仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

209 / 300
勝の計画 光のトレーニング

さくらが連れ去られた後。光はその場で気絶したためにブルーバードの隊員達によってスカイベースへと戻ってきた。その際に狩崎は光からデモンズドライバーを回収。また、大二の方は目を覚ましたもののカゲロウが不調に陥ったために暫く出撃はできない。

 

「狩崎、それでベルトの調整は上手く行きそうか?」

 

「ああ。あと一日待ってくれればベルトへのコーティングシステムの組み込みが終わる。それまではどれだけ相手が挑発してもまともな対応はできないけどね」

 

「そうか……先程大二が受けたツーサイドライバーへの妨害波だけしか対応のための糸口は無いが、流石狩崎だな」

 

「このくらいは楽勝さ」

 

そして、狩崎は作業に集中するために画面を切るとそこに引退していたはずの若林が来た。

 

「難航しているようだな……門田」

 

「折角引退したあなたにこのような事を頼んでしまい……申し訳ありません」

 

「いや、かつてノアで共にいた仲間がこのような真似をしてしまったのはノアという組織全体の責任だ。私にもその責任の一端があるのは当然の事だ」

 

引退した若林がこうして呼ばれたのは彼はかつてノアの一員だった事がある彼ならば敵の狙いを知る糸口を掴める可能性があるからだ。

 

「若林さん……牛島勝と光の関係……それは間違い無いんでしょうか」

 

「……俺と牛島勝とは部署が違った。……ただ、噂程度にはなるが殺された女は赤子を産んですぐに処分されたという話を聞いた事がある。それと同時に牛島勝が赤子を連れて脱走したという話も同様だ」

 

若林の言葉を聞いてヒロミは勝の言った事はやはり本当であるという事を思い知った。更に諜報部からの知らせとかも総合すると牛島勝と牛島光の関係は親子であるという証拠が次々と出る。そうなるとやはり二人は親子で間違い無いだろう。

 

「牛島勝は何を目的として五十嵐一輝を捕まえたのか……」

 

「……私の勘だが……五十嵐一輝が捕まったのは恐らく五十嵐さくらを引き摺り出して捕えることも一つの理由として挙がるだろうが、それとは別で大きな理由がもう一つあると見ている」

 

「ッ……。ギフとリリスの遺伝子を抜く事……いや、それなら大二やさくらでもできる。それに、最終的にさくらを連れ去らないとならないのなら何故始めから彼女をターゲットにしなかったんだ?」

 

ヒロミは考え込むが、やはり結果は出て来ない。すると司令室の扉が大きな音と共に開けられた。

 

二人がその方を見るとそこに大二と光が来た。ただ、光の目は怒りに血走っている。

 

「ヒロミさん、俺の本当の父さんからのメッセージは無いんですか?」

 

「光、落ち着けって」

 

「……つい先程通知された」

 

「ッ!なら、出撃命令を出してください!僕の手で一輝さんとさくらさんを……」

 

しかし、今はまだ光用のデモンズドライバーを調整中。これのコーティングが終わらない事にはどうする事もできない。

 

「ダメだ。まだベルトへのコーティングが終わってない。それが完了しない事には……」

 

「そんな悠長な事なんて言ってられませんよ!早く……早く二人を助けないと……」

 

「落ち着け、光」

 

「落ち着いてなんて……」

 

その瞬間、光は更に文句を言おうとして口籠った。確かに今焦っても何も生まれない。何も成し得ないと感じたからである。

 

「……すみません。取り乱した所をお見せしました」

 

「光、狩崎からの預かり物だ」

 

そう言ってヒロミが出したのはギラファノコギリクワガタが描かれたバイスタンプ……通称、ギラファバイスタンプだ。

 

「これは?」

 

「そのバイスタンプはお前を強化するために作られた物だ。だが、その姿に変身するためには今のお前じゃ力不足。何しろ、オーバーデモンズを更に超える負荷に耐えないといけない」

 

オーバーデモンズの時点でかなりの負荷が体に来ており、更にその上となるとそれこそ元太の変身する仮面ライダーデストリームに匹敵するかもしれない。

 

「どうして……」

 

「既存の装備では勝てないと狩崎の判断だ。だから、お前には一日猶予をやる。……そのスタンプを使えるようになってみせろ。ベルトは俺のを貸す」

 

そう言ってヒロミは自分の分のデモンズドライバーを渡す。性能的には光のデモンズドライバーと同じなので申し分は無い。

 

「それとこれもだ」

 

ヒロミは更にもう一つ別のスタンプを渡した。それはギラファバイスタンプの塗装が無い透明なスタンプだ。

 

「そっちは訓練用のスタンプになる。そのスタンプは強力だが、いかんせん未完成。仮に今変身できてもスタンプが負荷に耐えられない危険がある。だから訓練はこっちでやれ。こっちなら負荷は少し落ちるが、耐久性が高く、体を慣らすのには最適だ」

 

光はヒロミのその言葉に頷くとそのスタンプとベルトも手にして訓練室へと向かう。その後、狩崎は大二にも声をかけた。

 

「大二」

 

「はい」

 

「お前には別件で調べて欲しい事がある。それは……」

 

その後、ヒロミの指示が終わるとそれぞれが作業へと戻っていく事になった。

 

その日の夜の事。囚われたさくらは目を覚ます。そこは知らない一室だった。

 

「……うぅ……」

 

彼女は体を動かそうとするが、動かない。どうやら磔の状態で拘束されているようなのだ。そんな彼女は体を見ると所々に電極パッドが貼られており、それは何かの装置に繋がっていた。

 

「何……これ?」

 

するとそこに勝と黒ずくめのフードを被った男がやってくる。黒ずくめの方は口に変声器のような機械も装着していた。どうやら彼自身が他人に正体を明かすのはNGらしい。

 

「どうやら起きたみたいだな」

 

「アンタ達……私に何を……」

 

その瞬間、突如としてさくらへと電流が流れると彼女はその痛みに叫び声を上げた。

 

「ゔぁああっ!?」

 

その後、電流は止まったもののさくらは元々深いダメージを負ってるので体中に痛みが走っていた。

 

「こんな事をして何が目的?一輝兄を返してよ……」

 

「それは無理な相談だ。それと、五十嵐一輝ならそこにいる」

 

黒ずくめの男は指を刺すとそこには液体の入ったカプセルの中に閉じ込められた一輝がいた。ただ、両耳と鼻、口はちゃんと保護されていて目の方もゴーグルが付けられて害が無いようにされている。

 

「一輝……兄」

 

「安心しろ。彼はちゃんと生きている。ただ眠っているだけだ」

 

「一輝兄に何をしたの」

 

さくらが荒い息を吐きながらそうやって聞くと勝が一輝の処遇について話し始めた。

 

「ちょっと奴の悪魔を借りてるんだ。それで彼は目を覚さない」

 

「……はぁ?」

 

それから黒ずくめの男は説明を開始した。まず一輝が今捕まっている装置には捕えられている人間の中に存在する悪魔のデータのみを抽出する機能がある。つまり、直接的に悪魔を抜いているわけでは無いがそれと全く同じコピーを生み出しているのだ。

 

更にそのデータを勝が使っているリバイスドライバーに組み込む事で元々からいた悪魔が実験によって消えてしまった勝がリバイ、バイスとして戦う事ができるようになったのだ。

 

「何よそれ……要するに、二人で戦うためには一輝兄からバイスを取らないとダメなわ……ゔぁああっ!」

 

さくらは二人へと反論すると案の定彼女へと強い電流が流されてまた激痛に悶える。さくらはもうこの時点で意識が朦朧とするが、それでも根性で耐え切った。

 

「あまり調子に乗るな。お前の立場を弁えてもらおう」

 

「ッ……アンタ達の目的は何?」

 

「かつて雇われていた機関……ノアへの復讐だ」

 

「そのために俺の天才的な頭脳であるシステムを開発した」

 

それから黒ずくめの男が指を鳴らすと奥の方にあった暗がりの部分が照らされるとそこには何かの装置が存在した。

 

「……あれは?」

 

「我々の組織が開発した悪魔を普通の人間から強制分離するシステムだ」

 

「……え?」

 

「我々はこの施設の中に世界各地から捕えてきた奴隷人間を多数収容している。彼等の中に潜む悪意をこの装置で解き放ち、尖兵として利用するのだ」

 

つまり、捕まった奴隷人間の悪魔を自身の兵士として使おうとしているのだ。そしてその装置の中核として設置されているのがさくらが持っていたリベラドライバーだ。

 

「お前の持っていたリベラドライバーは自身が変身すると同時に悪魔を外へと放出する機能がある。それを利用し、人々から悪魔を分離。それを培養し、調教して凶悪な集団を作り上げるのだ」

 

この悪魔達を持ってしてブルーバードの戦力に対応するのが彼等の目的というわけだ。

 

「……そろそろ俺は戻らせてもらう。恐らく明日には牛島光が来るだろう」

 

「ああ。後は俺に任せておけ」

 

そう言って勝は後の事を黒ずくめの男に託されると黒ずくめの男は去っていく。

 

「アンタ……そんな駒みたいに悪魔を見て……それで上手くいくなんて……」

 

その瞬間、勝はこれ以上さくらと喋るつもりは無いのか、さくらはまた電流が流されて彼女はとうとう耐えきれずに気絶。そんな彼女を尻目に勝は笑みを浮かべる。

 

「……ククク。愚問だな。我々にはブルーバードから奪ったクローンライダーシステムがある。それで悪魔を武装して制御。デビルライダーとしてブルーバードを攻め落とす。我が悲願を果たすのだ」

 

ブルーバードから奪ったバイスタンプが勝の元にあるためにクローンライダーの理論も持っていて不自然は無い。そして、彼は光がさくらを助けに来るのをただひたすらに待つ。光を味方に引き入れて、ブルーバードを攻め落とすために。

 

それから翌日の朝。ブルーバードのスカイベースの狩崎の研究室では狩崎が悪魔阻害光線に対するコーティングを完了させていた。

 

「グーレーイト!これであの厄介な光線を無力化できる!やはり私は天っ才だ!」

 

狩崎が喜びの声を上げる中、そこにトレーニングを終えた光が出てきた様子だった。

 

「狩崎さん……」

 

「……どうやら君も準備万端そうだね」

 

光は狩崎からの言葉に頷く。そして、それを受けて狩崎は光のためのデモンズドライバーを差し出した。

 

「ヒロミから出撃許可は出ている。アジトの場所はここだ」

 

それから狩崎はアジトの場所を光へと教えた。そんな中、光は狩崎へと問いかける。

 

「狩崎さん、良いんですか?」

 

「どうせ止めても行くんだろう?……君の過去を今度こそ完全に乗り越えてみせろ」

 

「はい!」

 

光はそのまま出撃。それからブルーバードのバイクに光は乗るとそのまま単騎でアジトのある地点へと進んでいくのであった。




新年、明けましておめでとうございます。今年も仮面ライダーリバイスIFを頑張って投稿していきますのでよろしくお願いします。それではまた次回もお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。