仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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互いを信じる気持ち 復活の嵐

ライブ達が戦っている頃、倒れたリバイスの中では一輝とバイスがそれぞれ別々の空間に飛ばされていた。

 

「ここは……」

 

すると目の前に現れたのは元太である。ただし、ベイルが憑依した状態ではあるが。

 

「坊主」

 

「……父ちゃんから出ていけ……ベイル」

 

「ふん。ならばお前が俺を倒せば良い。簡単だろ?」

 

しかし、一輝にはそれができない。ベイルを倒せば当然元太も無事では済まないからだ。

 

「どうした?ほら、やってみろよ」

 

「………」

 

「やはりその程度の覚悟か」

 

ベイルは一輝を嘲笑うかのように笑みを浮かべると一輝を見据える。そして、一瞬にして一輝の隣に移動すると囁いた。

 

「坊主よ。お前は相棒がいなければ何もできない。ただの……腰抜けだ」

 

「ッ……」

 

ベイルはここぞとばかりに一輝を挑発。そして、彼の痛い所を的確に突いていく。

 

「お前ら家族の中にはギフの遺伝子がある。つまり、お前らは普通の人間では無い。だからどんなに足掻いた所でお前らは幸せになんかなれない」

 

「……そんなの、俺達は幾らでも乗り越えて……」

 

「無理だな。お前らの悪魔は俺の息子や娘みたいな物だぞ?いずれは必ず牙を剥く」

 

するとそこにバイスが現れた。ただ、その瞳は赤く染まっている。つまりは悪魔としての本能を解放した証拠だった。

 

「食わせろ……人間を!!」

 

そのままバイスは一輝へと飛びかかる。それを一輝は何とか躱すとバイスへと呼びかけた。

 

「バイス!何やってるんだ!しっかりしろ!バイス!」

 

「ふん。それがお前の悪魔の本能。俺と同じ。人間と敵対する真の悪魔の姿だ」

 

「そんな事はない!悪魔とは……仲良くなれる!俺は今までそうしてきた!」

 

一輝はバイスからの攻撃を躱しつつ抵抗していった。だが、バイスからの攻撃は少しずつ激しさを増す一方である。

 

「坊主よ。お前は本当にそうなると思っているのか?バイス、カゲロウ、ラブコフ。確かに今は良い関係を築けているだろう。そこは認めてやる。だが、今のお前は相棒を信じきれていない。果たしてそれが本物の関係と言えるのか?」

 

それを聞いて一輝は目を僅かに逸らす。確かに、先程はバイスを信じきる事ができなかったが故に攻撃を躊躇。更にこのような事態を引き起こしているのだ。

 

「結局お前はバイスを信じると言いながら奥底では信じていない。だったらお前はいずれバイスを捨て去る事になる」

 

「そんな事……そんな事は」

 

「一輝……俺を信じないお前を食ってやる……があっ!」

 

バイスが飛びかかる中、一輝はそれを躱す。そして、バイスの方ではリバイスラッシャーを手にしたリバイのバリッドレックスゲノムに攻撃されていた。

 

「バイス……お前はもう必要無い。俺一人でどうにかできる!」

 

「何言ってるんだよ一輝!俺っち達は相棒じゃなかったのか!?」

 

するとそこにはベイルが姿を現すとバイスへと悪魔の囁きを言い放つ。

 

「決別しろ。五十嵐一輝と。そうするだけでお前は自由を手に入れられる。好きなように生きられるぞ」

 

「うるさい!俺っちは一輝を信じてるんだよ!」

 

「ふははっ!お前は五十嵐一輝に信じられていない。それでもアイツを信用するか」

 

バイスはそれを聞いて思い出す。それは自分を信じればとっくに分離できていたはずの彩夏の事だ。

 

「だとしても、一輝は俺っちを見捨てたりしない!」

 

「甘いなぁ。この空間は五十嵐一輝の気持ちと直結している。つまり、五十嵐一輝が迷っている間はお前への攻撃は続く。そして、お前が迷っている間、別の部屋にいる一輝への攻撃も終わらない」

 

要するにお互いがお互いを信じるまでは双方が殴り合っているのと同じ状況になっているのだ。

 

「俺っちが迷ってる……そんなはずは、そんなはずねーよ!デタラメを言うな!」

 

するとベイルが指を鳴らす。その瞬間、モニターが出てくるとそこに一輝を攻撃するジャックリバイスの姿があった。ジャックリバイスとなっているのはバイスの迷いが更に深くなっている証拠である。

 

「どうする?お前らはお互いを信じていない。バイスよ、ここで五十嵐一輝を喰らえ。そうすればお前は自由となってこの世界を堪能できる」

 

バイスはリバイからの、一輝からの攻撃を何とか躱し、一輝を説得しようとする。

 

「一輝!俺っちを信じるんだ!俺っちは一輝を信じるから!」

 

「口だけの言葉に説得力は無い。諦めろ。このままいけばお前らは共倒れだ」

 

共倒れの状況を抜け出すにはどちらかがどちらかを倒すか、二人が真の意味で和解するしか無い。

 

「バイス、お前は俺にとって邪魔なんだ!」

 

「一輝、嘘だ。じゃあ何で……何でそんな苦しそうな声で言うんだよ……。俺っちはいつだって一輝の味方だ。だから俺っちを信じてくれ!」

 

しかし、それでも一輝からの攻撃は止まらない。一輝がバイスをまだ信じてないのだ。

 

「……一輝。俺っちが信じられないのか?俺っちとの絆ってそんな物なのかよ」

 

バイスがそう言った時。リバイの動きが止まった。するとその体がガタガタと震え始める。

 

「一輝……」

 

同時刻。そのタイミングで一輝の方も目を見開いていた。リバイスが攻撃を寸止めしていたのだ。

 

「バイス……俺を信じてくれているのか?」

 

それから一輝の前にある映像が映された。それはベイルが幸せ湯を火事にしたあの日の事である。

 

「バイス……ごめんよ。俺は、俺はずっとお前に守られてきたのに……それだけじゃない。俺が失ってしまった心をちゃんと引き受けてくれて……」

 

それはあの時、幼いながら大きな物を背負った一輝を子供の頃からずっと見守っていたバイス。彼の存在があったからこそ一輝はここまで来ることができたのだ。

 

「やっと気づけたよ。お前がいたから……俺は今ここにいる。バイス。ありがとう」

 

バイスの方はリバイの動きが止まったのを見て笑みを浮かべていた。それは自分を信じてくれた事への嬉しさである。

 

「一輝、ちゃんと俺っちの事を信じてくれたじゃねーか。ホント、手間のかかる相棒だぜ。だがな、そんな一輝を俺っちは救いたいって思ったんだよな」

 

バイスは一輝に感謝していた。そもそもバイスは一輝がいなければ存在すら誕生していない。一輝が今まで生きてくれたからこそ自分もここまで彼を見守る事ができた。

 

「一輝……一輝がいたから俺っちは今ここにいる。一輝、ありがとよ」

 

するとリバイスは震えながらその体を薄らと透けさせていく。同時にバイスへと攻撃を寸止めしたリバイも透けていった。このままでは二人揃って消滅だ。それでも二人の目に絶望など無く、むしろ希望に満ちていた。

 

「俺達は二人で一つの命」

 

「俺っち達はぶつかる事も沢山ある。それでも……」

 

「それでも支え合って成長する」

 

そして、一輝はリバイスの元に、バイスはリバイの元に行くとその体を抱く。

 

「これからは俺がお前を守るよ、バイス」

 

「これからも俺っちが一輝を支えるぜ」

 

二人の心が相手を想うと誓い合ったその時。リバイとリバイスがそれぞれ離れるとそれと同時に空間が壊れる。そして、リバイのいた場所に一輝が。リバイスのいた場所にバイスが重なって現れるとようやく二人が対面する。

 

「よっ、一輝。やっぱり乗り越えられたな」

 

「ああ。俺達ならできると思った」

 

「……ったくよ。もっと俺っちを信じても良かったんだぜ?」

 

「わかってるよ。今回は俺にも非がある。狩崎さんが言っていたのはこの事だったんだな」

 

「確かに俺っち達が危険だと言うのも無理はない状態だった」

 

狩崎の言っていた今の二人では危険だと言う言葉の本当の意味。それを理解した二人は笑い合う。そして改めて二人は向かい合うと意思を確認した。

 

「それでも俺達は今ここにいる」

 

「行こうぜ。俺っち達の助けを待ってる奴らがいるんだからよ」

 

「おう!一緒に行くぜ、バイス!」

 

「あいよ……相棒」

 

二人がいつもの相棒としてのハイタッチを交わすとそのまま光の差す方へと走っていく。

 

その頃、現実世界では四人のライダーが追い詰められていく。雑魚の群れは倒したとは言っても手を出しにくいギフデモスと元々の実力が桁違いの力を持つヘルギフテリアンが相手では四人も苦戦してしまう。

 

「何とかして動きを止められれば……」

 

「だったら私がギフデモスを抑えるからその間に三人でヘルギフテリアンを倒してくれ」

 

「わかった!」

 

デモンズがギフデモスの足元に蜘蛛の巣を展開すると足止め。更に両腕を蜘蛛の糸で絡めてから蜘蛛の巣へと縛り付けて拘束してしまう。

 

「ヘイヘーイ。これでどうかな?」

 

「があっ……」

 

「行くぞ、さくら、光!」

 

「サクッと倒すよ!」

 

「これで決める!」

 

それから三人が必殺技を使うためにベルトを操作しようとした瞬間。赤石が手を翳すと埋め込まれたギフの瞳のような物からエネルギーが放たれる。

 

「そうはさせない」

 

赤石から放たれたエネルギー波はライブ、ジャンヌ、オーバーデモンズを纏めて吹き飛ばすと三人とも地面を転がり変身解除してしまう。

 

「「「ぐあああ!」」」

 

流石にここまで戦闘が長期化した上にダメージを受け続ければ大二、さくら、光も保たないのは当然だ。

 

「ワッツ!?」

 

更に狩崎の方もギフデモスが左腕に武装した剣へとエネルギーを高めるとそれで腕を拘束した糸を切ってしまう。そのままデモンズへと攻撃し、彼を吹き飛ばして変身解除させた。

 

「うわあっ!?」

 

狩崎も体を鍛えているとは言っても本職は科学者。戦いに向かないのは仕方ない。だがこれで戦える面々が全員ダウンしてしまった。

 

「しぶとかったがようやくトドメだ。ギフ様に逆らった事を後悔しながら倒れるが良い」

 

赤石が手にエネルギーを集約させると再び攻撃を放とうとする。このままでは四人纏めて倒されてしまう。そんな時だった。今まで倒れていたリバイスが立ち上がったのは。

 

「………」

 

するとその手に持っているゲイルバイスタンプに風が集まっていくような様子が見られた。

 

「一輝兄!?」

 

「兄ちゃん……もしかして」

 

「一輝さん……」

 

「ヘェイヘェイヘェイ!」

 

するとゲイルバイスタンプに風だけでなく雷のエネルギーも集約。電撃のエフェクトと共にプロペラ部分のパーツに雷のようなクリアパーツが付与。そのスタンプの名は……。

 

《サンダーゲイル!》

 

ゲイルバイスタンプはこの土壇場でサンダーゲイルバイスタンプへとパワーアップ。そして、そうなるという事はリバイスが……一輝とバイスが完全に復活したという証拠である。

 

「馬鹿な……あの状況から蘇っただと?」

 

「「ああ、俺達は……何度だって蘇る。俺達は二人揃って……リバイスだからな!」」

 

二人はそう言うとサンダーゲイルバイスタンプを手に構え、そのまま姿を変えるためのシークエンスを開始するのであった。




また次回もお楽しみに。
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