謎のタッチパネル 新たなる破壊者の襲来
とある別の世界。そこでは三人の仮面ライダーが戦っていた。一人は黄金と黒を基調とし、背中には銀色の時計の長針と短針のような物がマントのように垂れ下がる。顔には赤いライダーの文字で額に小さな長針と短針が10時10分の位置で開いている。肩から襷掛けにした時計の帯がかけられ、その姿はさながら魔王のようだった。彼の名はオーマジオウ。
そして、そんな彼に向かって行く二人の影。一人はオーマジオウをグレードダウンさせたような黒をベースに銀の装甲を纏い、顔にはマゼンタのライダーの文字に10時10分に開いた針。オーマジオウの元となったライダー。仮面ライダージオウ。
もう一人は胸部や両肩に平成ライダーの最終フォームの顔が描かれた写真がカードとして貼られており、腕や脚にはマゼンタのライン状の装甲。頭部にはカードが前から突き刺さったようなラインが並んだ見た目。額には二人のライダーのカードが縦に二枚並んでいる。背中にはマゼンタのマントがあり、そこには所狭しとカードが大量に貼られていた。彼は仮面ライダーディケイド・コンプリートフォーム21。
《ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディケイド!》
ディケイドは右腰にあるマゼンタのベルトにカードを入れると横から押し込み、跳び上がる。
「はぁああっ!」
ディケイドが巨大なディケイドのライダーズクレストを模したカードが円状に並んだそのトンネルの真ん中を通過しながらライダーキックを放つとオーマジオウはバリアでそれを防ぐ。
「ぬうっ……ふん!」
しかし、オーマジオウのバリアは多少傷つく程度で結局ディケイドは押し返されるとディケイドは着地。必殺の一撃を簡単に防がれて驚愕するディケイド。
「ッ……何!?」
次の瞬間。高速移動によってディケイドの目の前にオーマジオウが迫るとディケイドに手を当てたオーマジオウはエネルギーを流し込むとディケイドを爆発で吹き飛ばす。
「貴様に用は無い……はぁっ!」
そのままディケイドは火花を散らしながら倒れ込むと変身解除。それからディケイドの変身者でトイカメラを首から下げた青年。門矢士は朦朧とする意識の中、ジオウへと最後の望みであるライドウォッチを渡す。
《カ・カ・カ・仮面ライダー!ファイナルアタックタイムブレイク!》
そして、ジオウはディケイドに似た姿。ディケイドアーマーとなるとウォッチの力を上乗せしたセイバーフォームへと変身。炎を纏わせた剣。ライドヘイセイバーを手にし、オーマジオウのライダーキックを押し返すと彼を必殺の一撃で撃破する事になる。
「ふっ……ああ……はぁ、はぁ……終わる……ようやく、俺の旅が……」
オーマジオウを倒す事に成功したジオウ。だが、その戦いの中で門矢士は粒子となって消えて行く。門矢士……世界の破壊者として全ての世界から恐れられていた男の旅は終わりを告げた。
「ようやく終わったか。ディケイド……。お前の始末だけで十年もかけさせてくれて……。目障りなこの世界のオーマジオウも消えた。ここからは私が正しい世界の破壊者となる」
そう言う男の名は鳴滝。その姿はチューリップハットにコート、眼鏡をかけた中年風の男性である。彼は空間に銀色の幕のような物を展開させるとこの世界から去っていく。
場面は変わってリバイスIFの世界へ。ドンブラザーズとの世界融合が終わってから数ヶ月。また特に大きな事件の無い平和な期間が過ぎている。今は幸せ湯で丁度期間限定の夏休みスタンプラリーの最中だった。
「いらっしゃいませー!今は期間限定でスタンプカードを埋めた方には特典が付いてきます!」
そんな感じで期間内にスタンプカードを埋めきる事ができれば銭湯のドリンクが一本無料になる等の特典が付く形である。
「なぁ一輝。俺っちにも客引きさせろよー!」
「ダメだよバイス。お前にもやってもらいたいけど、そうなったらお客さんがビックリしちゃうだろ」
「えぇーケチだろそれ!俺っちもやりたい!やりたい!やりたい!やりたいー!!」
「駄々っ子かお前は」
一輝とバイスがやり取りする中、幸せ湯に二人組の男女がやってきた。女性の方はムッとしたような顔つきで男性の方がそんな彼女を宥めている。
「もう!本当に何なんですか!」
「まぁまぁ夏海ちゃん。落ち着いて!」
「士君も無茶が過ぎますよ!いくら世界を救うからと言ってあんな強敵と戦うなんて……」
夏海と呼ばれた女性は僅かに悔しそうな顔つきを浮かべるとここにはいないと思われる士と呼ばれる青年への怒りを口にした。
「まぁまぁ、士だって無策で挑んだわけじゃないし……切り札も託せたって言ってたから」
「……ユウスケはそれで良かったんですか?」
「でも、結局俺達は惨敗だったしなぁ……。ま、ひとまずそんな事は忘れて。風呂に入って疲れた体を癒やそうぜ!」
そんな風に明るく振る舞うユウスケと言われた青年。夏海はそんな彼に仕方ないとばかりに付き合う事になった。
「あの……すみません。大人二人でよろしいですか?」
一輝はひとまずそんな風に二人で話す夏海とユウスケへと人数を聞く。そんな一輝からの言葉にユウスケは笑って頷くと答えを返した。
「そうですね!よろしくお願いします!」
それから一輝はユウスケから料金を貰うと二人は銭湯に入っていくことになるのである。
ほぼ同時刻。スカイベースでも狩崎の研究室にある物が運び込まれていた。そこにその物を一目見ようとヒロミ、狩崎が揃っている。
「やっと来たようだねぇ。数日前に突如として現れた謎の物体。仮面ライダーのベルトのような形だって聞いたから楽しみだよ」
「だが、何故だ?そもそもこの世界のライダーシステムはお前やお前の父親である狩崎真澄の手によって作られた物しか無い。だからこそこのイレギュラーがどうにも気になる」
それから到着した物を見るとヒロミは疑問符を浮かべ、狩崎は目を見開く。
「なんだ……これは?」
「ヘェイヘェイヘェイ!まさか私の知ってるあのアイテムに瓜二つとはねぇ」
そこにあったのは仮面ライダーディケイドの頭部を模したカラーリングのタッチパネル。その名もケータッチにそっくりな代物であった。ただ、ケータッチを起動させるためのカードが無いのとこれまた特殊なのが、カードを横から挿入するための場所が存在しない。そのため、ケータッチの起動方法がまるでわからないのだ。
「……これは骨が折れる作業になるぞ」
「良いね良いねぇ。私にとっては大歓迎だ。ディケイドの強化アイテムを隅々まで見られるチャンスだからね」
重度のライダーオタクである狩崎にとって今回の事案は心が躍るような事である。何しろ、これを解明すれば仮面ライダーディケイドのシステムを深く知る可能性が高い。そうなればクローンライダーシステムの更なるアップデートに繋がると読んだのだ。
「ひとまず、私は暫くこのアイテムの研究を軸にさせてもらおう。こんなに興味深い物は他に無いからね」
狩崎は新しい玩具を手に入れた子供のようにすっかりとケータッチのようなアイテムに浮かれてしまう。
そんな中、街中の建物の屋上にオーロラカーテンが出現。中から現れたのはディケイドこと門矢士が消えるのを見届けた鳴滝が姿を現した。
「……ここが仮面ライダーリバイスIFの世界……。やはりここは本来の歴史から逸脱し過ぎた世界……だな」
鳴滝はまるで忌々しい物を見るような顔つきとなる。そして、この世界に於いて本来のリバイスの世界と違う所を再確認すると顔を顰めた。
「むぅ……まるで原型を留めてないではないか……。この世界は私が破壊する」
鳴滝が手にディケイドライバーのような白のバックルを取り出す。ただ、その形状は骸骨の肋骨を模したような檻が閉まった形をしていた。また、カードの挿入口は右側になってバックルの展開前からカードを入れられる構造の時点でディケイドライバーとは違う事がわかる。
そして、鳴滝がバックル……カイジンドライバーを装着すると腰にベルトが巻かれる。そのまま彼は手に一枚のカードを裏を前にして出すとそこには仮面ライダーV3のライダーズクレストが入っていた。
「変……身」
鳴滝がカードを表向きにするとそこには仮面ライダーV3の敵であるドクトルGの全身絵が描かれており、それをベルトに挿入。そのまま両側を引っ張って展開した。
《カイジンライド!ドクトルG!》
すると白いバックル部分が90°回転すると縦向きとなり、白い骸骨の肋骨風の檻が左右に展開。挿入されたドクトルGの絵が浮かび上がると周囲に鳴滝の影のような物が25人分展開。それが重なると一瞬その姿にモザイクのようなエフェクトがかかり、その姿が変化。
胸や両肩にかけて巨大な蠍の姿を模した鎧を纏うと右手には巨大な大斧。左手には蠍の絵が二つ描かれた巨大な盾を武装。頭部には蠍を模したヘルメットを被り、腕や下半身もそれに準じた鎧や服を着た。最後にベルト部分が消えると変身を完了。鳴滝はドクトルGの姿となる。
「……まずは手始めに!」
鳴滝が手を上げると街中に巨大なオーロラカーテンが開くと中から大量の黒いスーツを着込んで目、鼻、口が露出して手にナイフを武器として構えたショッカーの戦闘員が出現。街で暴れることになる。
「ふはははっ!今日がこの世界の終わりの始まりだ!」
そう言って鳴滝は地上へと飛び降りていく。平和な日常はあっという間に崩れ、人々が逃げ惑う阿鼻叫喚へと変わった街。だが、それをブルーバードが見逃す訳がない。幸せ湯で接客をしていた一輝の元にガンデフォンからの連絡が行く。
『一輝、出動要請だ。街中で未知の敵が暴れて……』
『ノンノン、ヒロミ。今いるのはショッカーの戦闘員。未知でもなんでも無いよ』
『とにかく、出れるな?』
「わかりました!バイス」
「あいよ!俺っちのカッコいい見せ場だぜ!」
それから一輝はすぐに街へと向かうとそこにはショッカーの戦闘員を引き連れた鳴滝が一輝の前に現れた。ちなみにもう近くにいた人々はショッカーに恐れをなして逃げ散り、辺りには人っ子一人すらいない。
「お前らか。俺達の世界を脅かす奴は」
「ふん。……それはこちらの台詞だ。お前達こそが全ての世界を脅かす要因である。だからこそ、私が世界に正しい破壊をもたらすのだ」
「正しい……破壊?」
「御託は良い。仮面ラァーイダ!リィバイス!私がお前の歴史を終わらせる」
そう言って鳴滝が声を高々と上げる中、一輝はリバイスドライバーを腰に装着。レックスバイスタンプを構えた。
「訳わからない事ばかり言って……。バイス、やるぞ!」
「イケてるバイスちゃんはやる気十分だぜ!」
《レックス!》
「はぁ……」
一輝がスタンプをベルトに押印すると待機音と共に霊体のバイスがスタンプを持って現れる。
《Come on!レ・レ・レ・レックス!》
「変身!」
《バディアップ!》
一輝がスタンプを倒すと一度心臓の鼓動が鳴るエフェクトが入ってからバイスがスタンプを振り下ろす。
「よいしょ!」
《オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》
それと同時に一輝の体が液体で満たされると仮面ライダーリバイへ。バイスも装甲を装着してからレックスの被り物をして仮面ライダーバイスとなる。
「「一緒に行くぜ!」」
二人がハイタッチすると鳴滝が手の大斧を指揮棒のように前に突き出す。それと同時にショッカーの戦闘員が突撃してくる。それに合わせてリバイとバイスも向かっていくのだった。
また次回もお楽しみに。