ジュウガがゆっくりとホモギフテクスに歩み寄るとホモギフテクスは早速手を翳してエネルギー弾を飛ばす。それはジュウガへとまともに命中すると爆発。
「ははっ。大した事ねーな!」
しかし、ジュウガはその中を怯むどころかのけぞる事さえなく歩いてくる。
「なっ!?」
ジュウガには十種類の生物の力が存在する。それまでは複数の生物の力を使っても最大三種類程度だったが、ジュウガはそれを遥かに凌ぐ十種類。得られるエネルギーも莫大な物になるだろう。
「はあっ!」
ジュウガはホモギフテクスへと近づくと拳を叩き込む。ホモギフテクスはそれを防御こそするが、圧倒的なパワーに吹き飛ばされて叩きつけられた。
「くくく……狩崎ィ。お前の変身したライダーでもこの私にはダメージ無しだ!」
だが、やはり相手はホモギフテクス。普通にやり合えば永遠に体を再生させられてしまうだろう。加えてこちらにも体力や耐久力の限界がある。攻撃を受け続ければいつかは装甲は壊れるし、そもそもそこまで体力が保つかもわからない。
「ヘェイヘェイ!」
だが、ジュウガはそんな事お構いなくホモギフテクスを攻撃。そのパワーは他のライダーをも圧倒できる程である。具体的にはエビリティライブやインビンシブルジャンヌ、更にはサンダーゲイルをも真っ向勝負で倒せる程のスペックが彼にはあった。
ジュウガの足払いで体勢を崩したホモギフテクスを飛び膝蹴りで空中に浮かせるとそのまま強烈な拳を三度叩き込んでホモギフテクスへとダメージを与えるとすかさずジュウガはスタンプを一度倒した。
《インパレスゲノムエッジ!》
その瞬間、ジュウガの脚部にエネルギーが流れ込むと超高速で移動。目にも止まらぬ速度からの連続蹴りがホモギフテクスへとぶつけられ、その体はボロボロになる。
「……そんなものかよ」
しかし、まだホモギフテクスにダメージは入らない。再生速度こそ追いつかないが、再生その物は有効なために即時回復されてしまう。
「随分としぶといねぇ」
「それが取り柄だからな!」
そこからはジュウガのワンサイドゲームとなったものの、やはりホモギフテクスにダメージは通らない。ダメージを受けた場所から時間がかかってでも即刻回復されてしまうのだ。そんな中、ジュウガの戦闘開始の時点でオルテカを含めた仮面ライダー四人は変身解除。そのまま周囲で見ていた一輝達は違和感を感じていた。
「アイツ、どうして急にクローンライダーを呼ばなくなったんだ?」
「ああ、これだけやられてるのに増援をいつまでも追加しないな」
ホモギフテクスが戦闘に入ってからどういうわけかいつでも追加投入できるはずのクローンライダーを呼ばなくなったのだ。
「何か仕掛けでもあるのかな?」
「でも、クローンライダーがいない今のうちなら……」
ジュウガとしてはクローンライダーに出てこられると数的優位を取られてしまう。その場合は一輝達も参戦してくれるだろうが、それでも不意打ちにも意識を割かないといけないので目の前にいるホモギフテクスにだけ集中できないのだ。
「どうした?狩崎ィ。攻め方が鈍ってきたんじゃねーか?」
ジュウガが未だに圧倒している状況は変わらない。それでもホモギフテクスの反撃の頻度が増えてきている。このままではいずれ逆転されるだろう。
「ならこれでも喰らってみる?」
ジュウガがスタンプを三回倒すと両腕に巨大なゴリラの拳が生成。そのままホモギフテクスを両側から押し潰すように攻撃を繰り出す。
《パワードゲノムエッジ!》
ホモギフテクスはそれに対抗するように両腕で拳を抑えようとするが、まるで意味が無く。無惨にも押し潰されて爆発。しかし、エネルギーが消えるとギャグ漫画でよくあるようなひしゃげた姿が戻るようにして復活した。
「何をしても無駄だ!この私は不滅の……うぐっ!?」
その瞬間、突如としてホモギフテクスの中で何かが変わる。それと同時に施設の別の地点から爆発音が聞こえてきた。
「ワッツ?何が起きたんだ」
「ふふっ。やっと来ましたか。私の狙い通りですよ」
その場にいる全員が混乱する中、ただ一人真は自分の思惑通りだと笑みを浮かべる。更に先程起きた轟音は何度も発生。その度にホモギフテクスに火花が散っていく。
「お、オルテカ……お前まさか!」
「さっきから高田の様子がおかしい……」
「オルテカ、アンタ何をしたのよ!」
「簡単な話ですよ。彼の無限再生の仕組みを壊しました。まぁ、手を下したのは彼女達ですけどね」
真が呑気に解説をしているとそこに仮面ライダーアギレラ、仮面ライダーフリオが姿を現す。
「破壊完了よ真」
「ったく。人使いが荒いんだよ。お前は」
「玉置!花!どうして……」
一輝はいきなり現れた真の世界のアギレラこと夏木花とフリオこと玉置豪を見て驚く。そして、その言葉を聞いて大二達も二人が自分達の知る敵だった二人では無いと認識する。
「はぁ……実は昨日ね。こっちの世界に行った真から連絡が来たのよ。自分が私達二人を移動できるようにするから指定した場所を破壊してって」
「俺達もいつかこっちの一輝さん達に借りを返そうと思っていたし、良い機会だったからな」
「なるほど、それでこっちに」
「おいおい。お前ら、指定した場所を破壊とか言ってたが……それってどこだ?」
アギレラとフリオは役割を終えたために変身解除すると大二、カゲロウが次々に問いかける。
「クローンライダー用に準備した悪魔の培養装置ですよ。ホモギフテクスの回復能力は実は無償では無いとあの男から聞きましたからね」
「まさか、その回復源って……」
「そうよ。培養された悪魔の集積装置内部にいる悪魔達。それが彼の無限回復の仕組みなの」
それはつまりどういう事か。ホモギフテクスの内部に取り込まれたギフの瞳は普通に使うだけでは超人的な力を変身者に与えるのみだった。要するにギフの瞳を取り込むだけでは高田を怪人に変える程度の力しか無かったのだ。
そのため、ギフの瞳の真の力である再生能力を使うにはダメージを肩代わりさせる受け皿のような物が必要なのだ。今回の場合、予め人々から集めた悪魔達にその役割を担わせていたのだろう。
「なるほどねぇ。自分の戦闘中は万が一にも自分を守るための悪魔を切らしてしまわないためにクローンライダーを使わなかったのか」
思えばギフ自身は元々悪魔の集合体から生まれた悪魔だ。そのため、ギフの超再生能力はおびただしい数の悪魔達の生命力がギフの棺という一つの集約装置の中に入っていたというのが彼のダメージ無効化に繋がっているのかもしれない。そして一つの装置の中に生命力が集約しているという点では今回の悪魔培養装置と一致するだろう。
「本当にあなたが愚かだったために易々と私の前でその情報を吐いてくれた。今度からは信用のある相手にだけそういう大事な事を伝えるのをお勧めしますよ。まぁ、もう手遅れかもですがね」
そう言ってホモギフテクスを思いっきり煽る真。その言葉を聞いてホモギフテクスが激昂する中、ジュウガ方もそうとわかればもう容赦はしない。
「さて、高田。可哀想だけど君を放置するわけにはいかない。終わりにしてあげよう」
ジュウガがスタンプを二回倒すと両脚に炎のエネルギーが集約。そのままホモギフテクスを駆け上がるように踏みつけると空中へとジャンプ。そのままホモギフテクスの両肩を腕で上から抑えつけるとカマキリの鎌が展開。そのまま肩へと刃を食い込ませるとその状態で炎の両脚による連続蹴りを叩き込む。
《クラッシュゲノムエッジ!》
「あがああっ!」
ホモギフテクスはそれを受けてかなりのダメージと痛みを感じた。やはり、再生源を絶ったために彼の体は再生しない。更にダメージを受けるようになったために同時に彼の体へと耐え難い痛みを走らせる。
「ヘェイ!」
そのままジュウガが接近すると連続ジャブからのアッパーを与えてホモギフテクスを空中へとひっくり返してからすぐに右脚で蹴りを命中させて吹き飛ばさせた。
「ごふあっ!?」
ホモギフテクスはあまりのダメージに苦痛の声を上げ、そんな彼を見据えたジュウガはゆっくりと歩み寄る。そんな中、ホモギフテクスは狩崎へと命乞いをした。
「た、助けてくれ!私はお前と同じ、狩崎真澄の被害者なんだ!お前ならわかるだろう?」
そうやって醜く命乞いを繰り返すホモギフテクス。そんな彼を見たジュウガは溜め息を吐く。
「アンタはやっぱりダディの見た通り。卑怯な臆病者だ。そんなあなたへと慈悲を与えたダディとそれで逆恨みをしたアンタ。そしてその傲慢な性格を直さなかったあなたは仲間と思っていた人間に裏切られた。……全て自業自得だ」
そう言うジュウガに自分への慈悲が無いことを悟ったホモギフテクスは最後の悪あがきとばかりにジュウガへと向かっていく。
「クソッ!だったらお前だけでも道連れにしてやる!狩崎ィイイ!」
ホモギフテクスが突撃してくる中、ジュウガはとあるバイスタンプを手にするとそれをベルトの左側へとスキャンさせる。
《オオムカデ!》
《アブゾーブ!カブト!》
すると待機音が鳴り響く中、ジュウガは冷静にスタンプを倒す。そこにホモギフテクスが跳び上がる。そのタイミングでジュウガはそれを躱しつつ左の複眼から発生した電撃が脚に集約。そのまま回し蹴りを放つ。
《オオムカデクロックアタック!》
その一撃はホモギフテクスへと命中するとその体を粉砕。大爆発と共に高田が倒れ込むと取り込まれていたギフの瞳が排出した。そして、それを見届けたジュウガは変身解除する。
「高田、お前はダディにも、この私にも及ばない。……ジ・エンドさ」
「ぐ……お、おのれ……だが、まだだ……ギフの瞳をもう一度取り込めば」
しかし、高田が伸ばした手の先にあったギフの瞳は無情にもオーバーダメージの影響で消滅。それと同時に高田の瞳に宿っていたギフの瞳は消滅。そのまま高田はショックで気絶し、拘束される事になる。
「これで完全に終わったね……ダディ」
狩崎が郷愁に浸っている中、一輝は今回のお礼を言おうと花達三人の元に向かう。
「花、玉置、真、今回はありがとう」
「良いって事よ。私達にとってはお互い様だし」
「それに今回の件で俺達の絆も深まったからな」
花、豪の二人が答えを返す中、真の元に行った一輝が何かを言おうとすると彼はそれを無視して狩崎の前に行った。
「さてと。前座試合も終わりましたし……狩崎博士。約束を果たしてもらいましょうか。……エキシビジョンマッチです」
「「「「「「え?」」」」」」
一同がキョトンとする中、狩崎は苦笑いして真の言葉に補足説明をする事に。
「実はさっきここに来てオルテカと会った時に今回の事件が終わったら一戦交える事が決まってね。これもデータ収集の一貫なんだと」
「御託は良いですよ。我々も元の世界に帰る必要がありますし、手短に済ませましょう」
そう言って真はデモンズドライバーを、狩崎は一度外したジュウガドライバーを。それぞれ手にすると腰に装置。そのまま睨み合うのであった。
また次回もお楽しみに。