仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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イザンギ達の目的 記憶が消えた相棒

イザンギとバリデロが幸実の悪魔であるリリスを奪っていなくなり、その場に残された五十嵐家。そんな中、一輝は瀕死の重傷を負って病院へと搬送された。

 

「一輝!しっかりして!」

 

「目を開けろ!」

 

「しっかりして、兄ちゃん!」

 

「お願いだから、目を覚ましてよ!」

 

五十嵐家の四人は一輝と共に病院について行き、未だに目を覚さない一輝へと声をかけながら病院の廊下を進んでいく。

 

それから病院のベッドの上で病室で入院者が着ているような服へと着替えた一輝は死んだように眠っていた。そこに元々着いてきたヒロミや本部に詰めていた狩崎、光も揃う。

 

「一命は取り留めたが、一輝の負った傷は深く……医者は手の施しようが無いと」

 

「そんな……一輝さん……」

 

「一輝兄が、こんな所で死ぬわけがない」

 

「勿論だ……俺とママさんの息子だからな」

 

光達が心配する中、先程まで一輝へと声をかけていた五十嵐家の四人は一輝を信じているのか。落ち着いた様子になっている。

 

「クソッ……アイツら、何故母ちゃんの悪魔、リリスを攫ったんだ」

 

「恐らく彼らは地球外生命体。何かしらの理由があって巨大な力を持つリリスが必要になったのだろう」

 

狩崎からの言葉に大二が悔しそうにする中、光は先程一輝ことリバイがたった一撃でやられてしまったあの状況に違和感を感じていた。

 

「そういえば、さっきの戦闘を確認しましたが……一輝さんが倒れる前までそこまで目立ったダメージは受けていなさそうでした。最後のあの電流が流れてから蹴られるまでは……」

 

「……恐らくだけど、あの電流が流れた時。五十嵐一輝の纏っていたライダーシステムの装甲が一時的に機能停止して消滅したんだろう」

 

「じゃあ、あの時の一輝さんはほぼ生身であのキックと岩への激突を喰らった事になるんですね」

 

たった一撃でやられてしまったのはそれが原因らしい。それがもし事実なら対象の破壊に特化した恐るべき技になる。すると幸実が一人フラリと後ろに倒れると近くのベンチにへたり込んだ。

 

「ママさん!?」

 

「大丈夫……急にリリスがいなくなったからちょっと心が不安定になってるだけよ」

 

幸実の心には二十五年前からリリスがずっと側に寄り添っていた。リリスが幸実の心を支えていたのだろう。そのためにリリスがいなくなった影響は大きな物となる。

 

「俺達でアイツらを倒すよ。父ちゃん達は……」

 

「いや、俺も戦うさ」

 

「でも……」

 

「あの時、俺は戦う事ができなかった。今回くらい、カッコ付けさせてくれ」

 

元太の目はやる気に満ちていた。彼もやられっぱなしではいられないらしい。

 

「良し、俺は本部に戻ってサポート体制を整える。光」

 

「はい。僕も皆さんと戦います」

 

「光、悪いがあのスタンプはまだ完全には調整完了していない。通常のオーバーデモンズでやれるか?」

 

「当たり前ですよ」

 

狩崎の言葉に光も頷く。彼も五十嵐家と共に戦う覚悟はとっくに決まっているらしい。

 

「私もベルトの調整を完了させ次第参戦する。……絶対に持ち堪えてくれたまえよ」

 

「兄ちゃんがこんなになってまで取り返そうとしてくれたんだ。だから絶対にリリスを取り戻すぞ」

 

大二の言葉に全員が頷く中、その頃。眠っている一輝の潜在意識の中で彼は一人、燃え盛る大地の上にいた。

 

「……ここは……」

 

一輝はその大地を踏み締める中、周囲は赤い霧のような物に染まっていた。まるで死者への道を指し示しているようである。

 

「俺は……あの時……」

 

一輝の脳裏には自分がやられてしまった光景が映る。そんな彼の前に自身の影が伸びると一つの物体が現れた。その姿に一輝は目を見開く。

 

「バイス……?バイスなのか!?」

 

一輝が声をかけるとその影は実体化。それは間違い無く以前、ギフとの決着を最後に消えてしまった自身の悪魔……バイスであった。

 

「お前は……誰だ?」

 

だが、バイスへと声をかけた一輝の顔つきは曇る。一輝の心の底にいたバイスは……記憶を失ってしまっていたのだ。

 

少し時間が経って都心の街中。上空に空間の裂け目が存在するそのすぐ近くの地上にイザンギとバリデロはいた。

 

「あの女が体内に連れていたこの巨大なエネルギー……抵抗の意思が凄まじいな」

 

どうやらイザンギやバリデロの力を持ってしてもこのエネルギーの制御には苦労していたらしい。

 

「やれやれ。こんな事になるならこのエネルギーが元々入っていたあの女を殺すべきだったか」

 

「だが、エネルギーを奪ったせいで場所はもうわからんぞ?こうなったら辺り一帯を破壊するか?」

 

「そんな事はさせない!」

 

するとイザンギ、バリデロの二人の前に五つの影が現れる。それは大二、カゲロウ、さくら、光、元太と言った仮面ライダーの変身者が勢揃いだった。

 

「理解できんな。何故同じ事を繰り返す?」

 

「人類を馬鹿にしてもらったら困るんだよ」

 

「このままアンタ達を素直に返すつもりは無いから」

 

《クワガタ!Deal……》

 

《キングコブラ!》

 

「ママさんの悪魔を絶対に取り戻す!」

 

「はっ……少しは楽しませてくれよ?」

 

《ヘラクレス!Contract!》

 

《イーヴィルウィング!Confirmed!》

 

大二以外の四人がそれぞれ言葉を発する中、最後に大二が二人に向けて言い放つ。

 

「教えてやるよ。人間って言う生き物は……どうしようも無く諦めが悪いんだよ」

 

《ホーリーウィング!ウィングアップ!》

 

五人がポーズを取ると変身前のエフェクトが出現。そして待機音が鳴り響く中、全員が変身する。

 

「「「「「変身!」」」」」

 

《仮面ライダーデストリーム!》

 

《イーヴィルエビル!》

 

《ホーリーライブ!》

 

《仮面ライダー!インビンシブル!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》

 

《仮面ライダーオーバーデモンズ!》

 

五人の戦士がこの場に集結。それを見たイザンギはそれを見て一瞥すると手を翳し、自身の前にタッチパネルのような映像を投影。そして彼はそれを操作すると画面の上にあるボタンをタップ。

 

その瞬間、彼の前に五つの転送陣が描かれると中から五体の漆黒の姿をした戦士が出現。黒い人型の素体に加えて全身には近未来のような機械仕掛けの装甲を纏っていた。ただ、全体的に簡素な見た目で胸部、腕部、脚部、両肩に鎧のような形である。尚、頭部にはヘルメットのようなパーツが装着され、目の所にはシールドのような赤い超強化ガラスが複眼として存在していた。

 

「何だあれは……」

 

「我々の元いた星で扱っている標準兵器でね。……元々私達はここからだと遥か遠くに存在する惑星……メタルキングダムの住人だった」

 

「私達そこの住人はマザーコアの力で生み出された者になる。それはお前らで言う所の親に当たる存在だ」

 

それから二人は自分達の身の上話を始めた。元々メタルキングダムは科学が発達した近未来的な都市が幾つもあったらしい。そして、全ての住人は星の深淵深くに位置する核の場所にあるマザーコアが生まれて管理されていた。だが、数年前。マザーコアは突如として寿命を迎えてしまった。元々マザーコアの役割として全ての生命を生み出すと共に星の全ての機能を担っていたためにマザーコアの停止によって星の機能は崩壊。既に活動していた住民達は皆、停止するとそこは完全な死の星となってしまう。

 

イザンギとバリデロはマザーコアの最後の力で生み出された個体であり、二人はマザーコアの生死に関係無く活動を可能とする体の代わりにマザーコアのエネルギー源となる生命体を見つける使命を得たのだ。

 

「そんなわけで私達二人は強大なエネルギーを感じ、ここに来たわけだ」

 

やはりリリスを狙ったのはその中に眠る巨大なエネルギーをマザーコアのエネルギーとして使うためだったらしい。

 

「さて、お喋りはここまでだ」

 

その瞬間、イザンギが指を鳴らすと五体の兵器達は一斉に手に銃やビームサーベルなどの武器を構える。そして開幕の合図はバリデロから繰り出された棒の先端に灯された火炎弾である。

 

「うらあっ!」

 

その火炎弾が五人の足元に着弾すると爆発。五人はそれを突き抜けるように突破すると走り出した。

 

「しばきまわしたれぇ!」

 

ラブコフがそう言って声を上げ、五体の兵器達とイザンギ、バリデロを相手にしたライダー達の戦いは始まる。

 

その頃、一輝の方では記憶が完全に抜け落ちた状態のバイスと一人向き合っていた。

 

「バイス……やっぱりあの時、俺に記憶を移したせいで記憶が無いのか?」

 

「……何だよ、そのバイスって名前。俺っちは……そんな名前だったのか?」

 

喋り方も前と全く変わらない。記憶が抜けているだけでこの悪魔はバイスのようなのだ。

 

「バイス……お前に頼みがある」

 

「………」

 

「お前の力が欲しいんだ」

 

「どうしてだよ。お前、死にかけてるんだろ?」

 

「やっぱり……わかるのか」

 

「そもそも俺っちがいるここは死への入り口みたいな物だ。見えるだろ?お前が今まで生きてきた思い出がが燃え尽きていくのがよ」

 

バイスはそう言って一輝へと素っ気なく話す。その周囲では一輝の記憶が映されており、バイスのいた部分が重点的に燃えている事がわかる。

 

「それでも、お前の力が必要なんだ。俺は家族を……大切な人達を救いたい」

 

「無理だ……どうせ勝てない。そもそも、俺っちがお前の役に立つとは到底思えない。こんな頭の中すっからかんの悪魔なんて放っておけよ」

 

そう言ってバイスはそっぽを向いてしまう。そんなバイスを見て一輝は悔しそうに唇を噛み締めた。

 

場面は再び戻ってライダー達の方へ。ライブ、エビルのコンビがイザンギ、バリデロに挑む中、ジャンヌ、オーバーデモンズ、デストリームが三人で五体の兵器を相手にしている。

 

「くっ……あの時三人がかりでやっと互角だったからか、コイツを止めるので精一杯だぞ!?」

 

「どうした?大口の割にそんな物か!」

 

バリデロはエビルへとリーチの長さを活かして攻め立てる。エビルはリバイを葬ったあの攻撃を警戒してなかなか踏み込めなかったのだ。

 

「はあっ!」

 

そして、ライブの方も銃撃を仕掛けるがそれらの弾丸は全て超高速で動くイザンギの手にキャッチされると無力化。更に瞬間移動と見間違える程のスピードで背後に回られるとエネルギーの拳を放たれてライブはそれを喰らって吹き飛ばされる。

 

「ぐあっ!?」

 

ライブが地面を転がる中、イザンギは必要以外では両腕を後ろに組んだまま余裕そうにしていた。そして、五体の兵器を相手にした三人も手数の差なのかジリジリと押されていく。

 

「コイツら、五体でしっかり連携してくるだと!?」

 

三体がビームサーベルやランス、ナックルで近接戦を仕掛ける中、それを援護するように残り二体がライフルや肩に供えられたミサイルで追撃。三人のライダーは上手く身動きが取れない状況に陥っていた。

 

「僕達三人とも近接戦が得意なライダーですからね……」

 

「ああもう!こんな奴らなんかに負けてられないわ!」

 

「アタイも頑張るで!」

 

するとジャンヌの背中に装備された刃をラブコフが操作。遠距離から援護してきた兵器へと攻撃を与えて意識を散らさせる。

 

「今だ!」

 

その間に三人は押し返すと兵器への反撃を進めていく。そんな中、バリデロとエビルの方ではエビルは何とか棒術を掻い潜って攻撃を当て始める。

 

「む……貴様、俺の動きを……」

 

「ああ。この俺がやられっぱなしでいると思うなよ?」

 

更にライブも翼を展開して空中から射撃と突撃を繰り返す事でのヒットアンドアウェイでイザンギを翻弄する手に出た。

 

「少しは頭を使ったようだな。だが!」

 

ライブが再度突撃した瞬間、いきなりイザンギは後ろに倒れ込むとライブの攻撃をスレスレで回避。ガラ空きとなった体へと電撃を纏わせたエネルギーの拳を命中させてライブを吹き飛ばした。

 

「がっ!?」

 

「大二!」

 

「余所見をするな!」

 

エビルがライブを気に掛けた一瞬でバリデロも接近。エビルがエビルブレードを振り抜こうとした隙を付いて超高速で移動。彼の背後を取る。

 

「ッ!?しまっ!」

 

「貰ったぁ!」

 

バリデロが炎を纏わせた棒を振り上げたその瞬間、突如として横からエネルギー弾がバリデロへと命中。そこにオーインバスターの銃口から上がる煙へと息を吹きかけて鎮火した狩崎が到着した。

 

「待たせたねぇ」

 

「遅ぇよ狩崎」

 

「カゲロウ、君は人数不利の空手ガール達の所に」

 

「言われなくてもわかってるぜ」

 

エビルが影の中に入ると一度その場から離脱。それと入れ替わるように狩崎が、ジュウガドライバーを装着した。

 

《ジュウガ!》

 

「さて、私も参加させてもらおう。変身!」

 

《スクランブル!仮面ライダージュウガ!Go Over……!》

 

狩崎が漆黒のオーラと共にジュウガへと変身するとそのまま戦いに参加。バリデロと交戦する。バリデロはジュウガへと容赦なく炎の棒を叩きつけるが、流石は単独での最強のライダーシステム。ジュウガの前ではそこまで大きなダメージとなり得ない。

 

「なっ!?」

 

「ヘェイヘェイ!」

 

ジュウガからの拳にバリデロは一撃で大きく後ろへと後退。その体にかなりのダメージを感じながら彼は身構える事になる。

 

また、ジャンヌ達の方ではやはり人数差で有利に立つ兵器達。三人は連携を前に次々と被弾すると兵器は畳み掛けるべく三人を包囲して一斉斉射しようと構えた。するとそこに影から出てきたエビルが不意打ち。兵器達の陣形を崩した。

 

「よぉ、お前ら」

 

「カゲロウ!」

 

「お前が来たってことは……」

 

「ああ。狩崎の野郎も参加した。一気にここを終わらせるぞ」

 

「サクッと倒す!」

 

人数差が減ってこちらの局面も押し返しにかかる。状況が目まぐるしく変わる中、一輝とバイスが対話する精神世界でも話が進む事になるのであった。




また次回もお楽しみに。
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