仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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幸せの絶頂 地獄の始まり

時を同じくして五十嵐家の部屋では、幸実と一輝が話をしていた。

 

「最近大活躍だってね。仮面ライダーとして事件を次々解決して……」

 

「まぁ、色々大変だけどね」

 

「……一輝は、あなた自身はそれで幸せ?」

 

その幸実からの問いに一輝の答えは決まっており、即答で返した。

 

「俺の事は後回しで良いよ。周りにいる大切な人が幸せなら……」

 

そこまで言ったところで幸実は立つと一輝の隣へと移動して一輝へと話をする。

 

「一輝らしい答えだけど、それだとダメだと思うな。……まずは自分自身が幸せでいないと」

 

「でも……」

 

「人を幸せにする前に、あなた自身が幸せになりなさい」

 

「……わかった」

 

「ホント、あんたが一番パパさんに似てるわね」

 

幸実のその言葉に元太のいつもの言動を見ている一輝は驚くとソファーから立ち上がる。

 

「えぇ……俺が父ちゃんと……?どういう所が?」

 

「……自分を大事にしない所が」

 

それを聞いた一輝は何となく納得し、それと同時に幸実は話を続けていく。

 

「そういう所が放っておけなくて……だんだん好きになったのよ」

 

「そうなんだ」

 

それから二人が就寝して暫くした後、先に寝ていたカゲロウは起きると一人部屋の外に出ていくと温泉の脱衣所にある洗面台の椅子に腰掛けて大二を鏡越しに呼び出した。

 

「おい大二。気分はどうだ?」

 

「……俺の、体を返せ……」

 

鏡に映った大二の顔つきは慌てており、荒い息をたてながら青ざめている。

 

「それは無理な相談だ。お前では俺を抑えられない……明日を楽しみにしなよ」

 

「止めろ……止めてくれ!カゲロウ!」

 

そう言って突き放すカゲロウに大二は必死で止めるように頼み込む。しかし、カゲロウが聞くはずも無かった。カゲロウは指を鳴らすと鏡に映った大二は消えてそこにはカゲロウの笑い声が響くのみだ。

 

その頃、眠っている一輝から霊体のバイスが抜け出すと狩崎のいる寝所にまで移動。バイスタンプをセットする台座に憑依して狩崎の前に姿を現す。

 

「やっぱこの状態キツイわ……」

 

「ワォ、ウェルカム」

 

「……狩ちゃん、ぶっちゃけ俺っち胸騒ぎしてるんだよ。でも一輝の奴聞いてくれなくて……」

 

「悪魔にしては良い勘してるねぇ」

 

「……一輝に何かあったら俺っちが困るんだよ」

 

バイスが困ったように狩崎に話すと狩崎は見慣れないハンマーを片手にバイスをポンと叩きながら言葉を返した。

 

「その時は、君が助けてあげれば良いんじゃない」

 

それからバイスは一輝の元へと帰っていき、翌日に時は移る。五十嵐一家の内、元太と大二以外の三人が旅館の中庭にあるプールのある場所にやってきていた。

 

「良いから良いから」

 

「ほらほらほら」

 

「何なの?」

 

一輝とさくらが幸実を急かしており、その場所に誘導。それから幸実が中庭に入った所で女将(アギレラ)、スタッフ(フリオ、オルテカ)が垂れ幕を下ろす。

 

そこには“感動のママさん大復活!五十嵐家の絆は無限大”とあり、幸実の退院を祝う言葉が書かれていた。更に女将(アギレラ)が花吹雪を舞わせて祝福する。

 

「おめでとうございます」

 

「ありがとうございます!」

 

そこに元太がスーツ姿でやってくると手にした花束を幸実へと差し出した。

 

「ママさん、退院おめでとう」

 

「パパさん、ありがとう」

 

その場には幸せの空気が流れ、それがいつまでも続くかに思えた……しかし、このタイミングで一輝とさくらは違和感を覚える。それは、このタイミングで出てくるはずの大二がいつまでも来ない事だ。手筈では大二が元太が花束を手渡した時にクラッカーで祝うのだが、それが無い。

 

「大ちゃん、何してるんだろ……」

 

「アイツ、まさかどこかに行ったんじゃ……」

 

そう言った瞬間、突如として近くで爆発が起きるとそれに五十嵐一家は驚いて一輝以外腰を抜かす。そして出てきたのは仮面ライダーエビルだった。

 

「お前……こんな時に現れるなよ!」

 

一輝が怒りを露わにする中、エビルは無言でエビルブレードを構える。それを見た一輝はすぐに家族を守るように前に出るとベルトを装着した。

 

「幸せな時間を……邪魔するな!」

 

《ライオン!》

 

一輝はエビルに対抗するためにレックスでは無くライオンバイスタンプを取り出すとそれを押印して変身する。

 

《Come on!ラ・ラ・ライオン!》

 

「変身!」

 

《バディアップ!》

 

《ガオーン!ゲットオン!野獣の王!ラーイーオーン!見ててください!俺の雄叫び!》

 

ライオンゲノムに変身した一輝とバイス。二人がエビルへと向かう中、元太、幸実、さくらは避難しようとする。だが、その時旅館の女将とスタッフ二人が回り込むとその正体を露わにした。

 

「「「グラシアス!デッドマンズ!」」」

 

そう叫んだ三人は本来のアギレラ、フリオ、オルテカの格好に変化。それを見た三人は慌てふためく。しかし、攻撃するつもりは無いのかフリオとオルテカがデッドマンになる事は無い。これは三人をこの場から逃がさないようにするための牽制である。

 

「父ちゃん、母ちゃん、さくら!っくそ!こんな時に大二は何をやってるんだよ!」

 

リバイがそう言う間もエビルは容赦なくリバイを攻撃。バイスについては適度に攻撃をするだけでリバイを集中的に狙っていた。

 

「また俺ばかり……そんなに俺が憎いのかよ!」

 

リバイはライオンバイスタンプをベルトから外すと今度はジャッカルのバイスタンプを取り出す。

 

《ジャッカル!》

 

「さっさとお前らを倒して、正体を暴いてやる!」

 

《バディアップ!》

 

《テクニカル!リズミカル!クリティカル!ジャッカル!ノンストップでクリアしてやるぜ!》

 

するとジャッカルゲノムにチェンジし、リバイはバイスに乗るとスピードを上げてエビルを撹乱しつつ反対側に陣取るアギレラ、フリオ、オルテカを攻撃しようと跳び上がる。その瞬間だった。

 

突然リバイの体が何かに拘束されると地面へと叩きつけられて変身解除してしまう。

 

「ぐはあっ……」

 

「な、何……今の……」

 

「おや、あなたも来ていたんですか」

 

「今は出てこなくて良いわ。あんまり手を出すとアイツに殺されるわよ」

 

そう言ってアギレラが一輝を攻撃した何かを制するとその何かは去っていく。それを見たエビルは一度舌打ちしてから気を取り直して変身を解く。その姿を見て五十嵐家は驚きの声を上げた。

 

「嘘……でしょ」

 

「大二!?なんで」

 

すると変身解除したエビルから出てきたのは大二(カゲロウ)であった。この光景に五十嵐家の面々は驚きを浮かべる。

 

「そんな……どうして」

 

「やっぱりそうだったか!」

 

バイスがそんな声を上げる中、大二(カゲロウ)はその姿を黒い服へと一瞬にして変えると変身解除して倒れている一輝を蹴り上げた。

 

「うぐっ!?」

 

「大二、何をしてるか分かってるのか!」

 

「ああ……これで良いんだよ」

 

それからカゲロウは先程ベルトから抜いたバットバイスタンプを再び手にする。

 

「優しい弟のフリも今この時を持って終わりだ」

 

カゲロウはスタンプのスイッチを押すとそれをベルト左側に付いている二つの顔が向かい合ったような絵が描かれている部分に押印。

 

《バット!》

 

《Confirmed!》

 

するとカゲロウの影が伸びると大量の蝙蝠が飛び出す。それらは周囲を飛び回りながら周りの人間を威嚇した。それに元太、幸実、さくらは恐怖のあまり再び腰を抜かしてしまう。

 

「……変身」

 

続けてカゲロウがポーズをとってからスタンプをベルトに装填。すると待機音が鳴り響く。

 

《Eeny, meeny, miny, moe…Eeny, meeny, miny, moe…》

 

すかさずカゲロウはベルトに付いているブレードを引き抜き、抜刀。それからエビルブレードのトリガーを引く。

 

《バーサスアップ!》

 

その瞬間、蝙蝠が集まっていくと巨大な翼の生えたスタンプに変化。それがカゲロウへと落ちると翼が巻き付くように畳まれて中が緑の液体で満たされる。

 

《Madness!Hopeless!Darkness!バット!仮面ライダーエビル!》

 

その液体がカゲロウに纏わり付くと装甲を形成。最後にエビルブレードで切り裂くようにスタンプを破壊して仮面ライダーエビル、バットゲノムが登場した。

 

仮面ライダーエビルの特徴として、変身者のマイナスエネルギーを増幅させることで変身を可能としている。カゲロウは悪魔であるのでカゲロウの内部の負のエネルギーを使い、変身するのがエビルと言うことだ。

 

「嘘だろ……大二……」

 

「なんで、大ちゃんが……」

 

するとエビルはゆっくりと一輝へと近づくと一輝を踏みつける。その痛みに一輝が悶える中、バイスは必死に止めようとするが霊体のためにどうする事もできない。

 

「おい!一輝を虐めるな!」

 

「大二!家族に何するんだ!止めろ!」

 

そう言って元太がエビルへと掴み掛かるが簡単にそれは引き剥がされるとプールへと投げられた。

 

「うわっ!」

 

「大二!やめて!」

 

幸実がそう叫ぶものの、エビルは止める事をしない。さくらはいきなり水の中に落ちて溺れかける元太を助けようとし、その様子をデッドマンズの三人は嬉しそうに見ていた。

 

そこにようやく駆けつけたヒロミ、光、狩崎が登場する。

 

「そこまでだ!」

 

「……我が命を懸けて……五十嵐大二!貴様を止める!」

 

《スパイダー!Deal……》

 

「変身!」

 

ヒロミが液晶にスタンプを押印するとそのまま虚空から現れた蜘蛛が出した糸に絡み取られていく。

 

《Decide up!》

 

《Deep.(深く) Drop.(落ちる) Danger……(危機)(仮面)rider Demons!》

 

ヒロミがデモンズに変身し、エビルを止めに入ろうとしたその時、再び轟音が鳴り響くと旅館の方から下半身は爬虫類のようなオレンジの鱗に包まれ、上半身は青の折り紙の装甲を纏い、両腕のグローブにデッドマン固有の顔を二つ持った通称……コングデッドマンのフェーズ1が現れるとデモンズを攻撃し始める。

 

「邪魔をするな!」

 

「邪魔をしてるのはお前だ。……まぁ、お前は大人しくそいつと戯れあってろ」

 

エビルがそう言う中、元太を引き上げたさくらがアギレラへと走っていく。

 

「あんた達、絶対許さない!」

 

それから空手で習った洗練された動きでアギレラへと拳や回し蹴りを繰り出すが、それはことごとく躱されて逆に頬に平手打ちを喰らってしまう。

 

「あぐっ!」

 

「バイバイ、さくらちゃん。また会おうね」

 

そう言ってアギレラ、フリオ、オルテカは撤退。そして残されたエビルが再び一輝を掴むと笑みを浮かべていた。

 

「どんな気分だ?家族の前での公開処刑される気分は」

 

「くっ……」

 

「オラァ!」

 

それからエビルに投げられた一輝へと霊体のバイスが話しかける。

 

「何やってるんだよ!変身だ一輝!」

 

「でも……」

 

「そんな事言ってる場合か!家族がバラバラになっちまうぞ」

 

バイスにそう言われた一輝はとうとう覚悟を決めるとレックスバイスタンプを手にした。

 

《レックス!》

 

「……変身!」

 

《バディアップ!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》

 

一輝とバイスは再度変身すると今度はレックスゲノムとしてエビルへと向かっていく事になる。それをからエビルを二人で拘束して旅館から引き剥がしていく。その後を狩崎と光も追いかけていくのであった。




また次回もお楽しみに。
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