仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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二人の説得 赤石の策略

夜の静寂な街。アギレラとフリオの二人はとある建物の屋上に顔を揃えると話をしていた。主にフリオが一方的に言われていたが。

 

「もう、フリオってば。どうしてあんな簡単に動揺したわけ?フェニックスに良いようにやられてさ」

 

「申し訳ありません……」

 

アギレラが溜息を吐く中、そこに赤石がやってくると二人へと話しかける。

 

「どうやらまだフェーズ5にならないようだな。アギレラ様、フリオ」

 

「何の用?長官」

 

「いやね、君達がギフ様の力を得たはずなのにどうにも本気を出さないのが腑に落ちなくてね」

 

それを聞いてフリオはどうしても悩む。そんな中、アギレラの答えは決まっていた。

 

「それなら次は確実にリバイス達を仕留める。フェーズ5としてね。それで文句無いでしょ」

 

アギレラはフェーズ5として戦う気持ちを固めており、そんな姿を見て赤石は笑みを浮かべる。彼はギフの妻となったアギレラさえも利用するつもりだったのだ。

 

「フリオよ。お前もいつまでもギフ様が待つと思うなよ?早い段階で決断を下さなければギフ様がお怒りになると忘れるな」

 

そう言って赤石が去っていく。そんな中、フリオの中の葛藤はどんどん大きくなる。

 

「フリオ」

 

「あっ、はい!何でしょう。アギレラ様」

 

「……明日はさくらちゃんと決着を付けるわ。オルテカはいないしあなたにはリバイスとライブを引きつける役目をお願いする。覚悟は固めておきなさい」

 

それから翌日を迎える。フェニックスの狩崎のいる部屋では狩崎が一人とあるUSBの中にあるデータを見ていた。

 

「狩崎。それは?」

 

「総司令官……」

 

そこに若林が来るとそのデータを見る。そこには二つのスタンプが合体し、レックスの顔を模した特殊なバイスタンプの図面が描かれていた

 

「ダディが死ぬ前に残した最後の置き土産だ。まさか、こんなバイスタンプを企画していたなんてね」

 

「……何?起動にはギフの遺伝子が必要だと?」

 

「ああ。一応設計図を元に形はそれなりにできてきたが、ギフの遺伝子が無いと使えないみたいなんだ」

 

今現在、ギフの遺伝子を宿す人間は味方側だと五十嵐一家しかいない。つまり、使うには一輝達三兄妹か元太の中の遺伝子を抜く必要がある。

 

「……アギレラかフリオを使う事はできないのか?」

 

「ワッツ?それはどういう事だい?」

 

「今の二人はギフの遺伝子を吸収している。それなら二人を味方に引き入れられればそこから二人を元の人間に戻しつつ更にこのスタンプを完成させられるんじゃないのか?」

 

その言葉を聞いて狩崎は頷く。そうなると一輝達による説得が重要になってくるだろう。

 

場面は変わり、さくらと涼の二人はアギレラを探していた。そして彼女を見つけると向かい合う。

 

「アギレラ。やっと見つけたわ」

 

「お姉ちゃん。久しぶり」

 

「……何?さくらちゃん。涼も連れてきて何をするつもりなの?まさか、戦わないとは言わないわよね?」

 

「……戦いはするわ。でも、今回はアンタの頼みで戦いをする。だからその前に一個だけこっちの頼みも聞いてもらうわ」

 

「……はぁ?」

 

アギレラは訳がわからないと言った様子だったが、涼が恐る恐るアギレラへと提案をする。

 

「お姉ちゃん。私達と一緒に遊ばない?」

 

「……!!」

 

「お姉ちゃん、デッドマンズに行ってから家族や知ってる人と遊びに行くとかして無いでしょ」

 

「アンタには戦う前にこの世界の楽しさを教えてあげるって言ってるの」

 

「……仕方ないわね。良いわ。お互いに頼みを聞く形で良いわよ」

 

それから三人は近くにある遊園地にまで移動を開始する事に。その光景を遠目から見つめていたのはアギレラの護衛のフリオだ。

 

「五十嵐さくら。アギレラ様を連れて何を?」

 

「やっぱりいた!フリオ」

 

「お前に話がある!」

 

「……お前ら」

 

フリオの元に着いたのは一輝と大二だ。フリオはそんな二人と対面すると問いかける。

 

「お前ら。俺とアギレラ様を引き離して何をする?」

 

「お前を説得に来た」

 

「俺達はこれ以上戦う必要は無いって事だ」

 

フリオはそれを聞いて疑問を浮かべる。何故自分とも戦わずに説得の道を選ぶのか。フリオには理解できなかった。

 

「何故だ?俺達は今までずっとやりあってきた敵同士。何故今更……」

 

「フェーズ5になったら、お前はもう元の人間には戻れない」

 

「俺達はフリオ、お前に生きて欲しいんだ」

 

「……俺はここまでデッドマンズとして罪を重ねてきた。今更受け入れられるかよ」

 

「だとしてもだ。お前にはその罪を償う義務がある。それに人間として生きてさえいればいつか必ずそれを誇れる日が来るはずだ」

 

そんな中、彼の脳裏にある光景が映る。それは、かつて自分が学生だった頃、仲の良かった友達にかけられたある言葉だった。

 

〜回想〜

 

「玉置〜。スマ〜イル」

 

フリオこと玉置の頬に手を当ててニッコリと笑うように口角を上げさせる彼の友達との楽しい日々。フリオはそれが何より大切だった。

 

〜現在〜

 

「……わかった。だが一つ条件がある。アギレラ様も救って欲しい」

 

それは彼女の存在に救われたフリオにとって絶対に外せない条件である。

 

「わかった。約束する」

 

フリオはそれを聞いて安心したのか一輝達の元に行こうとしたその時だった。突如として爆発と共にヘルギフテリアンとギフジュニアの群れが現れたのは。

 

「ッ!?」

 

「コイツら、赤石が呼んだのか!?」

 

「大二、ヘルギフテリアンを!」

 

「ああ!」

 

《パーフェクトウィング!》

 

《Confirmed!》

 

「変身!」

 

《FlyHigh!パーフェクトアップ!》

 

《エビリティライブ!》

 

ライブがヘルギフテリアンと戦う中、一輝もバイスを呼び出すとスタンプを取り出す。

 

「バイス、これ使うぞ!」

 

「お!それはいつぞやの!」

 

《バッタ!》

 

《Come on!バ・バ・バッタ!》

 

「変身!」

 

《バディアップ!》

 

《伝説となった!最初のバッタ!トップバッター!迫るホッパー!変身!》

 

バイスがスタンプを振り下ろすと体が液体に包まれていき、変身を完了。リバイとバイスはバッタゲノムへと変わった。

 

「一気に行くぜ!」

 

「あいよ!」

 

そのまま二人がギフジュニアと戦闘を開始。そして、残されたフリオはそれを見ていたが、そこに赤石がやってくる。

 

「赤石……」

 

「フリオよ。気をつけろ。奴等はお前を騙そうとしている。奴等の真の狙いはお前とアギレラを引き離して彼女を倒す事だ」

 

「……ッ!?」

 

それを聞いてフリオは目を見開くと慌てた様子で走っていく。それを見たリバイはどうにかしようとするが、ギフジュニアに阻まれて行く事ができなかった。

 

「クソッ。コイツら!」

 

そして赤石は笑みを浮かべるとそのまま赤黒い粒子となって三人の向かった遊園地へと移動を開始する。

 

その頃、遊園地ではさくら、涼、そして私服に着替えたアギレラの三人が仲良く楽しく遊んでいた。

 

「お姉ちゃん!次はあれに行こうよ!」

 

「えー?どうしよっかな〜」

 

「じゃあ好きなやつを順番に回していこう!」

 

アギレラは三人で遊ぶ中で普通の人間の遊びを知っていく事になる。

 

「皆楽しそう……」

 

「そうよ、ここは楽しい場所。他にも楽しい場所は沢山ある」

 

「お姉ちゃんは今までずっとデッドマンズの女王としていたから知らなかっただけ。だからもっとこういう遊びを知って欲しい」

 

それを聞いてアギレラは俯く。そんな中、楽しい時間はあっという間に流れていくと最後に三人で買ったパフェを食べる。

 

「「「美味しい!」」」

 

三人が笑顔で笑い合う中、時刻は約束の時を迎えていた。もう楽しい時間は終わりだ。アギレラが心変わりしない限り、戦わなければならない。

 

「さくら。約束は守ってもらうよ」

 

「うん、わかってる。ひとまず誰もいない所にしよう」

 

「良いわ」

 

それから三人は再度移動を開始。そして涼は被害を受けないように離れる中、さくらとアギレラは向かい合う。

 

「戦う前に聞いておくわ。遊園地、楽しめた?」

 

「まぁね。確かに人間にも楽しい遊びがあるってよくわかった。……それと、羨ましくなったわね」

 

それを聞いてさくらはもうひと押しで説得できると考えてアギレラへと声を上げる。

 

「……アギレラは本当にこれで良いの?戦いが嫌ってわけじゃ無いけど、今のアンタは震えてるわよ」

 

「ッ……」

 

アギレラはここに来て悩んでしまっていた。フェーズ5になれば確かにデッドマンズとしては進化できる。でもそれは本当に正しい事なのか……と。

 

「ねえ、さくらちゃん。涼。この世界にはもっと楽しい事が沢山あるって事だよね?」

 

「うん。お姉ちゃんが知らないだけで沢山あるよ」

 

「……私、このまま人間を捨てて良いのかな」

 

その言葉を聞いて二人は目を見開く。覚悟を決めていたはずの彼女はその気持ちがわからなくなってしまった。

 

その瞬間、さくらはアギレラへと抱きつくと彼女を優しく包み込んで説得しようとする。

 

「大丈夫。アギレラならきっとこの世界に馴染む事ができる。あなたは一人じゃ無い」

 

「お願い、お姉ちゃん。もうこんな事は終わりにしよう」

 

アギレラはそれを聞いて俯くと手にしていたスタンプを力無く落としてしまう。

 

「さくらちゃん。私、もう……」

 

「これから沢山楽しい事をしよ、アギレラ。それにあなたには待ってくれる家族がいるから。

 

二人は抱き合いを解くと和解の握手をしようとする。その瞬間だった。突如としてアギレラの目が赤く光るとさくらを突き飛ばしたのは。

 

「ッ!?アギレラ!?」

 

「何で……」

 

「うぅっ……あああっ!」

 

するとそこにいつのまにかやってきた赤石が歩いてくる。そしてさくらへと話しかけた。

 

「残念だったな。五十嵐さくら」

 

「何のつもりよ、早くアギレラを元に……」

 

「もう無理だ。ギフ様の妻でありながらギフ様を裏切った。だから彼女の中に存在するギフの遺伝子の力で彼女を強制洗脳。フェーズ5になってもらう」

 

「そんなの、アンタの勝手でしょ!」

 

「ギフ様を裏切るというのはそういう事だよ」

 

アギレラはギフの遺伝子に無理矢理体を動かされると落ちていたスタンプを拾う。

 

「嫌だ……人間に戻れなくなるのは……」

 

アギレラが苦しそうな声でそう言い、涙を流す中でギフの遺伝子に操られるとスタンプを押してしまう。

 

《クイーンビー!》

 

その瞬間、アギレラの背後に赤黒い巨大な契約書が出て金の文字でサインされる。そのまま紙がアギレラを包み込むとその姿を変化。

 

背中に蜂の羽を模した四枚に分割されたマントに黒と赤の羽織り、更に胸にはDNAのマーク。黒や黄を基調とした体は蜂の骨格のように固く、節がしっかりしたある造形で加えて、人間の素体をある程度維持しつつ下半身には黒に近い赤の折り紙を模したもので包まれていて、それはまるでアギレラのいつもの容姿に上から女王蜂の力が合わさったようだった。腰からは蜂の腹部が垂れ下がり、頭部は人間を模した物の上から蜂の頭部が装着。更に腕には振り袖のような物が付き、まるでそれは巫女姿である。こちらもオルテカの時と同じくフェーズ3の時の容姿によく似ていた。

 

「あああああっ!」

 

これにより、アギレラはクイーンビーデッドマン、フェーズ5へと進化する事になる。




また次回もお楽しみに。
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