ギフの力を前に敗北したリバイス達は変身解除してしまうと揃って倒れ込む。ギフが手を翳すとトドメを刺そうとした。
「……我らの世界にお前達は不要。終わりにさせてもらう」
ギフがゆっくりと歩む中、バイスとカゲロウが一輝、大二の中で声を上げる。
「一輝!俺っちの力を使うんだ!」
「大二代われ!」
それを聞いて一輝はレックスのスタンプを取り出して押印。大二はカゲロウと主導権を交代する。
《レックス!》
「ふへへ、俺っち参上!」
「調子に乗ってる場合か?このままだと全滅だぞ」
「ああ。ひとまずここは撤退するぜ」
それを聞いてギフはまず二人を倒すためにエネルギービームを放つべく手を翳す。
《俺っち!スイッチ!ワンパンチ!》
《イーヴィルウィング!》
《Confirmed!ウィングアップ!》
「「変身!」」
《バイスアップ!》
《イーヴィルアップ!》
《仮面ライダーリバイス!バイス!バイス!バイス!》
《イーヴィルエビル!》
二人がジャックリバイスとイーヴィルエビルへと変身するとギフへと二人同時に攻撃を仕掛ける。
「……無駄だ。お前達の攻撃では私に傷一つ付けられない」
「だとしても、俺っち達が諦める理由には……」
「ならねーんだよ!」
二人はローリングバイスタンプとエビルブレードで連続攻撃を仕掛けるがまるでギフには効く様子が無い。するとその時、エビルのベルトに装填したイーヴィルウィングバイスタンプが何かと共鳴するように僅かに光るといきなり空間にギフの元いた異空間へのゲートが開く。
「……む?」
「ギフ様の元いた空間?何故……」
ギフ達が混乱する中、今のうちに撤退するべく二人は技を発動させた。
《カマキリ!エナジー!》
《ウィンドチャージ!フライングアップ!》
《ペインティングフィニッシュ!》
《ワーニングダークネスフィナーレ!》
二人が繰り出したのはカマキリの力を込めたエネルギー斬と漆黒のエネルギー斬。その二つがギフへと飛んでいく。そしてそれが命中する寸前。クイーンビーデッドマンが降り立つとそれを弾き飛ばす。その瞬間、弾いた破片の一部が異空間の中に吸い込まれていった。
「あんまり調子に乗らない事ね」
すると突如としてギフが僅かに揺らぐ。それを見てクイーンビーデッドマンは視界を一瞬リバイス達から離してしまう。
「今だ!」
《バット!》
エビルが地面にスタンプを押印すると地面から蝙蝠の群れが飛び出し、それが煙幕となって撤退に成功するのであった。
「ッ!!」
「この程度、問題無い」
そして、ギフは僅かに揺らぎはしたものの、何事も無かったかのように戻る。その頃、スカイベースでは撤退した一輝達が手当てを行いつつ先程の戦いについて分析していた。
「アイツ、リバイスと互角なうえに無敵なんてやり過ぎでしょ」
「確かに、まるで攻撃が通じなかった……」
「リリスの力を持ったエビリティライブでさえも通用しなかったし……」
ギフへのダメージが通らなければギフを倒すのは絶望的。このままでは打つ手が無いも同じだ。
「……どうすれば良いんだ」
「あーもう!あの無敵の力強すぎなんだよ!どこにも弱点無さそうだったし!」
バイスが文句を言う中、大二と入れ替わったカゲロウが一人声を上げる。
「んなわけあるかよ。……一回だけギフの奴が揺らいだ時がある」
「え?」
「あ!最後にカゲロウとバイスが使った技ですね」
「ああ」
「じゃああの技が弱点ってか?」
バイスがそう聞くもカゲロウがバイスの頭を叩く。この感じだとハズレのようだ。
「違げーよ。あの時だけギフの元いた異空間が開いていて、その中に攻撃が入った」
それを聞いて若林と狩崎も分析を終えたのか部屋の中へと入ってくる。
「その通りだ」
「これはさっきの戦いの時に取ったデータだ」
そこには異空間とギフの体が共鳴しており、異空間に攻撃が着弾した直後にギフがダメージを受けたかのように揺らいでいた。
「恐らくあの場所はギフにとっての弱点だろう」
「だったらあそこに攻撃を当てれば!」
しかし、一個問題としてあるのがどうやってギフにあの場所を開かせるかだ。ギフが移動してきた直後ならともかく、あの場所は滅多に開かない。ギフも自分の弱点だとちゃんとわかっているのか、戦闘時には自分からは開けないだろう。
「あれ?でもじゃあさっきは何で開けたんですか?」
光は疑問に思う。ギフが何故先程の場面でゲートを開けてしまったのか。どうしても気になった。
「いや、あの場面。ギフは自分からは開けていない。カゲロウの持つ力。イーヴィルウィングバイスタンプがギフの力に共鳴したんだ」
だが、何故そこでカゲロウの力だけが反応したのかが気になったが、それについてはカゲロウが答えを出す。
「んなもん、俺のスタンプが負の力……ギフの力を増幅させて変身するからだろ」
「「「「あ!」」」」
カゲロウは元々ギフの遺伝子が大二に宿っている状態で彼の弱さがキッカケに覚醒した悪魔。その力を引き出す事はギフの力を引き出すのも同意義。そのためギフの力同士が共鳴して開けたのだろう。
「恐らく、カゲロウの中のギフの力が強くなった事でゲートを開けたんだろうな」
そして、これに関してはギフは止めることができなさそうだった。この策であればギフに異空間へのゲートを開かせる事ができるかもしれない。
「……恐らくギフは再び行動を起こす。ここからはギフに対抗するための話だ」
「そしてこれは君達四人と三体の悪魔。全員が協力しなければ達成できない」
それを聞いて一同は頷く。まず最初にギフを取り巻く幹部達四人を突破しなければならない。
「誰が誰を相手するかは任せるが、相手は五十嵐一輝、バイス、五十嵐さくら、牛島光」
この四人でどうにかする必要がある。すると一輝が質問をするために手を挙げた。
「四人ですか?サンダーゲイルだとバイスと一体化しますしそれは……」
「ここではボルケーノから入ってもらう。そうしないと手数が足りない」
「そして、大二が突破したらすかさずカゲロウの力であるイーヴィルエビルを解放。異空間を開ける」
「ゲートを開けたら次はそこに突入。内部に存在するであろうギフの弱点を狙ってもらう」
「待てよ。そこには誰が入るんだ?」
するとその場の全員が一斉にバイスの方を向く。そして、バイスはビクリと体を震わせた。
「え?何で!?」
「あの中に人間が入るのは危険だからね」
「いやいや、悪魔使い荒すぎない!?おいラブコフ。お前からも……」
「ラブラブ〜。行ってこいバイス!」
「あーもう、ダメだコイツ!」
結局異空間にはバイスが行くことになった。そしてそこからは一輝とバイスが分離する関係でボルケーノは使えない。同じ理由でサンダーゲイルも無理なためリバイの戦力が使い物にならないかに思えた。
「そういえば、バイスはジャックリバイスが使えるから良いかもだけど一輝兄は?ボルケーノはバイスがバリッドレックスじゃないと制御できないでしょ」
「一つだけ手がある」
それから狩崎が出したのはバリッドレックスバイスタンプだった。そして、考えを言う。
「バリッドレックスの中にある機能。リボーンならリミックスを大量召喚できる。その機能を使うんだ」
確かにそれを使えば足りない手数と戦力を補えるだろう。そしてここからが作戦の要だ。
「ギフの弱点を破壊するまでの間、ギフの相手をするカゲロウ……いや、大二君にはリリスの力をぶつけ続けてもらう」
「でも、必殺技は弾かれてしまって。恐らくリリスの力は今のギフ相手には通じないんじゃ」
「それも問題無い。君の変身。ホーリーライブを使う」
「……え?」
狩崎がホーリーウィングバイスタンプを出す。そして説明を開始した。
「このスタンプは君の中の正のエネルギーを過剰放出する。私が調整をすればリリスの力を正のエネルギーの中に組み込める。
「ッ!本当ですか?」
それならば、ホーリーライブは対ギフ専用の力を得られるだろう。エビリティライブも確かにリリスの力が使えるが、あちらは負の力も同時出力してしまうためにギフレベルになると二つの力が混ざるせいで通用しないのだ。
「とにかく今はやるしか無い!」
「俺達の力、見せてやるぞ!」
一輝達が円陣を組んで拳を合わせる中、フェニックスの一人の隊員が狩崎の元へと行く。
「狩崎さん」
「どうしたんだい?」
「……ッ!ダディが!」
それから慌てて狩崎が病床につく真澄の元へと走った。そして、そこには真澄が狩崎が来たのを見て声を上げる。
「ダディ!大丈夫なのか?」
「……ジョージ。君を置いて行く前に話しておく事がある」
「待ってくれダディ。まだアンタは何も……」
「わかっている。確かに私の戦いは終わったがまだ私の罪は消えていない。だからジョージにこれを渡す」
その手に握られていたのは一つのUSBメモリだ。そして、真澄が更に話を続ける。
「これの中にあるのはギフの力がどうしても抑えきれなくなった時のための最後の切り札だ」
「……ッ!」
「恐らくこの中にある設計図と君の頭脳。そして、ギフの遺伝子を持つ者が揃えばきっと完成する」
「……だが」
「ジョージ。君には済まない事をしてしまった。長い間一人にさせてしまっただけで無く、君に大きな課題を残してしまう事を許して欲しい」
「そう思うのならもっと生きてくれダディ。アンタみたいな奴でも……私にとっては唯一無二の親なんだ!」
狩崎がそう言って真澄の腕を握る。真澄はそんな狩崎を見て安心したようだった。
「それともう一つ。君に悪魔を勝手に移したこと。申し訳なかった」
「……そんな事はどうだって良い。まだ生きろ!ダディ!」
「ジョージ。短い間だったが君は私の元に毎日来てくれた。私の事を憎んでいる君がそこまでしてくれて、私は嬉しかった」
しかし、狩崎は納得できない。目の前でようやくまともな会話ができるようになった父親の命が消えようとしているのだ。
「ダディ……私はアンタとの時間をまだ全く過ごせていないんだ。だから、だからいなくなるなよダディ!」
「……ジョージ。私は君を愛している。そして君をいつでも見守っているよ……」
その言葉を最後に真澄はその生涯を閉じた。そして、その場に残された狩崎は最初その事実が受け入れられずに叫んだ。
「ダディ!?ダディー!!」
狩崎真澄。悪魔の科学者としてこの世界を生きた彼の最期は愛する息子に見届けられ、ひっそりとした物であった。
バイスタンプラリー
四十三話目……クロコダイルバイスタンプ
また次回もお楽しみに。