仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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二人の士 誕生する遺影の破壊者

士の前に現れたダークディケイドの変身者こと門矢ツカサ。彼の正体はネガの世界の士だと言う。

 

「……お前がネガの世界の俺?」

 

「ああ。俺はお前の旅が始まったあの日。ベルトを手に入れた。だがあの世界の夏海とは知り合わず、ネガの世界のディケイドとして生きる事になった」

 

「……だったらどうしてあの時紅音也は俺にネガの世界の宝を……ケータッチを渡そうとした?」

 

確かにダークディケイドとディケイドではシルエットは同じだが、カラーリングが違う。普通なら別人として処理されるだろう。

 

「それは俺があの時、彼にあの世界の宝をお前に渡すように伝えたからだ」

 

「……何?」

 

「そもそもだ。あのケータッチは俺がネガの世界に持ち込んだんだよ」

 

話はツカサがディケイドライバーを手にした所にまで遡る。初めて変身した時は彼は通常のディケイドへと変身。怪人へと抵抗を試みた。しかしその中でツカサはネガの世界の音也と知り合い、友となったのだ。

 

「……元々俺はあの世界の人間に肩入れがあったわけでは無い。むしろ世界から嫌われてしまっている俺はあの世界から拒絶されていたんだ。だから、俺は無意味に人を救う事を止めた」

 

そして、彼はネガの世界の処刑人として君臨。表向きは音也ことダークキバが統率していたものの、ルールに反抗した怪人達を破壊するのがツカサの役目になったのだ。

 

「俺はそれ以来、滅多に街中へは出なくなった。だがそれでも音也曰く治安を守ってくれる怪人にとってのヒーロー。みたいには思われていたらしいな」

 

「……それで、ケータッチはどうやって手に入れた?」

 

「ふふっ。俺が世界を超えて大ショッカーから奪い取ったんだよ。完成したケータッチとコンプリートカードをな」

 

潜入した当初は士と同じ姿をしていたツカサの登場に大ショッカーは首領が帰還したと湧き立ったものの、彼は首領としての記憶を思い出していたためにケータッチを試運転すると言って手にした瞬間。そのままオーロラカーテンを使って逃げ出した。

 

「こうしてネガの世界にこのアイテムを持ち帰った俺だが、結局俺にケータッチは使えなかった。……ネガの世界に浸かりきってしまった俺には使用する権利が無くなっていたんだ」

 

その時、ディケイドライバーは黒く染まるとツカサは闇の姿であるダークディケイドへと変化した。それと同時に世界から受け入れられ、彼の存在はネガの世界の門矢ツカサという表記に置き換えられたのだ。

 

「……ちょっと待て。そう言えばお前、ケータッチは夏海の友達がタイムカプセルの代わりとして宝物として隠していただろ。それじゃあ時系列の辻褄が合わない」

 

「その通り。……だから俺はケータッチを音也へと渡した。“いつか、このアイテムを使うのに相応しい者がこの世界に来る。その時のための準備をしてほしいと”」

 

それから音也が考えたのは彼の性格に合わせたゲーム方式による宝物探しだった。彼の部下の中に時に関連する能力を持つライダー。仮面ライダーオーディンがいたので彼の能力としてタイムベントを使用。ケータッチを過去のネガの世界のどこかへと飛ばした。

 

「恐らく、それを過去の学生だった夏海とその友達達が拾って隠したんだろ。そして、俺はケータッチを預け、それを渡すのを音也に一任したのと同時期にネガの世界を去った。そこから先はお前の知る通りだ」

 

士はネガの世界が最初、自分の事を歓迎した理由を何となく察した。それは、士と全く同じ存在で最初は世界に嫌われていたはずのツカサがネガの世界に受け入れられたという経緯があったから。恐らく彼もそうなると世界が一度士を受け入れたのだろう。だが、士はそれを拒んだために世界はその本性を剥き出したというのが正しい解釈となる。

 

「それで、世界を去ったお前はどうしたんだ?」

 

「別に。俺はネガの世界に受け入れられた分、他の世界では余計に腫れ物扱いされるようになっただけだ。……幾つか俺の手で別のパラレルワールドを破壊したしな」

 

「そうか」

 

「それで俺は本来の歴史から捻じ曲がったこの世界を狙ったんだが……」

 

「見事に返り討ちに遭ったと」

 

その際にツカサは倒されて消滅。だが、今回士が復活する際に生じた凄まじいエネルギーが消え去ったはずの彼の存在を呼び戻した。

 

「……俺はあの時一度消えた。お前とは違って完全にな。だが、お前が一度死に、復活した時と同じだ。俺という存在を覚えてくれている人がいればそれを元に俺は復活ができる」

 

今回の場合はネガの世界に残してきた音也達がツカサを覚えていたからこそ今回の士が復活した際のエネルギーの影響を受けられたという事だろう。

 

「なるほど。ここまでの経緯は大体わかった。で、俺の事をどうするつもりだ?」

 

「……別にどうにもしない。強いて言うなら鳴滝って奴を倒すのに躊躇は要らない。そう伝えたいんだよ」

 

「それはお前が世界の破壊者としての役割を受け継ぐからか?」

 

「恐らくだが、鳴滝が消えても破壊者の存在は必要だ。そうしないと世界は崩壊を続ける」

 

ダークディケイドは、ツカサは世界の破壊という汚れ役を自分が引き受けると言った。それに対して士は一度溜め息を吐くと彼へと宣言する。

 

「だったら俺はこれから先、お前の事は気にしない。世界を破壊したければ勝手に破壊していろ。……それがお前にとっての旅路なんだろ?」

 

「ああ。そうだな。流石は世界が違っても俺その物だな」

 

二人は揃って不敵な笑みを浮かべるとツカサの姿はオーロラカーテンを通過するとダークディケイドの姿へと変化。そして彼は士へと背中を向ける。

 

「じゃあな。もう一人の俺、お前の旅路が良いものになる事を願ってる」

 

そしてそれと同時に士はディケイドの姿に戻ると先程まで戦っていた場所に戻る。

 

そこでは鳴滝の体に電流が走っており、彼は苦痛に顔を歪ませていた。これを説明するには話を少し遡る。

 

ディケイドがダークディケイドと話すために離脱するのと同時刻。鳴滝が手を翳すと地のエルの力として長剣が鳴滝の手に収まるとゴルトフェニックスの能力が発動し、逆の手に黄金の盾が武装された。

 

「はあっ!」

 

リバイがバイスを振るうと中距離から蛇腹剣としてぶつけるものの、やはり盾に防がれてしまう。

 

「だったらこれだよ」

 

《アタックライド!イリュージョン!》

 

するとディエンドが六人に分身。鳴滝を取り囲むがいきなり鳴滝の姿が消えると瞬間移動。

 

「なっ!?」

 

「まずは一人!」

 

鳴滝がゴルトフェニックスの能力で爆発する羽を飛ばすとディエンドを幻影諸共吹き飛ばす。

 

「がっ!?」

 

「大樹さん!」

 

「このっ!」

 

そこにクウガが殴りかかるとその一撃を鳴滝は盾で防ぐ。それでも盾は壊れない。スーパーライジングアルティメットの一撃のパンチの威力は120t。だが、ゴルトフェニックスの盾は最大200tまで耐えられる。ここまでの威力となるとリバイスがアルティメットリバイスにならないと通常攻撃での破壊は不可能だ。

 

「ユウスケ!」

 

そこにキバーラがクウガと入れ替わる形でサーベルによる斬撃をぶつけるも、やはりパワーが不足。逆に弾かれてしまう。

 

「だったら、バイスすまん!」

 

「えっ!?のわあっ!」

 

〜挿入歌 Treasure Sniper〜

 

リバイはバイスを投げ捨てると高速で移動。連続で鳴滝へと体当たりして少しずつダメージを蓄積させていく。

 

《オオムカデ!スタンピングフィニッシュ!》

 

そして、鳴滝の背後に回り込むと右脚に出現したオオムカデの無数の脚のエフェクトによって高まったエネルギーと共に回し蹴りを放つと鳴滝の手に持った盾を弾き飛ばす。

 

「ッ、私を甘く見るな!」

 

「今だ!」

 

《リミックス!バディアップ!》

 

「ちょっ!?体が勝手に!」

 

鳴滝が手にした長剣を振り下ろす瞬間。リバイがリミックスを発動。バイスがそれに反応して飛んでいくとバイスの頭部の大顎がリバイのマスクに合体。それと同時にリバイの頭部のツノが前に180°倒れると首と一体化。

 

そのままバイスがリバイの体に絡みつくように合わさっていくとリバイの上半身がバイスの体に存在する銀色の装甲に覆われる。

 

《必殺!拘束!猛毒!オオムカデ!》

 

その姿はまるで仮面ライダーカブトのマスクドフォームと酷似していた。相違点は額にあるバイスの顔と左肩にあるカブトのライダーズクレストがオオムカデバイスタンプの物になっているという点である。

 

「ッ!?カブトのプットオンだと!?」

 

これによりリバイスオオムカデと呼ばれる形態に変化。尚、ヘッジホッグゲノム同様にシルエットは完全に人型だが……。

 

すると背中の装甲からオオムカデの脚が展開されるとリバイが鳴滝を後ろから拘束。それを補助するように鳴滝を抑え込んだ。

 

「ユウスケさん!」

 

「チッ!?この程度……があっ!?」

 

すると拘束の際に使っている脚から麻痺の猛毒が流し込まれると鳴滝は動きが一時的に鈍ってしまう。そして、この状況はディエンドが狙っていた展開だった。

 

「ユウスケ君、今だよ!」

 

「おう!」

 

するとクウガが構えを取ると走り込み、右脚に強力な封印のエネルギーが流れ込む。それから彼が跳び上がり、ライダーキックを鳴滝の右の腹の辺りに存在するウロボロスと書かれた石板の装甲へと命中させた。

 

「はぁああっ!」

 

そのライダーキックによってウロボロスの石板に封印のリント文字が浮かび、石板がそこだけヒビが入ると粉砕された。

 

「こ、これは……」

 

それからリバイが鳴滝から離れるとリミックス解除。レックスゲノムに戻る。

 

「これが僕の狙い。スーパーライジングアルティメットの必殺技、“スーパーライジングアルティメットピンポイントキック”。この技なら君の持ってるウロボロスの力をピンポイントで封じ込められると思ってね。上手く行ったようだ」

 

「って事は……これでアイツを倒せるって事?」

 

「そのようだな」

 

「士さん。どこに行ってたんですか?」

 

リバイがそう聞くものの、ディケイドはそれに答えない。するとやっぱりクウガが一言言いたいのか代わりに声を上げる。

 

「あのさ、前々から思ってたけどその技名長すぎない?もっと短くアルティメットキックで括るのじゃダメなの?」

 

「それだとアルティメットクウガと差別化できないだろ」

 

「僕に文句を言うのはやめてくれたまえ。最初に言い出したのは士だ」

 

そんな風に言い合うクウガ達。そんな彼らに対して鳴滝はギフの能力である回復能力である程度傷を治すが、やはりウロボロス由来の能力は封印されて使えなくなっている。

 

「おのれ……まだだ、私は倒れない!」

 

そんな中、ディケイドからいきなり二つのデバイスが飛び出す。それは彼が元々持っていたケータッチ21、そして新しく手にしたケータッチの試作品だった。

 

「何だ!?」

 

それと同時にディケイドライバー25、ディエンドライバー25が共鳴。二つのケータッチが融合すると古びた試作品のケータッチの外面が剥がれるとその表面が剥き出される。

 

そのデザインは最初のケータッチと同じく黒をメインにしたカラーリングでディケイドの顔を横にしたような造形である。ただ液晶部が従来の物よりも横に広くなっており、その分コンプリートカードを装填するための入れ口が無い。

 

「これ、カード無しでどうやって……」

 

ディケイドが画面を見るとその瞬間、いきなり画面が光ると25の数字が浮かび上がると音声が鳴った。

 

《ケータッチ・25!》

 

「ッ!?」

 

「思った通り。それはやっぱり君の顔を認識して一つ目のロックが解除するみたいだね」

 

「なるほど、顔認証式のロック解除か。で……」

 

すると今度は一昔前のスマホにあった一筆書きで解除するような9つの点が出現する。

 

「そうか……思い出したぞ……確かこうだ」

 

ディケイドが左上のボタンから下に三つ、右に二つ、上に二つ、左に一つ、最後に中央部の点を次々に押していく。点が押される度に音声が鳴るが、それは一つの点を押すごとに三人分のライダーの音声が鳴った。

 

《クウガ・アギト・龍騎!ファイズ・ブレイド・響鬼!カブト・電王・キバ!ダブル・オーズ・フォーゼ!ウィザード・鎧武・ドライブ!ゴースト・エグゼイド・ビルド!ジオウ・ゼロワン・セイバー!リバイス・ギーツ・ガッチャード!ファイナルカメンライド!》

 

音声が最後まで鳴ると点が四角い九つのアプリのようにチカチカと光っていく。ディケイドは九つのアプリの隣に存在する四角いアプリの中に描かれたFの文字を押す。

 

《ディケイド!コンプリート25!》

 

ディケイドはそれからディケイドライバーのバックルを分離。すかさずケータッチ25を装着すると白いバックルをベルトの右側に装着する。

 

するとディケイドのライドブッカーから飛び出した25枚のディケイド以外の最強フォームのカードがディケイドの体の至る場所に張り付いていくと最後にディケイドのコンプリートフォームのカードがディケイドの額に張り付くと同時にフォルムが変化。

 

最後にマゼンタのマントが垂れ下がるとクウガ〜ガッチャードのライダーの力を網羅したディケイドの最強の姿であるコンプリートフォーム25へと変身するのであった。




また次回もお楽しみに。
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