リバイ、バイス、そしてユウスケ、夏海の四人が鳴滝と向かい合う中、鳴滝は己の話を始めた。
「私の目的。それは世界の正しい破壊だ」
「……正しい破壊?」
「ああ。お前達も世界は幾つも存在する事ぐらい知ってるだろう?大まかに割り切ればここはリバイスの世界で括られる。だが、本来ならリバイスの世界は今の時点でもっと違う姿をしているのだ」
「はぁ?それじゃあまるでこの世界が本来の進み方とはまるで違うみたいじゃねーかよ」
「お前のその考え方で問題は無い。この世界は他のリバイスの世界と比べると異常過ぎた」
鳴滝はそれから何故異常だと問題があるのかを話し始めた。その話をするにはまずは世界の成り立ちを話さなければならない。
世界には必ず一人世界を代表する存在が現れてそれが世界の名前として付けられる。例えば仮面ライダーであればリバイスの世界、セイバーの世界みたいな感じで名前が付く。そしてその世界は代表者を中心とした歴史が刻まれる。その起点となった一番最初の世界が本来の歴史、本来の世界の流れとなるのだ。
「だが、お前達はデッドマンズベースを壊滅させる辺り……いや、その前の時点で本来の歴史の流れを大きく捻じ曲げた!そのせいでこの世界に於けるリバイスの歴史はメチャクチャになったのだ」
「それとこれの何の関係があるって言うんだよ」
「お前達の動きは本来のリバイスの歴史から逸脱した物だった。お前達の動きによってリバイスの世界の派生としてリバイスIFの世界を作ってしまったのだ。……本来ならばそのようなパラレルワールドなどを作ってはいけない。それはバランスが取れていたはずの他の多くの世界を壊すキッカケとなり得る」
鳴滝は世界が歴史を刻む中でリバイスIFの世界のようなイレギュラーな進行をする世界を破壊するための存在。所謂世界の破壊者を作るべきと考えた。
「……そこで私は自らの能力でカイジンライドを使用。大ショッカーに潜入して世界の破壊者となる者に相応しいベルトの案を授けた」
「その存在が……ディケイドなのか?」
「その通り。それから私の案を採用した大ショッカーが生み出した戦士、ディケイドは紆余曲折あって門矢士をその変身者とした。世界が安定した歩みをするためにはディケイドが本来の歴史から歪んだ道を進んだ世界を破壊し、世界の調和を保つ必要があったのだよ」
門矢士が最初にリ・イマジのクウガ〜キバの九つの世界を旅してそれらの世界を破壊する必要があったのは崩壊する世界を繋ぎ止めるためという理由だったのだが、ディケイドの存在理由は本筋から外れたパラレルワールドを消し去るための物だったと言える。
だが、ただ世界を何の抵抗も無くディケイドとして破壊させたのではディケイドの変身者である士も何かの陰謀があると感じて途中で破壊を止めてしまうかもしれない。そう感じた鳴滝は敢えてその世界に生きるライダーに加勢してディケイドを忌み嫌い、抵抗する風潮を生み出させた。それこそがディケイドが進むべき道だったのだ。
「だが、門矢士は、ディケイドは最終的に破壊者にはならなかった。行く先々の世界のライダーと絆を結び、生かす道を選んだ。……そのような事をすれば世界は増え過ぎる。パラレルワールドというのはひょんな事から生まれる場合が多いからな。しょっちゅう世界が作り変えられるギーツやハッピーエンドを作り出すために正史のガッチャードデイブレイクが過去へと干渉をしたガッチャードの世界などが特に顕著だ」
長々と語ったが、要するに増え過ぎた世界を破壊して処理する役割が鳴滝にとって欲しかった物であった。だが、それを目的として大ショッカーに作らせたディケイドは使い物にならず。そのせいで世界線は増加の一途を辿るのみだ。
「……私はディケイドを追いかけながら世界の数を正常に保つために密かに多くの世界を滅ぼして破壊してきた。だが、ある時気付いたのだ。ディケイドの存在その物がパラレルワールドを生み出し、世界線を増やしていると」
ディケイドの変身者の門矢士はオーロラカーテンを自発的に開ける。また、彼の拠点である光写真館も世界を移動するための鍵となっていた。そのせいで士達は簡単に世界を自由に行き来する事が可能である。そのためにディケイドは世界の時間軸のどこにでも干渉すふリスクがあった。それがパラレルワールドを無数に増やす要因であると鳴滝は予想したのである。
「……だから私はディケイドをジオウの世界にいる真実のソウゴに葬らせた。そして、遂に、遂に……ディケイドの旅路は終わったんだ!!」
鳴滝はようやく念願のディケイドこと門矢士が葬られたという事実にとても嬉しそうな顔つきだった。そんな中、ユウスケや夏海はずっと帰って来ない士がもう既に亡くなっているという事を改めて事実として聞いて悔しさを滲ませる。
「………」
「あなたは一体何なのですか!士君を葬って……世界の均衡を保つとか言ってましたけど、結局あなたの本当の正体は何なんですか!」
夏海の言葉に鳴滝は笑みを浮かべる。そして彼は自身の素性について話し始めた。
「……なぁに、私も君達と同じ。とある世界に住んでいた一人の住人さ。だが、私のいた世界には主人公と呼べる代表者がいなかった。だから世界同士の統合に巻き込まれて全てを失った者と言える」
鳴滝が元々いた世界は世界の不安定化に伴う世界同士の激突による破壊に巻き込まれて消えてしまったらしい。ただ、彼自身は偶々オーロラカーテンの力に目覚めて世界が完全崩壊する前に脱出に成功。こうして逃げ延びたのである。
「そしてオーロラカーテンの力に目覚めると同時に私は世界の管理者となる事を決めた。崩壊する世界を私が管理し、余計な世界を排除。これによって世界が増えすぎないようにする。……これこそが正しい世界の形なのだ!」
「……何わけのわからない事を言ってるんだ!壊される世界の人々はどうなっても良いのかよ!」
「俺っち達だって必死に生きてるんだ。そんな中、いきなりわけもわからないうちに滅ぼされる人々の気持ちがわかってるのかよ!」
「わかってるとも。言っただろう?私もわけのわからない内に己の世界を滅ぼされたと。そして小野寺ユウスケ。私は貴様にも失望した。何故ディケイドを最後まで疑い、徹底抗戦しなかった?」
鳴滝の目はユウスケへと向けられる。彼はディケイドの旅路の中で最初に訪れた世界の主人公だからだ。
「お前がディケイドを最初に潰さなかったためにディケイドは、門矢士は、世界を救うためにライダーと絆を結ぶ旅を進めたんだ!お前が最初にディケイドを倒してさえいれば……」
「そんな事言って、もし成功していたら今度はユウスケの世界を真っ先に滅ぼしたんでしょう?あなたが全て仕組んでおいて、上手くいかなかったのをユウスケのせいにしないでください!」
「だからこそ、今度は私自らが出ることにしたんだ。今度こそ、全ての世界を正しく破壊して並行世界を増やしすぎない方向にな」
鳴滝の信念は固かった。だが、その信念のせいで本来の歴史以外の全ての歴史と世界が危険に晒されている事になる。
「どうやら面白い事になってるね」
するとそこにふらっと先程ブルーバード本部に侵入していた男、海東大樹がディエンドライバーを片手にやってきた。
「大樹さん……」
「海東君か。その様子だと目的の物、ちゃんと持ってきたみたいだね」
大樹はその手にケータッチ似のアイテムを持っており、それを今回の雇い主である鳴滝へと見せた。
「まぁね。僕にかかれば簡単な仕事だったけど。それで、約束の報酬は?」
「ああ。これが門矢士の持っていたネオディケイドライバーだ」
鳴滝が持っていたのは士が粒子として消えた際に鳴滝が回収した門矢士のベルト、ネオディケイドライバーだ。
「ふふっ。士の持っていたディケイドのベルトだなんて最高のお宝じゃないか。じゃあ、約束通りこれと交換という事でね」
大樹はケータッチ似のアイテムとネオディケイドライバーを交換すると目的のアイテムを手にして笑みを浮かべた。
「……ふざけるな」
「ユウスケ?」
「アンタは士の仲間じゃなかったのかよ!士のベルトを手にして、それを自分のお宝だなんて!」
「士とは確かに仲間だったさ。でも、あくまで利害が一致したから共闘しただけさ。……現に士への恨みが全く無いかと問われれば答えはNOだしね」
大樹はここまでの旅路で士とはよく道がぶつかっていた。勿論共闘した時も多々あったが、敵対をする場面も少なくない。そもそも士と違って大樹は世界を救う事よりも世界のお宝を手にする事を優先する。だからこそ二人がぶつかる場面が多々あったのだが。
「……許さない。俺は士の気持ちを裏切ったアンタも、世界を滅ぼすために俺達を利用した鳴滝もだ!俺はもう誰かの涙を見たく無い。だから、究極の闇にさえも自分からなってやる」
ユウスケが腰の辺りに手を翳すと先程まで何もなかった場所にいきなり銀色のベルトに中央部が赤く光るベルト、アークルが出現。それからユウスケが構えを取る。
「私も戦います!キバーラ!」
ユウスケに合わせて夏海も変身に必要な存在であるキバーラを呼ぶ。すると小さな蝙蝠が声を上げながら飛んでくる。彼女こそがキバーラであった。
「呼んだ?」
「……鳴滝さんを倒します。力を……」
「うふふっ。残念だけど、それはできないわ。カプッ!」
その瞬間、いきなりキバーラは不意打ちでユウスケの首を噛むとユウスケの心臓がドクンと鳴る。
「……え?」
するとユウスケはいきなり近くにいた夏海へと殴りかかるとリバイが慌てて夏海を突き飛ばした。
「危ない!」
「ユウスケ……まさか、あの時と同じ……」
ユウスケは不気味な笑みを浮かべると同時にキバーラは今のユウスケがどういう状態か説明する。
「ふふっ。今のユウスケは私が洗脳を施したわ。……あの時と同じようにね」
「変身」
するとアークルに金色のパーツが自動で装着されると中央部が黒く染まり、それと同時に禍々しい黒いオーラに包まれてユウスケの姿が変化。黒い素体に胸、脚部、腕部、両肩に金色の刺々しい装甲が装着。頭部は金色の二本のクワガタの大顎のようなパーツが現れ、それも刺々しい見た目をしていた。目は黒く、これこそが小野寺ユウスケとしてのクウガの最強フォーム。ライジングアルティメットクウガである。
「……キバーラ、どういう事?」
「ずっとあなた達を騙してたって事よ。……元々私は鳴滝さんの部下みたいな物だしね」
「世界を破壊するという鳴滝さんの考えに従うっていうの?」
「そういう事よ。……じゃあね。夏海」
キバーラはそのまま鳴滝の肩に止まると鳴滝は笑みを浮かべ、そのケータッチ似のアイテムと共にオーロラカーテンを開く。
「……ひとまずは仕切り直しだ。このアイテムの凄まじい力、使わなければならないからね」
そのまま鳴滝はキバーラと共に去っていく。それと同時に大樹も一緒姿がブレたかと思うと時間停止を使用してその場から消えた。
「ッ!?」
「おいおい、アイツら逃げちゃったよ!?」
「今はあの二人の事は後だ。……究極には究極で対抗するぞ!」
「おうよ!」
バイスは自分用のリバイスドライバーを装着するとリバイがギファードレックスバイスタンプを出す。それと同時にクウガがアッパーを繰り出すが、リバイはそれを回避しつつアッパーでスタンプを分離してもらうとそのスタンプが飛んだ先にいたバイスがそれをキャッチ。二人でスタンプを起動する。
《ギファードレックス!》
《ビッグバン!Come on!ギファードレックス!》
《アルティメット アップ!》
二人で同時にスタンプを倒すとリバイとバイスの前に強化スーツが出現しつつ装着。そのまま二人同時にヘルメットを被る。
《仮面ライダー!(仮面ライダー!)リバイ!バイス!Let's go!Come on!ギファー!ギファー!ギファードレックス!》
「「行くぞ!」」
クウガが手を翳すと衝撃波がリバイとバイスを襲う。しかし、二人はそれを物ともせずに突撃。そのままクウガと交戦するのであった。
また次回もお楽しみに。