大二がドンドラゴクウによって足止めされていた頃。別で現場に向かっていた光はオーガデッドマンと出くわす。
「いた。コイツが元凶だな」
「お前は……?」
「俺はオーガデッドマン。鬼達を殺された恨みを抱き、人々に復讐する者だ」
「鬼……何だかよくわかりませんが、僕達の敵というのはよくわかりました。あなたを倒します」
《クワガタ!》
《Confirmed!》
《Deal……》
「変身!」
《Delete up!》
《仮面ライダー!オーバーデモンズ!》
光がオーバーデモンズへと変身するとオーガデッドマンが呼んだのか、ギフジュニアが出現する。
「やれ!」
「はあっ!」
オーバーデモンズがギフジュニアと交戦すると蹴散らしていく。そんな中、一人の黒い服を着た青年が脇道から出てくる。
「ったく。いきなり通り慣れていたはずの道が変わったと思っていたが、何だよコイツら……」
その青年を見たオーバーデモンズはその青年の顔に見覚えがあった。それはこの日の朝、ニュースで話題になっていた青年だからである。
「お前、確か指名手配中の犬塚翼!?」
「俺は無実だ!ちょっと訳があって……」
「え?」
そんな中、ギフジュニアは翼へと襲いかかる。そんな彼等を翼は簡単にあしらうとその手にドンブラスターを持ち、ギアをセット。ダイヤルを回転させる。
「アバターチェンジ!」
《よぉ~っ!》
《ドン!ドン!ドン!ドンブラコ!暴太郎~!ワンだふる!ワンだふる!》
翼がドンブラスターを上に掲げてトリガーを引くと上からギアが出てきてそれが翼の体を通過。するとその体に黒いドンモモタロウのような形状のスーツが装着されると体が縮む。更に頭部にもサングラスと共にマスクが生成された。
《イヌブラザー!よっ、ワンだふる!》
「あれ?翼さん……?おーい!」
オーバーデモンズはいきなり視界からいなくなった翼をキョロキョロと探していると下から声が聞こえてきた。
「おーい。下だ下!」
「し……た?」
オーバーデモンズが下を向くとそこには三等身にまで縮んでしまった翼……いや、今はイヌブラザーがぴょんぴょんと跳ねながらオーバーデモンズへと話しかけていた。
「……ええっ!?小さっ!」
「小さいとか言うな!俺も好きでこうなってるんじゃねーよ!」
イヌブラザーとオーバーデモンズがそんなやり取りをする中、ギフジュニアがイヌブラザーも敵と見なして攻撃してきた。
「へっ!そんなので当たるかよ!」
しかし、小さいという事は攻撃のための的も小さいという事。だからこそイヌブラザーはちょこまかとギフジュニアからの攻撃を回避しながら俊敏さを活かしつつ、ドンブラスターでの射撃を決めていく。
「おお!」
「小さいには小さいなりの……おわっ!?」
するといきなりイヌブラザーの頭をオーガデッドマンが捕まえるとそのまま持ち上げる。
「ふん。お前なんぞに俺が遅れを取るかよ!」
そのままオーガデッドマンが彼を殴るとイヌブラザーは体格が小さい事もあってアッサリと吹き飛ばされる。
「コイツ、強い!」
オーガデッドマンが手に金棒を持つとそれをイヌブラザーへと振り翳すが、その一撃はオーバーデモンズが受け止めた。
「ッ!?」
「僕も……いるんですよ!」
オーバーデモンズが固い装甲による防御で金棒を押し返す中、イヌブラザーは何かの違和感に気がつく。
「そういや、いつもなら転送されてくるアイツらがいねーな」
ドンモモタロウの時もそうだったが、本来なら一人が戦闘に入ると他の面々も転送されてくる仕様なのだ。それなのに何故か現れない彼の仲間達。
「うわっ!」
するとオーガデッドマンの攻撃を押し留めていたはずのオーバーデモンズが押し戻されてしまう。
「この俺の力を舐めるな。純粋な力でやり合うなど百年早い!」
オーガデッドマンは先程リバイ達が戦った悪魔鬼と比べると技の多彩さは劣るが、純粋な身体能力が高いために普通に殴るだけでも結構脅威なのだ。
「だったら、これで!」
《Add……!》
《ブラキオ!》
《Dominate up!》
《ブラキオ! ゲノミクス!》
オーバーデモンズがブラキオゲノミクスを発動させると両脚に銀色にマゼンタのラインが入ったブラキオの肥大化した脚が武装される。
「この脚で!」
オーバーデモンズがそのままオーガデッドマンへと走ろうとすると、いきなり脚が上がりにくくなってしまう。
「なっ!?脚が……重っ!?」
「何やってるんだよ!?」
「……あん?何してんだコイツ」
「狩崎さん、どういう事ですか!?」
『説明しよう。ブラキオサウルスはその巨大な体を支えるために脚もそれだけ頑丈かつ重くなっている。つまり、その姿での素早い動きは不可能というわけさ』
それを聞いてオーガデッドマンはオーバーデモンズが自滅したと判断。オーバーデモンズへと襲いかかる。
「よくわからんが、チャンスだ!」
オーガデッドマンが金棒を振るおうとする中、そこにイヌブラザーが割って入ると飛び蹴りを命中させてオーガデッドマンを怯ませる。
「おい、それ以外に何か特徴は無いのかよ!」
「え、えっと……じゃあ!」
オーバーデモンズが腕を前に出すとそのまま伸びていき、オーガデッドマンへと巻きつく。そのまま自身の方へと引っ張るとすかさず脚を上げて強烈なキックをぶつけた。
「はあっ!」
「ぐうっ……」
そのパワーはオーガデッドマンへと有効打を入れられる程で彼も驚く事になる。
「良し!」
「やるな。だったら俺も!」
するとそこに一発の銃弾が飛んでくるとオーガデッドマンに命中。その先にいたのは青い体で手にはドンブラスターがある。その姿は猿のような毛むくじゃらの両腕。また、腕はそれなりに大きい。両脚も猿のような膨らみがあり、頭部も猿のような雰囲気を出していた。尻も赤く、全体的に猿のような雰囲気を出す彼の名は……。
《サルブラザー!よっ、ムッキムキ!》
「あれは……ゴリラ?」
「猿だよ猿!ニ~ホ~ンザ~ル!近くにいるのは犬と……あっ、クワガタかな?」
「いや、モチーフはクワガタだけど仮面ライダーオーバーデモンズですよ」
「オーバーデモンズ君ね。よろしく」
すかさずサルブラザーが飛び降りるとその手にギアを持つ。更に同時にイヌブラザーもギアを持った。
「さてと。犬と一緒にさっさとコイツを倒しますか」
「俺は犬じゃねーよ!」
二人揃ってコントのようなやり取りをする中、二人がギアをセットするとそれをダイヤルを回転させる。
《よぉ~っ!》
《ドン!ドン!ドン!ドンブラコ!》
《リュウソウジャー!》
《リュウ SO COOL!ワーッハッハッハッハ!よっ!騎士竜戦隊!》
するとサルブラザーの体に青い騎士が融合してその手にリュウソウケンを構えた騎士。リュウソウブルーへと変身。
《アバレンジャー!》
《よっ!爆竜戦隊!》
更にイヌブラザーは頭身が元の人間サイズに戻りつつ体に纏われる装甲が変化。頭部がブラキオサウルスのような物に変化するとそれが咆哮を上げてアバレブラックとなる。
「お二人が別の姿に……しかも、犬の方は元のサイズになった」
「ま、俺としてはこっちの体格の方がイレギュラーなんだけどな」
オーガデッドマンはいきなり変化した二人に驚いているとまずはリュウソウブルーがリュウソウケンで斬りつける。更にアバレブラックも手にした武器。ダイノスラスターを使ってオーガデッドマンへとダメージを与えた。
「く、クソッ……」
「お二人共、決めましょう!」
「「ああ!」」
《この感じ!ツヨソウ!》
リュウソウブルーは右肩から右腕にかけてツヨソウルによる武装を装着。それと同時にアバレブラックもダイノスラスターのダイヤルを風のマークに合わせる。最後にオーバーデモンズがベルトを両側から三回押し込んだ。
《More!》
その状態でオーガデッドマンは三人に囲まれると三人が同時に技を発動させる。
「ストームインフェルノ!」
まずはアバレブラックが地面にダイノスラスターを突き立てると竜巻が発生。それがオーガデッドマンを空中へと浮かばせると大ダメージを与える。そこにリュウソウブルーがリュウソウケンによる一撃を繰り出す。
《ソレ、ソレ、ソレ、ソレ!その調子!》
「はあっ!」
《剣ボーン!》
青いエネルギー斬による一撃が決まったオーガデッドマンはダメージを受けてそのまま地面に叩きつけられる。トドメはオーバーデモンズだ。
《ブラキオ!デモンズレクイエム!》
オーバーデモンズが脚を上げながら上段蹴りを繰り出すとブラキオの力で脚が伸び、強烈な攻撃が決まった。
「ぐあああっ!」
それと同時に三人が元の姿になるとオーガデッドマンは体から火花を散らせる。
「く……ここまでか。ひとまず逃げだ!」
オーガデッドマンが金棒を地面に叩きつけるとそれによって生まれた土煙に紛れて撤退。
「ッ……アイツ、逃げたか」
それからオーバーデモンズが変身解除するとそこに遠くから警察達がやってくる。イヌブラザー……というよりは翼が逃げた先を捜索しに来たのだ。
「チッ……警察が来たか。さっさと逃げるか」
イヌブラザーが行こうとするとそこにブルーバードの部隊がやってきた。それを見て光が慌てる。
「え?ちょっと!?何で……」
『すまないね。彼には色々と事情が聞きたいってヒロミからの指示だ。となると必然的に警察よりも先に確保しないとだからね』
狩崎からの連絡に光は困惑。また、イヌブラザーは警察だけでも厄介なのにブルーバードという彼にとってよくわからない組織からも追われる事になって叫んだ。
「何で次から次へと……俺は何もやってないって言ってるだろ!」
『だから来いって言ってるんだよ。君、このままだと警察のご厄介に……』
「チッ!」
イヌブラザーは地面にドンブラスターを撃つと煙幕として張り、その場から逃げ出した。
「あっ!犬塚さん!?」
それを見届けてサルブラザーが変身解除すると先程さくらの事を見送って俳句を述べた男。猿原真一となる。更にそこに到着した警官隊が光を囲むとこの辺に逃げたと思われる翼の行方について聞き始める。
「ねぇ、君。指名手配のこの人を知らない?」
「犬塚翼……すみません。僕はこの人については何も……」
「そういえば君、この辺では見かけない服してるけど、仕事は何をしてるの?」
「何って……ブルーバードの……」
「え?ブルー……何ですか、それ?」
更に運の悪い事に警官隊は光の格好を見て見慣れない組織だと思ったのか、光への職質まで始めてしまう。
「だから、バイスタンプ犯罪から世界を……」
「怪しい職業だね。それに、さっき指名手配犯の犬塚翼と話していたっていう目撃情報もあるんだけど……」
警察から言われる話はどんどん雲行きが怪しくなっていく。そして、とうとう光は指名手配犯の翼を逃したという罪に問われてしまった。
「とにかく、話は署でじっくり聞かせてもらうから」
その直後、光の腕には手錠をかけられてしまう。その事態に彼は困惑。そのまま光は警官達に連れて行かれてしまうのだった。
「はぁ!?」
「大人しく来て、ちゃんと話さえしてくれれば何もしないから」
「待って待って!何でこうなるんですかー!?」
「最早何でもありだね……。ま、ひとまず彼は無実の罪みたいだしここで助けておきますか」
そう言って真一は警察に連れて行かれた光を追いかけていく。その様子を見ていた狩崎は理不尽に捕まった光を見て笑い転げ、ヒロミは呆れつつも一人動き出すのであった。
また次回もお楽しみに。