仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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降臨するダイモン 復讐の炎

シックが男の名をアヅマと呼んだ。そして、そう言われた男は僅かに驚く。自分の事を知っているためである。

 

「悪魔……」

 

「その通り。あと、命惜しさにギャーギャー騒ぐ人間って……ウザッ」

 

シックがそう吐き捨てる中、アヅマは無言になるとシックは少しずつ外海へと近づいていく。

 

「まぁ、もう用済みだけど……ね!」

 

シックが外海の腹に拳をぶつけるとその瞬間、外海は赤黒い粒子に包まれて苦しむ。そのままシックが中へと入り込むとその姿が変化し、茶髪に眼鏡をかけたチャラチャラした姿へと変わった。

 

そしてそのまま外海はまたシックの姿になると再びアヅマへと話しかける。

 

「あなたの名前はアヅマ。フェニックスの中にあったデータで知ってますよ。かつてギフを生み出した赤石が率いていた国の同盟国の王で、ギフと直接契約を交わした者。長きにわたって人類を正しい道に導いてきた……が、懲りずに醜い争いを続けるその愚かさに絶望。ここ八十年ぐらい身を潜めていましたとさ」

 

アヅマはその言葉に否定はしなかった。何しろシックの言った事は全て事実だからである。そして、更に彼は続けた。

 

「でも、君の考えは正しいですよ。人類は終わっている。自らの利益しか追求しない」

 

「だから私は愚かな人類全てにジャッジを下す」

 

「……で、そのためにギフが撃破されて進行が始まってしまった体の腐敗を止める方法を探している」

 

「ああ。だがまさか、本当にギフがやられたとはな」

 

アヅマとしては信仰するギフがやられた件についても驚いており、それも大きな誤算としてあったのだ。

 

「まぁ、それも分不相応の力を手に入れた人類のせいだ」

 

するとシックが手にしたギフの瞳が輝くと共にアヅマの体の腐敗は治ると力を与えた。

 

「……これは」

 

「そう!ギフの瞳だよ。このキメラドライバーにギフの瞳を埋め込んでその力を利用すれば君は再び不老不死の力を手に入れられる」そして最強の仮面ライダーとして未来永劫人類を正しい方向へと導けるよ〜!」

 

シックの熱弁にアヅマは僅かに考え込むが、それでも最終的にはそれが近道だと判断。シックの提案に乗ることにした。

 

「……わかった。私はどうすれば良い?」

 

「ふふっ。君の力になる優秀な部下を用意した。まずは彼らに任せよう」

 

すると先程アヅマにやられた兵士達は彼の前に並ぶとそれぞれバイスタンプを手にする。更にギフの瞳が輝くと五人の後ろに契約書が展開。それがそのままサインされると五人はフェーズ3……ギフテクスとして認められた。

 

「その瞳の力はギフテクスも生み出せるのか」

 

「その通り。ま、本当の力はもっとあるけどね?」

 

そしてシックは奥の部屋に入ると一つのバイスタンプを持ってくる。それはツインキメラバイスタンプの上から紫のクリアパーツが合わさった物であり、そこにはオクトパス、クロサイ、オオムカデの絵が描かれていた。

 

「ツインキメラを上回るスタンプか」

 

「ええ。とは言っても偶々共鳴したのが奪ったこの三つだったって訳ですけどね」

 

アヅマは一旦シックに準備の時間が欲しいと言われ、少しだけ待つことになった。彼は施設の外に出るとそこに一人の男が現れる。

 

「アヅマ!?まさかここで会えるとはな」

 

「セイ……いや、今は赤石だったか」

 

そこにいたのは今は身を潜めている状態の赤石である。アヅマが呼んだセイという名前は赤石が古代の王だった時に付けられた彼の真の名前である。

 

「よくぞ日本まで来てくれた」

 

「お前も相変わらずだな。だが」

 

赤石もその腕の石化の進行が更に進んでいる。これはアヅマと同じでギフの力が弱くなっている証拠と言えるだろう。

 

「セイ、ギフ様は本当にやられたのか?」

 

「ああ。ただ、保険はかけている。またすぐに蘇る時が来るさ」

 

それを聞いてアヅマは赤石を見つめる。そんな中、赤石もアヅマへと話しかけた。

 

「君も行動を開始するのだろう?ならば五十嵐家には気をつけろ」

 

「五十嵐……?」

 

「ああ。ギフ様の遺伝子を受け継ぎながらそれを止めるために生み出した存在。リリスの力も併せ持つ。この二つの力を持つ奴等は強敵だ」

 

赤石も仲間であったアヅマに危険だと注告するぐらいには五十嵐家を危険視していた。恐らくアヅマが計画を進める上で最大の障害になると見越した上での発言である。

 

「わかった。注意しておこう」

 

アヅマも赤石の言葉に頷くと赤石は去る前に最後に彼へと問いかける。

 

「アヅマ。我々と共に戦わないのか?」

 

「すまない。だが今は人類を導く上で大事な計画の最中だ。もしこの戦いが無事に終わったら……その時はまた二人で始めよう。ギフ様の名の下に人類を正しく導く事を」

 

その言葉を最後に二人は別れる事になった。そしてアヅマが戻るとシックが出迎えて準備が整ったと話す。

 

「それではやりましょうか。まずは奪われたキメラドライバーを取り返さないとね」

 

シックが手を叩くと早速作戦が開始。まずはアヅマの部下の兵士達が街の人々を襲い始める。人々は突然の襲撃に驚き、逃げ惑った。

 

「オラオラァ!逃げろ逃げろ!」

 

「早く逃げないと殺しちまうぞ!」

 

逃げる人々の中には希望やその両親の姿もあったが、母親を庇いながらでは素早く逃げられずに標的にされてしまう。その様子を見たアヅマは複雑な思いだったが、それでも自分の目的のためだと考えて目を瞑る事にした。

 

「これは人類を導くための戦いだ」

 

そんな中、希望達が追い詰められていく。そんな時、リュウが駆けつけると希望達を助けると共にキメラドライバーを装着する。

 

「お前達、何をやってるんだ!」

 

「来たか、仮面ライダー。そのドライバーを渡せ」

 

「……!?まさか、俺を誘き出すために皆を」

 

リュウの予想は正しかった。彼は正義感が強いために人々が追い詰められれば必ず来るとアヅマ達に見抜かれており、見事にこの場所へと誘われたということだ。

 

「持って逃げたあなたが悪いのよ」

 

「ははっ!」

 

そう言って兵士達がリュウを嘲笑う中、アヅマは犠牲を覚悟する言葉を口にする。

 

「人類を導くためなら些細な犠牲は目を瞑ろう」

 

「……何を言ってる?お前ら誰だ?」

 

次の瞬間、アヅマがリュウへと襲いかかった。そのままリュウは対処するものの、アヅマの戦闘能力は高い。何しろ彼も赤石同様、伊達に数千年を生きてはいないのだ。リュウとの経験の差は明らかでリュウは追い詰められていく。

 

「やるしか無いのか」

 

《ツインキメラ!》

 

《キング!ダイル! Come on! キメラ!キメラ!キメラ!》

 

「変身!」

 

《スクランブル!》

 

《キングクラブ!クロコダイル!仮面ライダーキマイラ!キマイラ!》

 

そのままリュウの姿が仮面ライダーキマイラへと変わるとその負荷が襲いかかるが、それにどうにか耐えつつアヅマへと攻撃を仕掛ける。

 

「はあっ!」

 

しかし、アヅマの強さは規格外だった。仮面ライダーキマイラのスペックを持ってしても生身のままで互角以上に戦い、彼の腕を掴むとそのまま関節技で捕まえてしまう。

 

「ぐああっ!」

 

「ふふっ。そのまま捕まえていてね」

 

すると兵士の一人が手にした銃を連射。それをまともに喰らったキマイラは体に火花を散らしながらダメージを負うと、その衝撃でスタンプがベルトから外れてしまう。そしてそれは希望の方へと転がり、彼が手に取った。

 

そしてスタンプが外れたためにキマイラは強制変身解除。生身に戻ったリュウはベルトを奪われて投げ飛ばされる。

 

「ぐうっ……」

 

「向井さん!」

 

希望はリュウの元に駆け寄ろうとするものの、それは両親によって止められる。

 

「えっへへへ〜。貸して頂戴」

 

そこにシックが現れるとアヅマが一旦シックへとベルトを渡す。彼はそれを受け取ると手にしたギフの瞳を内部へと埋め込む。そのまま元に戻してベルトを再度アヅマへと返した。

 

「はい」

 

すかさずアヅマがベルトを装着すると右手に先程研究室にあった三つの生物の遺伝子が組み込まれたスタンプ。トライキメラバイスタンプを手にするとスイッチを押した。

 

「Game On!」

 

《トライキメラ!》

 

アヅマがベルトにスタンプを装填するとその背後にオクトパス、クロサイ、オオムカデの姿が現れる。

 

《オク!サイ!ムカ! Come on!キメラ!キメラ!キメラ!》

 

アヅマがポーズを取ると自らを変える言葉を叫び、スタンプを倒した。

 

「変身!」

 

《スクランブル!》

 

すると後ろの三種の生物が粉々に砕けると共にそれがアヅマの体に纏わりつくとスーツを形成。その姿を変えた。

 

《オクトパス!クロサイ!オオムカデ!仮面ライダーダイモン!ダイモン!ダイモン!》

 

容姿はキマイラをベースとしつつ、右肩と顔のパーツが消え、その代わりに複眼は紫かつ大型化。また、左側頭部から肩にかけてタコとムカデの足を合わせたような赤いパーツ・サイの角のような銀のパーツがみられ、背中にはマントが追加されている。その名も仮面ライダーダイモンだ。

 

「そんな……俺はまだ何も……」

 

リュウは折角手にしたはずのベルトを奪われ、絶望感が広がっていく。そんな中、突如として体へとダメージが走ると共に自らの姿が異形の悪魔へと変わってしまう。

 

「うわぁああっ!!」

 

「向井さん!?そんな、どうして……」

 

キメラドライバーの副作用は適合した人間だとしても現れてしまうらしい。それこそアヅマのように完全に使いこなせる者でないとダメなようだ。

 

「お前は人類の未来に害を成すもの。ジャッジを下す」

 

ダイモンはベルトのスタンプを一回倒し、待機音状態に入るとすかさずスタンプをもう一度倒した。

 

《オクトパスエッジ!》

 

「たあっ!」

 

ダイモンが向かってくる悪魔を左腕のパンチで押し留めるとすかさずタコの八本の脚の力を纏わせた左脚によるキックを放つ。その一撃によって悪魔は粉砕されると僅か一撃で爆散。そしてその余波は近くにいた希望とその両親にも襲いかかった。その際に建物が破壊された際に発生した瓦礫が希望の両親の上に落下してしまう。

 

「母さん!?父さん!?しっかり!しっかり!」

 

すると二人は微かに残った意識で希望へと話しかける。それは無事だった彼を見て安心した様子だった。

 

「良かった……無事で」

 

「希望、命を……大事に」

 

そのまま二人は事切れてしまうと動かなくなる。そんな二人を希望はゆするが、少し後に二人が死んだ事を実感。悔しさのあまり震える。そんな中、ダイモンは変身解除。シックがそれを褒め称えた。

 

「お見事。じゃあ、行きましょう」

 

そのままアヅマやシック達はその場を去っていく。そんな様子を見た希望は怒りに震えた。

 

「許さない……。絶対にお前を許さない!」

 

こうして、一人の青年の心に復讐の二文字が芽生えた。それから少し時間が経ち、フェニックスのスカイベースでは狩崎が二つ目のキメラドライバーを開発。笑みを浮かべていた。

 

「待ってろよ〜シック。 」

 

そして、エリア666という場所では。化学研究組織、ノアが使っていた研究室をアヅマ達はアジトとして選んだ。

 

「今日からここが私達のアジトでーす!はーい、拍手〜」

 

するとシックは懐から一枚の写真を取り出すとそれをアヅマの元へと見せる。

 

「はい、彼等がギフの遺伝子を持つ者達。そして、ギフを打ち倒した元凶でもある。まぁらコイツらが次の君のターゲットだ」

 

そこにあったのは一輝達五十嵐家だった。その数日後。五十嵐一家の姿はとある空港にあった。

 

そこには元太と幸実が旅行に出かける所で、それを三兄妹が見送る場面でもある。その姿を虎視眈々と狙うアヅマ達。そして一般客に紛れた希望。彼等が五十嵐家を新たなる戦いの渦中に引き込むことになるのだが……それはまた別の話の時に。




次回からはバトルファミリア編となります。それではまた次回もお楽しみに。
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