一輝が現場に到着するとそこにいたのは30代ぐらいと思われる中年の男性がメガロドンのプロトバイスタンプを片手に狂気の笑みを浮かべていた。
「あはははは!これは良いや。この力があればこの腐った世の中を変えられる!俺こそは世直しの救世主だ!」
彼が指示するのは獣のような下半身に黒い折り紙が纏われたメガロドンの上半身。金のデッドマンとしての顔も歯の上に付いている。そしてメガロドンがモチーフとだけあって口には鋭い牙が幾つも生えており、噛みつかれればタダでは済まなさそうだった。
「おい!あんた、これのどこが世直しなんだよ!」
一輝が男に詰め寄る中、男はまるで一輝を邪魔者のように睨みつけると手にしたカメラを向けた。
「見てください。この男、これから世直しをする私を止めようとするんですよ?この男はこんな腐った世の中を受け入れると言うんです。なんて罪な男なのでしょうか?」
男からの言葉に一輝は怒りを湧き上がらせていく。そんな中、メガロドンデッドマンは構わず暴れ続け、社員が逃げ惑う中、社長を見つけようとして歩き回る。
「あぁもう!バイス、止めるぞ!」
一輝はなかなか言う事を聞こうとしない男をどうにかするためにスタンプを取り出すとスイッチを押す。
《レックス!》
「はぁ……」
《Come on!レ・レ・レ・レックス!》
「変身!」
《バディアップ!》
《オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》
一輝とバイスは仮面ライダーに変身。それから二人でメガロドンデッドマンを抑え込むために飛びかかる。
「あっ!」
男はデッドマンが暴れるのを邪魔されたからか、リバイへと詰め寄るとそれを止めようとする。
「お前、何するんだ!さっきから言ってるだろ!俺は世直しをするためにここに来ているんだ。お前のような何にも知らない奴がしゃしゃり出てくるなよ!」
するとリバイは男が手にしているカメラを取り上げると男へと言い放った。
「あんた、これのどこが世直しなんだよ。関係無い人々を沢山巻き込んで……それに、そのスタンプは危ない物なんだ。だからこの悪魔は俺達が止める」
リバイが男にそう言うと男は悔しそうに顔を歪める。そんな中、バイスがリバイへと話しかけた。
「ちょっと一輝!俺っち一人に戦わせないでくれる?」
「すまん!」
そこからはリバイも加わり、バイスと共に二人でデッドマンに立ち向かうとメガロドンデッドマンは口から鋭利な歯を次々と飛ばすとリバイとバイスを同時に攻撃する。
「そんなの当たらないもんね!」
「はあっ!」
しかし、二人はそれを左右に分かれつつ回避。それから二人で挟み込むようにして蹴りをぶつけるとメガロドンデッドマンを吹き飛ばす。
「バイス、ひとまずコイツを外に出すぞ!」
「あいよ!」
それから二人でメガロドンデッドマンに組み付くとそのまま押し出していき、ガラスを突き破ってマンションから落下していく。このままでは地面に叩きつけられてしまう……そのタイミングでリバイはスタンプを取り出した。
《プテラ!》
《Come on! プ・プ・プテラ!》
《バディアップ!上昇気流!一流!翼竜!プテラ!Flying by!Complete!》
リバイとバイスがプテラゲノムに変わるとリバイがバイスに乗ってメガロドンデッドマンを追跡。メガロドンデッドマンは地面に叩きつけられる一方で二人は上空から迫りつつプテラキャノンで撃ちまくった。
「があっ!」
メガロドンデッドマンがそれに対抗しようと立ち上がったその時、メガロドンデッドマンの前に影が現れるとプテラキャノンによる射撃を全て防いでしまう。
「ふふっ、ここは私の出番ですね」
そこにいたのはレインコートの様な白フードを頭に被り、折り畳まれた傘に似た金色の持ち手が特徴的な杖を持つ魔法使いの様な姿をしたデッドマンだ。頭部と首元から計4本の角が生えており、それに加えて首元にはダイオウイカを模した触手が腕から脚の全身に渦巻き、指は鉤爪の様に尖っている。 また背中には蝙蝠のような翼を生やし、全身に吸盤が付いていた。
《ダイオウイカ!》
「私の名はオルテカ。フリオと同じギフテクスです」
メガロドンデッドマンの加勢として現れたダイオウイカデッドマンことオルテカは体から触手を伸ばすとバイスを捕まえて引き摺り下ろし、二人は叩きつけられたダメージでレックスゲノムに戻ってしまう。
「何だよ今の、あぁ気持ち悪い!」
バイスは直接触手で絡められた影響か、気持ち悪さを爆発させておりリバイはオーインバスターを手に突撃した。
「ふふっ。動きが直線的過ぎますよ」
そう言った瞬間、ダイオウイカデッドマンは体から吸盤を模した物を飛ばすとリバイとバイスの目の前でそれは爆発。二人にダメージを与えた。
「何だよ今の!?」
「何こら!タコこら!」
「いや、アイツは多分タコじゃなくてイカ……」
「え?そうなの?」
二人がそう言っている間にメガロドンデッドマンは地面の中に潜るように入るとそのまま逃げ出そうとする。
「あ!逃げるな!」
リバイは何とかデッドマンだけでも倒すためにスタンプを取り出すとそれをオーインバスターに押印。必殺技を使用する。
《スタンプバイ!必殺承認!Here We Go!Here We Go!》
待機音が鳴り響く中、リバイが銃口を逃げるメガロドンデッドマンへと向ける。
《プテラ!スタンピングストライク!》
リバイが放ったプテラ型のエネルギー弾は物凄いスピードでデッドマンへと飛んでいく。これはダイオウイカデッドマンに邪魔されてしまわないようにスピード重視の弾丸を放ったのだ。しかし……。
「無駄です」
次の瞬間、ダイオウイカデッドマンの姿が一瞬にして移動するとリバイからの攻撃を弾き飛ばしてしまう。
「速っ!!」
その間にもデッドマンには逃げられてしまい、ダイオウイカデッドマンも今回はメガロドンデッドマンが逃げる時間を稼ぐためだけに出てきたのかダイオウイカデッドマンもすぐに姿を消してしまう。
「逃げられた……」
「あー悔しい!」
バイスが悔しがる中、リバイが変身を解くと先程の犯人を探す。しかし、後から到着したフェニックスの隊員でも見つけられないのか姿はどこにも見当たらず。完全に逃げられてしまった。
それから一輝は狩崎の言葉を思い出した。先程の場面、地上での機動力の高い形態になれていればダイオウイカデッドマンの攻撃を躱す事や逃げ出すメガロドンデッドマンを捕捉できたはずである。
「やっぱり、ジャッカルのスタンプが無いと……」
それから一輝は狩崎の元を訪れて狩崎へとスタンプを渡すように頼み込むが……。
「断る。君達にあんなダサい姿になってもらう必要は無い」
完全に根に持ってしまわれていた。バイスはガンデフォン越しに狩崎の前に姿を現すと狩崎へと頼み込む。
「そんなケチな事言わないでさ、お願いだから渡してくれよ」
「お願いします。あのスタンプが無いと勝てないんです」
「嫌だね。他のスタンプでどうにかできると言ったのは君達だ」
「はぁ……つまらん意地を張るな、狩崎」
話が進まないと考えた若林が狩崎へと指示を出すとジャッカルのスタンプを彼へと投げ渡す。
「……仕方ない。少し時間を貰うよ」
そう言った狩崎は渋々と言った様子で了承すると奥の部屋に入っていく。それと入れ替わるように天魔が入ってきた。
「五十嵐一輝、さっき君が取り逃がした男の正体、掴めたぜ」
「本当ですか!?」
何と天魔は先程の一件の間に犯人について洗い出したのか画像を見せた。
「彼の名前は工藤康。元々は腕の立つ天才弁護士としてとても優秀な人材だったのだが、つい数年前に裁判で負けてしまってね。それをきっかけにどんどん負けが込むようになり、最終的には弁護士を辞めてしまった」
工藤の動機としては元々は弁護士として世界を良くしていこうとしていたのだが、なかなか上手くいかないまま負けてしまった。そのまま坂を転げ落ちるように失態が続き、弁護士という職業では世界を変えられないと考えてデッドマンズの力を借りるようになった……。
「あなた達、こんな事を調べることもできないとは。本当に仮面ライダーなのかなぁ」
「何だと!?」
いつも通りの天魔の挑発行為にバイスは憤りを覚えるが一輝は一度深呼吸をしてからその言葉を黙って受け止めた。
「まぁ、あんな奴がこれから改心するとは思えないのにな。どうせこのまま落ち続けるんだよ。五十嵐、あのデッドマンを倒してスタンプの回収を任せるぞ。今度はジャッカルのスタンプもあるし楽勝だな」
天魔は自分が司令官なのを良い事に好き放題言い続ける。そんな中、一輝は何とか状況を打開するために考えを巡らせるのであった。
その頃、デッドマンズベースではアギレラ、フリオ、オルテカの三人が一同に介していた。
「ねぇオルテカ、何で見逃したの?リバイスを潰してと言ったのに」
「あんな奴、まだまだギフテクスの足元にも及びません。この前フリオがやられたのは油断を突かれたからであって正面から戦えば我々はまだまだ有利なのですよ」
「えぇ〜、だったら学習する前に尚更倒してよ」
「……仕方ありませんね。それはそうとしてフリオ、君にはある事を頼みたい」
「ほう。オルテカ、お前が俺に頼みとは……それで、何をすれば良い?」
「リバイスをより確実に仕留める方法。それは彼のアキレス腱を切る事です。そうすればまともに立ち上がる事すらできないかと」
「ふふっ……なるほどね」
アギレラはニヤリと笑うと二人の方を振り向いてある質問を投げかけた。
「そういえば、あの子達二人は上手くやってるの?」
「……えぇ。順調に進めば良い成果を期待できるかと」
「それなら良いわ。首尾よく頼むわよ」
それからアギレラはギフの棺の前に座ってギフへの想いを馳せる中、フリオやオルテカも行動を開始する。
その日の夜、スカイベースの司令室では若林、天魔、ヒロミ、大二、光が話を進めていた。
「明日、犯人を誘き出す作戦を決行する。案は天魔が考えた」
「それでは早速概要を説明しようか」
それから天魔が中身を説明するとヒロミはすかさずその意見に猛反対する。
「待ってください。幾ら何でもこのような策は……」
「何の問題がある?」
「アイツがこんな見え見えの罠に嵌ってくれるか……」
「いや、やりましょう」
そこに声を上げたのは大二だ。それにヒロミと光は驚きの顔つきへと変わると大二の方を向く。
「多少リスクがあったとしてもここはやるしか無いです」
「大二、だがこれは失敗するリスクが高いんだぞ」
「だからこそやるんだよ」
大二の決意は固く、この作戦に賭ける気持ちでいっぱいなのだ。その覚悟を見た若林は頷くとそれを決行するように指示するのであった。
また次回もお楽しみに。