仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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今回から暴太郎戦隊・ドンブラザーズとの新たなスピンオフ。悪魔な暴れ野郎編が始まります。正直、あのカオス空気を上手く描けるかわかりませんが、一つの挑戦と思って優しい目で見ていただけるとありがたいです。それではどうぞ!


スピンオフ 悪魔な暴れ野郎編
歪む世界 見知らぬ人々


ギーツ達との共闘を終えて数週間。一輝達は平和な日常を過ごしていた。バイスは復活し、一輝は銭湯を手伝いながら趣味であるサッカーを楽しむ。家族は全員健在で一輝の彼女である桶谷彩夏との交際も順調。全てが上手く行っていた。

 

「さーて、今日も良い天気!」

 

「ふへへ、俺っち今日も絶好調!」

 

バイスが霊体で喜びを伝える中、そんな一輝がいる幸せ湯の前に一台のトラックがやってくるとそこから一人の青年が降りてくる。

 

「……あれ?誰か荷物の配達でも頼んだっけか?」

 

「いや。俺っちは違うよ?」

 

一輝は特に何も頼んでいないはずなのにいきなりやってきた配達員とそのトラックに驚いていた。

 

「あのー!」

 

一輝が声をかけるとそこに荷台に荷物を取りに行った一人の青年が荷物の入った箱を手にまた一輝の前にやってくる。

 

「……えっと、すみません」

 

「ふっ……今俺を見たな?」

 

「「……はい?」」

 

一輝とバイスが青年のその言葉に訳がわからずに硬直。そして、そんな二人を置いてきぼりにするように青年は笑みを浮かべる。

 

「これでお前と俺の間に縁が出来た。それと、住所はしっかりとここになっている。四の五の言わずに受け取れ」

 

そう言って青年はそう言って一輝が了承する前に荷物を渡してしまった。ただ、流石に頼んでいない物を受け取るわけにはいかないと一輝は何とかそれを拒否、及び返そうとする。

 

「待ってください。頼んでいない物を受け取るわけには……」

 

「縁があったのならまた会おう。……あ、それとその時のために覚えておけ。俺の名前は桃井タロウだ」

 

一輝は青年、桃井タロウの言葉に完全に呆気に取られてしまっていた。そのままタロウはトラックに乗ると走り去ってしまう。

 

「何だったんだよアイツ」

 

「悪い奴じゃ無さそうなんだけど……てか、住所がちゃんとここになってるな。……何で?」

 

それから一輝が幸せ湯のロビーに入ると開店のための準備を始める事に。そこにさくらもやってきた。

 

「一輝兄。どうしたの?」

 

「いや、頼んで無い荷物が届いたんだよ。差し出し人も初めて見る名前でさ」

 

そこに書いてあったのは赤の他人の名前だった。しかし、書かれている届け先住所は何度見直してもしっかりとこの場所だ。

 

「送る人が間違えて書いたんじゃない?」

 

「……なら良いんだけどさ」

 

それから一輝が箱を開けるとそこにあったのは箱詰めされた桃であった。そのため一輝は首を傾げる。

 

「……桃?」

 

「うっひょー!美味しそうな桃だなぁ!」

 

すると一輝の背後のテレビにはとあるニュースが映っていた。そこにあるタイトルは指名手配犯。未だ捕まらずというタイトルである。

 

「あれ?未だ捕まらず?……昨日までこんな指名手配犯なんていなかったけど」

 

「そういえば……。そもそも犬塚翼なんて人、私も初めて聞くわね」

 

さくらがスマホを操作して情報を引き出すとそこにはニュースと同じ事が書かれていた。ただ、罪の中身に関しては何も言及があらず。有耶無耶になっている。

 

「逃亡犯になる程何をしたんだろ……」

 

「いや、ニュースでもそこの詳しい言及が無いんだよな。でも警察が動く程何だから余程悪い事をしたんじゃない?」

 

すると一輝がロビーにある時計で時間を見ると彼はさくらへと問いかける事にした。

 

「そういえばさくら。今日平日だし時間的に学校大丈夫か?」

 

「って、ヤバッ!早く準備しないとじゃん!」

 

慌ててさくらが学校の準備をするために急いで部屋へと戻っていく。そんな中、幸実が出てくるとさくらへと声をかけた。

 

「さくら〜、朝ご飯はできてるし弁当は詰めておいたから」

 

「ありがとうママ!パパはどこ行ったか知らないけど……」

 

「何だか気になる喫茶店がさっき外を散歩していたら見つかったらしいからぶーさんと二人で潜入調査をするって言ってたわね」

 

「それって名前は?」

 

「えっと……確かどんぶら?って名前だったかしら」

 

『いつの間にやら妙な名前のお店ができてるなぁ……』

 

バイスがガンデフォン越しに半ば呆れた感じでそう言う中、さくらはご飯を食べてから準備を終えて出発する事になる。

 

「行ってきます!」

 

「「行ってらっしゃい!」」

 

それからさくらが慌てて走っていくと彼と一人の青年がすれ違った。そして、青年は俳句を口にする。

 

「朝、急いで学校へと登校する彼女の姿に一句。“冬の朝 寝坊しかけて 急ぎ足”。彼女がこのように遅刻を避けるために走るのもまた運命」

 

そんな詩人こと猿原真一は走っていくさくらの姿を見届けるのであった。その頃、どんぶらと呼ばれる喫茶店。そこでは元太とぶーさんが調査という名目で楽しみに来ていた。

 

「ここが今日来たらいきなりできていた喫茶店か」

 

「元ちゃん。折角来たのは良いんだが……まだ開いてないぞ」

 

ぶーさんからの言葉を聞いてその場には微妙な空気が流れる。店の看板に書いてある開店時間にはまだ早い時間であった。すると店の扉が開くとこの喫茶店のマスターと思われる黒い服を着て白い小さなネクタイを付けた男が物静かに出てくる。

 

「お客様、申し訳ありません。開店時間までもう少しお待ちください」

 

「「……はい」」

 

二人は敢えなく門前払いをさせられる羽目に遭った。そのために二人は一度出直すために帰っていく。

 

「あの男……見事な面構えですね」

 

そう言って黒服の男。五色田介人は元太が去っていく後ろ姿に笑みを浮かべてまた店の中へと入っていく。その頃、とある建物の屋上では二人の異形が立っていた。

 

「……お前。何故こんな事が起きる」

 

「……どうやら我々は同じ恨みを持つらしい」

 

一人は上半身が筋肉質で朱色という目立つカラーリング。まるでそれは体を鍛えたマッスルマンと言われるような体格をしている。ただ、胸に人間の頭部に手や胸前でクロスした白い腕がかなり目立つ。下半身は黒い毛皮姿で腰からは二枚の黄色と黒の縞々模様をしたローブを付けている。その腕には巨大な金棒を持っており、頭部には二本の金色のトナカイのような造形のツノを生やしている。顔面は鬼そのもので鋭い牙に大きく見開いた目を持つ。彼の名はオーガデッドマン

 

「どうやら我等二人の誕生と同時に異なる二つの世界が融合したらしいな」

 

その隣にいるのは胸にギフの瞳のような水色の目。両脚にはウルフのような強靭な爪の生えて茶色の毛皮に覆われた脚。更に膝から脛辺りには巻きつくダイオウイカのような吸盤付きの触手。腰からは巨大な蜂の腹に当たる黄色と黒の縞々のパーツ。勿論先端には毒針に当たる部分も存在する。左腕には朱美のギフデモスが使っていたような強靭な剣。上半身には赤石のギフデモスが纏っていたような棘付きの鎧。右腕にはカメレオンの頭部のようなガントレットに先端には口から覗くカメレオンの舌。背中にはサーベルタイガーデッドマンの巨大な牙が肩にかけて生えていた。右手にはカブト虫のツノを模した銀色の剣。その他、体の至る所にはプラナリアのような無数の目が出ていた。頭部はヘルギフテリアンの顔に似た特徴にユニコーンのような造形の黒い一本ツノがある。彼の名は悪魔鬼だ。

 

「ふん。そんな事はどうでも良い。どうやらお前の目的も同じみたいだからな」

 

悪魔鬼とオーガデッドマン。二人の目的は一致しているのか、頷くと怒りに血走ったような顔を合わせて頷く。

 

「「今こそ殺されてきた同胞達の仇を討ち果たす!!」」

 

するとオーガデッドマンと悪魔鬼は姿を変化させると人間の姿へと変化。そのままバラバラに行動を開始する事になるのであった。

 

それから時間が経ってさくらの通う高校ではさくらがホッとしたように机に伏していた。

 

「はぁ……良かったぁ。何とか間に合ったわ」

 

「時間ギリギリだったけどね〜」

 

さくらはあの後、何とかホームルームの時間には間に合ったようで一息付いている。

 

「それで、さくらはこの漫画って知ってる?」

 

「失恋ナイト?見たことない漫画ね」

 

そう言って友達であるクラスメイトから差し出された漫画を見ていると目を見開く。そのストーリーにどこか見覚えがあったからだ。

 

「あれ!?これって、初恋ヒーローと……同じ流れ?」

 

「初恋ヒーロー?ああ、あの鬼頭はるかさんの盗作品ね」

 

「鬼頭……はるか?えっと、初恋ヒーローの作者って椎名ナオキさんじゃないの?」

 

「作者と本が完全に混ざってるよ、それ……」

 

さくらはそう言われて首を傾げた。さくらの言う初恋ヒーロー。それは女子高生がヒーローに初恋を抱くという少女漫画であった。しかし、今見せられている失恋ナイトと呼ばれる同人誌の内容は初恋ヒーローの盗作と思えるような展開になっていたのだ。

 

「えぇ……」

 

さくらが慌ててネットを見ると“初恋ヒーローの作者が盗作!?”という見事な記事にまでされていた。ネット界隈ではその件で初恋ヒーローの作者である鬼頭はるかを袋叩きにしており、さくらは投げかけられている酷い言葉の数々に顔を背けてそっとその記事を飛ばした。

 

「さくらも騙されたらダメだよ?椎名ナオキさんの作品を盗作したのは向こうなんだからね」

 

「は、はぁ……。わかったわよ」

 

さくらはそれに納得すると授業が始まったために納得する。さくらはその日の授業日程を見て目を見開いた。

 

「あれ!?今日の一時間目って物理じゃ……」

 

「何言ってるの。物理は明日。今日の授業には物理なんて無いよ」

 

そこにはさくらの預かり知らない所で完全に授業の日程が変わってしまった様子であったのだ。

 

同時刻。ブルーバードの本部から街の定期的な見回りで出てきていた大二が街中を歩いていると彼の後ろから電話をしながら慌てた様子で走ってくる男がいた。

 

「嘘でしょ!?みほちゃん、頭痛だって!?」

 

『大袈裟よ。大丈夫だから……』

 

「何言ってるんだよ!すぐに向かうからね!」

 

その瞬間、大二の事が見えていなかったのか、大二は思い切り男にタックルをかまされる形となってしまう。

 

「ぐはあっ!?」

 

そのまま大二は吹っ飛んだ影響で近くの壁にぶつかる羽目に遭い、男は慌てて謝りに来た。

 

「すみません!大丈夫ですか!?」

 

「え、ええ……大丈夫です。あの、お気をつけて移動してくださいね」

 

大二が何とか対応すると男はまた慌てた様子で走り去っていく。そんな彼を見送った大二。ただ、大二が許してもその悪魔カゲロウは苛立ったようで。

 

「ったく。何だよ。勝手に体当たりしておいてそれだけか?あの野郎」

 

「落ち着けカゲロウ。向こうも急いでる感じだったしそういう時もあるさ」

 

大二がそう言ったのを聞いて不満そうに機嫌を悪くするカゲロウ。大二は気を取り直して巡回を進めようとするとガンデフォンから連絡が入った。

 

「……えっ!?デッドマンが!?」

 

『ああ。しかも二箇所同時だ。片方には既に一輝を向かわせている。大二は光と合流してもう片方の現場に行ってくれ』

 

「わかりました!」

 

大二はヒロミからの連絡を受けて急いでデッドマンが現れたとされる現場へと向かっていくのであった。

 

そして、大二が向かった先とは別の方の現場では一輝とバイスが驚く。そこにいたのはデッドマンの手下であるギフジュニア……では無く、ムンクやピカソの抽象画に似たカラフル且つサイケデリックな姿であった。ただ、よく見ると茶色や灰色の淀んだ色合いの素体にカラフルな模様を上塗りしている様でもあり、顔も仮面の様になっているのが特徴的である。

 

「何だコイツら!?デッドマンとは違う!?」

 

するとその奥から悪魔鬼が姿を現すと一輝の前にやってきた。そしてそれを見た一輝と霊体のバイスは警戒心を高める事になる。




また次回もお楽しみに。
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