仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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スピンオフ ジュウガ編
高田の因縁 狩崎の変化


〜二十五年前〜

 

ノアの研究施設にて。当時の研究の最高責任者であった狩崎真澄は白波純平にギフの遺伝子を移植させるための計画を立てるのと並行してベイルドライバーを開発していた。

 

「狩崎博士、頼まれた資料を持ってきました」

 

すると真澄の研究室の中に大量の資料を手にして彼の助手である高田が入ってくる。

 

「ああ、ありがとう。高田君」

 

「博士、これは……」

 

「我々の実験で生まれたはぐれ悪魔を始末するためのベルトだ。これを使えば体への巨大な負担を引き換えに超人的な戦闘力を得られる」

 

「ッ……」

 

その際、高田は真澄に対して僅かな恐怖心を抱いた。何しろ、真澄の目は完全に悪魔に乗っ取られたような狂気じみた物になっていたのだ。

 

高田はひとまず真澄へと資料を渡したためにその部屋から出ようとする。そんな時だった。真澄は高田へとある言葉をかけたのは。

 

「あ、そうだ。高田君。君はもうこの研究に一切関わらないでくれ」

 

「……え?」

 

真澄から飛び出した言葉を聞いて高田は困惑。そして、彼真澄へと思わず聞き返した。

 

「狩崎博士。それはどういう事でしょうか……」

 

「その言葉通りだ。高田君。君にはこの研究に於いて俺の助手という立ち位置を剥奪する。もう上には打診した」

 

「そんなはずは……。お言葉ですが、狩崎博士。お一人でこの研究を進めるのは難しいかと……。それに、私が抜けてしまえば……」

 

「君の助力は必要無い。指示に従わないのであればこちらにも考えがある」

 

真澄はそう言って高田を脅したために高田は自分へと背中を向けたまま話しかける真澄への悔しさを滲ませたままその場を去っていく。

 

「……失礼します」

 

高田が真澄の助手を追われてから生きた人生は悲惨な物だった。周りからは真澄の役に立てなかった能力の無さを痛い程に指摘されたのだ。それだけでなく、彼への評価も下がった。とは言え、彼自身の能力はそれなりにあったために高田はノアの海外の拠点へと左遷される事に。それでも片道切符の島流しのような物のため、彼に日の目は殆ど有り得なかった。

 

更に暫くしてノアは分解してフェニックスとデッドマンズ、ウィークエンド陣営へと分裂。高田はその際の混乱に乗じて行方を眩ませる。そこで光の父親である牛島勝と出会った。

 

それから高田は勝と共に長い時間をかけて準備を進めるとその間にウィークエンドは壊滅。そして、ブルーバードとして生まれ変わったフェニックスへと自分を売り込んだ。

 

その時、元ノアのメンバーだった者は皆無で高田の事を知る者は殆どおらず。それが逆に幸いしてアッサリと憎い真澄の息子のジョージ・狩崎の助手として就任。

 

勝に先に行動を起こさせ、自身は黒ずくめの男として影から暗躍。フェニックス改め、ブルーバードから必要な物を全て奪うとそのまま自身の拠点へと籠る事になるのだった。

 

〜現在〜

 

高田の拠点では彼がその記憶を思い出しながらとある装置へとデータを入れていた。

 

「ふふっ……勝を使って全ての準備は整った。後は……」

 

高田がデータの入力を終えると液体によって満たされたカプセルの中に眠った悪魔が姿を変えていく。

 

「ふふっ。まさかあの狩崎も予想していないだろうなぁ。もう既にクローンライダーシステムはこの私の手によって完成してしまっているとねぇ!!」

 

高田の目にはギフの面影が映っていた。それに加えて、彼の狂気じみた顔は彼の異常性を物語る事になる。それは皮肉にも彼が恐怖を感じた狩崎真澄と同じ目であった。

 

その頃、ブルーバードの司令室ではヒロミと狩崎が隊員からの報告を受けていた。

 

「高田の行方は未だ知れず……か」

 

「やはり一筋縄ではいかない物だねぇ」

 

今現在、ブルーバードの隊員達が姿を眩ました高田の行方を急いで捜索中である。奪われてしまったクローンライダーシステムを早く取り返さなければいずれ悪用されるのは目に見えているからだ。

 

「それはそうと、狩崎。光の方は大丈夫なのか?」

 

「ドントウォーリー。今の所目立った外傷も後遺症も残っていない。ゲットオーバーデモンズを長時間使った影響で無理はさせられないから出撃はダメだけど体は平気さ」

 

光は勝の一件の中で変身したゲットオーバーデモンズの極大な負荷のせいで暫く戦闘を禁止されている。彼の体ならすぐに復帰できるだろうが、ゲットオーバーデモンズが初導入されてその負荷はまだ未知の領域であるために光という貴重な戦力を壊さないように慎重な判断をされていた。

 

「さて。私は私で敵の対策を考えるとしよう」

 

狩崎がそう言って戻っていく中、ヒロミは狩崎に何かを感じると彼へと質問をした。

 

「……お前、何を考えている?」

 

「ワッツ?」

 

「今回の事件、ノアの研究員による反乱という事でお前の親父さん。……狩崎真澄が関わっていると何となくわかるが、お前もお前でどこかおかしい気がする」

 

「別に。私は平常さ」

 

その言葉を聞いてヒロミはやはり難しそうな顔つきをする。真澄と高田の関係性が今回の事件の引き金を引いたとわかってはいるものの、それが原因で狩崎も雰囲気が怪しくなっていた。ヒロミは彼も何か隠しているのではと疑いの気持ちが浮かぶ。

 

「……お前はまだ仮面ライダーとしての力を持っていない。だからお前が直接解決するのは厳しい。だが、もしお前が自分の手で解決する事を望むなら……俺達はお前を全力でサポートする」

 

「へぇ……。でもそう簡単に私を信用して良いのかい?私はデモンズドライバーの件で一度君を嵌めたんだ。また君を嵌めるかもしれないよ?」

 

そう言って狩崎は僅かに狂気に染まった顔をヒロミへと向ける。そんな狩崎が去るのと入れ替わりで大二もやってきた。

 

「ヒロミさん……」

 

「すまなかったな。会話の流れを途切れさせないように待っていたのだろう?」

 

大二は先程の二人のやり取りを途中からにはなるが聞いていた。そのため、狩崎の変化を案じているのである。

 

「それで、用件は?」

 

「はい。以前、兄ちゃんが並行世界へと飛ばされた際に奇妙な事があって」

 

「奇妙な事?」

 

「兄ちゃんが並行世界へと行く少し前と行っている間に装置に僅かですが細工がされている事がわかりました」

 

「……そうか。狩崎の言ってた通り、やはり高田は五十嵐一輝が並行世界に行った辺りから今回の件の仕上げを始めていた事になるのか」

 

高田の狙いは恐らく狩崎真澄の息子であるジョージ・狩崎だろう。となれば確実にどこかのタイミングで彼を捕まえようとするはずだ。

 

「どんな奴が相手だろうが関係無い。今度こそ俺達で白黒付けてやるよ」

 

カゲロウも大二と入れ替わるようにそう言う。ちなみに、今現在、一輝、さくら、光は出撃を止められている。

 

光は先述した通りだが、一輝とさくらはまだベルトのコーティングが必要となる事に加えて勝の計画が実行に移された際に体に影響が出ていないかメディカルチェックを受けてから結果が出ていない。そのため、体への害を考慮して出る事は難しいだろう。

 

するとそのタイミングで街で何者かが暴れているという報告が入った。その際にモニターに映ったのは驚くべき光景である。

 

「ッ……これは!」

 

同時刻。街中にいたのは一人のローブを付けた男だった。その周囲には高田の私兵と思われるメタルロイドもいる。

 

「どうやらフェニックス……いや、こちらではブルーバードでしたか。その部隊もお出ましのようですねぇ」

 

ローブの男がそう言うとデモンズトルーパー、デモンズウォーリアーの舞台が到着して戦闘体勢に入った。

 

ローブの男が手を振るとメタルロイドが一斉に進撃を開始。デモンズトルーパーはメタルロイドと交戦する。その能力はデモンズトルーパーに軍配が上がるのか、デモンズトルーパーによって次々とメタルロイドは破壊されていく。

 

「流石は狩崎博士の発明品……。こちらの兵士のメタルロイドを上回ると。ふふっ……。なら、そろそろ彼の出番と行きましょうか」

 

ローブの男が手を振ると奥から一人の男が現れた。その姿は中年の男性でサングラスをしつつ頭には麦わら帽子を被った親しみやすそうなカフェの店主の姿である。

 

「どうやら面白そうな場面になってるねぇ」

 

そう言って彼が出したのは赤い色をベースにしつつ二本のボトルを装填する場所。更に回転式のレバーも存在していた。そのまま男はベルトを装着する。

 

《エボルドライバー!》

 

男は笑みを浮かべると両手にボトルを持ってキャップを回転させて開けるとそれをベルトへと装填する事になる。

 

《ラビット!ライダーシステム!エボリューション!》

 

その後、男がベルトのレバーを回転。すると自身の前後に透明なパイプが出現。そこが赤と黒の液体で待たされると霧がかかったような見え方だが、装甲が形成。その装甲が金のリングで包まれると液体が装甲に流れ切ったのか、液は止まった。

 

《Are you ready?》

 

「変身」

 

そう言って男が言うと前後から装甲に挟まれると同時に金のリングが自身の周りを回転。その後、金のリングは消えると胸部に存在する天球儀が高速回転していたのが止まり、変身を完了。その姿は頭部が左右対称で二匹の兎が内側を向き合ったような造形に赤・青・黒・金を全て使ったド派手なカラーリングをした装甲を纏う。

 

《ラビット!ラビット! エボルラビット!フッハッハッハッハッハッハ!》

 

そこに登場したのはかつてビルドの世界を滅ぼそうとした地球外生命体。仮面ライダーエボルであった。

 

「フェーズ3……完了」

 

仮面ライダーエボルは手を翳すと凄まじい衝撃波を放ち、周囲にいたブルーバードの部隊は味方であるメタルロイドも含めてほぼ壊滅。デモンズトルーパーは何とか変身解除だけで済んだものの、部隊は戦闘不能と言って良いほどの損害である。

 

「流石は地球外生命体の力。高田という男。彼のチョイスは間違っていなかったようだねぇ」

 

そんな中、エボルは退屈そうな欠伸をするとローブの男へと質問を投げかける。

 

「なぁ、さっさと目的を果たさないのか?お前もアイツと会いたいんだろう?」

 

「それもそうですねぇ。では、早速行動を……」

 

「待て!」

 

するとそこに現れたのは五十嵐家の大黒柱とも呼べるべき存在。五十嵐元太である。彼の手にはデストリームドライバーがあった。

 

「ほう。少しは面白そうな奴が来たじゃないか。おい、アイツと遊んでからでも良いか?」

 

「高田からはさっさと捕まえろと言われていますが……良いでしょう。あなたの力を見せるべき時です」

 

「そう来なくっちゃなぁ」

 

エボルがやる気になる中、元太もベルトを装着するとスタンプを取り出して変身する。

 

《デストリームドライバー!》

 

《ヘラクレス!》

 

《Contract!》

 

「変身!」

 

《Spirit up!》

 

《Slash!Sting!Spiral!Strong!仮面ライダーデストリーム!》

 

元太は蛹のような装甲を纏ってからそれを内部から出てきた脚によって砕き、仮面ライダーデストリームへと変わる。そのまま二人は交戦を開始するのであった。




また次回もお楽しみに。
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