仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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破壊者の旅立ち 新たなる事件の前触れ

鳴滝は倒され、戦いは終結した。それから変身解除した一同。そんな中、士は鳴滝が使っていたチューリップハットを拾うとそれを一輝の元に持って行った。

 

「一輝。これはお前達が持っていろ」

 

「えっ……鳴滝さんとは士さんの方が……」

 

「いや、アイツはこの世界を自分の旅の終着点として選んだんだ。……ここでゆっくり眠らせてやってくれ」

 

そのまま士は歩いていく。そんな士の背中を見ながらバイスは声をかけた。

 

「おい!もう行っちゃうのかよ!」

 

「この世界で俺達のやるべきことは終わったんだ。……俺達の旅はこれから先も続く。ずっとこの世界にいるわけじゃない」

 

「……だったら、せめて幸せ湯に一度来てください。待ってますから!」

 

士の姿がそのまま遠くなっていく。そんな風に助けてもらったお礼も無しに勝手に行ってしまった士見て慌てて夏海とユウスケが一輝へと謝罪をする。

 

「慌ただしくてごめんなさい。それと、助けてもらったのにお礼も言わずにすみません。後で士君にはよく言って聞かせるので!」

 

「今回はこっちの都合に巻き込んでごめん。アイツ、自分を助けてもらった相手にお礼も無しかよ……。相変わらずだなぁ」

 

「いえ、俺達は大丈夫です。……また機会があったらこの世界に戻ってきてください。いつでも待ってますから」

 

その言葉に二人は頷くと二人が頭を下げてお礼を言ってから士の後を追う。そんな姿を見ていた大樹もこれ以上はここに用も無いとこちらもさっさと去っていく。

 

「……さて、この世界での目的は達成だし。折角だからこの世界のお宝は何かしら貰っていくとしよう」

 

ただ、大樹としては何も盗らないでこの世界を去るのは物足りないのかこの世界を出る前に何かしら手に入れるらしい。恐らくそのお宝を探しに行くだろう。

 

その後、一輝はガンデフォンを使って戦いの終結を報告。ブルーバードでは今回の事後処理を行う事に。

 

「えっ、もうユウスケさん達行っちゃったの!?」

 

「士さん、助けられたお礼とか何も言わずに行ったのか……聞いてた通りの人だな」

 

「でも、俺達はお礼を言われるために戦ったんじゃないし。助けられて良かったよ」

 

「やれやれ、一輝のそういう所も変わらないよなぁ」

 

「ひとまず、防衛戦をお疲れ様だ。この先の事後処理は俺達ブルーバードの仕事。一輝、さくら。二人は戻って休んでくれ」

 

それからブルーバードの隊員では無い一輝とさくらは幸せ湯へと帰り、大二やヒロミ達は戦いの後の事後処理へと突入する事になった。

 

数日後。スカイベースではヒロミ、大二、光の三人が今回の戦いで受けた街への被害やその復興などの指示をあらかた終えると、現場ではブルーバードの指導の元で復興の作業を始める。

 

「今回の被害もそれなりに大きかったな。だが、むしろ鳴滝の規格外の力を考えれば抑えた方にはなるのか?」

 

「それにしてもあの後本当にさっさといなくなっちゃいましたね」

 

「……士さん達か」

 

戦いが終わり、別れた士達はあの時以降姿を見せることは無かった。もうこの世界にはおらず、新たな旅のために次の世界に行ったということだろうか。

 

「でも、せめて別れの挨拶ぐらいはしてくれても良かったんじゃ……」

 

「ノープロブレム。三人共。……まだ彼等はこの世界からいなくなってないみたいだよ?」

 

それから狩崎がとある映像を見せるとそこには未だに存在する士達の拠点。光写真館が存在していた。

 

「ッ……」

 

「えっ!?」

 

「どうして……」

 

「ま、向こうも向こうでこの世界がそれなりに居心地の良い世界だと思ってくれたんじゃない?」

 

狩崎がそう言ったのと同時刻。幸せ湯でいつも通り働いている一輝、さくら。そして限界突破チャレンジをする元太と撮影者のぶーさんが銭湯のロビーにいるとそこに三人の客がやってきていた。

 

「いらっしゃいませ……って、士さん!?」

 

「よっ。折角だから銭湯に入りに来てやったぞ」

 

「士君?もう一回やられたいですか?」

 

「ちょっ、止めろ夏ミカン!」

 

「やっほー。俺もいるよ」

 

「夏海さんにユウスケさんも……」

 

士達はもう既に次の世界へと旅立ったと考えていた一輝達は驚きを隠せなかった。するとユウスケが事情を説明する。

 

「実は、あの日光写真館に帰った後にさ、色々あってね」

 

〜回想〜

 

「……戻ったぞ」

 

士が中に入ると奥の部屋にいた白髪の眼鏡をかけた穏やかな雰囲気の老人が士の方をゆっくりと振り返った。

 

「……!お帰り、士君」

 

「じいさん、まだ生きてたんだな……」

 

士を出迎えた老人の名は光栄次郎。夏海の祖父である。士が旅を初めてから15年も経ったため彼はもう年齢的にかなりの歳のはずなのだが、未だにここに残っていた。

 

「歳になった私だけどまだまだくたばるわけには行かないからね。……まぁ、昔と比べて体は全然動かないけれども」

 

それから士がカレンダーを見ると2023年となっていた。士が真実のソウゴに時空の狭間に閉じ込められた時から約二年もの月日が経過していたのだ。その二年という時間だけでも高齢の栄次郎が亡くなる可能性が高いのだが、彼がまだ生きているという事で士は驚きを隠せなかった。

 

「そうか……」

 

「士君、鳴滝君が亡くなったようだね」

 

「……どうしてそれを……ッ!?」

 

するとそこにいたはずの栄次郎の姿が透け始めていた。それと同時に二年前には無かったはずの仏壇が存在しているのを見てしまう。

 

「じいさん……アンタまさか」

 

「……やっぱりこれは隠せるものじゃないね。お別れの前に士君にもう一度言っておこう。どんな旅にも無駄はないよ。どんな人生にも無駄がないのと同じようにね……勿論、君の人生にも。君の旅が良い物になる事をあの世から願ってるよ」

 

その言葉を最後に栄次郎の姿は完全に消滅。それを見届けるとそこに後からやってきた夏海とユウスケが来た。

 

「……夏ミカン。じいさんはもう」

 

「……はい。亡くなりました。士君が囚われてから少し後に」

 

「話してくれ。俺がいなくなってからの二年であった事を」

 

それから三人は沢山の話をした。士にとっての空白の二年の出来事、それと同時に今までの長い長い旅路についても。

 

「夏ミカン、ユウスケ。あと少しだけこの世界にいても良いか?」

 

それから三人は未だに次の世界にはいかずにこの世界に残った。そして、せめて助けてくれたお礼と別れの挨拶はちゃんとした方が良いと士達は幸せ湯にやってきたのである。

 

それから三人はお金を払い、温泉に入るとスッキリとした状態で風呂から出てきた。

 

「なかなか良いな、ここの温泉。俺が回ってきた世界の中でもトップクラスだ」

 

「そう言ってもらえると光栄ですよ……これからどうするんですか?」

 

「まだまだ世界を旅する。俺は世界の破壊者だが、それは物理的に世界を破壊する以外の意味もあると思ってる」

 

「それは、歴史の転換点としてですか?」

 

「ああ。俺達が関わる事で違う道を歩む奴等もこれから出てくるだろう。だが、それでも俺達の存在する意味を探してこれからも旅は続く。それが俺達、ディケイドの物語だからな」

 

そんな風にキメたようなキザな顔つきでそう言うといきなり彼のとあるツボが夏海によって押された。

 

「あははははっ!?な、夏海!俺がカッコよく決めたのに邪魔すんな!」

 

「今の何!?何が起きたの!?」

 

「光家秘伝の笑いのツボです。士君はもうちょっと一輝さん達に感謝の気持ちを持ってください」

 

そんな風にいる姿を見て一輝達は笑う。そこにはブルーバードから戻ってきた大二達もおり、一同は笑顔に包まれた。

 

「……さてと、そろそろ俺達はこの世界から旅立つ」

 

「士さん。……またいつかこの世界に来てくれますか?」

 

「ああ。ただ、本当に通りすがるだけかもだぞ。何しろ俺は通りすがりの仮面ライダーだからな」

 

「それでも、歓迎します」

 

「そうか……じゃあ、またいつか会おう」

 

その言葉を最後に士は笑みを浮かべるとそのまま幸せ湯から出ていく。その姿に夏海、ユウスケも頭を下げると幸せ湯から去って行った。

 

その姿を見届けた一輝達は笑顔でそれを見送った。またいつか、彼等がこの世界を訪れるその日を信じて。

 

少しして光写真館に戻った三人の元に大樹が先客として入っていた。そんな彼の顔は上機嫌である。

 

「海東、どうしたんだ?そんな顔をして」

 

「ふふっ。僕の探していたお宝が見つかってね。帰る前に手に入れてきたのさ」

 

それから大樹はニコニコと笑った様子でバッグからそれを取り出すとそれは一つのバイスタンプだった。

 

「これが僕のお目当ての物。リブデビルバイスタンプ。他のリバイスの世界には存在しない一級品のお宝……あれ?」

 

大樹が出したのはブルーバードから盗んだリブデビルバイスタンプ……では無く、青をベースに黄色いレックスのレリーフが入った別のバイスタンプだった。

 

「これは?」

 

大樹が試しにスタンプを押してみるとリブデビルバイスタンプとは別の音声が鳴り響いた。

 

《トイザウルス!》

 

このスタンプは大樹がお目当てにしていたリブデビルバイスタンプでは無く、トイザウルスバイスタンプという玩具の完全なネタバイスタンプだった。

 

「……トイザウルスって、玩具じゃねーか!あははっ!お前、珍しくパチモノを掴まされてるな」

 

「馬鹿な……確かにブルーバードから……」

 

するとトイザウルスバイスタンプの裏に小さく貼り付けられていた紙を見るとそこには狩崎からの文章があった。

 

“悪いね、コソ泥棒さん。そう何度も何度も好き放題されてはブルーバードの面子が丸潰れだからね。代わりにそのスタンプをあげるよ。このスタンプも他の世界に存在しないお宝。君にピッタリさ。じゃ、またいつか会おう。アデュー”

 

と言った感じで完全に狩崎にしてやられた形の大樹は不機嫌になってしまうとまだ今ならリベンジできると出て行こうとする。

 

「あら〜?大樹ったら盗みに失敗したってね〜。でも残念。もう移動の時間よ」

 

大樹が出る前にキバーラが背景ロールを弄るとそれはまた別の世界へと変わった。そのカーテンに描かれているのはゴージャスな黄金に輝く世界で無数の敵兵の向かう先に存在する一人の黄金のディケイドのような戦士であった。

 

「これって……何の世界だ?」

 

「……前に助けたあの坊主の世界か。要するにピンチになっている坊主を救えって事か……面白い」

 

ディケイドの、士達の旅はこれからも続く。その旅路の終着点は未だにわからない。

 

「……鳴滝、俺は通りすがりの仮面ライダーだ。俺だって全ての世界を救うなんて都合の良い話はできない。だからこそ俺は通りすがった世界でやるべき事をやってやるさ。お前もそうやってやれる事をやってきたんだろう?」

 

それから士達は新たなる世界……レジェンドの世界へと移動。それから彼はその世界でデイブレイクがやってきた世界線のオリジナルのガッチャードの世界での事件に加勢していたレジェンドを発見。オーロラカーテンで自分の元に呼び寄せると彼に再び立ち上がらせる力を与えるのだが、それはまた別の話となる。

 

再度場面はリバイスIFの世界へ。ブルーバードの遺伝子研究所では市村がユウスケへの電気ショックをする事で得られたデータを見て笑みを浮かべていた。

 

「ふふっ……なるほどなぁ。彼の体組織は私の目指す実験のためのデータとして大いに役に立ちそうだ。……前に高田の野郎が起こした事件で彼のアジトから密かに奪ったクローンライダーシステムのデータもある。……これで私の研究が捗るぞ」

 

そんな彼のパソコンの中に表示され、存在していた画面にはヒロミの人体的な構造のデータが全て事細かく存在しているのだった。




今回で消えた世界の破壊者編は終了となります。次回からはお待たせしました。ようやく、ようやくリバイスのVシネとなるライブ&エビル&デモンズ編へと突入します。それではまた次回の更新も楽しみにしてください。
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