仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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今回からバトルファミリア関係の話に入っていきます。まずはBirth of Chimera編です。それではどうぞ!


Birth of Chimera編
狩崎の悪魔 キメラの戦士


ギフが倒されてデッドマンズが行方を眩ませてから数日の時が経った。その間、世界は平和そのものであり、デッドマンズ、ウィークエンドによる襲撃は一切無かった。

 

その間に一つ変化があった。以前ギフが倒された地点に二つのギフの瞳と呼ばれる丸い球体状の物があったのだ。それを狩崎は回収させるとひとまずそれは保管しておき、自らは新たなるベルトとスタンプを完成させていた。

 

「ギフの瞳も中々興味深い。だが、本題はそれでは無くこちらだ」

 

狩崎は新たなるベルト、キメラドライバーを手にすると腰に装着する。

 

「このベルトなら悪魔の力に頼らずとも仮面ライダーになれる」

 

そして、狩崎はスタンプを手にすると上部に存在するスイッチを押した。

 

《ツインキメラ!》

 

それをベルトに装填するとライト部分が二つ発光して待機音が鳴り響く中ポーズを取って掛け声を叫ぶ。

 

《キング!ダイル! Come on! キメラ!キメラ!キメラ!》

 

「ライダー……変身!」

 

狩崎がスタンプを倒したその瞬間。突如として狩崎の体に赤黒い電流が走るとドライバーに完全に適合できなかった副作用が発生。その瞬間、狩崎の体から何かが出てくるとそれが実体化。それと同時にベルトがスタンプを装填したまま外れてしまう。

 

「つれないなぁ……。悪魔不要のドライバーだなんてね」

 

そこに現れたのは白を基調としつつ同色のマントを付け、頭部にはメッシュのような金色の装飾が存在している。更に身体の至るところに縫い目のようなものがあり嘲笑っているようにも見える笑顔から、道化師もしくはマッドサイエンティストを思わせていた。

 

「お前は……まさか!」

 

「ビンゴ!君が大好きなダディの悪魔……シックさ!」

 

「ッ!?」

 

するとシックと名乗った悪魔は近くに落ちているキメラドライバー及びツインキメラバイスタンプを回収してしまう。それから保管されていたギフの瞳を見た。

 

「ふふっ」

 

「ッ!」

 

狩崎は慌ててそれを隠すがもう遅い。シックは笑みを浮かべると奪いに行った。

 

「させるか!」

 

狩崎が急いでそれを回収。逃げようとするが悪魔と人間では身体能力に差があるのか追いつかれると腕を掴まれて二つある瞳の中の一つが奪われてしまう。

 

「ッ!しまった!」

 

「これでギフの瞳もゲット。さてお次は……」

 

するとシックは近くにあったヘッジホッグ、オクトパス、クロサイ、オオムカデのバイスタンプを見つけるとそれを手にしてしまう。

 

「バイスタンプも取れましたし早速始めましょうか」

 

「ワッツ?君は何が狙いだ」

 

「さぁね。教えようかと思ったけどやっぱりいいや。ま、そのうちハッキリするし」

 

そのままシックは赤黒いエネルギーと共に姿を消してしまう。そしてその場には悔しそうな狩崎の声のみが響いた。

 

「シックぅうう!!」

 

シックはスカイベースから抜け出すと早速同志を募るために仮となる人間を探す。

 

それから暫くの時が経った。ここは都内に存在するとある街。そこに住む一人の青年。大谷希望。彼とその母親が家の居間で待っているとそこに希望の父親が帰ってきた。

 

「ただいま」

 

「お帰り、父さん」

 

「随分と遅かったわね」

 

「ああ。外海先生の治験薬の準備をするために暫くは残業しろと言われてな」

 

外海とはこの街の人々の医療を主導する科学者であり、この街の人々で彼を知らない人間はいないほどである。

 

「そっか。それにしても毎日かぁ」

 

「なかなか大変ね」

 

希望は別段何かに秀でているという訳ではない普通の人間だ。そして、彼は家族と共に普通の日常を過ごしている。

 

「希望、今日もアレやるか?」

 

「わかったよ父さん」

 

それから二人は腕を組み合うと母が合図をして腕相撲を開始。このように家族仲は良好で希望はそれだけで満たされていた。

 

翌日の早朝。希望が一人、神社の境内に向かうとそこには一人の青年がトレーニングに励んでいる。

 

「あ、今日もやってますね!向井さん!」

 

「希望か!おう。何しろ俺はヒーローになりたいからな」

 

そう言って希望と接するのは彼の友人にして先輩のような関係の男、向井リュウだ。

 

「それにしても毎日毎日やってますよね」

 

「ああ。……でも、俺はフェニックスの入隊試験には落ちてしまった。今も定期的に募集はかけてるし、何度かチャレンジはしてみたけどダメだった」

 

彼はとにかくヒーローとして世界を救いたい気持ちが強い。そのためフェニックスの入隊の試験を頑張ってはいるものの、やはりどうしても結果が伴っていない。

 

「希望も医者の勉強は大変だろ?」

 

「でも、俺も向井さんと同じで自分のやりたい事のために精一杯頑張るつもりです」

 

「そっか」

 

それから希望はふとここに来るまでに聞いた情報を思い出すと向井へと提案する。

 

「そういえば向井さん。ここに来るまでに聞いたんですけど、何だか外海先生が新薬を開発したとかで。何でもそれを使ったら世界を救う仕事に就けると」

 

「何!?それはどこでやってる?」

 

「えっと……」

 

それからリュウは一人希望から聞いた場所へと向かった。そこには既に話を聞いた何人もの人がやってきており、早速リュウは部屋の中へと案内される。

 

「ここは……」

 

そこはごく普通の研究機関であり、特に何の変哲も無さそうだった。そこに外海がやってくるとその周囲に五人の兵士のような人間もいる。

 

人々はその様子を見てザワザワとしていたが、外海が話し始めるとそのざわつきはすぐに止んだ。

 

「本日は私の研究の非検体としてよくぞ名乗り出ていただきました。今回投与する物ですが実は薬ではありません。では何を投与するのかという話になりますがこれが投与すらしません」

 

「……何?」

 

すると女性がスーツケースを出すとそれを開ける。そこにあったのはシックが持っていたはずのキメラドライバーとツインキメラバイスタンプであった。

 

「ドライバーにバイスタンプ!?」

 

「今回集まってもらった本当の目的は君達にこの神器。キメラドライバーを使って仮面ライダーに変身するというテストを受けないかという事ですよ」

 

それを聞いた一同の中で一人の男性が手を上げる。すると外海は笑みを浮かべると共に両手でその男を指した。

 

「はい!外海先生。俺がやります!」

 

「良いでしょう。では早速」

 

すると男はベルトを装着するとスタンプを押してベルトに装填。ポーズを取る。

 

《ツインキメラ!》

 

《キング!ダイル! Come on! キメラ!キメラ!キメラ!》

 

「変身!」

 

男がスタンプを倒すと狩崎のように適合できなかった際に現れる副作用が発生。体に赤い電流が流れると共に突如としてその体が青い炎へと包まれていく。その瞬間、男の体からベルトが外れると同時に体が完全に異形の悪魔へと変わってしまった。

 

「ぐあああっ!」

 

その姿は下半身が爬虫類デッドマンに酷似しつつ上半身が青を基調としており、右腕には長く伸びた指と爪が目立つ。左肩は丸の右肩は手のような形で顔は禍々しい悪魔の顔を模してきた。

 

「そんな……」

 

それを見た人々は悲鳴を上げると共に逃げ出してしまう。そして、リュウはそんな中でもただ一人悪魔へと立ち向かった。

 

「おい!聞こえるか?目を覚ませ!」

 

「がああっ!」

 

しかし、悪魔には自我が無いのか見境なく襲いかかってくる。リュウは何とかそれを躱すと近くに落ちているベルトとスタンプを手にした。

 

「き、君!頼む。それを使って悪魔を……」

 

リュウの脳裏には先程失敗して悪魔を生み出した男の顔が映る。失敗すれば自分もああなるだろう。だが、今はそんな事を考えている場合では無いとリュウはベルトを装着してスタンプを使う。

 

《ツインキメラ!》

 

《キング!ダイル! Come on! キメラ!キメラ!キメラ!》

 

「変身!」

 

待機音が鳴る中でリュウがスタンプを倒すと地面から出てきたクロコダイルが大顎で噛み付くのとキングクラブが両腕の鋏でリュウを挟み込むようなエフェクトと共にリュウの姿が変化する。

 

《スクランブル!》

 

《キングクラブ!クロコダイル!仮面ライダーキマイラ!キマイラ!》

 

容姿としては黒いアンダースーツにオレンジや銀の装甲。右肩にはワニの頭部と蟹のハサミを模した装甲が施されている。またマスクはオレンジの部分がワニの正面顔、銀の部分が蟹のハサミを模しており、ハサミの隙間から白い複眼が覗いている特徴的なデザインだ。その名前は仮面ライダーキマイラである。

 

「ワオ!おめでとう。君こそが神器を受け継ぐ適合者だ」

 

「何が適合者だ!今はそんな事を言ってる場合じゃ……」

 

すると悪魔はキマイラを敵として定めると襲ってくる。キマイラはそれに立ち向かうとそのまま外へと移動。キマイラが悪魔へと拳をぶつけてから後ろ回し蹴りで吹き飛ばす。

 

「はあっ!」

 

更に跳び上がっての膝蹴りで悪魔を怯ませた。このタイミングでキマイラはベルトのスタンプを一度倒して待機状態へ。すると悪魔が襲ってくるがキマイラはそれを力で受け止めて押し返すとスタンプをもう一度倒す。

 

《キングクラブエッジ!》

 

キマイラが繰り出した拳はキングクラブの鋏を模した一撃で悪魔は火花を散らした。

 

「ぐっ……」

 

悪魔が弱る一方でキマイラの方もかなり消耗しているのか僅かに揺らぐと何とか持ち直し、すかさずもう一度技を繰り出すためにスタンプを倒す。

 

「はあっ!」

 

キマイラがスタンプを二度倒して跳び上がると両脚にクロコダイルの大顎を模したエネルギーを纏わせる。そのまま両脚で噛み付くようにキックを繰り出した。

 

《クロコダイルエッジ!》

 

その一撃を喰らうと悪魔は耐えきれずに爆散。そのまま消滅するとリュウは変身解除。そのまま外海へと詰め寄った。

 

「はぁ……はぁ……これはどういう事ですか!」

 

リュウはかなり消耗した様子であり、ドライバーによる消耗だと思われる。キマイラの変身は体にかなりの負担をかけているようだ。

 

「本当に済まない。想定外の副作用だ。だが、適合者の君に同じ症状は……」

 

「ふざけるな!俺は……俺は人を殺すために仮面ライダーになりたいわけじゃないんだ」

 

するとリュウは外海を突き飛ばすとそのままベルトとスタンプを持って逃げるために踵を返す。

 

「あんた達には協力できない!」

 

そのままリュウが走り去ると外海の周囲にいた兵士達はリュウを追いかけようとする。そんな中、リュウと入れ替わるように一人の男が姿を表した。その服はボロボロであったがその目には強い信念が宿っている。

 

「……人を悪魔に変える実験か」

 

「誰だ貴様?」

 

「愚かな人類を正しい道へと導くためにジャッジを下す」

 

「訳のわからん事を!」

 

兵士達は男へと襲いかかるが、男の戦闘力は圧倒的であっという間に五人の兵士を蹴散らすと外海へと掴みかかる。

 

「た、助けてくれ。俺はただアイツに操られて……」

 

「……何?」

 

すると建物の中からシックが笑みを浮かべつつ現れると男と相対。そしてシックは声を上げた。

 

「ギフと契約した者。アヅマ……ですね」

 

シックの言葉に男は目を見開く。こうしてシックとアヅマの二人が運命的な出会いを果たすのであった。




また次回もお楽しみに。
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