仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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四十二話目
元太の覚悟 恐怖する赤石


研究室にいる狩崎と若林の二人の前に現れたのは病院で寝ているはずの元太である。そして彼はベイルとの決着を付けさせて欲しいと頼んだ。ただ、狩崎と若林の返事は思わしくなかったが。

 

「確かにそれが筋だとは私もわかってはいる。だが……」

 

「ああ。リスクは承知の上だ」

 

毎回のように言うが元太とベイルは表裏一体だ。片方が倒れればもう片方が倒れるためにその命は共有されているもの同じである。だからこそ一輝達は今までベイルを圧倒する事はあっても倒し切ることはしなかった……できなかったと言うのが正しいだろう。

 

「ベイルが死ねば俺も死ぬ。それでも、アイツの手でこれ以上罪の無いはずの俺の家族にまで手を出されるのは、我慢ならない」

 

「………だとしても今の君の命はベイルの力の増大と彼の命の弱まりが原因で少しずつ不安定になってきている。それなのにやるというのか?」

 

「家族を救えない奴に一家の大黒柱が務まるかよ」

 

「その救うべき家族の中に……君自身は含まれているのか?」

 

「………」

 

そこまで聞かれると元太も黙らざるを得ない。何しろ今から元太がやろうとしているのは命を自分から投げ捨てに行ってるに等しいのだから。

 

「君が死ぬ事で悲しむ家族の姿を考えるのはしなかったのか?」

 

「……だったら、死んでも生き残ってやる。ベイルを倒して俺も生き残れば良い。簡単な事だ」

 

そうお気楽に言う元太。しかし、その事がとてつもなく難しい事を知らない彼ではない。

 

「総司令官……」

 

「わかっている」

 

若林も迷っていた。恐らくこの場で元太の思いを拒否することは簡単である。ただ、それをしてしまえば元太がここまで積み上げてきた物を全て失う危険さえもあった。

 

「……狩崎、五十嵐元太の運命はお前にかかっている。絶対に彼を死なせるな」

 

「オーケー。総司令官。私もダディとの一世一代の大勝負……覚悟は決まってるさ」

 

「……!!」

 

すると狩崎は元太が入った事でスリープ状態にしていたパソコンを再度開く。そこにはかつて元太が使っていたベイルドライバーとその隣にベイルドライバーに新たなユニットを合体させた新たなるベルトが描かれている。

 

「これは……」

 

「君が入ってくる少し前まで開発を進めていたベルトだ。もう既存のベルトの中で拡張する余地があるのはこれしか無い。我々は初めから君に頼むしか手は無かったんだ」

 

「だから五十嵐家の家長として戦いに望む君の覚悟が知りたかった。試すような事をしてすまない」

 

「いや。俺としても頼ってくれて嬉しいさ」

 

若林と元太が手を握る中、狩崎はこのベルトについての説明をする事になる。

 

「このベルトは悪魔の力を借りずに仮面ライダーベイル以上の能力を発揮できる調整をする。ただ、オーバーデモンズの時と決定的に違うのは君にはその負荷に耐えるためにトレーニングをする時間が無い。ぶつけ本番で君の体に絶大な負荷をかけることになる」

 

それはつまり、変身するというだけでも彼には大きなハードルが課せられるという事だ。だが、今更そんな事で怯むような元太では無い。

 

「大丈夫だ。俺を誰だと思ってる。かつてアーキタイプの仮面ライダーに変身してたんだぞ。その時に比べたらこんなの屁でも無いさ」

 

狩崎は元太の顔つきを見て大丈夫だと再確認。それからベルトの強化を進めていくことになる。

 

その頃、空手の道場ではさくらが一人トレーニングをしていた。前の戦いでベイルに完敗したためにその悔しさをバネにしてトレーニングに打ち込んでいるのである。

 

「やあっ!たあっ!」

 

するとそこに入る二人の影があった。一人はフェニックスの更生施設から出てきたさくらの師範代の大森。そしてもう一人は空手の道着に身を包んだ牛島光である。

 

「師範代!光さん!どうして……」

 

「ベイルに負けてそのまま黙っているさくらさんでは無いと思ったので」

 

「私を救ってくれたお礼です。久しぶりに稽古を付けましょう」

 

「あれ?そういえば光さんって空手できるんですか?」

 

「実は学生時代に少し。でも、さくらさんに負けるつもりはありませんよ」

 

それから三人で空手の稽古をしつつ互いに高めていく。さくらはブランクのある二人相手でも全力でぶつかり、二人もさくらと共に拳を交えることに嬉しさを感じていた。

 

それから三人は時間も忘れてトレーニングをすると道場に大の字で寝転んでいる。

 

「さくら、強くなったね」

 

「僕達纏めて完敗だったんですけど……」

 

「でも、油断してたら負けてたのは私です。……それに、ありがとうございました」

 

さくらの言葉に二人も微笑む。それから光がさくらへと話しかけた。

 

「さくらさん。……実は」

 

光はつい先程病院から元太が抜け出した事、そして狩崎、若林公認の元でベイルと戦うための準備をしていると伝える。

 

「パパが……ベイルと戦う。でもそれって……」

 

さくらの言った意味を光もわかっているために頷く。しかし、さくらは意外と冷静だった。

 

「そっか」

 

「意外ですね。てっきり止めるものと……」

 

「え?まぁ、確かに前の私だったら止めてたかも」

 

「どうして?」

 

「……パパってほら。普段あんなのだし危なっかしいとは思う。でも、きっとパパも覚悟を持って戦うと言ってるんだと思うから。私は後押しするよ。そしてそれは多分一輝兄も大ちゃんもそうだと思う」

 

「さくらさん」

 

光はさくらの成長に驚いていた。こんなに冷静な判断をするようになってるとは思わなかったからだ。

 

「まぁ、多分後で家族会議はすると思うけどね。文句ならその時に沢山言うから」

 

それを聞いて二人は顔を見合わせると吹き出す。そして、さくらも笑うのであった。

 

同時刻。街中では赤石自らが出ると迎撃に出たデモンズトルーパーを蹴散らしていた。

 

「盛者必衰!人類は調子に乗りすぎた!」

 

赤石が手を翳すと紫の炎を放出し、倒れたデモンズトルーパーを焼き尽くす。何とか隊員は変身したおかげで無事だったが全員がそれなりのダメージを負う結果となった。

 

「赤石!」

 

「おうおう。好き放題してくれてるじゃねーか」

 

「行くぞ!」

 

《サンダーゲイル!》

 

《パーフェクトウィング!》

 

《Confirmed!》

 

「「変身!」」

 

《FlyHigh!パーフェクトアップ!》

 

《仮面ライダーリバイス!》

 

《仮面ライダーエビリティライブ!アイムパーフェクト!》

 

一輝と大二はリバイス、エビリティライブとなるとギフデモスとの戦闘を開始。ギフデモスは二人相手でも関係無いとばかりに力を解放していく。

 

「はあっ!」

 

ギフデモスが超スピードを使うとリバイスがそれに対抗。高速でぶつかり合う中、お互いに力は互角なのか後ろに下がる。

 

「お前らが素直に従わないから、人類は滅びの時を迎えようとしているのだぞ!その事実が何故わからない!」

 

「だとしたら俺達がギフを倒すまでだ!」

 

するとリバイスの攻撃に対してギフデモスが妙に引き気味に戦っている。

 

「……?」

 

ライブはそんなギフデモスの様子に何かおかしいと疑問に思った。だが、相手が本調子で無いならこちらが有利に運べると踏んで容赦なく攻撃する。

 

「うぉおっ!」

 

ライブからの銃撃にギフデモスが怯むとその間にリバイスがベルトからスタンプを取り外して別のスタンプをスキャンさせる。

 

《ヘッジホッグ!》

 

《チャージ!》

 

《ライトニングトルネード!》

 

すると竜巻の中にエネルギーの針が多数発生するとそれが次々にギフデモスへと飛んでいく。

 

「ッ!?」

 

ギフデモスがそれを喰らうとダメージを負っていく。そして、その間にライブがエビルブレードを使ってカゲロウに主導権を渡すとスタンプを自らへと押印する。

 

《カジキ!》

 

その瞬間水のエネルギーが刃に込められていき、それでギフデモスを斬り裂く。

 

「ぐあっ!?」

 

「大二、決めるぞ!」

 

「ああ!」

 

《ガン!》

 

カゲロウから大二へと再度主導権を戻すとライブがバックルにライブガンをセット。それと同時にリバイスがスタンプを倒す。

 

《エビルライブチャージ!FlyHigh!》

 

《爆風爆雷 GO!爆風爆雷 GO!》

 

《Wings for the Future!》

 

《爆爆リバイストライク!》

 

《エビリティパーフェクトフィナーレ!》

 

二人が跳び上がると電撃と白黒のエネルギーを纏わせたダブルライダーキックが炸裂。しかも、ライブの方はリリスの力によるギフデモスの細胞を消滅させる一撃だ。

 

その瞬間だった。ギフデモスの脳裏に死のイメージが浮かび上がったのは。

 

「ッ……ヒィッ!」

 

ギフデモスは慌てて土下座をするようにしゃがむと攻撃はギリギリの所で躱されてしまう。

 

「「なっ!?」」

 

二人の技が透かされ、二人がギフデモスがその行動を取ったことに驚く。するとギフデモスは立ち上がるとそのままフラフラとどこかに行こうとする。

 

「………まさか、この私が恐怖しているのか?」

 

ギフデモスは、赤石は自分でも何故そんな事をしたのかがわからずに混乱する。そして、フラフラとどこかへと行くように去っていく。それを見た二人は顔を見合わせると追撃しようとする。しかし、その前にヘルギフテリアンが登場。行く手を阻む。

 

「邪魔をするな!」

 

「待て!赤石!」

 

そのままギフデモスから元の姿に戻った彼は頭を抑えると左腕が僅かに石化し始める。

 

「なっ!?何故だ……人類の救済を願い、ギフ様に従っている私が何故滅びなければならない……認めぬ、認めぬぞ」

 

赤石は赤黒い霧と共に消え去るとそれと同時にリバイスとライブがヘルギフテリアンへとトドメを刺して撃破する事になる。それから変身解除した二人は赤石の様子がいつもと変な事を指摘した。

 

「赤石……どうしていきなり」

 

「確かアイツ不老不死だったよな?」

 

「ああ、チラッとしか見えなかったが左腕が石化してる。何かがあったんだ」

 

赤石がギフの元に行くとこの現状をギフへと直接問いかける事になる。

 

「ギフ様、これはどういう事でしょうか。何故私がこんな……」

 

「お前は我を失望させている。一刻も早い人類の争いの終焉を我は見届けたい。なのにお前は少しも役立ってないではないか。……我自ら出る前に決着を付けろ。我の気はもうそこまで長く無いぞ」

 

それはギフからの警告だった。赤石はギフの力でこの混乱を沈めるべきだと考えていたが、ギフの気持ちはまるで逆だったのだ。このままではお役御免にされるだろう。

 

「ははあっ……」

 

赤石はアギレラ、フリオ、オルテカへとこの現状を通達するべく急いで彼らを再度集めることになるのであった。




また次回もお楽しみに。
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