24枚のラスボスクラスのカードを取り込んだ鳴滝。その姿が変化していくと鳴滝は人間の姿を捨て、その体は漆黒のアンダースーツに身を包み、体には昭和ライダーのような大胸筋や腹筋のような六枚の筋肉のような造形で岩のようなパーツが存在。
両肩には巨大な長方形の灰色の岩のようなパーツがアーマーとして装着。腕には三つの長方形が斜めに並んだ造形で突き刺さっていた。両脚には腕同様に三つの長方形が斜めに突き刺さったようで膝には白く丸い装甲がある。更に両脚の腿には同じく灰色の長方形の装甲が正面に一つずつ。外側にも一つずつ存在。ただし、外側の方は脚に殆どが埋まっているためにほぼ表面が露出しているのみだ。頭部は鬼のような造形で二本のツノが存在し、ツノは黒い色合いだ。顔も色合いとしては灰色で全体的に地味なカラーリングとなっている。
ただ、特筆すべきなのが先程から体の至る場所に存在する長方形の岩のパーツ。これらには先程取り込んだ怪人の名前が刻まれている。右肩から右腕にかけてクウガ〜ファイズのボス。右脚の下から腿の正面にかけてブレイド〜電王のボス。右腿にはキバのボス。左肩から左腕にかけてダブル〜ウィザードのボス。左脚の下から鎧武〜エグゼイドのボス。左腿にはビルドのボス。胸から腹にかけては左側は上からジオウ〜セイバーのボス。右側は上からリバイス〜ガッチャードのボスの名がある。
これこそが鳴滝の究極の姿にして最強形態、名前は捻りも無くそのまま鳴滝究極体と言った所だ。
「これこそが私の究極の姿だ」
「マジか……」
「ちょっと、体の至る所に名前付きの岩とか墓石みたいで凄い気持ち悪いんですけど!」
「ああ。かなり醜い上にダサいから私もできる限りなりたくない」
「いや、普通にぶっちゃけたよ」
「だが、お前達を葬るのはここまでしないと無理と判断した。……文字通り死ぬ気でかかって来い!」
するとダグバの文字が発光するといきなりリバイ、バイス、アギレラの体が発火。燃え始めた。
「熱っ!?熱い熱い!なんで!?」
「これは、クウガの……」
「ふん。元を正せばクウガのあの力は究極の闇の力と同質の物。こちらが原点なんだよ」
すると今度はジョーカーの文字が光ると緑の斬撃波が飛んでくる。三人はそれを慌てて回避するが、それが飛んで行った先にある大岩が簡単に真っ二つに両断された。
「だったらこれで!」
《サンダーゲイル!》
《仮面ライダーリバイス!》
二人が融合するとリバイスへとパワーアップ。リバイスが超高速で接近するとリバイスラッシャーで斬りつけるものの、まるで通用しない。
「ッ!?」
「残念だなぁ」
すると鳴滝がリバイスの頭に手を置くとユートピアの力を発動。リバイスのというよりも一輝、バイスに存在する希望を吸収し始めた。
「あぐっ!?」
「お前達の希望を吸収して私のエネルギーにしてやる」
「ッ!させません!」
《必殺承認!メガロドン!スタンピングデストロイ!》
するとアギレラが水を纏って突撃すると接近しつつ手にしたサーベルで鳴滝を斬りつける。
「チッ……一気に勝てると思ったんだがな」
「ありがとうございます、夏海さん」
「いえ……」
鳴滝は今度はストリウスの力を使うと幻術によって三人に分身。それと同時に五冊の本が現れるとそこからエネルギーの衝撃波を放出。二人を簡単に吹き飛ばしてしまう。
「が……ああっ」
「強すぎます……」
リバイスはまだ戦えるようだったが、元々のスペック的に限界が近いアギレラの方は体から火花が散っていた。
「すみません、私はもう限界かもしれません……」
「夏海さんはここで休んでいてください。バイス、まだ行けるな!」
「当たり前よ!」
リバイスは飛び出すとまた高速で鳴滝へと突進。それに対して鳴滝はグリラスワームの能力を使うとクロックアップを発動。リバイスをも上回るスピードで接近すると恐竜グリードの破壊のエネルギーを纏わせた拳を叩き込む。
「あがあっ!?」
するとリバイスの装甲にヒビが入り、こちらもこの一撃でかなりのダメージが蓄積してしまう。
「リバイスが、こんなアッサリと……」
「お前達では私に勝つことはできない。私とは背負ってる物が違う」
「何だと!?」
流石に今の一言にはリバイスも看過できない。リバイスにだって背負う物はあるからだ。
「……私の元いた世界が崩壊し、その窮地から脱する際に手に入れたオーロラカーテンの力。私が偶然手にしたその力。だが、その時私は世界が次々と崩壊していくビジョンを見せられた。そして、目の前にある人物が現れたんだ」
その言葉を聞いたリバイスは目を見開く。そんなリバイスを他所に鳴滝は話を続ける。
「時間にして今から約五十年近く昔になるのか。それは君達仮面ライダーの祖である仮面ライダー一号の誕生に遡る」
〜回想〜
鳴滝の世界が崩壊した当時。鳴滝の前に映ったのは数々の世界が誕生してはそれが時を得るごとに無数に増えていき、容量オーバーとして維持できなくなった世界が次々とぶつかっては崩壊する様だった。
「そんな……世界が消えていく」
「このままではこれから先の未来。無数に増え続ける世界の影響で数々の世界が崩壊します。あなたにはそれを止めてもらう使命を授けましょう」
その男の顔は見えなかったが、まるで世界そのものを管理しているような感じであった。
「あなたは一体」
「なぁに、私はただの世界の管理者。とは言っても私が直接手を下す事はできないんですけどね。できる事と言えばこうやって世界が増えては消え、増えては消えを見るだけです。強いて名前を付けるとしたら……界神とでも言っておきましょうか」
自らを界神と名乗る男は鳴滝に力を授けた。世界を破壊するための力、今の鳴滝の究極体の力である。
「君には世界の破壊を防いでもらうため、不老の力も一緒に与えました。ただ、不死の力は私では与えられません」
「それは何故?」
「……創造は破壊からしか生まれません。だからこそ人々が破壊という名の死を迎え、それが新たな命として創造されるんです。私は世界が破壊され、創造されるのを管理する者。ですので破壊と創造の対象である人間に永遠の命なんてものは与えられないんですよ」
「……わかりました」
それから鳴滝は界神にやり方自体は一任されたためにディケイドを作るという考えに至り、今にまで繋がる。
〜現在〜
「私は世界の破壊と創造。その仕組みが滞りなく進むように世界の管理者に任された。だからこそ数々の世界の命を背負っている。お前達とは比べるスケールが違う」
鳴滝の言葉にリバイスは怒りを覚える。確かに鳴滝の背負う物は大きい。だが、幾ら数多くの世界の命運を背負っていると言われてもそのためだけに自分達の生きる世界を無条件に壊させるなどあってはならないのだ。
「俺達だってこの世界に必死に生きてるんだ。他の世界を回ってきたのなら知ってるだろ!世界に生きる人々やそれを守る仮面ライダー達の気持ちを!」
「ああそうさ!私だって救えるのなら全てを救いたい。仮面ライダーもそのために存在する素晴らしい物なのだから。……だが、全ての世界を残すなどそんな都合の良い事はできないんだ」
すると究極体の仮面の下に存在する鳴滝の顔が浮かぶと見るとそこに僅かに曇りの顔が存在していた。
「さて、雑談はここまでだ。お前達には消えてもらおうか」
そう言って鳴滝の目が光るとギフの力が発動。その手に禍々しいエネルギーが高まる。
「それは、ギフの……」
「せめてお前達を葬るのはこの力にしておいてやる。散れ、仮面ライダーリバイス!」
すると鳴滝が手を翳そうとした瞬間。近くに飛びながら浮遊していたキバーラが一度溜め息を吐く。
「……はぁ。鳴滝さんも不器用な人。仕方ないわね」
するとキバーラが鳴滝の体にいきなり入り込むと鳴滝はいきなり体に侵入されたキバーラの影響で攻撃がキャンセルされてしまう。
「なっ!?」
「リバイス、これを受け取りなさい!」
するとキバーラはその小さな体には似合わない力で鳴滝の保持していた試作品のケータッチを奪い取るとそれをリバイスの方へと投げる。それと同時に高速移動を終えたディエンドが到着するとアギレラへと叫んだ。
「夏メロン、ディケイドライバーをリバイスへと投げろ!」
「えっ!はい!」
実はディケイドライバーは狩崎から夏海の手に渡されていた。一応ディエンドもそれ自体は聞いていたのである。また、ディエンドは変身解除するとディエンドライバーをリバイスへと投げた。
「ちょ、ちょっ!ぶつかる!!」
するとリバイスのベルトに装着されているサンダーゲイル、投げられたディケイドに関連する三つのアイテム。更にギフのエネルギーが込められたギファードレックスバイスタンプが輝くと凄まじいエネルギーが発生。いきなり空間にヒビが入るとそこが崩壊。その衝撃波でリバイスは吹き飛ばされると変身解除。
「がっ!?」
「おー痛てて……いきなり何なんだよ」
空間が壊れて穴が開く中、その穴の部分を修復するようにオーロラカーテンが現れるとその向こうから一人の青年が現れた。そして、それを見るとアギレラも変身解除すると夏海の姿に戻る。
「嘘……どうして……士君!」
「……やっと出してもらえたようだな。時の狭間って奴から」
現れたのはマゼンタのトイカメラを首から下げた青年で大樹や夏海達が復活を待ち望んでいた人物。門矢士だった。
「馬鹿な……ディケイド……門矢士だと!?だが、あの時彼は確かに……」
「残念だったな。鳴滝。あの時俺はオーマジオウからの攻撃で粒子としてどの世界にも到達しない時の狭間に封印された。俺はオーマジオウに、真実のソウゴに生かされていたんだよ」
「まさか、強化されたディケイド、ディエンドのベルト、そして試作品ケータッチに眠る凄まじい力とこの世界のリバイスの力を合わせる事で物理的に空間に穴を開けたのか」
後は士自身の能力であるオーロラカーテンを使えば出る事は容易い。これにより、門矢士は完全復活を果たす事になる。
だが、これを達成するにはキバーラの協力無しでは不可能だった。この土壇場で余計な事をしたキバーラを鳴滝は咎める。
「キバーラ、お前は私の支配下じゃなかったのか!」
「ええそうよ。でも、今のあなたは私から見ても見ていられなかったからね」
「ッ……私はディケイドに助けなど求めない。アレは私が生み出した失敗作!そしてこの世界も常識から外れた欠陥品なんだぞ!」
鳴滝がそう言う中、そんな鳴滝の前に士、そして一輝、大樹、夏海が集結した。
〜BGM パラレルワールド〜
「話は全部聞いてたぜ。確かにお前から見たら俺達は欠陥品だろうな。だがコイツの言った通り、全ての世界の人々はその世界を、今を必死に生きている。それは欠陥品の世界だろうが完成品の世界だろうが関係無い。それを邪魔する権利はお前には無い!」
「ふざけるな!お前は世界の破壊者。それに私を葬れば、世界を正しく管理する者はいなくなるぞ!」
「管理だと?いつ誰がそんな事を決めた?世界の管理者なんて必要の無いものは俺が破壊してやる!」
そんな風に説教をしてくる士に鳴滝は憤ると彼へとお決まりの言葉を叫ぶ。
「門矢士……貴様は一体何なんだ!」
「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」
それから士、大樹が手を翳すと自身のベルトをそこに収める。それと同時にケータッチの試作品は一時的に士の服の中へと消えた。
「行くぞ、五十嵐一輝、五十嵐バイス!」
「「ああ!」」
それから一輝、士はベルトを装着。それと同時に夏海の元にキバーラが飛んでいく。
「夏海、お待たせしたわね。やるわよ」
「ええ」
《レックス!》
一輝はスタンプを出すとスイッチを押し、息を吹きかける。また、士は左側に存在する白い本のようなアイテム。ライドブッカーを開くと一枚のカードを手にする。大樹もそれを見届けてカードを手にし、夏海はキバーラを手にして前に突き出す。
《Come on!レ・レ・レ・レックス!》
《カメンライド!》
《カメンライド!》
士は横に引っ張って展開したディケイドライバーに、大樹はディエンドライバーにカードを装填して展開する。
「「「「変身!」」」」
そして一輝はスタンプを倒し、士はバックルを押し込んで閉じる。大樹はトリガーを引き、夏海が突き出したキバーラがキスをするようにしてエネルギーを纏う。
《バディアップ!》
「よいしょ!」
《ディケイド!》
《ディエンド!》
「チュッ!」
《オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》
すると士は自身の周囲に24の透明なライダーズクレストが出現。それがライダーとしての幻影となると士に重なり、モノクロの装甲を纏うとベルトから飛び出した赤いカードが士の顔に突き刺さるとモノクロの体に色が付与されて変身を完了した。
また、キバーラがキスをすると夏海の額に小さなハートマークが出現。それと同時に周囲に発生した無数のハートマークがその身に鎧として纏われ、変身した。
士の姿は両サイドにマゼンタのカラーリング、中央は黒で両脚の内側は白である。また、ディエンド同様に両脚には縦に線状の装甲が入り、両腕にもディエンドとカラーリングこそ白黒だが、同様の装甲を持つ。また左肩から胸部にかけて線状の装甲があり、それに交わるように左胸から下へと線の装甲が存在。腹には筋肉のような装甲があって右肩には完全に独立した線状の装甲があった。頭部はマゼンタの素体に緑の複眼。顔には幾つものカードが刺さった仮面ライダーディケイドとなる。
夏海の方は白を素体にしたカラーリングで胸部には紫の差し色がある。また、肩や襟にはぶら下がった蝙蝠の翼が展開したような形状の装甲が存在していた。更に他のライダーと比べると胸部や腰のくびれなど女性らしさが目立つシルエットになっている。顔は翼を広げた蝙蝠のような赤い複眼で女性らしさを押し出したキバと言ったイメージの仮面ライダーキバーラとなった。
そして、そんな二人と共にリバイ、バイス、ディエンドも揃い鳴滝の究極体と向かい合う事になる。
ディケイド編も佳境に入った今回ですが、実はこの作品、リバイスIFもとうとう記念すべき250話目を迎えました。この小説が執筆開始されてから実にここまで一年半以上かかりました。途中、更新が滞る所もありましたがここまで来れて良かったという気持ちが強いですね。まぁ、裏を返せばここまで書いているのに作品自体はまだ完結してないという事ですが。
今後もこの小説を楽しんでもらえると作者として嬉しいです。それではまた次回もお楽しみに。