仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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失われた記憶 赤石の覚悟

赤石達に無駄に変身回数を使わされてしまった一輝。彼は悔しそうにしつつも次で倒すためにはどうすべきか考える。

 

「どうする?赤石にまた逃げられないようにするためには……」

 

「いやいや、そんな事言っても無理じゃね?またまともにやり合ったら消耗させられるだけだから」

 

バイスの言葉に一輝は頭を悩ませる。そんな中、一輝達は幸せ湯に戻るとそこで店の裏方をするために中に入ろうとする中、幸実や元太とすれ違うと一輝は二人へと話しかける。

 

「あ、あの。お客様。銭湯は15時からですので……」

 

「「……え?」」

 

一輝がそう言った途端にその場の空気が凍りつく。そして、慌てた様子で一輝が思い出すと二人へと謝った。

 

「ごめん!父ちゃん母ちゃん!俺……どうして……」

 

一輝は自分の両親さえも忘れかけていた。もう、彼の中に記憶が殆ど残っていない証拠である。

 

「嘘だろ?まさか、父さん達の事も忘れかけてるのか?」

 

一輝が今までずっと大切にしてきた家族。それさえも忘れかけてしまったこの現状。戦いの代償は大きすぎるのだ。

 

その日の夜。一輝、大二、さくらの三人が外に出て話す中。元太と幸実の二人は重い雰囲気を出していた。

 

「一輝……俺達の事さえも忘れているなんて」

 

「あんなに私達家族の事を大事に思ってたはずなのに……どうして」

 

一輝の中の記憶の限界。それは家族の記憶さえも消失してしまうという事。

 

「記憶なくなっても一輝は俺達の家族なんだ。だから……だから……」

 

「そう簡単に……割り切れるわけないでしょ」

 

幸実は思わず涙を流してしまう。するとそこに狩崎が一人やってきた。

 

「狩崎さん」

 

「……五十嵐元太。君に話がある」

 

狩崎は二人へとある事を話した。それはギフ達が手をつけられなくなった時のために真澄が遺した最後の切り札の話だ。

 

「つまり、ギフの遺伝子を持つ者から遺伝子を抜き取ってスタンプの中に入れなければ使えないんだ」

 

「……それで俺の中の遺伝子を使うのか」

 

「ああ。決戦も近い。直前になって伝えるよりも今言っておいた方が良いと私は考えた。だから今すぐに決めなくても良い。考える時間を作るために伝えただけだからね」

 

「……」

 

狩崎からの言葉に元太が考え込む中、別の場所では一輝達の方も話をしていた。

 

「もう家族の記憶さえも残ってないのか。兄ちゃん」

 

「ごめん……。さっき余計に一回変身を使っちゃったから」

 

「おいおい。残り回数はあと二回しか無いんだぞ?もう気軽に変身なんてしてられないたろ」

 

カゲロウがそういう中、それでも一輝は残る回数でどうにかして赤石を倒すという事をやり遂げる覚悟だ。

 

「……カゲロウ、もうこうなった以上小細工なんてしていられない。俺達でアイツを倒して……世界の自由な平和を取り戻すんだ」

 

「世界のためなら……家族の事はどうなっても良いの?私達の気持ちは尊重してくれないの?」

 

「そういうわけじゃ……」

 

「そういう事になっちゃうでしょ……」

 

さくらが嗚咽混じりにそう言う。このままでは一輝の記憶の消滅は避けられない。

 

「ごめんさくら。俺はそれでもやる。やらないとダメなんだ……。この戦いに終止符を打つ。今はそれしか考えられない。思い出はまた沢山作れば良い。あと二回までなら家族の事をギリギリ覚えていられる。だから俺にも背負わせて欲しいんだ」

 

一輝の固い決意に二人は頷かざるを得ない。彼自身、怖さが無いわけではない。最早風前の灯となった彼の記憶を全て使い切って空になる前に決着を付ける。それが今の彼のやるべき事だ。

 

その頃、フェニックスの司令室では若林とヒロミの二人が赤石の捜索に全力を尽くしていた。

 

「何としてでも赤石の居場所を割り出すんだ」

 

「ああ。赤石を倒せば全てが終わる。俺たちの長い戦いが……」

 

「門田……お前に一つ提案がある」

 

「なんでしょう?」

 

若林はヒロミの方を向くと彼へとある事を告げた。それは前々から若林か決めていた事である。

 

「門田、お前が総司令官になるつもりはあるか?」

 

「……ッ!?」

 

「俺は今まで散々フェニックスの司令官として指示をしてきたが、デッドマンズの度重なる襲撃に対して私は彼らに遅れをとり続けた。その責任は取らなければならない。よって、総司令官を辞退する」

 

「俺が……後任ですか?」

 

「ああ。お前ならできると踏んでの要請だ。勿論無理であるなら断ってくれ」

 

「……この戦いが終わるまでには答えを出します。それまで待ってもらえますか?」

 

若林はヒロミからの言葉を受け入れると頷く。若林は最後の職務を全うするために全力を尽くすことを誓うことになる。

 

その頃、当の赤石は一人頭を悩ませていた。それは、深刻な戦力不足である。

 

自分でギフジュニア、ギフテリアン、ヘルギフテリアン、フェーズ3までのデッドマンを出せるとは言っても今のフェニックスの戦力の前では足止めにしかならない。幹部クラスのメンバーも他にはいないのとギフの復活のためのある作業をするためにタイミングを見計らっているのだ。

 

「……準備は念入りにしなければならない。これは恐らく私の最後の戦いになるだろうからな」

 

するとまたギフからの念話が届いてきた。その内容は彼の覚悟を問う物である。そんな中、赤石は答えを返す。

 

「赤石よ。お前の覚悟は決まったか?」

 

「はっ……。それはもうとっくに決まっております。ギフ様のためであればこの私、命をも懸けて見せましょう」

 

その瞬間、スタンプが発光すると赤石の体で進行していた石化を一時的に解除。彼を万全な態勢へと戻す。

 

「ギフ様……ありがとうございます」

 

「ただし、次に逃げることは許さない。目的を果たし、私を現世に降臨させるのだ」

 

それはつまり、もう赤石には完全に後が無くなったという事である。そして迎えた翌日。

 

狩崎は一人で真澄が眠る墓へと向かうと花束を置き、手を合わせて黙祷した。するとそこに赤石もやってくる。

 

「赤石……ダディの墓の前で何を……」

 

「安心しろ。私の目的は君を殺す事でもここを破壊することでも無い。君に大切な物があるように私にも大切な物がある」

 

赤石はそう言うと真澄の墓の隣に手を翳し、一つの小さな墓を作った。そして、そこに置いたのは古代文明が使っていたようなボロボロに古びた数珠のような物だった。

 

「それは……君が本来生きていた時代にいたもう一人のギフテクス」

 

「アヅマのだよ。私もこれから彼の元に行かなければならない」

 

狩崎はそれを聞いて目を見開く。赤石もあくまで死ぬ覚悟だと言うことだ。

 

「盛者必衰。私がよく使っていたがまさか自分が同じ立場になってしまうとは。何とも儚い」

 

「アンタにも人の心があったんだな」

 

「今回だけだよ。私はギフ様を生み出したあの時から人を捨てる決意をし、実行に移してきた。そうしなければならなかったからな。家族もいたが当然私が不老不死になった事で皆先立って行ったよ」

 

「………」

 

「それと、先に君に謝っておく。真澄博士の事、済まなかったな」

 

狩崎はそれを聞いて目を見開いた。まさか赤石から謝罪が聞けるとは誰も思わないからだろう。

 

「博士には私も大分世話になってね。ギフ様を倒す計画は立てていたみたいだが私は捨てたはずの人としての情があったのか見逃してしまった」

 

「だとしてもアンタもダディも罪を犯しすぎた。恐らくは地獄に行くだろう」

 

「だろうな。だが後悔はしていない。争いの絶えない人類を守るための選択だ。そこを後悔してしまえばきっと私の存在意義が無くなってしまう」

 

赤石はそう言い終わると狩崎に背を向けて歩いて行こうとする。狩崎はそんな赤石に向かって最後に声をかけた。

 

「アンタが消える前にそれを聞けて良かった。赤石」

 

「そうか」

 

その直後、赤石は赤黒い霧と共に街へと移動。すかさず手を振ると彼の背後にギフジュニア、ギフテリアン、ヘルギフテリアンが次々と召喚されていく。勿論それを見た人々は逃げ惑った。

 

「さぁ、五十嵐三兄妹に門田ヒロミ。最終決戦の幕を開けようか」

 

その様子はすかさずガンデフォンを使って一輝達の元に知らされる。それを受けて一輝達は幸せ湯やスカイベースを飛び出すと赤石の前に立ち塞がる。

 

「赤石!とうとう姿を現したか」

 

「ああ。もう隠れる必要は無い。お前達との決着を付ける」

 

「もう逃げないって事で良いのね?」

 

「男に二言は無い」

 

「皆、奴は俺とカゲロウで相手する。皆は手分けして街の人々を!」

 

大二が前に出るとバットバイスタンプを取り出す。そしてそれを押印した。

 

《バット!》

 

その瞬間、大二からカゲロウが出てくると横に並んだ。それを受けて一輝達もスタンプを取り出す。赤石が最期の覚悟を決めているとあれば一輝が貴重な一回を消費してもまだあと一回残る。そのため、総力戦で挑む事にした。

 

「皆、行くぞ!」

 

《バリッドレックス!》

 

《キングコブラ!》

 

《ボルケーノ!》

 

《スパイダー!》

 

《コンバイン!》

 

《Deal……》

 

《バーストアップ!》

 

《ハイパーリベラルアップ!》

 

《Decide up!》

 

「「「変身!」」」

 

《パネェツヨイ!リバイス!We are!リバイス!》

 

《インビンシブル!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》

 

《(仮面)rider Demons!》

 

一輝達はリバイ、バイス、ジャンヌ、デモンズへと変身すると赤石以外のギフジュニアやギフテリアン達と交戦を開始する事になる。そして、その場に残された大二とカゲロウは二人でツーサイドライバーを巻く。

 

「光と影。二人の戦士を最後に相手取れる事になるとは何とも面白い。だが、お前達では私を止められない」

 

その瞬間、赤石の姿が赤黒く変化するとギガデモスへと変身する。それと同時に二人はホーリーウィング、イーヴィルウィングバイスタンプを手にする。

 

「これが最後だ。赤石」

 

「俺達の力で決着をつける」

 

「「さぁ、白黒付けようぜ」」

 

《ホーリーウィング!》

 

《イーヴィルウィング!》

 

《Confirmed!》

 

《Wing to fly! Wing to fly!》

 

《ウィングアップ!》

 

「「変身!」」

 

《ホーリーアップ!》

 

《イーヴィルアップ!》

 

《Wind!Wing!Winning!ホーリー!ホーリー!ホーリー!ホーリー!ホーリーライブ!》

 

《Wrath!Wicked!Warning!イーヴィル!イーヴィル!イーヴィル!イーヴィル!イーヴィルエビル!》

 

二人はホーリーライブ及びイーヴィルエビルへと変身すると目の前に立ち塞がるギガデモスとの戦いを始めるのであった。




また次回もお楽しみに。
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