仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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集まる脳人三人衆 どんぶらでの大騒動

さくら達がどんぶらに向かったその頃、光は思いっきり事情聴取の真っ只中だった。

 

「ですから、僕の言ってる事は本当なんですって!」

 

彼はどうにかして自分のやっているブルーバードでの事を認めてもらおうとするものの、全くと言って良いほどに相手にされない。

 

「どうします?」

 

「精神疾患の可能性があるな……。このままじゃ取り調べにならないぞ」

 

するとそんな中、取り調べ室に一人の男が入ってくると取り調べをしていた警察官に何かを話す。

 

「え?それは何かの間違いだろう」

 

「しかし、実際にそのような指示があって……。加えて、彼の罪が冤罪だという証拠も……」

 

何やら光の前での警官の話があると取り調べをしていた警官は僅かにその結果に不服そうながらも光へとある事を口にした。

 

「……お前の罪が冤罪だとわかった。加えて、話していた事が全て真実だという事もな」

 

それから警察側から没収されていたバイスタンプとベルト等の装備も返してもらう事になる。

 

「……どういう事でしょうか?どうしていきなりこんな」

 

光が困惑した顔を浮かべていると警察署から出た彼の前に待っていたのは一人の男と後ろにいた数人の人間だった。

 

「やぁ、ちゃんと出られたみたいだね」

 

「あなた、さっきの」

 

「猿原真一だよ」

 

「あなたが対処をしてもらえたんですか?」

 

「まぁ、厳密に言ったらちょっとした裏技を使ったんだけどね」

 

彼の背後にいるのは合計三人。一人はリーダー格らしいのか真ん中に陣取っており、茶髪の髪に端正な顔つき。青緑の服装に身を包み瞳が青い男。

 

一人は三人の中の紅一点。ニーハイソックスにフットカバーと白いローファー。加えてミニスカートやへそ出しの上着と、日曜の朝には些か刺激が強い白い衣装を着ている。妖艶な笑みが特徴的な女性。

 

一人は逆さまのポケットが無数についた茶色い衣服。更にブーツを身に着けており、やや長めの黒髪を後ろに纏めた気怠げな表情の男。その手には柄の部分が長槍の形状をした傘を持っていた。

 

「あなた達は?」

 

「俺達は脳人三人衆。名前はソノイ、ソノニ、ソノザ。脳人を束ねる存在だ」

 

そう名乗ったリーダー格がソノイ。女性がソノニ、傘持ちの男がソノザである。

 

「彼らも今回の事態に苦労しているようだったから協力を要請したら快く引き受けてくれた」

 

「俺達は脳人の世界を守るために奔走しているだけに過ぎない。それに、アノーニの幾らかは奴等の出現に合わせて洗脳されて敵対しているしな」

 

彼等は脳人の世界の住人でその世界は人間世界と密接な関係となっている。というのも脳人の世界は存在が割と不安定で現実世界の人間が強い欲望を抱くとそれが揺らぎとなって世界が消滅する危機に陥ってしまうのだ。

 

「えっと、今回協力してもらえたのはその脳人?の世界が危機に陥ったからですか?」

 

「ええ。どういうわけか私達が元いたこの現実世界とあなた達の現実世界が何かの拍子に合わさってしまってね」

 

「そのせいで俺達の世界は今にも消えそうなぐらいに不安定化したんだ。まぁ、大方さっきお前達が戦っていたあの二人の鬼が原因だろうけどな」

 

真一は前にこの事を知ったため、世界がおかしくなれば脳人も困っているはずと思い彼等の手を借りた。

 

「あ、でもどうやって証拠を?映像か何か無いと……」

 

「偶々その場に居合わせた人間に化けたアノーニがいてな。恐らくそこで暴れていたのがヒトツ鬼で無かったために洗脳されずに済んだ。彼らに証拠映像を出してもらった」

 

「犬塚翼の部分に関しての映像は多少改変を加えたけど、時間稼ぎには十分だからな。暫くは警察の目を誤魔化せる」

 

「後はアノーニ達の証言で何とか押し込んだ所に丁度上からあなたがブルーバード?という組織の隊員というのが通達されてそれがダメ押しになったんじゃない?」

 

アノーニは人間に化ける事が可能だ。しかもそのパターンに制限は無い。だからこそさもその場に居合わせた複数の目撃者を装う事ができる。

 

更にソノニが言った警察官の上の人というのは狩崎達が動いて話がわかる警察の上層部の人間にそれを通達。光の逮捕は冤罪だという事。そして彼を一度警察署から出すように指示させたのだ。

 

とにかく一時的にだがこれで光は捕まらない事に。ただ、映像が解析されてしまえば一気に状況は悪くなる。一刻も早くこの歪みを正す必要が出てきた。

 

すると光のガンデフォンに連絡が入るとその場にいる真一や脳人三人衆をスカイベースへと連れて来いという狩崎からの指示が飛んだ。

 

「真一さん、脳人の皆さん。少しお時間よろしいでしょうか?」

 

光が四人を連れてスカイベースへと戻っていくその頃、幸せ湯に向かう途中の一輝とタロウ。二人はカフェ、どんぶらの前に到着した。そこにはタイミング良くさくらとその友達がやってくる。

 

「さくら!?何でここに……」

 

「一輝兄こそ。まさか一輝兄もパパと同じで調査なんて言わないよね?」

 

「いやいや、俺は桃井タロウさんに言われて幸せ湯に戻る途中だよ」

 

「いや。ここで良い。そこの女。お前、料理はできるだろう?何か作れ」

 

「……はぁ?」

 

いきなり訳のわからない発言をされて若干キレ気味のさくら。さくらは一輝へとタロウへの怒りを話す。

 

「何この人?いきなり顔を合わせたかと思ったらご飯を作れって……」

 

「さっきからお腹が空いているんじゃないか?元々幸せ湯にあるご飯を出せって言ってたんだし結果的にさくらが作る事になったと思うぞ」

 

「……はぁ」

 

一旦立ち話をし続けるのも悪いという事で一同はどんぶらの中に入る事に。そこでは一同が衝撃の光景を目にしてタロウ以外が固まった。

 

「どゔじでごゔなるんでずが……うわぁああっ!」

 

「まぁまぁ、そんな日もあるさ。今は泣けるだけ泣けば良い」

 

そこにいたのは先程大二へとタックルをかました男。彼の名は雉野つよし。ただの眼鏡をかけた平凡なサラリーマンだ。そんな彼を元太とぶーさんが慰めていたのだ。

 

「パーパ?ここで何してるの?」

 

「さくら!?こ、これはだな……」

 

「俺が元ちゃんの代わりに説明しよう!」

 

つよしの相手をしているために手が離せない元太に変わってぶーさんが事情を説明する事に。どうやらつよしはこの日の朝。出勤した後に妻である雉野みほが頭痛に悩まされている事をして飛んで帰ったものの、みほは何とか薬を飲んで休んだ影響で回復。しかし、つよしは回復したばかりのみほの元に到着。それから彼女の無事に安心した所までは良かった。

 

しかし、みほの看病のために会社を無理矢理抜けたせいで会社の上司と共に予定していた取引先との会議をすっぽかす羽目に。上司から今回かなり強めのお叱りを受けてこの日は帰らされてしまったのだ。

 

「要するにこの人の自業自得って事ね」

 

さくらがそう無慈悲な言葉を言う中、つよしは言葉によるオーバーダメージを受けて撃沈。

 

「さくら、それは言い過ぎだ。俺にだってママさんがいる。もしママさんのピンチがあれば俺は会社だってサボる……」

 

「何でだよ。というか、基本的に銭湯の仕事をやってない父ちゃんに言われてもな」

 

更には一輝からも言葉の攻撃が命中。二人揃って肩を落としてしまった。そのために慌ててぶーさんは二人の面倒を見る事に。

 

「いらっしゃいませ。こちらの席へどうぞ」

 

そのタイミングでバイトに来ていたはるかが一輝とタロウ、更にさくらやその友達を案内する。

 

「そういえば、あなたどこかで……」

 

「え?べ、別に私は……ただのバイトの人で……」

 

「あーっ!この人まさか、鬼頭はるかさん!?」

 

さくらが思わず大声を上げる中、はるかはそれを聞いても割と平気そうに答えを返す。

 

「そうよ。私がトウサクの作者でてんっさいな漫画家、鬼頭はるかよ!」

 

その時効果音があるなら“バーン”と大文字でエフェクトが付きそうな名乗りを言い放つ。

 

『なんか若干自意識過剰な天才科学者要素あったよな?』

 

するとガンデフォンに出てきてツッコミを入れるバイス。その瞬間、はるかは目を見開くとバイスのいるガンデフォンを掴む。

 

「ええーっ!?あなた何!?まさか新手のバイチューバー?ってやつ?」

 

『何で疑問系なんだよ!というか、俺っちはこれが素の姿だし!悪魔が異形をしてて何が悪いんだよ!』

 

「あ、悪魔ぁあああっ!?」

 

はるかは驚きすぎたあまり顔芸までしながらガンデフォンを手放すと倒れ込む始末。一瞬にしてカオスな空気になったその場を収めるようにマスターこと介人が声をかける。

 

「ご注文が決まりましたら伝えてください。あと、そこの彼女。カレーを作るんだろ?準備はしてある」

 

そう言って淡々とする介人。そんな彼のカレーの準備が揃ってる発言にさくらは固まった。

 

「準備良すぎでしょ!?」

 

「さっさと作れ。コブラ娘」

 

「誰がコブラ娘よ!というか、誰がそんな事言ったの!」

 

さくらが激昂する中、タロウは何故さくらがコブラ娘という事になったのかというのを説明した。

 

「マスターから今日の朝説明は受けた。今日こういう奴らと会うとな」

 

「もうちょっと他の言い方は無いわけ?」

 

「悪いな。俺は嘘が吐けないんだ」

 

「はぁ?」

 

「それは本当の事。タロウはどういうわけか嘘を言ったら死ぬのよね」

 

タロウはどうやら生まれ付き嘘を吐く機能が欠けているらしく。少しでも誤魔化すために嘘を吐けばそれだけで拒絶反応で文字通り一瞬死ぬらしい。どんな特殊体質だろうか。それはさておき、さくらはため息を吐くとエプロンを付けてカレーの料理を始める。

 

「あと、私のカレーは辛いらしいからそれは覚悟しなさいよ!」

 

「それも履修済みだ。問題無い。お前にとっては普通と思っている所、他の家族にとってはとてつもなく辛く感じて日々困惑しているらしいが俺は大丈夫だ」

 

「タロウ、少しはオブラートに包む事を覚えよう?」

 

はるががそう言うものの、やはりタロウは嘘が吐けないらしい。さくらは苛立ちを募らせながらカレーを完成させる。

 

「はい。できたわよ」

 

さくらがいつもの激辛カレー。苛立ちも相まっていつもより辛さマシマシの物をタロウへと出した。ついでにバイトや仕事でお疲れであろうはるかやつよしにも差し出す。

 

「どうぞ」

 

「ふむ……。見た目は普通だな。では一口」

 

タロウがカレーとライスをスプーンにすくうと口に含む。そして普通に食べると飲み込んだ。

 

「……ふむ。それなりの味だな」

 

それを聞いてはるかやつよしの二人は正直なタロウが食べて平気なら大丈夫。そう思ってカレーを口にした瞬間、口から火を吹くような辛さに叫んだ。

 

「「辛ぁあああああっ!?」」

 

「つよしさん!?」

 

「ちょ、水水!」

 

その場はあまりの辛さに顔芸まで始めるはるかや辛さで泣きそうになるつよしを一輝や元太達が慌てて介抱する中、タロウは平然と二口目を口にする。

 

『ああもう!タロウだけズルい!この悪魔的な辛さのカレー、俺っちにも食べさせろよ!』

 

「わかったから、二人の分食べちゃって良いから。でも変な事はすんなよ!」

 

《レックス!》

 

一輝ははるか達の対処をする中でバイスに煩く駄々をこねられると面倒なため、ひとまず彼を分離して二人が無理な怒りの超激辛カレーを食べてもらう事に。

 

「美味ぇえっ!こりゃあ、普段よりも強い刺激だけど俺っちなら平気だぜ!」

 

「あ、悪魔が……出てきた。私、地獄に行ったんだ……」

 

ただ、タイミング悪く辛さのあまり死の淵を彷徨っていたはるかの目にバイスは地獄の悪魔に映ったのかそのまま彼女は気絶。その間にタロウはさくらのカレーを完食していた。

 

「点数を付けるとすれば2.65点だ」

 

「は?それって十点満点ち……」

 

「何を言ってる。百点満点に決まってるだろう」

 

その言葉を聞いてさくらの怒りも限界値を突破。タロウに掴み掛かろうとすると流石に傍観者でいられなくなったさくらの友達が慌てて彼女を抑える。

 

「アンタねぇ、馬鹿にするのも良い加減に……」

 

「ただし!」

 

さくらが友達に抑えられながらタロウに向かって吠えているとタロウは彼女を一喝するように声を上げた。

 

「さっきの点数はお前が入れた怒りの分の辛さ込みの数値だ。それが無いなら26.5点。良かったな。少しは上がったぞ」

 

しかし、それでもテストなら赤点レベルの数値を付けられてさくらの怒りは留まる所を知らず。結局その場は騒然としてしまうとこの日は他の客は気まずくて入る事ができなかった。

 

ちなみにだがタロウのこの厳しい点数基準について、実際にはタロウの採点が厳しすぎる所があるために実際の世間一般の考え方だと点数は付けられた数値を倍にして換算するのが正しいそうだ。なのでこの場合、世間一般の数値で考えると辛さ込みの数値は5.3点。普通なら53点という数値へと変わる。つまり、普通にさくらのカレーは一般的な家庭料理で出すならそれなりの数値となるわけだ。

 

そんな余談はさておき。一通り落ち着いたタイミングで一輝達の方にも狩崎からの業務連絡が入ると彼らにもスカイベースへの招集がかかった。向かったメンバーは一輝、バイス、さくら、元太、タロウ、はるか、つよし、介人の八人である。

 

続々と集まるリバイスメンバーとドンブラメンバー達。敵に対する対策会議がブルーバードの本部であるスカイベースにて行われようとしていた。




また次回もお楽しみに。
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