移行した。

 

「い、一輝君……うっ……」

 

そのまま彩夏の意識は一瞬消えると目が光りまた立ち上がる。赤石が彼女の拘束を外すと彼女へとスタンプを渡した。

 

「さぁ、これを使うんだ」

 

「……はい。長官」

 

彩夏はDNAが絡み合うような禍々しいマゼンタのスタンプをベルトの液晶部へと押印する。

 

《Transfer……》

 

するとそれと同時に待機音が鳴り響く。そして、そのタイミングで異空間にいたヘルギフテリアンが霊体として召喚された。

 

《グラシアス!ヘルギフテリアン!》

 

そしてその霊体のヘルギフテリアンは彩夏の周りを飛び回ると彩夏がスタンプを装填して倒す。

 

《デッドマンズアップ!》

 

《デヴィリッシュ!デンジャラス!デッドマンズ!ヘルギフテリアン!》

 

するとヘルギフテリアンの体がアーマーとして分割されるとそれを自らの鎧へと転換。彩夏はそれを纏う。それはまるでヘルギフテリアンが彩夏と融合するようだった。

 

「……実験成功のようだな」

 

彩夏の姿はヘルギフテリアンをそのまま纏った姿になる。ただ一つ相違点として胸にスタンプの契約印が刻まれている程度だ。

 

「我はギフ様の化身」

 

「長官、これってどういう事?見た感じあの女がヘルギフテリアンの力を纏っただけに見えるんだけど」

 

「……その通り。何も間違っていない。真澄博士に頼み、彼女を洗脳しつつヘルギフテリアンの鎧を装着する事でヘルギフテリアンと融合させた」

 

彩夏のこの変化はドライバーによる変身のため仮面ライダーと思いがちだが実際は違う。今の彼女はただヘルギフテリアンに取り込まれただけ。それなら普通に取り込ませれば良いのだろうが、ヘルギフテリアンにはその機能が無い。そして下手に取り込ませれば彩夏の体を壊す問題もあったので仕方なく今回はベルトを介しての吸収にしたのだ。

 

「これでヘルギフテリアンは更なる進化を遂げた。おまけに五十嵐一輝の気持ちを揺さぶれる」

 

「具体的には何が強化されたんだ?」

 

「ギフ様のお力である再生能力は少しばかり退化したがそれを補って余りある耐久力に攻撃力。その力は我々に匹敵するかそれ以上だ」

 

つまり、これだけでフェーズ4が一人増えたような物であるという事だろう。

 

「五十嵐一輝の絶望顔が楽しみですねぇ」

 

「ひとまず次の計画を立てる。我々の意見が正しいという事、世間に思い知らせよう」

 

それから数日の時が経った。その間、彩夏の生存は確認できず。彼女の親も不安の声を上げていた。一応アイドルとしての仕事は活動休止で誤魔化しているがあまり長々と誤魔化す訳にはいかない。

 

「……総司令官、どうにか見つけられないんですか?このままじゃ彩夏が……」

 

「今はどうする事もできない。悪いがもう少し待て」

 

「でも……」

 

「一輝、どうしたんだよ。らしくないぞ。ここまで焦るなんてよ」

 

バイスがそう言う中、それでも一輝の中の焦りは取れない。このままでは不味いと考えるバイス。

 

「一輝、しっかりしろよ。一輝はお節介なんだからドーンと構えてないと……」

 

「うるさい!バイス。俺のせいで彩夏が傷ついているかもしれないんだぞ」

 

一輝とて人間。大切な人が囚われていると知れば平静でいられなくなるのも仕方ないかもしれない。

 

「一輝……」

 

「狩崎さん、ゲイルバイスタンプ。やっぱり俺にください。俺達ならきっと使えるはずです」

 

「……無理だね」

 

「どうして……」

 

「確かにいつもの君達なら私も許可できたけど……今使えば消滅の危険が高いよ」

 

「どうしてですか」

 

一輝は何故そう言われるのかがわからずに困惑する。そんな中、狩崎は続けた。

 

「今の君は桶谷彩夏が連れ去られた影響で気持ちが乱れている。それでは両方消滅のリスクが高い」

 

「冷静になれって事ですか?」

 

一輝の言葉に狩崎は頷く。しかし、それでも一輝は諦めるつもりは無かった。

 

「それでも俺は彩夏を救い出して見せます。だから、だからそのスタンプを……」

 

「狩崎。……ここは五十嵐一輝に賭けるのはどうだ?」

 

「ですが、失敗すれば」

 

「失敗ばかり考えていれば本当の成功は掴めない。……それに有事の時に持っていなければ危険なこともあるだろう」

 

若林からの言葉を受けて狩崎は半ばやむを得ないと言った顔つきになると研究室へと引っ込むと同時に手にゲイルバイスタンプを持ってくる。

 

「注告しておく。これは確かに強力だ。それに加えて一輝とバイスの強制的な張り付き状態を解除できる可能性も秘めている。だが、何度も言うがこれを使えば両方が消滅するリスクが出てきてしまう。使い時は慎重になるんだ」

 

それを聞いた一輝は頷く。それから一輝は一旦幸せ湯へと戻っていくのだった。

 

「……やれやれ。やはりままならない物だね」

 

「ああ。確かにな。私とて渡すのは渋るぐらいだ。できる事なら彼が万全な時に渡したかったが……今はもうそう言ってられない。戦力を少しでも強化しなければならない」

 

「………」

 

少し時間が過ぎ、幸せ湯。一輝が戻るとそれを元太と幸実が出迎えた。

 

「お帰り、一輝」

 

「父ちゃん、母ちゃん」

 

「彩夏ちゃんの事で悩んでるのね」

 

「………」

 

二人には全てお見通しだった。一輝は悩みを二人へと相談する事になる。

 

「ベイルがそんな事をしてたのか」

 

「……俺は彩夏を救いたい。でも、またヒロミさんや朱美さんのようにウィークエンドの赤石に何かをされていたらと思うと……」

 

「一輝。彩夏ちゃんはきっと大丈夫だ」

 

「でも……」

 

一輝の性格から自分の事を優先して良いのか。自分よりも他人へのお節介を焼く彼にとってこれは大丈夫なのかと不安になっていた。

 

「一輝は日本一のお節介なんでしょ。だったら……自分自身にお節介になるべきよ」

 

それを聞いて一輝は驚く。それをしても良いのか……と。幸実は微笑むと一輝へと語りかける。

 

「前に旅館でも話したと思うけど自分自身の幸せが無いとダメ。他人を幸せにしたいのならまず自分が幸せでいないとね」

 

今の一輝にはそれが無い。幸実はそう言いたいのだろう。するとその時。幸実の背後に何かの影が見えた。その姿は天使か女神の彫刻の様な姿だが手足がなく、羽に相当するパーツが本体に付随する様に浮遊している。

 

「うえっ!?ママさん!?その後ろにいるのは……」

 

悪魔であるバイスはいきなり現れた存在に驚く。しかし、一輝や元太にはそれが見えてないのか疑問符を抱く。それと同時に幸実が振り返るとその姿に気がついた。

 

「え……これって……」

 

「ママさん見えるの!?」

 

「じゃあまさか、そこにいるのって……」

 

「母ちゃんの悪魔……」

 

すると幸実の悪魔は目を光らせると一輝が持っているゲイルバイスタンプに何かの光を注ぐ。そのまま姿を消すと幸実の中へと入っていった。

 

「うっそーん。ねぇ、俺っち達よりも大きすぎるんですけど……」

 

「何だったんだ……」

 

「よくわからないけど、まさかママさんにも悪魔がいたなんて」

 

「でも、人間なら誰しもいるはずだからいてもおかしくないと思う」

 

するとガンデフォンが鳴り響くと共に狩崎から連絡が入った。それはベイル達に連れられた彩夏の姿が確認されたという物である。

 

「とにかく、一輝。彩夏ちゃんを救い出してきて」

 

「おう!ありがとう母ちゃん。父ちゃんも!」

 

それから一輝が連絡に従って走って出ていくと元太はボソリとある事を呟く。

 

「そういえば俺、何も言ってないけどなぁ……」

 

そんな事を言う元太なのであった。そして、一輝がそこに向かうとそれは自然公園とでも言うべき場所だ。そこには拘束されて倒れている彩夏。その近くに立つベイル、ギフデモス、コモドドラゴンデッドマンの三人だった。

 

「ッ……ベイル」

 

更にそこに大二、さくら、光も到着すると仮面ライダーが四人揃う。そして、ベイルは不気味な笑みを浮かべると四人を見据えた。

 

「どうやら揃ったみたいだな」

 

「俺達をここに呼ぶのが目的か?」

 

「まぁそんな所だ……それはそうとさっき巨大な悪魔の気配を感じたがアレは何だ?」

 

「はぁ?何のこと?」

 

「俺達も知らないぞ」

 

大二、さくら、光は人間のために悪魔を感じられない。そして、カゲロウとラブコフは悪魔なので知っているが見ていないので答えない。

 

「……俺も知らない。お前の思い過ごしだろ」

 

一輝もベイルに嘘を言うことにした。そうしないと元太のいる場所を特定される危険があるからである。

 

「そうか。ならば坊主。お前の父親、純平の場所だけでも吐いてもらおう」

 

「結局そうなるのね。アンタ、パパのストーカーして何が楽しいの?」

 

「ふん。アイツを潰さなければ俺の復讐は完成しない」

 

「だが、それは俺達が止める」

 

「行きましょう、皆さん」

 

それから四人はベルトを装着し、スタンプを構えるとそれぞれベルトを操作するのであった。




また次回もお楽しみに。
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