幸せの旅行 飛行機ハイジャック
ギフが五十嵐一輝に倒され、更にアヅマの計画が動き出してから少しの時が経った。そんな中、今現在五十嵐家の姿はとある空港内にある。
「ふふっ。旅行だなんて本当に良かったの?」
「うん。明日は母さんの誕生日だし」
「俺達からの二人へのプレゼント!だからゆっくりしてきてよ」
この日は元太と幸実は幸実の誕生日祝いの旅行に出る所で、これはギフが倒されてから平和な日常が続いたために今回の旅行にまで至った。
「いや、パパ感動!体がふやけるまで温泉に浸かってくるね!」
「お土産、待ってまーす!あ、食べ物限定で」
さくらがそう言う中、バイスは霊体として出てくるとこちらもこちらで要望を言い始めた。
「俺っちは辛い物限定でね!」
「すみません!」
そんな中、一輝は近くを通りかかった青年……大谷希望へと声をかける。一輝達は知らないが、彼も彼とてアヅマ達への復讐のためにこの場へとやってきていた。とは言っても今は普通の旅行客のように振る舞っているために一輝の方を向く。
「はい!」
「あの、写真撮ってもらえませんか?」
「勿論ですよ」
希望が一輝から受け取ったカメラを構えると丁度そこに一人の妊婦と思わしき女性が前を通りかかる。彼女はカメラの存在に気がつくと慌てて謝った。
「すみません!」
「あ、どうぞどうぞ!」
ひとまず彼女を先に行かせると希望が写真を撮るために掛け声を言う。
「じゃあ行きますね。はい、チーズ!」
その言葉に合わせて五人は一輝が変身する時のポーズをとり、それと同時にシャッター音が鳴り響いた。
「ありがとうございました!」
それから希望にお礼を言った一輝。そして時間が迫っている事で元太と幸実は手荷物検査に行った。その時に元太が隠し持っていたデストリームドライバーが見つかると問い詰められてしまう。
「あっちゃ……」
「パパってば、機内にまで持ち込もうとしているし」
「何やってるんだか」
その様子を遠くから見つめるアヅマ達。彼等は五十嵐家を狙うべくやってきていたのだ。
それから一輝達と別れてようやく飛行機の中に入った元太と幸実。そんな中、二人は先程出会った希望と近くの席だったために彼へと声をかけた。
「あら?さっきはどうも」
「旅行ですか?一人で」
「いえ、ちょっと実家の方に」
「あら、親御さんも喜ぶんじゃない?幾つになっても子供は可愛い物よ」
それから希望は二人へと自己紹介をすると元太達も自己紹介。三人はこの短時間で話せるようになると一緒に空の旅を楽しむ事になるのだった。そして、それからまもなく飛行機は離陸。空へと飛び立つのであった。その様子を一輝達が展望デッキから見ていると羨ましそうにバイスが言う。
「良いなぁ。俺っちも飛行機に乗りたいぜ」
「「「行ってらっしゃい〜!」」」
「良い旅をー!!」
一輝達に見送られた飛行機は空を飛行。その場には平穏な空気が流れる。しかし、それはすぐに崩されてしまった。
「フリーズ!全員動くな!」
そこにいたのは銃を構えたアヅマとその配下の兵士達である。そして彼等はその場にいる人々を人質として取るために銃を構えて躍り出てきたのだ。
それを受けてその場の人々が混乱する中、アヅマが元太の近くへと行く。
「私の目的が達成されるまで大人しくしていろ」
「任務は順調。進路を変更してそちらに向かいます」
その瞬間、元太は一瞬にしてアヅマの銃を奪い取るとアヅマへと銃を向けた。そして叫ぶ。
「お前ら全員銃を捨てろ!乗客の皆さんは私が……」
しかし、元太の抵抗も虚しくアヅマが元太が一瞬銃を別の方向に向けた時を狙って彼へと回し蹴りを叩き込み、吹き飛ばす。
「パパさん!!」
「ぐっ……」
「……ナイストライ。五十嵐元太」
アヅマはそう言って倒れた元太へと再度銃を向ける。そして、笑みを浮かべた。
「まさか、俺が目的か?」
「ザッツライト」
こうして、人々にとって幸せな旅行となるはずだった飛行機はハイジャックされるとそのまま姿を消すのであった。
それとほぼ同時刻。幸せ湯に戻った一輝達はその事をニュースの速報で知る事になる、
『番組の途中ですが、速報です。本日、○○空港発のHP71便がハイジャックされた模様です。ハイジャックされた旅客機は……』
「……ねぇ、あれ?パパとママが乗った飛行機だよね?」
「……嘘だろ?」
「フェニックスで情報を集めてくる!」
大二が慌ててフェニックスの方へと向かう中、一輝とさくらはこの状況に混乱していた。
「わお!何この映画みたいな展開!?」
バイスがそう言う中、一輝達の方はようやく事件を知ることになる。場面は戻り、再度飛行機へ。飛行機はエリア666へと到着すると元太、そして幸実の二人がそのまま捕まって連行されていく。そして二人が連れて行かれた先はエリア666にある元研究室。アヅマ達のアジトである。
「はーい、連れてきてくれてサンキューちゃん。僕は天才科学者の外海です。よろしくどうぞ」
「お前ら、何のためにこんな……」
「まぁ目的についてはいずれ教えるよ。それに、残りの三人もこれで釣れるしね」
「まさか子供達も!?」
その瞬間、幸実の両腕に特殊な手錠がかけられた。幸実はそれを抵抗すらできずに付けることになる。
「これは……」.
「リリスの力を抑制するための特殊な手錠さ。これでもう君はリリスの加護は得られない」
リリスの力は今回の目的を遂行する上で厄介と判断されたのだろう。最初にそれを封じた辺り、用意周到と言うべきか。
すると外海の元に伝令と思わしき人が現れると耳打ちした。それを受けて彼は笑みを浮かべる。
「どうやら早くも来てくれたみたいだよ?君達の優秀な子供さん達」
時間を少し遡る。一輝とさくらは大二からの連絡を受けてフェニックスが所有する飛行場にある格納庫にまでやってきていた。
「大二、光、狩崎さん!」
「話は聞かせてもらった。協力させてもらうよ」
「ハイジャックされた飛行機の行方がわかった」
「え?もう!?」
バイスが驚く中、狩崎はとある画面を見せる。そこにはエリア666についてでてきた。
「エリア666。かつて科学研究組織、ノアが非人道的な研究を行ったとされて閉鎖された禁断の場所の一つだ。高い防御壁で囲まれた所謂要塞だね」
「……こんな壁、どうやって突破すれば……」
さくらが疑問に思う中、狩崎は自信満々で言葉を続けていく。すると格納庫のシャッターが開くとそこには巨大な戦闘用の飛行機がその姿を現す。
「デカっ!超テンション上がるんですけど!」
「フェニックスが所有する巨大飛行機です。これを使って中に侵入します!」
「光さん!」
「……犯人はアヅマと名乗る男だ」
すると狩崎が映像を見せる。そこにはアヅマの顔が映っていた。そして光が解説を続ける。
「彼は赤石同様にギフと直接契約を結んだギフテクス」
「という事は、コイツも不老不死」
「はい。長らく消息を絶っていたが、突然動き出した」
「狙いは不明だが、危険な事に変わりはない」
「絶対に乗客を、父ちゃんと母ちゃんを救出するぞ」
その言葉と共に一同が頷く。そして、狩崎はバックアップのためにこの場に留まり、光は飛行機の操縦を担当。一輝、大二、さくらが乗り込むことになった。
そして三人はフェニックスから支給された戦闘のためのスーツをその身に纏うと臨戦態勢を整え、ベルトを装着した上で飛行機に乗り込んだ。そのまま飛行機は飛び立つとエリア666の真上にまで移動。そのまま飛行機は高度を下げていく。
「準備は良いですか?三人共!」
光の問いかけに三人が頷くと飛び降りるためのハッチが開く。そして、一輝達三人とバイスはシートベルトを外すとそのままスタンプを構える。
「うぉおお!いよいよハリウッド映画みたいじゃん!」
「一気に行くぜ!」
《レックス!》
《バット!》
《コブラ!》
《Come on!レ・レ・レ・レックス!》
《Eeny, meeny, miny, moe!Eeny, meeny, miny, moe!》
《What's Coming up!? What's Coming up!?》
「「「変身!」」」
《バディアップ!》
《バーサスアップ!》
《リベラルアップ!》
《仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》
《仮面ライダーライブ!》
《仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》
三人が仮面ライダーへと変身を遂げると早速エリア666の防衛機能が行手を阻む。すかさずリバイはスタンプを使ってゲノムチェンジした。
《イーグル!》
《バディアップ!リミックス!バディアップ!》
《必殺!ミラクル!グルグル!イーグル!》
リバイとバイスはリバイスイーグルへと変化すると空中を飛び回りながら攻撃を回避。そのまま対空砲による守りを突破するとリバイとバイスはリミックス解除。イーグルゲノムのまま地上にいたギフジュニアとの戦闘を開始する。更にライブ、ジャンヌも降り立つとライブが手にしたライブガンで射撃。ジャンヌも格闘戦で攻め立てる。
ちなみに空中から降りてくるラブコフはパラシュートを下げながらのためかなりゆっくり降りてきていた。とは言っても対空砲のせいで泣く羽目になっていたが。
その頃、アジト内部では外海がのんびりと待つ中、五十嵐三兄妹がギフジュニアを圧倒するのを見ている。
「やっぱ、ギフの遺伝子を持つ者達。ギフジュニアじゃ相手にすらならないねぇ」
外海が余裕そうな顔を浮かべる中、彼が手を振ると四人の兵士達が手にバイスタンプを出してそのまま歩いていく。
「ッ!?アイツらは」
「そ。ギフジュニアじゃ正直勝てなさそうだからギフテクスを出すわけよ」
「子供達に何をするつもりなの!」
「何しよね、どうしよっか。ねぇ、どうして欲しい?ねぇねぇ」
外海が煽る中、外ではリバイ達が更にギフジュニアを次々と倒していった。
《ライオン!》
《バディアップ!》
《ラーイーオーン!》
リバイとバイスがライオンゲノムとなると炎を纏わせた拳や蹴りがライオンの爪を模した斬撃となり、ギフジュニアを斬り裂く。更にバイスも炎弾を飛ばしてギフジュニアを焼き尽くした。
《ブラキオ!》
《ブラキオー!》
リバイとバイスは続けてブラキオゲノムへと変わるとブラキオのパワーによる重い一撃を地面に叩き込んで周囲へと衝撃波を発生。その威力でギフジュニアを粉砕していく。
《必殺承認!バット!ジャスティスフィニッシュ!》
ライブもライブガンを必殺のエネルギーを高めた上で連射。そのままギフジュニアをあっという間に倒していく。
《タートル!》
《リスタイル!リバディアップ!》
《タートル!ダダダダーン!》
ジャンヌはラブコフを大砲へと変化させるとそれを装備し、すかさず必殺技を放つ。
《必殺承認!タートル!リベラルスマッシュ!》
すると大砲から放たれた亀の甲羅をジャンヌが思い切り蹴り飛ばして一気にギフジュニアへと命中させる。
《ネオバッタ!》
《飛躍を誓った!希望となった!ネオバッタ!リバイスじゃ~ないと!》
リバイとバイスはネオバッタゲノムへと変化すると超高速で突撃し、目にも止まらぬ早さで倒していった。
「ふへへ、決まったぜ」
するとそこにバイスタンプを手にした四人の兵士が現れる。そして彼等は横に並んだ。リバイとバイスはレックスゲノムに戻るとライブ、ジャンヌと共に対峙。
「ここから先は通行止めだ」
「アヅマ様のため、我々がお前らを拘束する」
《オクトパス!》
《クロサイ!》
《オオムカデ!》
《ヘッジホッグ!》
四人がバイスタンプを起動すると次々と自らに押印。その瞬間、その体がフェーズ3のデッドマンへと変化。
一人はタコのような八本の脚が全身に巻きつき、右腕には何かの放出口が存在する武装を装備。顔は人間の顔の上からタコの着ぐるみを被っている。
一人はサイのようなタイルの如き固い装を全身に纏いつつ、左腕に強靭なサイのツノのような武器を装備。重量を感じさせるような両脚に装甲から重量級のデッドマンとわかる。
一人はムカデのように体の至る所から大量の脚を模した装飾が目立ち、それらが気味の悪さを演出。更に頭部には噛み付くための大顎も存在し、オオムカデを全身で体現したかのようである。
一人は背中に大量の針山のような物を装備。逆に正面は無防備に見えるが、その分デッドマンとしての服が守りを固めている。その僅かに可愛らしいような姿とは裏腹に危険さを秘めているデッドマンと言えよう。
四人の共通として体は戦闘服のような物を着ている。こうしてリバイ達の前に四人のギフテクスが出るのだった。
また次回もお楽しみに。