仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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現れる刺客達 退場するライダー

ギーツライダーがそれぞれに分かれてゴールを目指す中、リバイスライダーも別れてそれを追いかける。

 

「待て!母ちゃんの悪魔を返せ!」

 

「この野郎!ちょこまか逃げんな!」

 

リバイスは高速移動しながらギーツへと攻撃を仕掛ける。ギーツも巧みなブーストライカー捌きでそれを回避し、仮面の下で笑みを浮かべた。

 

「やるな。ならこれでどうだ!」

 

ギーツは更に加速すると近くを走るキャリアカーの隣を並走。そのタイミングでリバイスが跳び上がると必殺技を使う。

 

《ローリングライダーパンチ!》

 

「ッ!」

 

その一撃が着弾するとギーツの背負っていたリュックがキャリアカーへと飛んでいく。

 

「良し、このまま!」

 

リバイスはすかさず跳ぶととキャリアカーの荷台へと乗り込む。それと同時にギーツもバイクを乗り捨てて跳び上がり、ベルトの空いている左側にバックルを装填した。

 

《SET!》

 

《BOOST!》

 

その瞬間、ギーツの下半身にも同じように赤い装甲が装着。こちらには足首にバイクのマフラーが付いており、先程まで首から出ていた白いマフラーが金色に変化。フィーバーブーストフォームとなる。

 

「あれ?なんか下半身に装備増えてるし豪華な感じだな」

 

「へぇ。これの良さがわかるなんて。まぁ手加減はしないけどな!」

 

その瞬間、先程までとは比べ物にならない程のスピードで接近。リバイスの胸へと蹴りを叩き込む。リバイスはそれを防御姿勢を取って防ぐが、あまりのパワーに後ろに数歩下がった。それもそのはず。フィーバーブーストフォームは基礎スペックが低めのギーツライダーの中でも桁外れの力を誇る。ギーツの基礎スペック、パンチ力1.8t、キック力4.5tの数値がフィーバーブーストになるだけで26倍に跳ね上がるのだ。なのでパンチは約45t、キックは100t越えの超パワーとなる。

 

「これは油断できないな!」

 

二人が睨み合う中、接近しての格闘戦に入る。リバイスが手にしたローリングバイスタンプによるパンチを主体とする中、ギーツはそれにしっかり対応。ギフとの戦いで数々の修羅場を潜ってきたリバイスと互角にやり合った。

 

「はあっ!」

 

「だあっ!」

 

二人の拳がクロスカウンターするとお互いの胸部に命中。二人共ダメージに怯むが、すぐにまた戦闘を再開。リバイスがギーツを掴むとすぐにギーツはそれを振り払って回し蹴りを繰り出す。リバイスはそれを躱すが、攻撃が透かされた瞬間に足首のマフラーの向きが変わると炎が噴出。その勢いでギーツの蹴りが逆方向に動き、蹴りがぶつけられる。

 

「ぐっ!?」

 

「そんな物かよ」

 

「コイツ、他のライダーとは経験値そのものが違う」

 

リバイスもギーツを侮れない敵として認識すると気を引き締めた。その頃、ナーゴと商店街で追いかけっこをするジャンヌは手にラブコフが変化した剣を腰の鞘に入れて持っていた。所謂ラブコフ・ラビットゲノムである。

 

「ちょっと!待ちなさいよ!」

 

「待って欲しかったら私を捕まえてみてよ!」

 

ナーゴはそう言ってジャンヌを挑発。先程のエビルとタイクーンの戦闘を見てまともにやり合うのは分が悪いと判断したナーゴ。なので彼女は逃げに徹する事にしたのだ。

 

「ほらほら〜!」

 

「待ちなさいよ!」

 

ナーゴは一般人が普通に通る商店街に存在する荷物の乗った台車や商品棚、挙げ句の果てにトイレットペーパーの入った袋を投げたりしてジャンヌを撹乱する。

 

「逃げてばかりの臆病者!」

 

「これは私の持ってる悪魔を賭けた鬼ごっこだよ?鬼から逃げて何が悪いの〜?」

 

ナーゴはジャンヌを挑発しつつすれ違う人を上手い事利用して撹乱。更には服の掛けられた棚を飛び越えつつジャンヌの方へと倒すと彼女の視界を奪う。

 

「ちょ!?あれ?どこに……」

 

ジャンヌが何とかそれを退ける頃にはナーゴはおらず。すると上から聞こえるギターの音でジャンヌはナーゴが商店街の天井の切れ目から上に登ったと気がつく。

 

「じゃーん!」

 

「あ!いた!ちょっと!待ちなさい!」

 

ジャンヌは何とか上に登るとナーゴとの追いかけっこを再開。すると限られた狭い道の横から作業員が巨大な梯子を持ってナーゴの道を塞いでしまう。

 

「ん……しょっと!」

 

しかし、ナーゴは梯子を持ってる人が道に合流する前に無理矢理梯子の下を潜って突破。勿論作業員は驚きつつも道の合流地点にまで来てしまう。更に言えば、作業員はまだ後ろからも来ていたためにすぐにもと来た道を戻る事もできず。立ち往生してしまった。

 

「あっ!?すみません……ちょっとアンタ、卑怯よ!」

 

「バイバーイ!」

 

そう言ってナーゴはジャンヌを尻目に一人で走って行ってしまう。完全にジャンヌはしてやられた形だ。

 

同時刻。空中を逃げるハームは快適な空を旅を……できるはずが無かった。

 

「ママさんの悪魔を返せ!」

 

「あーもう!何でこんな事になるのぉおお!」

 

デストリームはプロペラで逃げるハームを飛行して追撃。ハームは何とか逃げようと建物の影を利用してデストリームの死角に入るが、まるでデストリームには見えているとばかりに背後に回っても気が付かれる。

 

「このスタンプにして正解だった。いつまでも逃げてないで返しなさい!」

 

デストリームが飛ぶ前にゲノミクスしたメガネウラという生物。それは現在のトンボの始祖と言うべき存在で数多くの複眼を持っている。なので背後に回られても気が付かれてしまうのだ。

 

「はあっ!」

 

ついでに言えば機動力ならハームよりデストリームの方が上。なのでハームへと組み付くとデストリームは目を見開く。

 

「体つきが幼い……まさか子供なのか!?」

 

「ッ!!もう、離してください!」

 

その瞬間、ハームは脚でデストリームの顔面を蹴ると星のエフェクトと共にデストリームが大きく吹き飛ばされる。

 

「なっ!?何だ今のは……」

 

「強っ!?今の、この姿の力なの?」

 

モンスターフォームの能力として純粋な格闘能力が上がる点が挙げられる。その点飛び道具は皆無だが、近接戦ならデザグラにおいて無類の強さを発揮するだろう。

 

デストリームは再び組みつこうとするが、ハームの中の人間……紬が子供という事も相まってデストリームはまともに攻撃ができなくなってしまう。

 

「しつこいですよ!」

 

《HYPER MONSTER VICTORY!》

 

ハームがモンスターバックルを二回押し込むとしつこく追跡するデストリームへと牽制のつもりでキックを放つ。すると脚から巨大なエネルギーの脚が衝撃波としてデストリームへと飛ばされる。

 

「うおっ!?危なっ!」

 

デストリームはそれをギリギリで回避するがそんなデストリームに異変が生じる。

 

「……あれ?体から力が……あっ!ゲノミクスの時間が!!」

 

そう。デストリームの飛行能力はゲノミクスによる物。そしてゲノミクスには制限時間がある。そのままデストリームの背中にあるメガネウラの武装が消失すると空にいることができずに落下し始めてしまう。

 

「うわあああっ!」

 

「あっ!」

 

ハームはそんなデストリームを見て最初こそ先を急ごうと思った。しかし、彼女の中で落下するデストリームを助けたいという気持ちが湧き出てしまう。

 

「……ッ!」

 

ハームは自ら手にしていたプロペラを手放すと落下を開始。デストリームへと手を差し伸べた。

 

「手を!!」

 

「えっ!?」

 

デストリームがハームの手を掴んだ瞬間、ハームはデストリームの下に入るようにして落下。そのまま地上に叩きつけられるとハームはいきなり感じた激痛に変身解除。デストリームも慌てて変身解除すると彼女へと声をかけた。

 

「君!?どうしてこんな事を……」

 

「良かった……怪我は無いですよね?」

 

「俺は大丈夫だ……だが、どうしてこんな事を……」

 

「私の力で救える人が目の前にいたから……ですね」

 

すると紬は体にまた痛みが走ったのか、気絶してしまう。そんな紬を元太は介抱する事になった。

 

その頃、線路を移動する電車の中ではバッファとオーバーデモンズが追いかけっこをしていた。

 

「待て!そのリュックを渡せ!」

 

「ふん。誰がお前になんか渡すか。やりたきゃ力づくで奪ってみろ!」

 

オーバーデモンズは電車内なのであまり一般人に危害は加えられないとリュックだけを的確に奪おうとする。バッファはそんなオーバーデモンズへと容赦なく攻撃をする。流石にゾンビフォームが使うチェーンソー型の専用武器、ゾンビブレイカーは使わないがそれでも脅威な事に変わりはない。

 

「ほら、どうした?奪ってみろよ!」

 

オーバーデモンズはそれでも何とかバッファの持つリュックに手を付けるとそのまま綱引き状態に。バッファはそれを見てベルトを操作する。

 

《ZOMBIE STRIKE!》

 

すると近くの電車の椅子から巨大なゾンビの腕が伸びるとバッファの右腕を掴み、引っ張る。これによりオーバーデモンズのパワーに引けを取らない力を得た。

 

「ゾンビの腕……何でもありですか?そのバックルは!」

 

「良い加減諦めろ。というか、それに悪魔は入ってないんだよ」

 

「……え?」

 

その瞬間、オーバーデモンズは手を離す。バッファは急に手を離されたことで数歩動くが、すぐに溜め息を吐くとその中身を見せる。

 

「ほらな?」

 

「ッ……だったら他の三人の誰か……」

 

オーバーデモンズは悪魔を持っていないバッファの相手はしてられないと言わんばかりに踵を返そうとするといきなり足を床から生えたゾンビの手で掴まれるとオーバーデモンズは転んでしまう。

 

「ぐっ!?」

 

「この俺に突っかかったんだ。このまま妙な壁で燃え尽きろ」

 

バッファは更にゾンビの腕を増やしてオーバーデモンズをこの場に拘束する間に壁に飲み込ませようとした。

 

「させ……るかぁあっ!」

 

しかし、オーバーデモンズのパワーがそれを許さない。オーバーデモンズはそれを振り解くと立ち上がる。

 

「僕の認識が誤っていたようですね……あなたをここで倒します」

 

「やってみろ。俺は蘇ったばかりでまた消えるわけにはいかないからな」

 

それを聞いてオーバーデモンズが仮面の下で目を見開く。するとそんな時。別の車両から何かが歩いてくる。

 

「ッ……あれは」

 

それは先程ライブとタイクーンを退場させた個体とは別の兵器だった。そしてそれもまたデザイアドライバーを付けている。

 

《GAMER DRIVER!》

 

《ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティー!アクショーン!X!》

 

すると兵器の前に五人のモノクロのゲーマーの姿が描かれた選択画面が出てくるとその中の一つが兵器に吸い込まれ、更にその前から等身大のゲーマーの姿が描かれたエフェクトが被さると漆黒の髪に紫のボディをしたアクションゲームのキャラのようなライダー……仮面ライダーゲンムが姿を現す。

 

《READY FIGHT!》

 

「やっぱりコイツも変身できるのか」

 

「ふん。誰であろうが仮面ライダーは俺がぶっ潰す!」

 

「第二の刺客は仮面ライダーゲンム!ゲンムコンポレーションの社長にして多くのガシャットの生みの親だ!さぁ、コンテニューしてでもクリアして見せろ!」

 

「まだ二十キロ地点〜。ゴールまで辿り着けるのかしら?」

 

狩崎とツムリが説明をする中、バッファとオーバーデモンズはゲンムへと立ち向かう。

 

「はあっ!」

 

「うらっ!」

 

二人がゲンムと戦う中、ゲンムは思っていたよりは強く無かった。だが、ゾンビのような動き方に戦いづらさを感じはしたが。

 

「おい。コイツは俺が相手してやる。お前はさっさと行け」

 

「でも……」

 

「俺の気が変わったんだ。お前は悪魔を持っていない俺を相手にはしていられないんだろ?丁度良いから俺の邪魔にならない内にとっとと消えろ」

 

バッファは言い方こそ棘があったが、オーバーデモンズにとって悪魔の奪還が最優先な事に変わらない。彼はこの場をバッファに任せる事にした。

 

「わかりました。お願いします」

 

「ふん。ならお前は俺と来てもらおうか!」

 

バッファはゲンムの頭を掴むとそのまま電車の扉を突き抜けるように飛び出す。その先は偶々地下の駅であり、オーバーデモンズは電車に乗ったまま先に進む事になる。

 

駅の上に出た二人は手にゾンビブレイカーとガシャコンブレイカーを手に切り結ぶ。

 

「やっぱコイツ大した事無いな!」

 

バッファはゲンムからの攻撃をゾンビの防御力で受け止めるとゾンビブレイカーで逆に斬りつけて吹き飛ばす。

 

「終わりにしてやるよ」

 

バッファがゾンビブレイカーのカバーを手で動かしてチャージ。そのままトリガーを引くとエネルギーが高まってオレンジに発光したゾンビブレイカーを振り抜く。

 

《POISON CHARGE!TACTICAL BREAK!》

 

その一撃を喰らったゲンムの胸にあるライフゲージは消え、そのままゲンムは消滅する事になる。

 

《GAME OVER!》

 

「呆気ない最期だったな……ん?」

 

するとバッファが行こうとした先にいきなり土管が出現。するとテッテレテッテッテーと言わんばかりのBGMと共にゲンムが復活した。ゲンムのライブポイントは3から2に減ったものの、唐突なコンテニューにバッファは困惑が隠せない。

 

「何だよ……ふざけんな。こんなのゾンビじゃねーか」

 

するとゲンムはその手に新たなガシャットを取り出すとそれをホルダーに装填。するとその体がゾンビのようにバグった動きを始める。

 

「何!?クソッ!」

 

バッファが困惑しつつもゲンムへと走る中、ゲンムはホルダーのスイッチを二回押してライダーキックを放つ。

 

その一撃がバッファに命中した瞬間、バッファは一撃で変身解除。ゲンムが使ったガシャット、デンジャラスゾンビの力は死を司る。そのためにバッファの耐久値を無視して一撃で死のデータを押し付けて変身解除させたのだ。

 

「ぐあっ……このっ……なっ!うわあっ!」

 

更にジャマーエリアの縮小によってバッファはエリアオーバー。脱落させられてしまうのだった。

 

《RETIRE!》

 

ゲンムはさっさとその場から去っていく。その頃、とある和風の屋敷の中。そこにいたのはゲームマスターの赤い仮面の男ことコラス。更に部屋のソファーに腰掛けた一人の青年、轟戒真だ。

 

「本当に最強の力が手に入るんだろうな?」

 

「……やってくれるさ。ギーツなら恐らくな」

 

「……ふっ。ギーツ。コイツが不敗のデザ神って奴か」

 

戒真の問いにコラスは仮面の下で冷静に答える。そして場面は再びギーツ対リバイスへ。二人はトンネル内に入っての戦闘をしており、二人は接近しての格闘戦を繰り広げる。

 

「はあっ!」

 

リバイスがローリングバイスタンプを持つ都合上、パンチによる攻めを狙うが、ギーツもそれはわかっている。なのでそれに対応する動きを見せた。

 

すると突然キャリアカーが車線を変更。二人はその変化に足場が揺れるとギーツは踏み留まるが、リバイスは振り落とされかけて何とか柱に手をかけて止まる。

 

「ッ!?危なっ!」

 

「ちょちょ、一輝どうするの!?」

 

「ラッキー。そういや、前々から持ってたこれ……丁度良いから使ってみるか!」

 

ギーツはフィーバースロットのバックルを外すとリバイスドライバーの絵が描かれたバックルを右側に装着。バックルを押し込んだ。

 

《REVICE DRIVER!》

 

《DUAL ON!》

 

《BOOST!バディアップ!オーイング!ショー二ング!ローリング!ゴーイング!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》

 

するとギーツの真上からスタンプが被せられ、その姿が変化。両肩にピンクと紫の装甲。クラッシャーはリバイのレックスゲノムと同じ。胸にはリバイ・レックスゲノムのようなカラーリングの装甲が生成。心臓の部分にはレックスの絵が描かれていた。

 

「なっ!?それはあの時の!」

 

「ってか、完全にリバイのパクリじゃん!」

 

《オーインバスター50!》

 

するとギーツはオーインバスターをガンモードで構えるとバランスを崩してギリギリ掴まっているリバイスへと連射。リバイスはそれを躱すが、未だに劣勢は変わらない。

 

「クソッ……」

 

「お前、何するんだよ!」

 

「だったら!」

 

《レックス!》

 

《バディアップ!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》

 

リバイスはレックスゲノムに変化することでバイスをキャリアカーの荷台の上に召喚。

 

「この野郎!」

 

バイスがギーツへと飛びかかり、交戦する間にリバイはキャリアカーの荷台へと復帰する。

 

「へぇ。やるじゃん」

 

その間にバイスはギーツに蹴られてリバイの所に戻ってくる。そのまま三人は睨み合うとリバイはリバイスラッシャーを取り出し、ギーツへと斬撃を仕掛ける。

 

「はあっ!」

 

ギーツは類い稀なる反射神経でそれを回避。すかさずオーインバスターで撃って対抗した。

 

「のわっ!?危ないなぁ!?」

 

バイスも何とか参加しようとするが、場所が狭いのとリバイが壁になっているせいで思うように戦闘に入れない。しかも時折りリバイを狙って撃った弾丸が後ろにいるバイスにも飛んで来るのでそれを躱すので精一杯な始末だ。この狭い場所でバイスが加勢しようとしたらギーツの背後を取るしか無い。だが、ギーツもそれをわかっているのかなるべく荷台の端っこで戦うようにしている。

 

「よっと!」

 

するとギーツが荷台の二段目に移動するとリバイもそれに合わせて上に行く。

 

ギーツはオーインバスターでリバイを撃つとリバイは突っ込むが、弾丸を防げずにリバイスラッシャーを落としてしまう。

 

「お、こぼれ武器、貰い!」

 

バイスは未だに下の段にいたのでそれを拾うとギーツにとって死角となる下側からリバイスラッシャーを分離させたオーインバスターで撃とうと構えた。

 

「はあっ!」

 

その間にリバイからのパンチを回避したギーツが倒れ込むとその背中をバイスの前に晒す。バイスはチャンスと見て下から撃つが、ギーツは両脚のマフラーからエネルギーを噴射しつつ下半身を上に逸らさせる事で攻撃を回避。リバイもいきなり下から飛んできた弾丸を避けるが、その弾丸はトンネルの天井にあった看板と天井を繋ぐ柱を破壊。そのまま看板が二段目に落下してくるとギーツとリバイの間に割って入るように落ちる。

 

「ッ!?」

 

リバイが反射的にガードする中、看板が過ぎ去る頃にはギーツはおらず。すぐに看板が飛んだ先を振り向くとギーツがオーインバスターの銃口にあるスタンプをスタンプ台に押印。すかさず銃口を再装着してリバイへと構えていた。

 

《スタンプバイ!》

 

《オーイングストライク!》

 

悪魔の顔をしたエネルギー弾がリバイへと向かうとリバイは攻撃を躱すために下の段に飛び降り、空中で爆発が起きる。それと同時に看板がキャリアカーより後ろの地面へと落下し、ギーツも下へと降りた。

 

「って、俺っちまた一輝の後ろかよ!」

 

バイスはギーツを狙う関係で荷台の前に出ていたのもあって荷台の後ろの端に降り立ったギーツ、中央に降りたリバイの更に後ろに陣取る形となってしまった。

 

「借りるぞ!」

 

リバイはバイスが分離して落としたオストデルハンマーを拾うとギーツへと向かっていく。

 

「はあっ!」

 

ギーツがその一撃を躱すと同時に車体が段差か何かで僅かに動いたせいか、ギーツとリバイの間に落ちていたリュックからリリスの入ったリュックが出てくると前へと滑っていく。

 

「バイス!リリスを!」

 

「お、バイスちゃんに活躍チャーンス!」

 

それは丁度リュックの進む先にいたバイスが受け取るために構える。ギーツもそれに気がついてすかさずオーインバスターをバイスの右脚に向けて放った。

 

「え!?あちょっ!へぶっ!!」

 

弾丸がバイスに命中するタイミングでバイスは左足を上げてしまったために思い切り前へと転ぶとリュックにこそ触れるが掴みきれずに上へと放り投げる形となってしまう。

 

「やばい!」

 

「はあっ!」

 

リバイとギーツはすかさずそれに反応。二人同時に一段目から飛び出して上へと跳び上がるとリュックを掴もうとする。そのタイミングは僅かにリバイが速く、ギーツを押し除けようとした。しかし、それでもギーツはリバイの腕を掴むとその勢いと脚のマフラーによる加速を利用して腹へと膝蹴りをぶつけてリバイを二段目の上へと落とす。そのままギーツがリュックを掴んで降り立った。

 

「っと、危ない。どうやら俺の方が一枚上手のようだったな」

 

「くっ……その悪魔を俺の家族を返してくれ」

 

「へぇ。悪魔も家族想いなんだな」

 

「いや、俺達は人間だ。悪魔なのは下にいるバイスだけ。俺達にとっては悪魔も家族の一員なんだ。……これには深いわけがあるんだ」

 

「……変わった奴だな。ただ、俺に信用して欲しいならお前の顔を見せろ」

 

それを聞いてリバイはスタンプを一度倒すとベルトから引き抜いて変身解除。それに伴ってバイスも一輝へと吸い込まれた。

 

「痛てて、もう俺っちカッコ悪……のわあっ!?」

 

「本当に人間のようだな」

 

それに合わせてギーツも変身解除。英寿へと戻ると顔を見せた。そして、一輝は更に話しかける。

 

「話せばきっとわかる。だからこうなった理由だけでも聞いてくれ」

 

「……なるほど。あの時会った奴か。……確かにこれは訳ありみたいだな」

 

英寿は一輝があの時幸せ湯の前で会った青年だと気がつくと一度話を聞く事に。その頃、商店街の方ではジャンヌが未だにナーゴを追いかけている

最中だった。

 

「あーもう!どこ行ったのよ!あの泥棒猫!」

 

ジャンヌがナーゴを完全に見失ったために当てもなく走っていると近くにあったマネキンに化けていた袮音が出てくる。

 

「ふふっ。一度いなくなってから変身解除すればもう大丈夫だよね〜」

 

そう言って袮音はジャンヌが通り過ぎたのを確認して出てくると視線の先にある人を見つける。

 

「って、あれ?沙羅さん!?」

 

「袮音ちゃん!?嘘、こんな所で……」

 

「って、ヤバい!今はそれどころじゃ無いの!ちょっと来て!」

 

袮音が出会ったのはタイクーンこと桜井景和の姉、桜井沙羅であった。袮音が慌てて沙羅を連れて近くのクレープ屋の店の中に隠れると困惑する店員を横目に台の下から外を伺った。

 

「袮音ちゃん、誰かから逃げてるの?あっ、もしかしてまたSPの二人から?」

 

「ううん。違うの。あ、でも逃げてるのは同じ……かな」

 

すると外の様子をそっと伺う袮音と沙羅。そんな彼女の前にジャンヌが戻ってくると完全に見失ったためにジャンヌは溜め息を吐きながら変身解除した。

 

「もう、あの猫本当にどこ行ったのよ……」

 

ただ、その時袮音はジャンヌの変身者ことさくらの姿を見て目を見開く。そして思わず声を上げてしまった。

 

「え!?もしかして幸せ湯のさくらちゃん!?」

 

「その声……まさかあなたが!?」

 

当然声を上げてしまったので袮音がナーゴだと気が付かれてしまう。するとそのタイミングで英寿から連絡が入った。

 

「もしもし、英寿?どうしたの?」

 

『……争うのは止めだ。どうやらちょっと訳アリらしい』

 

「……え?」

 

同時刻。気絶したハームこと紬を介抱していた元太の方にも一輝から連絡が入っていた。

 

「デザイアグランプリ?なんかよくわからない名前だけどひとまず一時休戦か。……わかった。この子は俺が責任を持ってゴールまで連れていく」

 

『お願い、父ちゃん』

 

「おう、任せとけ」

 

すると気絶していた紬が目を覚ますと体の怪我がある程度治療された後だと気がつく。

 

「ッ……これって……」

 

「気がついたか?」

 

「あっ、あなたは……ッ!?」

 

紬は体へのダメージがまだ抜けきっておらず。顔を顰めるが、それでも元太が悪魔ライダーだとわかっているので距離を取ろうとする。

 

「待ってくれ。君とはもう争うつもりは無い。ほら、信じられないんだったらこのベルトも置くから」

 

そう言ってデストリームドライバーとヘラクレスバイスタンプを地面に置いて両手を上げ、何もしないことをアピールする元太。紬はそれを見て元太を信じ、それと同時に彼女にも英寿からの連絡が入って交戦する必要が無いとわかった。

 

「えっ!?私達が運んでいたのって奥さんの悪魔なんですか!?」

 

「ああ。少し前にママさん……幸実から悪魔が奪われてしまってな。デザイアグランプリ?って奴に利用されているっぽいんだ」

 

「なるほど……って、あれ?でもだったらどうしてその悪魔さんは大人しくしているのでしょうか」

 

「それが俺にもわからないんだ。リリスは元々大人しい悪魔なんだがその中には強大な力を持つギフにも対抗できるほどの凄まじい力が眠っている。その気になればあの中からの脱出もできると思うんだが」

 

リリスが何故か大人しく捕まっている事に元太は疑問を抱いていた。リリスはギフを抑えるために生まれた悪魔。なので悪魔の中ではギフに次ぐ力の持ち主。最強フォームとなったリバイスライダーならともかく、ギーツライダーぐらいなら簡単に倒せただろう。なのにそれをしないのはリリスにも何かの意図があるのだろうか。

 

「それはそうとどうしてさっき俺を庇ったんだ?」

 

「へ?え、えっと……落ちていく元太さんを見ていたら見過ごせないような気がして……」

 

「違う。……君からは何でかわからないけど自分の命を軽く見ている感じがした」

 

「え……」

 

「言いたく無いなら言わなくても良い。でも、そんな生き方だけは絶対にしたらダメだ。君にも大切な家族がいるはずだからな」

 

しかし、紬はそれを聞いて唇を噛み締めると脳裏にある記憶を思い出す。そして、元太へと呟いた。

 

「私を思ってくれる家族なんて……もう生きてないんです」

 

「何?」

 

それから紬は過去の出来事を話し始めた。それは彼女がかつて生きていた時に姉を交通事故で失った事。その際に自分も巻き込まれたのだが、自分一人だけ助かった事。更に家族は自分なんかよりも優秀だった姉……小林雅に生き残って欲しかったと嘆いたという事だった。

 

「私の存在を認めてくれていたのは私に対して優しかった姉だけ……。でも私はその姉が瀕死で私に助けて欲しいと言った時に私は……私は何もしてあげられなかった。体も動かなくて、目の前で姉が亡くなるのを見てるだけしかできなかったんです。姉は……きっと私に助けて欲しかったのに」

 

それは紬にとってどうしても忘れられない事だった。それ以降紬は事件を生き延びた自分の存在理由を考えた。そして、デザイアグランプリに選ばれた彼女は助けられた分の恩を人を助ける事で返そうとしたのだ。そうしなければ自分が生き延びた意味は無いと、そう思ったのだ。

 

「そうか……君にも辛い事があったんだな」

 

「……私がデザイアカードに書いた願いは【家族の幸せ】なんです。それが達成できるのなら無能な私がいなくなっても良い。もう既に姉はこの世界にいませんし、そんな事になっても誰も悲しみません」

 

それは紬にできる不幸な事故によって死んだ姉への償いだと思っていた。両親も紬が助かって雅が亡くなった事実を聞いた時。医師には感謝を述べたものの、紬のいない所で紬が死ねば良かったと……そうハッキリ口にしたのだ。それを偶然聞いた彼女は……他人を助けるために自分を犠牲にするようになったのだ。

 

すると元太は紬の話を聞き終えると静かにそれを受け止めて彼女と向き合った。

 

「……紬ちゃんの過去はよくわかった。何故他人のために自分を犠牲にするのかもな。だが、俺は君が思っているように誰もが君に対して冷たい対応を取るわけじゃないと思う。……俺は元々兵器としてとある組織に利用されそうになった時。今の妻に……幸実によって救われた。君にもそんな存在がどこかにはいるはずだ。家族じゃなくても君の友達は君がいなくなったらどう思う?」

 

「……そうかもしれません。私にも友達はいます。でも、それでも私は……」

 

《SECRET MISSION CLEAR!》

 

すると二人の会話を遮るように音声が鳴ると紬の前にミッションボックスと呼ばれる箱が二つ出現。それを紬が開けると鍵盤のバックルことビートレイズバックル、スロットのバックルことフィーバースロットレイズバックルがあった。

 

「あれ?何で……スロットの方は被ってるし……」

 

すると彼女のスパイダーフォンの画面にシークレットミッションクリアの条件が出てきた。それは“自分の妨害をしてきた悪魔ライダーを最初に助ける”という物である。そのシークレットミッションが発動した裏にはカエルの置き物の姿をしたオーディエンスが関連しているのだが、それはさておこう。

 

「ひとまずここで話し過ぎるのも不味い。それと俺は君をゴールにまで送り届けるという責任がある。まずはゴールを……」

 

するとそんな二人の前にベルトを装着した兵器が姿を現した。そんな兵器はバックルを装填して変身する。

 

《DOUBLE DRIVER!サイクロン!ジョーカー!READY FIGHT!》

 

すると兵器の周囲に風が纏われると装甲が纏わりつくように変身。その姿は右側が緑、左側に黒で右肩からマフラーをたなびかせる二人で一つのライダー。仮面ライダーダブルである。

 

「ええっ!?また出てきた!?」

 

「とにかくやるぞ!変身!」

 

「はい!変身!」

 

《ヘラクレス!》

 

《SET!GYA!》

 

《仮面ライダーデストリーム!》

 

《MONSTER!READY FIGHT!》

 

元太はデストリームに、紬は右側にMONSTERの文字とそれを押し潰すように現れた二つの拳によって装甲が形成されると上半身に纏われる。その姿は両腕に巨大なグローブを装備し、下半身の時は膝に付いていた星のアーマーが肩に武装。また、黄色と青を基調とした胸アーマーにクラッシャー部にはモンスターの牙が見えるモンスターフォームとなる。二人がダブルと戦闘を開始すると狩崎がダブルの説明を開始した。

 

「さぁ、刺客はまだまだいるぞ!今度は二人で一人の仮面ライダー!仮面ライダーダブル!悪魔と相乗りする勇気。君にはあるかな〜!」

 

ダブルは風を発生させると二人を分断。デストリームが拳を繰り出すと身軽な動きでそれを足場にして跳び上がる。そのままベルトから外したメモリを右腰にあるスロットに装填。その瞬間体が二つに分裂した。

 

「って、ええっ!?体が半分に……割れたぁあっ!?」

 

そのまま繰り出される必殺キックをデストリームへと連続で叩き込む。しかし、流石にデストリームもこの程度でやられるほど弱く無い。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「ああ……だが、アイツ……強い」

 

二人がダブルにまた立ち向かおうとするとそこにコツコツと何かが歩いてくる音が聞こえた。

 

「……ああ。祭りの場所はここか。遊んでくれよ」

 

そこにいたのは騎士のような銀の仮面。コブラのような頭。黒い素体に腰にはコブラの絵が描かれたバックル。その手にはコブラの形をした杖があった。

 

「おお、こんな所に突然の乱入者!仮面ライダー王蛇!見る物全てを破壊する……人の皮を被った悪魔ぁ!」

 

狩崎が上機嫌でそう言う中、王蛇は首を鳴らすように回すとその手に蛇の尻尾を模した武器。ベノサーベルを持つ。

 

「うらっ!」

 

王蛇がハームへと接近するとその胸をサーベルで切り裂く。ハームは先程のダメージが抜けないのか痛みに悶えた。

 

「きゃあっ!?ああっ……ううっ……」

 

そんなハームへと容赦なく王蛇はサーベルを叩きつける。

 

「がふっ!?あぐうっ!」

 

ハームは王蛇相手に一方的に痛めつけられると蹴り飛ばされて地面を転がる。体からは火花が散って今にもやられそうだった。

 

「紬ちゃん!」

 

デストリームはダブルを王蛇へと投げて彼ごと倒させるとスタンプを使ってゲノミクスを使う。

 

 

《Next!》

 

《コモドドラゴン!》

 

《Dominate up!》

 

《コモドドラゴン!ネオバースト!》

 

すかさずデストリームがベルトを三回押し込むと炎を左腕のガントレットに集約する。

 

《More!コモドドラゴン!デストリームノヴァ!》

 

「はあっ!」

 

放たれた火炎弾が二人へと命中する……その瞬間、王蛇は近くにいたダブルを掴むとそれを思い切り盾にして防いだ。

 

「み、味方を盾に……」

 

「あ?そんなの近くに倒れていたコイツが悪い」

 

そう言って王蛇がダブルを投げてしまうとダブルはダメージの大きさに離脱。

 

「やあっ!」

 

その間にハームが反撃するために拳を放とうとすると今度はいきなり横から何かの液が飛んできた。

 

「きゃあっ!?」

 

ハームの装甲はそれだけで深いダメージを負い、段々と溶けていく。そこにいたのは銀色で鋼の装甲をした人型の怪物に背中には朱色で翼を展開したような物。紫の尻尾に首は紫で長く、頭部にはコブラの頭にサイのツノが生えたような怪物……ジェノサイダーであった。

 

《ユナイトベント!》

 

「さて、戦いに不慣れな小娘には死んでもらおうか」

 

《ファイナルベント!》

 

王蛇は手にした一枚のカードを杖に読み込ませると構えを取る。ハームの後ろには迫り来るジャマーエリアが見え、そのせいかいつもは攻撃対象の背後にいるジェノサイダーがいない。

 

「はあっ!」

 

王蛇はフラフラと何とか立てているような状態のハームへと走り込むと跳び上がって必殺のキック。ドゥームズデイを放つ。

 

「ううっ……こんな所で……」

 

ハームにはもう技を躱すだけの体力が無い。そのため技が直撃するかに思えた。

 

「させるかぁあっ!」

 

次の瞬間、デストリームが高速で移動するとハームを押し退けて自分が攻撃の射程に入る。それと同時に彼女へと自身から伸ばしたアームを巻きつけてから上空へと投げ飛ばした。

 

「……え?」

 

ハームが投げられたその直後、デストリームを見たハームはデストリームへとキックが命中し、そのままジャマーエリアの外へと弾かれた彼の最期を目の当たりにする。

 

「絶対に……生きろ」

 

ハームの脳裏にデストリームからの言葉が響くとそのまま彼は消滅。ハームは目を見開くと叫ばずにはいられなかった。

 

《RETIRE!》

 

「元太……さん……あああああっ!」

 

その直後、コンドルゲノミクスで空中を飛行しながら移動していたオーバーデモンズがハームをキャッチ。その場から離脱する事になる。




また次回もお楽しみに。
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