仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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親子の絆 究極のリバイス

ベイルからの言葉。それは彼の犠牲によって元太を救う事だった。それを聞いた元太は驚く。

 

「ベイル……お前……どうして」

 

「恐らくこのままではお前は間違いなく死ぬ事になる。だからその前に俺の中に残された力全てを使って足りないギフの遺伝子の分を補う。そうすればお前は残されたギフの遺伝子のおかげで再生し、生き残れるだろう」

 

「だが、そうなったらベイルは……」

 

「勿論死ぬだろうな……間違いなく」

 

ベイルの提案に元太は当然難色を示す。このままではベイルを見殺しにする事になるからだ。

 

「そんなのダメだ……。ベイルはもう俺にとって家族みたいなもので……」

 

「いや。どちらにせよ俺は犠牲になるしか無い。理由は簡単。お前が死ねば悪魔の俺も死ぬ。共倒れになるぐらいならお前が生き残れば良いというだけだ」

 

「だが……」

 

「勘違いするなよ。俺はお前に生き残って貰わないと困るから言っているんだ。俺もバイスと同じ。お前がギフの遺伝子を植え付けられなければここにいないはずの存在だ。だからこそ俺はお前のために犠牲になる。お前と俺、どちらが生き残って喜ばれるか。お前ならわかるだろ?」

 

ベイルはわかっていた。助かって喜ばれるのがどちらなのかを。そして、自分がいなくなった方が都合が良いことも。

 

「……どちらにせよ俺の体は不完全で不安定。俺はいつかひっそりといなくなる運命だったんだ。五十嵐元太よ。お前には帰るべき場所がある。そこにお前は生きて戻るって約束したんだ……だからもう不必要な俺は置いていけ」

 

元太はそれを聞いてすぐにベイルを抱くと彼へと謝罪の言葉を口にする。

 

「済まない……俺のせいで……」

 

「ふん。謝ってるんじゃねーぞ。お前がいたから俺はこうして悪魔らしい生き方を過ごせた。ついでに家族の温もりもな。俺がお前から貰ったものを考えれば俺は十分に満足した悪魔としての時間を過ごせたんだよ」

 

そして、少しずつベイルの体が消滅を始める。ベイルはもうこのままいなくなるつもりだろう。元太はそんなベイルに声をかけた。

 

「ベイル!」

 

「……何だ?相棒」

 

「……ありがとう。またな……」

 

「ふん。もう会わねーよ。純平」

 

そのままベイルの体は消滅していく。それと同時に現実世界では最早これ以上ギフの遺伝子を抜けば元太の命に関わる状況だった。しかもまだ80%程しか集まっていない。このままではスタンプの制作も元太の生存もどちらも失敗に終わってしまう。

 

「どうすれば……」

 

すると元太の中からベイルと思わしき魂が出てくるとそれが自ら新たなバイスタンプの中に吸収されていく。その刹那。ベイルの幻影が狩崎へと話しかけた。

 

「狩崎の坊主よ。俺が代わりに犠牲になってやる。お前の父親への借りもこれで返した」

 

「……!!」

 

「もう二度とお前達とは会うことも無いだろう。……先にお前の父親に伝えておく事はあるか?」

 

その時、狩崎の頭に思い出されるのは真澄との記憶。それは幼い頃に描いた十種類のバイスタンプの元になった絵を真澄と共に見る姿だった。

 

「……いいや。ダディに先に伝える事はもう無い。また私がダディの元に行った時にするよ」

 

「そうか……。ならこれ以上ここにいるつもりは無い。あばよ」

 

そう言ってベイルは完全にスタンプの中に吸収されるとギフの遺伝子の充填率が100%へ。そして、バイスタンプは光を放つと完成するのであった。

 

《ギファードレックス!》

 

そして、狩崎はそれを手にすると元太の救出を朱美に任せてそのままもう一つのリバイスドライバーと共に急いでリバイスの元に向かうのであった。

 

その頃、ギフとの戦闘を進めるリバイスは圧倒的なギフの力を前に防戦一方だった。

 

「お前如きに今更勝てると思うか?昨日それで全滅したのも忘れおって」

 

ギフが目を光らせると衝撃波がリバイスを襲う。それに対してリバイスは電撃を纏ったスピードで躱すとどうにかして近づこうとする。

 

「攻撃を喰らえば致命傷。だったら!」

 

「こっちは意地でも躱すしかねーよな!」

 

二人は息を合わせてギフからの攻めを回避し、接近するとリバイスラッシャーで斬りつける。

 

「無駄だ」

 

しかし、やはりダメージとしてはそこまで入らないのかギフは割と平然としている。そのため、リバイスはスタンプを出すとそれを押印した。

 

《バリッドレックス!》

 

《スタンプバイ!》

 

《Here We Go!Let's Go!Here We Go!Let's Go!》

 

《リバイバイスラッシュ!》

 

リバイスが放ったのは氷の斬撃。それを受けてギフは足元を凍結させられると動きを一瞬止める。

 

「今だ!」

 

《スタンプバイ!必殺承認!》

 

するとリバイスはリバイスラッシャーをオーインバスターへと分離。ボルケーノバイスタンプを使う。

 

《Here We Go!Here We Go!》

 

《ボルケーノ!スタンピングストライク!》

 

放たれた炎のエネルギー弾がギフへと命中すると爆炎が煙を生んでギフの視界を奪う。そこにすかさずリバイスがローリングバイスタンプを使って突撃する。

 

《レックス!》

 

《チャージ!》

 

《バ!バ!バ!バイス!ババババババ!バイス!》

 

《ペインティングフィニッシュ!》

 

その一撃がギフを襲うと彼を後ろへと吹き飛ばす。すかさずリバイスはチャンスを逃さずに跳び上がるとスタンプを二回倒す。

 

《爆風爆雷 GO!爆風爆雷 GO!》

 

リバイスがライダーキックを放つとギフにトドメを刺そうと攻撃をぶつける。

 

《爆爆リバイストライク!》

 

その一撃はギフにダメージとして通っているかに思えた。……しかし、当のギフはここまでのリバイスからの連続攻撃に対してそこまでダメージを負っているようには見えなかったのだ。

 

「それで終わりか?」

 

「ッ!?」

 

その瞬間、ギフが手を翳すとエネルギーがリバイスを包み込んで吹き飛ばす。

 

「うぐあっ!?」

 

そのまま何度か周囲の壁や建物、地面に叩きつけられるとリバイスはそれだけで満身創痍になってしまう。

 

「人間にしてはよくやった。だが、それがお前の限界。私には勝つ事はできない」

 

「まだだ!」

 

リバイスは立つと再びリバイスラッシャーを構えて突撃。ギフを斬りつけていく。だが必殺技でもほぼノーダメージだったのだから通常攻撃ならもっと効かないだろう。

 

「だったら!」

 

《マンモス!》

 

《コング!》

 

《ブラキオ!》

 

リバイスはスタンプを自らに押すことで無理矢理パワーを増幅。その一撃をぶつけてダメージを通そうとする。

 

「効かないと言っている」

 

しかしそれでも通じない。そのためリバイスはスタンプを更に使って速度を強化する。

 

《プテラ!》

 

《ジャッカル!》

 

《ネオバッタ!》

 

そのスピードでギフからの攻撃を躱すとすかさずスタンプを使って属性を付与した。

 

《メガロドン!》

 

《イーグル!》

 

《ライオン!》

 

リバイスから繰り出された激流、爆炎、竜巻の三つがギフに命中するとリバイスは前に出てリバイスラッシャーにスタンプのエネルギーを付与する。

 

《カンガルー!》

 

《カマキリ!》

 

《カジキ!》

 

十種類以上の生物の力を引き出した渾身の一撃はギフを斬りつけるとその身にようやくダメージを与える。

 

「ッ……」

 

「良し!これを続ければ……」

 

しかし、スタンプの力は無限では無い。効果時間が切れるとリバイスにかかっていたバフは消えてしまう。

 

「無駄な足掻きだったな」

 

ギフが手を翳すとリバイスの周囲が爆発。リバイスは直撃を受けてその場に崩れ落ちてしまった。ギフは更にリバイスを掴むとそのまま締め上げる。

 

「う……ぐうっ……」

 

「お前らが幾ら頑張っても人類は醜い争いを続ける。だからこそ私が治めてやろうとしているのに何故逆らう」

 

「確かに人類は愚かで争いを続けている。それでも……それでも俺達はお前に支配なんてされない!」

 

「理解不能だ。ならばその選択が間違いだとその身を持って味わえ」

 

その瞬間、ギフが手にエネルギーボールを生成すると掴まれて動けないリバイスへと叩き込んだ。

 

「「ぐああっ!」」

 

リバイスはそのまま変身解除。一輝とバイスとして倒れ込む。そのままギフはトドメを刺そうとした。

 

「消えよ」

 

一輝は死を覚悟し、目を瞑る。その瞬間だった。突如としてどこからともなく何かが飛来するとギフへと体当たり。ギフを怯ませると一輝は何とか立ち上がった。

 

「ぐっ……今のは……」

 

「二人共!遅くなってソーリー!それを使いたまえ!」

 

そこに狩崎が到着すると一輝はギフを攻撃したスタンプを手にする。それは狩崎真澄親子に元太、ベイルとの絆によって完成したギファードレックスバイスタンプだった。

 

「でも、俺達は最後の変身回数を使い切って……」

 

するとその瞬間、バイスの体が僅かに透けるのが一輝の視界に映る。それを見て一輝はバイスへと声をかけた。

 

「……バイス。もう一回戦うぞ」

 

「良いのかよ……家族の事、もう覚えていられる保証は……」

 

「俺はお前を信じてる。お前が取った選択で……俺とお前が幸せな終わりを迎えられるのなら……」

 

「ッ……」

 

それを聞いてバイスは一輝には全てお見通しであると察した。そして、それと同時に彼もまた笑う。自分のやりたい事をちゃんと理解してくれた相棒に。

 

「そうかよ……じゃあ仕方ねーな」

 

バイスは狩崎から投げ渡された二つ目のリバイスドライバーを手にすると二人揃ってそれを装着。

 

「この変身に使うのは……俺とバイス。俺達二人に残された最後の思い出だ」

 

「ああ。そして、俺っち達二人で紡ぐ最高の思い出。だから……」

 

「「湧いてきたぜ!」」

 

そしてスタンプを一輝が上顎部分。バイスが下顎部分を掴んで引き抜く。それによりスタンプは分割されて二人分のスタンプとなった。

 

《ギファードレックス!》

 

《ギファードレックス!》

 

二人がスイッチを押すと後ろに赤と青。二つ分のチャットが出現する。そして、そこに同じやり取りが流れると二人はスタンプに息を吹きかけてから押印する。

 

「「はぁ……」」

 

《ビッグバン!Come on!ギファードレックス!ビッグバン!Come on!ギファードレックス!》

 

すると二人の持つスタンプからエネルギーが飛び出すとそれが再度空中で合体し、巨大なレックスの頭部に変化するとそれと同時に体も出現。禍々しいオーラと共に二人の背後で咆哮を上げる。

 

「これが最後の……」

 

「ああ……。最後の!!」

 

「「変身!」」

 

二人が同じポーズを取ってからスタンプを装填するとそのまま倒す。その瞬間、音声と共に変身が開始された。

 

《アルティメットアップ!》

 

すると二人の体が磁力で引き寄せられるように合わさると一つとなり、そこに後ろのレックスが頭部で二人に被さるようにして契約の印鑑を押した。

 

《あふれ出す熱き情熱!(Overflowing Hot passion!)》

 

二人の姿がレックスゲノムへと変わると二人の前に宇宙服のような装甲が出現。それがレックスゲノムの上から二人に装着される。

 

《一体全体!表裏一体!宇宙の力は無限大!》

 

そして、最後にヘルメットが二人の頭部へと自動で移動すると二人がそれを被った。

 

《仮面ライダー!(仮面ライダー!)リバイ!バイス!Let's go!Come on!》

 

これにより、二人は変身を完了すると複眼が発光。いつものハイタッチを交わすと叫んだ。

 

《ギファー!ギファー!ギファードレックス!》

 

「自由と平和を胸に!」

 

「俺達が通るぜ!」

 

「「邪魔するんじゃねーぞ!」」

 

二人は親子の絆によって完成した最強にして究極のリバイス。アルティメットリバイスへの変身を遂げるのである。

 

「ギフ……これが本当の最後だ」

 

「俺っち達の最後の大暴れよ!」

 

「「一緒に……行くぜ!!」」

 

二人はそう言い放ち、ギフを見据える。ギフもそれを受けて立つと言わんばかりにリバイとバイスと対峙するのであった。

 

バイスタンプラリー

 

四十九話目……ギファードレックスバイスタンプ(サイドN)、ギファードレックスバイスタンプ(サイドS)




次回でいよいよ本編の最終話に突入します。リバイスIFの本編がどんな結末を迎えるのか。楽しみにしてください。また次回もお楽しみに。
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