仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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今回から本編を再開します。それではどうぞ。


四十一話目
光の過去 彼の怒り


二号ライダー達の共同戦線の戦いから日が経ち、ここはとある森の中。一台のバスが走っていた。そこには何気ない旅行客達が観光を楽しんだ帰り道である。

 

するとその瞬間、いきなりそのバスの前にヘルギフテリアンが姿を現す。

 

「があっ!」

 

「うわっ!」

 

バスの運転手が慌ててブレーキを踏むが間に合わずにヘルギフテリアンへと突っ込んでいくその時だった。

 

「危ない!」

 

《クワガタ!》

 

《Charge!》

 

《デモンズフィニッシュ!》

 

するとオーバーデモンズが間一髪でヘルギフテリアンとバスの間に割って入ると体から伸ばしたワイヤーで近くの木と木を繋ぎ、自身がゴムパッチンのようなクッション材となって受け止めて止める。

 

「はあっ!」

 

そこにエビリティライブも到着し、スタンプのスイッチを押して必殺技を発動させる。

 

《エビルライブチャージ!》

 

《エビリティパーフェクトフィニッシュ!》

 

エビリティライブの放った弾丸が次々にヘルギフテリアンを貫くとそのままヘルギフテリアンは爆散する事になった。

 

それから二人は乗客達に怪我が無い事を確認すると変身解除して二人で話す。

 

「どうやら今回は突発的な襲撃だったみたいだな」

 

「ふざけやがって……アイツら、従わない人間はどうなっても良いのかよ」

 

光が憤りを感じる中、ある光景が彼の中に思い出される。それは同じバスの中。いきなり訪れた家族との別れの光景である。

 

「くっ……」

 

光が拳を握りしめるのを大二も歯がゆい思いで見ていると本部からの召集がかかったために二人は一旦他の隊員にその場を任せて本部へと向かうことになる。

 

スカイベース本部では若林がいつものように一輝、大二、さくら、光、狩崎らの面々を集めていた。

 

「アララトに向かう住民も増えてきた一方でそれと並行して街を襲撃する敵が後を絶たない」

 

人々の中にはギフに従った方が良いという意見も少しずつ増えつつある。それでも完全にその方向に傾かないのは一輝達の所属するフェニックスが健在だからだろう。

 

「君五十嵐一輝の記憶の問題も含めるとこちらとすればできる限り早期の決着が望ましい」

 

忘れがちだが、一輝には時間が限られている。変身の度に失われる記憶。それを考えるのであれば長期戦は避けなければならないのだ。

 

「……アララトに直接乗り込むのはできないんですか?」

 

一輝の問いに若林は難しそうな顔つきをする。彼としてもそれをやりたいのだが一つ懸念があったのだ。

 

「確かにそれは有効な手ではある。だが、アララトにはそこに避難した一般市民もいる。彼等は全員が全員、デッドマンズに味方したいがためにいるわけじゃない」

 

ギフに従うべきと考えた人が集まるアララトだが、それは必ずしもデッドマンズの信者となるために行っている人間が全てでは無い。何割かは仕方なしに行っている人もいるためそんなに簡単には手が出せない。

 

「どうすれば……」

 

「だったら、アイツらを引き摺り出せば良いんですよ。こっちにはデッドマンズに元々入っていた信者がいます。更生施設で心を入れ替えた者もいますが、中には心を入れ替えずにいる悪人だってチラホラいます。そいつらを使って……」

 

光の目はいつになく血走っていた。そんな光を宥めるように狩崎が止める。

 

「光、ちょっとクールダウンしたまえ。今の君は危険だ」

 

それを言われて光も自分の発言が軽率であると感じると訂正する事になった。

 

「すみません……少し熱くなりました」

 

ひとまずはデッドマンズ、ウィークエンドの襲撃があるまで待機という形で決着する事になる。

 

「なかなかに厳しいねぇ」

 

「狩崎、長きに渡って開発中の例のシステムは?」

 

「……もう少しかかるね。何しろ二つの生物の力を融合させるのとその力を悪魔抜きで最大限引き出すにはまだまだ調整はいる」

 

そのシステムが完成すれば大きな戦力となりうるだろう。ただ、一つ狩崎の中で新たなシステムを運用するための引っ掛かりがあった。

 

「正直、できる事ならあのシステムは使わずに勝負したいね」

 

「何故だ?」

 

「アレを使ってなると色々と危険なんだよ。変身者への負荷は勿論なんだが、不適合者が変身すると最悪の場合異形の悪魔に変わってしまう危険もはらんでいる」

 

それはつまり、実戦投入するにはまだかなりの時間が要すると言う事だ。

 

「それでもだ。狩崎、君にはやってもらわないとならない。頼りにしている」

 

それを聞いて狩崎は頷くと場面は変わり、一輝達四人へ。するとガンデフォンからバイスが声を上げた。

 

「なぁ、光っち。さっきから様子がおかしくないか?何だか俺っち達が変身したばかりの頃に戻っているような気がするぜ」

 

「……すみません。昔の事を思い出してしまって」

 

「「昔の事?」」

 

一輝とさくらが声を揃えて疑問を浮かべる。この二人は光の過去については何も知らないのでそうなってしまうのも無理はない。

 

「……光、話しても良いか?」

 

「ああ。ちょっと僕は頭を冷やします」

 

そう言って光が行く中、事情を知っている大二の方から二人へと説明がされる事になった。

 

「……光の両親は光がフェニックスに入る少し前にデッドマンズの手にかかって命を落としたっていうのは二人共知ってるよね?」

 

二人はそれを聞いて頷く。ここまでは二人も周知の事実だ。それを聞いて大二は続ける。

 

「光はその時、家族旅行のためにバスで移動していたんだ。そこに突如としてデッドマンズが襲ってきた」

 

理由は不明なのだが、恐らく当時のデッドマンズの襲撃理由を考えるに、ギフテクス候補を探していたというのが一番有力な候補だろう。

 

「じゃあ光さんとご家族は……」

 

「巻き込まれた形だろうな」

 

その時一緒に乗っていたのは光の家族以外にもいたのだが、生き残った人は殆どおらず。そのため光は運が良かったと言えるだろう。だが、その代わりとして家族が犠牲となり、亡くなったのだ。

 

「………アイツは本当は仇が取りたいんだ。でもその気持ちをずっと我慢している。それを表に出すのは簡単だけど、それをしてしまえば復讐に燃えるただの狂った人間になってしまうとわかっているから。

 

「でもさ、今はデッドマンズの幹部もある程度入れ替わっているでしょ?だったらもうその仇となる人もいないんじゃ」

 

「そうかもしれない。だからこそ光は復讐心を抑えられているのかもだけど」

 

ただ、今の現状だと光がもし復讐するべき相手が見つかってしまったその時は恐らく怒りのままに暴れてしまうかもしれない。そんな危うさも持ち合わせているだろう。

 

三人はそんな時に絶対に光に人としての道を外させないようにするべきと誓うことになる。

 

その頃、アララト本部ではベイルが手にした新たなスタンプを持って歩いていた。するとそこにオルテカが現れる。

 

「おやおや、ベイルさん。そのスタンプは?」

 

「ふん。俺の新しい力だ。まぁ、とは言ってもまだ使ってないが」

 

「ほう?折角あるのだから使えば良いではないですか」

 

「そうかもな。だが、俺は俺の意思でこれを使う。まだその時では無いと俺が思っているからこそ使ってないだけだ」

 

「そうですか」

 

オルテカがそう言う中、ふとベイルはある事を思った。そしてオルテカへと聞く。

 

「そういえばお前。今回の襲撃は何だ?ヘルギフテリアンを使って無関係の人間を襲わせて何が狙いだ?」

 

「ふふっ。アレはただの余興ですよ。ただただギフ様に従わない人間の危機感を煽るためのね。まぁ、今回は邪魔をされましたが。ですが何の因果でしょうねぇ……」

 

オルテカが不気味な笑みを浮かべる中、ベイルは無言になる。そしてベイルはさっさと行ってしまった。

 

「さて、我々の目的も最終段階。もうすぐ痺れを切らしたギフ様が出るでしょう。その時こそ我々が勝利する時です」

 

オルテカはギフの強さに絶対の自信を持っていた。ギフの力なら必ずリバイス達を倒せると読んでいる。

 

だからこそ敢えて遅延するような行為もしてきた。勿論悟られない程度にだが。

 

「あのお方の力を間近で見させてもらおう。この世界は俺達の物だ」

 

時間が少し経ち、幸せ湯。そこでは家に戻った一輝、大二、さくらが元太、幸実と会っていた。

 

「ただいま」

 

「お帰り!」

 

「……パパ、何してるの?」

 

そこでやっていたのは元太がいつもやっている限界突破チャレンジだ。隣にはぶーさんもいて精が出ている様子である。

 

「父さん、どうしてこんな時に」

 

「俺達だって雰囲気を明るく変えることができる。いつも言ってるだろ。こんな時こそ明るく振る舞うのが俺達の役目なんだ」

 

それはいつも通りの何気ない光景。しかし、一輝の様子はいつもよりおかしかった。

 

「……何それ?え?父ちゃん。いつもこんな事してるの?」

 

それを聞いた途端その場が凍りつく。大二は慌てて一輝のカバーをする事にした。

 

「兄ちゃん、父さんが元気づけようとしてくれてるのに……」

 

「でも、こんな事してて元気になるのかな」

 

それは一輝から完全に元太が今までやってきた限界突破チャレンジの記憶が消滅してしまったという証拠だった。

 

するとその瞬間、元太がいきなり胸に手を当てると苦しみ始める。

 

「うぐっ!?ぐう……」

 

「パパさん!?」

 

「パパ!」

 

「大二君、フェニックスに連絡を!」

 

一同が騒然とする中、一輝も慌てた様子で元太へと駆け寄る。流石にまだ親の事は忘れてないために心配する気持ちはちゃんと出てきた。

 

「父ちゃん……」

 

「まさか、これは……」

 

そんな時、一輝、大二、さくらのガンデフォンに連絡が入る。それは街中でベイルが暴れているとの事であった。

 

「ベイルの奴、パパさんにこんな影響を与えてくれて!俺っち達が今度こそ成敗するもんね!」

 

「行こう!」

 

それから三人が出撃。現場ではベイルが雑魚であるギフテリアンやギフジュニアを連れていた。また、先行して出てきていたフェニックスの部隊やデモンズトルーパーも交戦していたが、戦力差を持ってして圧倒する。

 

「早く来い五十嵐家の奴ら。今度こそ潰してやる。そして、純平。お前もだ」

 

ベイルが一人復讐心にかられた状態で待っていると一輝達が到着。そしてベイルと向かい合った。

 

「ベイル……」

 

「やっと来たか。待ち侘びたぞ。五十嵐家」

 

「俺達ならいつでも相手してやる。だから関係無い人達を狙うな!」

 

「ふん。ならばさっさと来い。お前らを全員始末して俺の復讐を完成させる」

 

ベイルのその言葉に三人は戦いは避けられないとベルトをそれぞれ手にして構えるのであった。




今回からopのエビル、ライブの部分がエビリティライブになる感じです。また次回もお楽しみに。
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